【科捜研の女 2022】第9話(最終回) 感想

科捜研の女
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最終回 -50℃冷凍マリコ!! 最終決戦ついに完結

ゲスト:石黒賢、福士誠治、篠原真衣、加藤英美里

脚本:櫻井武晴
監督:兼﨑涼介

 なんで最終回から10日以上経ってから投稿するのかって?
 1年の最後を『科捜研』で締めたかったからだよ。
 (嘘です。ただ単に仕事納めが遅かっただけです)

あらすじ

ビルの室内で女性が凍死!夜も気温10℃前後はある建物のはずだが、一体何故!?実はそのビル、かつて天才物理学者・古久沢(石黒賢)が秘密裏に研究を続けていた場所。そんな中、凍死の謎を追っていたマリコや君嶋(小池徹平)は“ある仮説”にたどり着く。その仮説を可能にするには、古久沢の技術が必要不可欠と分かり…。ついに最強の敵・古久沢との最終決戦!衝撃の結末とは…!?マリコが史上最大のピンチに…!?

見どころ

◆最終回の死因は凍死

 初回の屋外焼死⇔最終回の屋内凍死で謎に符合してるのが、なんかオシャレ。

◆奥居さん、あんた重要人物だったんかい!

【科捜研の女 2022】第3話 感想
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 事件に直接関係しているというよりかは、今回の動機を作ってしまった遠因になった感じ。
 とはいえ、その動機も正直逆恨みだとは思うけども。奥居さん、正直今回はとばっちりだよな……

◆科学者3人に置いていかれる蒲原刑事

 スマホのバッテリー絡みの話。完全に置いていかれている。
 「ああ……」じゃないんですよ。
 蒲原刑事って、もう7年も科捜研に出入りしている割にはあまり科学知識に詳しくなっている素振りがないよな。自称「科捜研担当」なのにw 土門さんも昔は本読んで科学捜査の勉強してたし(あれはパラレル? 知らんなそれは)、もうちょっと勉強した方がいいぞマジで!

◆古久沢さん、喋らん方がええな……

 5話でも思ったけど、古久沢さんは喋る度にキャラの格を落としてた感じがする。なんなんだこれは。初回の時はもうちょっとマシだったと思う。
 君嶋さん相手に喋ってても小物臭がするセリフを言いだした時はどうしようかと思った。結果的に自分勝手な殺人犯だったので納得感はあるんだけど、それにしてもなんでこんな小物になっちまったんだ……「喋らん方がいい」なんて、ミステリードラマの敵役に思う感情じゃないんだよなぁ。

◆加藤英美里キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 声優さんです。衣装は『魔法少女まどかマギカ』のキュゥべえをイメージしたものだそうです(御本人のTwitterより)。
 さすがに普段アニメで聴く声とは違ったけど、土門さんの言葉責めに「やめてください!」って言ってたところは『化物語』の真宵ちゃんっぽかった。
 土門さんの言葉責め、ホント酷いなと毎回思うw 事件捜査になるとドSになる土門さん。意地の悪い土門さんを楽しむなら櫻井脚本みたいなところ、ある。

◆ミルシート

 鋼材検査証明書のことで、鋼を作っているメーカーが、その品質を証明する書類。なんだとか。

宇佐見「残念ながら、ミルシートのデータベースはありません」
ふたり「えっ……?」

 ここのマリコさんと日野所長が同時に宇佐見さんを見やってたの、かわいかったw セリフも行動もあってる。さすが息ピッタリだな。

マリコ「ということは、日本中……いや、世界中のメーカーからミルシートを取り寄せて、目で確認すれば済む話ね」
日野 「……何? それ……怖い……その作業、怖い!」

 マリコさんは落語は嗜まないと思いますが、その言い方だと「まんじゅうこわい」にしかならない不思議。日野所長、わざとやってない?
 そしてマリコさんがこんなことを本気で言ってるのかという疑問を抱く新規視聴者には、「そうです。これが榊マリコなんです」としか言いようがない。一度決めた目的のためには、手段を選ばない(科学的に)。それがマリコさんなんです。

風丘 「まいど! 何が怖いって?」
日野 「マリコくんが怖いの! あっ、いらっしゃい」
風丘 「それは……今に始まったことじゃありません」
日野 「おっしゃる通り」

 マリコさんの二大被害者が口をそろえて言うと、重みが違いますな。

◆古久沢「君ら科捜研に抗議する」

 暇じゃないのに、わざわざ抗議のためにいらしてくださったんですか!? ずいぶんお時間あるんですね!
 なんてことを言うひろゆきみたいな性格のヤツがいなくてよかったな、古久沢さん。なんか浄化される前の奥居さんと古久沢さんをぶつけてみたい衝動に駆られる。「科学者が力を発揮できるならどこの国でも構わない」理想は同じでも、性格は案外合わなくて、就職先の紹介の話はご破産になるんじゃないかこのふたりw

◆古久沢vs君嶋

 自分の仕事がどういう結果に繋がるのか。それを考えるのは科学者だろうがなんだろうが仕事をする上で当然じゃなかろうか。その対価にお金をいただいてるわけで。
 古久沢さんは仕事としての科学をやってないんだろうか。科学をお金をもらうための手段にしろとまでは言わないけど、あれだけ「科学に対する評価」を気にする割には、その先を考えられてないよなぁって思う。
 極端に言えば、どんなに素晴らしいものができても相手側が評価しないとお金がもらえないのは当然なわけで、それが資本主義社会なわけでしょ。古久沢さんはそんな現代の社会そのものを憂いているんだろうけど、その時、「自分の仕事はどうだったんだ?」と振り返ることができていないんだよなぁ。相手を責めるばかりで、相手の都合とか事情とかそういうものがない。
 相手の考えを「濁っている」と断ずるその独善性、めちゃくちゃ怖い。怖いと思わせるのはラスボスにふさわしいのに、なのにこの隠せない小物臭さはなんなんだぜ……

◆君嶋「殺害の手口なら、もうわかりました」

 わかっているのに、物語のクライマックスに向けてあえて黙っておく君嶋さんは「粋」である。いや知らんけど。でも警察関係者なら、とりあえず報告はしておこうか。

◆君嶋「ミルシートは僕と所長に任せて」

 さらっと日野所長に死刑宣告する君嶋さんにワロタ。君もだんだん、この科捜研に染まってきてるなw
 まぁ日野所長は、現場の隣の部屋のゲソ痕鑑定で忙しくなったので、ミルシート照合には手が回らなくなったんですが。日野所長、セーフ!

◆ドジっ子蒲原刑事

 ミルシートをぶちまける。おかげで早いところ見つかったみたいなところがあるので、ファインプレーではある。
 でもホント、蒲原刑事はどんどんかわいい存在になっていくな。君、それでいいのか。私は微妙なところだと思います。

◆謎のスロー

 兼崎監督の趣味ですか?
 女性が男性の手を握り、耳元に口を寄せる。時代とドラマが違えば、このふたりならラブストーリーになってたんだろうにな。

◆古久沢「優秀な科学者は、人として優遇されるべきだ」

 だから逮捕されない特権持たせろとか、小物が過ぎるセリフを言い始めた。もうアカン。絶望や。そんなことを言い逃げしていくとは思っても見なかったぞ。
 ホント、どこで道を間違えてしまったんだ古久沢さん。初回の頃は、もうちょっと大物っぽかったと思うんだけどな……

◆マリコさんのハイパーボイス!

 叫んだ理由、一応ちゃんと本編内で説明されてたのに、私以外にも茶化されてて可哀想。
 今、ポケモン内で最もハイパーボイスを使うのはニンフィアだと思うが(金策ニンフィアうめぇ)、まぁ確かにマリコさんもフェアリーっぽさあるので間違いはないと思う。何の話をしているんだ。
 古久沢さんを罠に嵌める際、マリコさんが古久沢さんの手を取る必要は特にないと思うのだが、あえてそうしたのはマーちゃんの意地の悪さだと思ってる。捜査になるとドSになる主人公コンビ。やめなよ。

古久沢「警察にいると、科学者も芝居ができるようになるんだな」

 マリコさん仕込みはちょっと話が違うんで……普通の科捜研の人はできないと思います。S21で出てきたアベンジャーズの皆さんとか。

◆土門さんのお姫様抱っこ

 土門さんがぼそっと言ってるのは「しっかりしろ」かな? 懐かしのS6-9でも言ってましたね。考えてみれば、あの回は灼熱回だったので、今回とは初回と違う意味で符合している。オシャレ。
 この演出を加えたのはたぶん兼崎監督ではないかと思う。私が勝手に彼のことを橋本監督(S6-9の演出担当)の後継者だと思ってるからなんだけど、合ってたらいいなぁ。
 土門さん、もとい内藤さんはお姫様抱っこの際、沢口さんを落っことしそうになったらしいw
 次回のお姫様抱っこ(あるのか?)に向けて腕力を鍛え直すそうですが、そもそももう四捨五入したら70歳なのに、いくら細くて軽いとは言え女性をひとり抱えられることがすごいんだよな……内藤さん、マジで石井さん(蒲原刑事)より力強そうに見えちゃうしなぁ。元気でいいことだ。

◆古久沢「自分たちがした『正義の選択』に、未来永劫苦しめばいい……」

 私には「自分はもっと評価されるべき! 自分を正しく評価しない日本死ね!」っていう、Twitterでハッシュタグ作って息巻いてる人と同類にしか見えないんだけど、間違ってないよね? 要するに逆恨みの呪い。
 そんな彼のことを最後まで「科学者」と呼んであげるマリコさんは、優しいのかなんなのか……断罪してほしいわけでもないが、でももう彼は科学者でもないだろ。ここまできたら。

◆未来の花を咲かせよう

土門 「いつも思うが、あんなことして、怖くないのか?」

 あ、一応心配はしてくれるんだ土門さん。優しいね。

マリコ「今回は、これのおかげ」
土門 「……手紙?」
マリコ「文科省の科学教育官になった、呂太くんから」

 なんでも、子どもたちと一緒に「氷の花」を咲かせたんだとか。

手紙 「それを見た時の子どもたちの『すごい』『なんで?』『もっと知りたい』に共感しながら、一緒に進みたいって思ったんだ。いつか子どもたちの『もっと知りたい』が進化して、僕の理解を追い越したとしても、その時の気持ちだけは持って進化していって欲しい。その先に、きっと明るい未来があるはずだから」

【科捜研の女 2022】第1話 感想
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 初回感想時点で、「未来の花」というキーワードを出していた自分に惚れた。さすが私!
 いやあの、冗談ですよ。
 急に卒業しちゃった呂太くんだけど、そのフォローをするかの如く大活躍。いなくなっても尚、主人公を支える仲間の存在……ジャンプ漫画じゃん!
 考えてみれば、科学技術は決してひとりでできるわけではなく、たくさんの支援が合ってできること。有名漫画『Dr.STONE』でも言ってましたね。「科学はマンパワーである」と。
 つまりは、仲間の存在こそが鍵になる。それを見失ってしまった古久沢さんが敵役になるのは、当然のことなのかもしれません。
 やっぱり『科捜研』はジャンプ漫画だったんだな。そう読み解くと、めちゃくちゃわかりやすいな……古久沢さんとは、鬼舞辻無惨だったのだ。

◆土門さんの腕時計

 動いた!!!!!!!
 科学の未来に、少し展望が見えたからだろうか。
 願わくば、誰かのためにある科学に、明るい未来があらんことを。

雑感

 もう何度も言ったけど、古久沢さんが小物過ぎてヤバかった。
 最後、子どもの未来のために頑張る呂太くんや、彼からの手紙をお守りにして体を張るマリコさんと比べられちゃって、その小物臭さが際立っちゃってねぇ。己の中に自分の世界しかない、他者が存在しないことって、こんなにヤバいことだったんですね、とわかる。
 描き方からして古久沢さんの行動や極端な思想は否定されるべきとして描かれてたと思うんだけど、それにしたって問題提起の意識は合ったはずなんだから、もっとこう……彼の思想を飲み込みやすく描いてほしかったかな感はある。そうすると彼の思想に染まる人が出てきて危険、みたいな話なんだろうか。いや、難しいっすな。
 私はトリックとかには殆ど興味なくて、そのキャラがどう描かれるかに興味があるキャラ派の視聴者だからこう思うのかもしれないけど、最終回としては結構ガッカリな話でした。古久沢さんがこんなに小物になっちゃうなんて、初回の頃は予想してなかったんだよ……
 ジャンプ的なわかりやすさを重視して、古久沢さんが鬼舞辻無惨になっちゃうのはちょっと、悲しかったです。劇場版の加賀野教授の方が、ラスボスっぽかったよなぁ色々と。アレをTVシリーズでやるのはやっぱり難しいんだろうか。うーん。切ないぜ。

 兎にも角にも、3ヶ月間ありがとうございました。またお会いできることを。

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