【科捜研の女 season23】第8話(最終回) 感想

科捜研の女
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【最終回】鑑定ミスが招く連続殺人!? マリコ、最後の鑑定へ…

ゲスト:羽瀬川なぎ、中田喜子、須賀健太、金井勇太

脚本:櫻井武晴
監督:兼﨑涼介

 サブタイの鑑定ミスはなかった。捜査ミスはあったけど。

あらすじ

滋賀で強盗殺人を起こした男が、京都で殺された。京都府警と滋賀県警は合同捜査を開始。滋賀県警の八木下刑事(須賀健太)や、エンジニアの板東(金井勇太)の協力を得て、男の足取りを追う事に。一方科捜研では、滋賀の科捜研研究員・芦名瑞希(羽瀬川なぎ)が訪ねてきた。彼女はマリコに憧れ、母(中田喜子)の反対を押し切り、科捜研の道に。マリコたちの鑑定にも参加する。やがて新たな事件が発生!マリコに非難の声が浴びせられ…!?

見どころ

◆八木下警部補

 ミスリード役にもなれなかった哀れな刑事さん。ぶっちゃけ、今回の主犯はコイツでいいだろレベルでポカやっていた。
 おそらく、これが滋賀県警じゃなく京都府警だったら、佐伯本部長が美しいハゲを惜しまれながら退任していたレベル。というか、普通にトップの首すげ替わるレベル。お前、なんだったんだ……

◆今回は無茶ぶりがない! と思ったら

マリコ「あっ! 風丘先生にお願いするの忘れてた……」

 忘れてただけかーい。そりゃ日野所長も「なんで先生にお願いするの。自分でやりなさい!」って小学生の宿題の話みたいな怒り方する。
 結構真面目な話として、「風丘先生への無茶振り」を、そのやり取りを面白くできないのにノルマ的に入れられても割と興ざめするんだよなみたいな話はある。風丘先生を出演させるノルマ的な話もあるんでしょうが、毎回毎回風丘先生への無茶振りを入れなくてもいいのよ、とは思ってる。
 そこらへん、上手いのは岩下脚本なんだよなぁと今期も登板がなかったことをぐぎぎと悔しがってます。『相棒』さんでは摂取できない、ロマンを科学でぶっ飛ばしながらもロマンティックな『科捜研』を描いてくれる岩下脚本が観たいよぉ、頼むよぉと京都東映の方を向きながら拝んでおきます。来期あったら、マジで頼むで。

◆一方向からの視点で見る科捜研セット

 面白い撮り方するよね。兼崎監督です。これも早朝に「やりたい!」とか言い出したんだろうか……(劇場版オーディオコメンタリーネタ)
 こう見ると、このセットも決して狭くはないんだよなぁ。というか、前のセットより広くなってる? でも暗さの影響か、ちょっと狭く感じてしまう時がある。それだけ人が密集してるってこともあるんだろうけど。

◆ナイスキャッチ! ……しきれなかった

 亜美ちゃん、珍しく日野所長の説明に夢中になって、お菓子を落とす。そういうの、前は呂太くんとかやりそうだったけど、今いないしね。
 今、一番の若手が10年選手の亜美ちゃんって時点で色々すごいのよな……むしろ一番若手として頑張らなきゃいけないの、君嶋さんだと思うんだけどね。君嶋さんはもはや若手とかじゃ括れないイケメン枠だからいい……のか?
 両手合わせて謝ってた亜美ちゃんかわいい。かわいいったらかわいい!

◆滋賀県警科捜研法医科 芦名瑞希先生

 すげーいい人だったのにな。かわいかったのにな。なんてこった。
 正直、あらすじの時点で死亡フラグ立ってたけど、一応他の可能性として「マリコさんへの憧れが暴走」みたいな、S13の頃に見ましたね……?という展開も期待したんだが、まぁそっちは「S13でやりましたし……」って話なのかな。
 お名前の通り瑞々しくてかわいい、フレッシュな魅力に溢れたキャラだったと思うので、「なぜころたし」と。そう言いたい。若い芽を摘むなんてそんな、本当久々に「櫻井ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」ってなりましたよ。私は。
 シアン化カリウムの雨大量殺傷事件はS14-8『疑惑の解剖ドクター』S14-9『白昼の殺人雨』から。これももう10年近く前なのか……

◆マリコ「用件が済んだ?」

マリコ「それなら、鑑定を手伝ってください」

 マリコさんの中では、「科学鑑定できる人材は、いつでも鑑定したいに決まってる!」となってるのでまぁこうなる。
 しかもマリコさん、無自覚に人をたらしこむし、今回なんか最初から好感度MAX状態なので、相手も喜んで鑑定を手伝ってくれる。夢みたいだな。
 しかし今回、ここでマリコさんが誘わなかったら……というのも考えてしまうな。そしたら瑞希さんがひとりで現場に行こうなんて考えもしなかっただろう、ということで。

◆防犯カメラリレー捜査及びSNS捜査

 亜美ちゃんが過労死しちゃう……!
 でも実際は割とケロッとしてたのがさすが。いや、本当のところは知らんけど。

◆佐伯「儲けとるなぁ……」

 そういうの、天下り先のセキュリティ会社に一任しそうなイメージだから、「儲けとるなぁ」はなんか違う気がするw いや、天下り先とか詳しそうな佐伯本部長が知らなかったってことは、もしかしてこの読みは違うのかな。

◆マリコ「私の方が急がないと……」

 マリコさんより鑑定の処理が早く終わる若手とか、将来有望なんてレベルの人材じゃないんでは? あまつさえ、マリコさんを手伝おうとしてたぞ。そんな人材を失った滋賀県警、これからどうするんだ……
 思えばS21の科捜研アベンジャーズ回で、近畿圏の中で唯一出てなかった滋賀県警さんである。なんかこう、過去回でも色々あったし、滋賀県警は不憫なイメージがある。

◆芦名親子

 言うまでもないけど、芦名先生はマリコさんの分身だし、芦名ママこと真知子さんはマリコママの分身。東京(関東)生まれで、ってところも似てるね。マリコさんちはお父さんはまだ元気にしてるけど、不在がちだっただろうし。そういう意味でも、母と娘の繋がりが強いだろうところが似ている。
 だからこそ今回、マリコさんからマリコママへのアクションがほしかったよなぁ、と思っちゃうのよね。凹んでたことを聞いてほしいとかそういうんじゃなく、ただ世間話しに電話一本かけてあげるだけでいいのよ。それができない母娘関係じゃないじゃんって思う。初回にも話出てたんだし、電話のシーンぐらい入れたれよと思っちゃう。ダメなのかなぁ。

◆君嶋「でも、科捜研は内勤の研究職ですから」

 だから危なくないですよ、と言う君嶋さんは1年前の最終回で何を見てたんだ……

マリコ「ええ。危険な目に遭うことはありません」
日野 「危険な目に遭ってきた君が言うと説得力ゼロだけど」
瑞希 「ニュースで見ました! 祇園祭の時に鎌で刺されたり、高温の密室に閉じ込められたり、シアン化カリウムを浴びせられたり、お寺のすごい高いところから落ちたり!」

 全部ニュースになってたんだ!?
 これら全てを見ていたら『科捜研』検定3級。これら全てが今回と同じ櫻井脚本だと気づけたら検定2級。シーズンと話数、サブタイトルまで言えたらあなたは晴れて『科捜研』検定1級です。私は2級だな。
 しかし改めて見ても、ろくな目にあってなくて草。そりゃ芦名ママも三度見ぐらいするわ。さすがにマリコさんもマズいと思ったのか、取り繕おうとしてたけど全然できてないのが大草原。「いやいや、あれ、嘘です」に対して、宇佐見さんが「えっ?」って言ってるのめちゃくちゃ笑う。宇佐見さんのシンプルなツッコミ、笑っちゃうんだよなぁ。
 まぁ、こういうところで笑えるのも、マリコさんが無事生還してるから言えることであり……っていう話だった今回。

◆マリコ「瑞希さん」

 一晩一緒に鑑定したら、もう「マブダチ」だからよ……みたいなノリ(違うよ)。鑑定前は「芦名先生」だったぞ。そういうとこ。そういうとこやぞマリコさん。この人たらし!
 まぁ、瑞希さんの視聴者たらし具合も相当だったと思いますが。縁結びお守りで見せたマリコさんへの重めの感情といい、嫌いになるわけないでしょ! ってキャラだった。いや、嫌いな人も入るかもしれんけど、私は大好きだった。だからこそですよ。

◆マリコさんが素手でご遺体に触れた

 これ、結構な事件ですよな。現場の物証を何より大事にするマリコさんが、素手で触れてしまうほど……ということ。
 その手が、美しくてなぁ……ここで手まで美しくて見惚れてしまう、そんな存在がマリコさん、いや沢口さんなのか。科学鑑定シーンは手をメインに映すから、手先をきれいに魅せなければと言ったのは風間さんだっけ? でも、沢口さんにも通じるなそれ。
 触れ方も、美しい。このシーンはホント、何もかもが美しかった。瑞希さんがご遺体じゃなければ、100点満点のシーンなんですけどね……

◆寄り添う風丘先生と、正しく在る土門さん

 芦名ママへの対応は、本当にこの2人らしいなぁと思う対応だった。
 あくまで刑事として正しく在る土門さん。
 芦名ママへ寄り添い、「短い時間なら」と例外までも許した風丘先生。
 これはマリコさんへの対応にも現れている。
 娘の亜矢ちゃんの話まで出して、傷心のマリコさんに寄り添おうとした風丘先生。
 マリコさんがこの過酷な状況を乗り越えることを信じてあえて何も言わない土門さん。
 いやもう、この2人だけでも十分ドラマ作れるぐらいしっかりキャラが出来てるのが、『科捜研の女』が25年積み上げてきたものがあるんだよっていう証明なのかなぁって気がしちゃいますよね。
 あえてここを茶化すなら、土門さんの言ってることとかシチュエーションが、「マリコさんの後方理解者面」とでも言うんですかね……ここで土門さんが腕組してたらもろにそれだったな、と。

◆日野「これを鑑定するのも君の仕事だよ!」

 落ち込み、部屋にこもろうとするマリコさんに、ピシャリとこれを言えるのが日野所長。
 そう、これを言えるのは日野所長だけ! さすが日野所長!!!!!!!
 芦名先生の着衣に手を合わせたり、「よーーし……やろう」と発破かけたり、瑞希さんの最後のメッセージを手渡したり、ホント今回の日野所長はいぶし銀の存在感で……カッコよかった……!
 こういうところにえっちゃんは惚れたんですかね。で、日野所長のえっちゃん回はいつですか?(劇場版の舞台挨拶ネタ)

◆ま た お ま え か

 八木下、またお前か。
 滋賀県警だからってやりたい放題やってんなぁという。
 確かにポカやるヤツって二度あることは三度ある的にやるけどさぁ。いくらなんでも、八木下さんは犯人側から送られてきたスパイだろお前。

◆マリコ「この鑑定は、私が引き継ぎます」

 ここでテーマ曲! テンアゲキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 マリコさんは落ち込んでても鑑定はちゃんとやってたんだけど、その中で希望を見出したからこその復活。科学は希望!

◆科捜研フルメンバー+刑事2人で追い詰められる

 最終回だからって、そんな謎の豪華仕様にしなくても……いや、皆さんの私服、カッコよかったけどさ。でもこのメンバーに詰められたくないよなぁ。

◆事件は解決しても、喪われた人は戻ってこない

 それを言わなくても感じさせる、マリコさんの佇まいと表情。さすがですわ……
 そして、何を言われる覚悟で芦名ママのところへ向かった。……ってか、昨日!? 一晩で事件解決したの? すげぇな!!!!!
 娘が生きた証を、最期に残したものを、知りたい。親心だよな……

◆マリコさんの元に集う「遺された思い」

 マリコさんはこの25年で、いくつの「遺された思い」と向き合ってきたんだろうな。
 そして身近な人が死んでしまうことも、やはりあった。その中で、マリコさんはどう逆境に立ち向かってきたか。
 25年目としてインパクトには欠けるけど、じんわり染みるものがある最終回だったと思います。それは、マリコさんの正義もそれ故の無茶も、時に起こる喪失も、知れば知るほど染みるものだったかと。
 さぁ、マリコさんの全てを知りたい方は、TELASAで!(テレ朝の回し者ジャナイヨー)

雑感

 爆速で死亡フラグ立てて殺されてしまった瑞希さん。真っ当にマリコさんに憧れると大体殺されるとかでろくな目に遭わないしし、その思いが歪むとマリコさんに危害や危険を与えがちだし、マリコさんも本当に難儀な……
 再度言うまでもないことを言うと、瑞希さんは亜矢ちゃんであり何よりマリコさんだったし、瑞希ママはマリコママだった。初回でもマリコママの話が出てたんだし、(事件のこと話すとかじゃなく、世間話とかで)電話ぐらいするかなぁと思ったけどそんなことなかった。あのラストからどうそこまで持っていくかは知らんけど、でもマリコママの存在を感じさせるラストであってはほしかったかな。
 その他のレギュラーの皆さんがそれぞれのやり方でマリコさんを支えてるところはよかっただけに。今映ってる人やものだけじゃないよ、マリコさんにもバックボーンあるのよ、ってところが見たかったのよね。
 25周年の締めとしては、じんわりは来たけどインパクト的に物足りないので、SPとかやらんかな。やらんよな。いいんです、次シーズンがあれば……あってくれよ……

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