EPISODE.8 京都地下水脈の謎
ゲスト:片桐仁、肥後克広、染野有来、大堀こういち、庄司浩平、羽谷勝太
脚本:櫻井武晴
監督:市岡歩
あらすじ
金属加工工場の社長が殺害された!被害者は、草木染職人の椛山(片桐仁)や病院事務長の須黒(肥後克広)ともめていたことが分かる。なんでも、被害者の工場で冷却水用に井戸を掘ったことが原因で、草木染工房と病院の井戸の水質が変わったとのことらしく…。一方、死亡推定時刻には、椛山も須黒もアリバイがあると主張。だが椛山の弟子によれば、そのアリバイは嘘だった。また、須黒のアリバイを証明したのは早月の娘・亜矢で…!?
見どころ
◆亜美「ご遺体の付着物と同じかどうか、鑑定した方がいいと思う」
蒲原 「わかった」
もう10年以上の付き合いなので、この若手2人もなかなかのコンビぶり。本来ならここに物理担当も入ってトリオになるんだろうけど、君嶋さんはマリコさんとかゲストとくっついてる方が魅力的に感じるんだよなぁ。なんでだ。パパ属性が強くて、年上感も強いからだろうか。
◆亜矢「師匠! 師匠、榊師匠!」
野次馬の中で飛び跳ねる研修医。今いくつよ、亜矢ちゃん。成人してるとは思えぬ落ち着きの無さ。マリコさんも若い頃は落ち着きはなかったんだけど、そういうところは見習わなくていいと思うの。
マリコ「お医者さんでも研究者でも、自分の好きな道でどんな人にでもなれる。その立場でいられる今を楽しんで」
マリコさんから、こういう素直な年長者ムーブな台詞が出ると、なんかやはり、この回含めてS24って「誰かへ受け継ぐ」「次世代への継承」が裏テーマだったのかな……という気もする。そういう概念の話、結構あったと思います。気のせいかもしれません。
マリコ「うん。あの、その『師匠』っていうの、もう……」
それはそれとして、「師匠」呼びは恥ずかしがるメンタルのマリコさん。そんなマリコさんに、
亜美 「じゃあ、私たちもそれぞれの仕事しましょうか、榊師匠」
マリコ「……亜美ちゃん!」
と、からかうことができるのは、ツッコミ強メンタルの亜美ちゃんだけ! 土門さんあたりが現場にいたら、からかってくれたかもしれないけど。
◆土門「ねえ。井戸で文句言ってた人たちって、何?」
土門さんに親しげにタメ口をきかれると怖い。あると思います。若者相手に親しげにいこうとしているのだろうか。ちょっと怖いです。土門さんはご自分の存在感と威圧感を把握してもろて。いや、把握しているからこそのこのムーブなのかな。
でも、後に草木染の若手・長谷部さんや病院で出会った亜矢ちゃんにも柔らかめのタメ口きいてるので、特に疑いのない若者には優しくしていこうってことなのか。土門さんは犯罪を犯してない人には優しい。
◆事件性がなければ解剖は許可しない
もはや出番がなくてもチェックポイント扱いされる刑事部長。ここを超えないとお話にならない。
◆最近では珍しく、ガッツリ解剖してくれた回
このS24の頃は、風丘先生の中の人がお忙しかったのもあってか、こうやってガッツリメイン回やってくれるのすら意外だった。主演ドラマやってたよね。撮影時期はさすがに異なるだろうけど……
◆風丘先生に背後を取られる蒲原刑事
お前、そんなんでよく捜査一課の刑事やってられるな……
その後、風丘先生に押し切られてるし。大丈夫か。お前、この修羅の都で本当に大丈夫なのか?
加瀬くんが言うようにおやつを貰いに来たわけじゃないけど、でもお前、大丈夫か?
◆君嶋「お母さんって大変」
亜矢ちゃんのことで「ご迷惑かけてごめんなさい」のスイーツパーティー状態。これは経費で落ちますか? 落としません!
◆日野「『無理でもお願い』ってどんな日本語よ? いつもいつも……」
日野所長、お疲れ様です。その後、椅子のコロコロで宇佐見さんに押しやられてるし……言ってることはマトモなのに、働き方改革はそのとおりだろうに、可哀想だ……
◆マリコさんと風丘先生は友人
風丘 「マリコさんみたいな法医研究員になりたいなら、それでいいって思ってた。でも……」
マリコ「自分のような解剖医になってほしかった?」
風丘 「ううん……うん、なんていうか……上手く言えないんだけど……医者になる道を、捨ててほしくなかった……」
マリコ「亡くなった旦那さん……亜矢ちゃんのお父さんは、外科医でしたね」
風丘 「うん……」
本心をこうやって語らう程度には、マリコさんと風丘先生は友人関係。それってとっても素敵な関係だなと思います。
マリコさんが常日頃から風丘先生に無茶振りするのは、マリコさんから風丘先生への信頼の証なんだよね。そう考えると、かなり感情表現が重たいw マリコさんって、意外と湿っぽい感情を持つ人なんだなぁという。見た目や普段のキャラクターほど、マリコさんは人の感情を解さないわけでもないし、ドライなわけでもないという。どちらかといえばウェットな人。
それはそれとして、
マリコ「『ちょっと』しか難しくないってことは、『できる』ってことですね?」
とか言っちゃう人なんですが。マリコさんは、日本語によく似た言語の『科学捜査』が言語ソフトに入っちゃってる人だから……
風丘 「いや……いつもマリコさんは、日本語の解釈がおかしい!」:
公式で「日本語の解釈がバグってるよねマリコさん」とか言われちゃうと、視聴者としてはもうツッコみ甲斐がなくなりますなw わかってやられてるなら仕方ない。
◆マリコ「ご遺体の死亡時刻ですけど……」
風丘 「今、その話?」
風丘先生の「何話したらいいか、困るね」を受けてのこの台詞なので、そりゃあ周りの人にも視聴者にも誤解されますわな! という気にしかならんけどなw マリコさん、「自業自得」とかそういう言葉をちょっと反芻してごらん。結果的に、風丘先生も人のことは言えない(人の機微はわかる)ワーカホリックだから話に乗ってくれたけども。
◆土門「その正確な時刻を、ずらすことはできないか?」
今期のさつまいもビンテージジーンズ回と同じ、死亡推定時刻をズラすトリック回。制作内部でのコンセンサス取れてませんな!と冗談半分で言うけど、いやでも、2クールとかならまだしも、1クールで(肝のトリックそのものや話の筋こそ違えど)ネタ被りはどーなんだろ……とは思う。
話におけるトリックの重要性の比重が違ったり、話の出来がそもそも違ったりは面白いと思いますけどね。私は今期5話のことを好きじゃないので、これは嫌味で言ってます。
◆加瀬「まあ、京都は井戸だらけですからね」
加瀬 「京都市内には、登録されているだけでも2800以上の井戸があるんです」
「役所にいた時に調べました」って加瀬くんは言うけど、幽霊屋敷回での台詞といい、加瀬くんが以前、どういう仕事してたんだろうか。初回では「会計課」って言ってたけど、そんなことまで調べる会計課(経理)って何……?
◆工場でタンクに落ちかける亜美ちゃんがかわいい
工場でタンクに落ちかける亜美ちゃんがかわいい。
◆風丘「失格!」
風丘 「亜矢……あんたが科捜研の研究員なら、失格よ。榊師匠なら、そんな思いを鑑定に持ち込むことは、絶対にない」
風丘先生が言ってる回は、S9-4です。リンクはTELASA。自分の感想記事を今読み返したら、すごい恥ずかしいこといっぱい書いてるから、そっちのリンクを貼るのはやめます。ブログ内検索してみてね。
それはさておき、マリコさんから風丘先生への思いの重さはわかったけど、じゃあ風丘先生からの思いはどうなの? っていうと、こちらも十分重かった。
風丘 「でもね、マリコさんは最初、私の犯行を裏付けてしまう鑑定結果を出したの。つまりマリコさんは、どんなに私を助けたいと思っても、その思いを鑑定に持ち込んだりしなかった。亜矢……あなたも法医学者になるなら、マリコさんのようになってほしい」
こんなこと言えるプロフェッショナルな友人を持てるというのは、とても幸せなことだろうなと思う。いやまあ、風丘先生は普段マリコさんからのクソデカ矢印によって無茶振りをされるというアレな感じなのだが、今回は風丘母娘両方からマリコさんへのクソデカ矢印が出ていて、親子揃ってマリコさんに魅了されていることがわかる。マリコさんがどれだけ人たらしなのか、わかるよね。
◆加瀬「ああもう……人使いが荒いんだから……」
この程度でへばるようだと、この京都だと生き残れないぞ加瀬くん。
でも、「そうか、無茶振られ係(!?)は、加瀬くんになったんだな……」というしみじみしたものがありますな。
◆蒲原刑事、お手柄お手柄!
ちゃんと人の話を聞いてた故のお手柄。水の出どころに気づく。これはマジでお手柄なんじゃないでしょうか。
少なくとも今回のテーマは「次世代への継承」なので、それを済ませている(刑事の軸を既に見つけている)土門さん→蒲原刑事のコンビの中では、今回蒲原刑事が活躍するのは必然なのかもしれない。
◆椛山「俺たちの仕事は、客にわかるかどうかだけじゃない」
椛山 「自分に嘘をつかないかどうかだ」
犯人たちがいた工場は次世代への継承に失敗した例、風丘親子と草木染のおふたりは成功した例。
とはいえ、工場と草木染のところは、表裏一体、紙一重にも思えるけどな。
何が違ったのかといえば、目指すべきスタが、ロールモデルがいたかどうかなんだろうな。お手本になるべき年長者が、ブレないこと。それが次世代への継承に、一番大事なことなのかもしれません。
そう考えれば、常にブレないマリコさんはロールモデルとして理想的といえる。持ってる理念も崇高なものだと思うしね。ただ、そのムーブが理想的かというのは、またちょっと別の話ですけど。
◆土門「『自分で自分の仕事の価値を上げる』?」
マリコ「たとえ人にわからなくても、自分がダメだと思ったら努力する。そう言ってたって」
土門 「それは、独り善がりな仕事だ。または、プロの仕事だ。お前、どっちだと思う?」
マリコ「プロの仕事だと思う」
土門 「だとしたら、そういう姿を学ぶ方法のひとつが、師弟関係かもしれないな」
マリコ「自分の仕事に誇りを持つ、そういう姿を学ぶってこと?」
はい、マリコさんと土門さんがわかりやすく説明してくれましたね。土門さんの口から「タイパ」「コスパ」なんて言葉が出ると、なんかゾワゾワしますね。たぶん、本人も背筋ゾワゾワしてると思います。勝手な想像。
◆土門「師匠、行くぞ」
めちゃくちゃからかってくれるかもしれない、と思ってたけど、案外あっさりめなのは、亜矢ちゃんという可愛い弟子を目の当たりにしたからかもしれない。土門さん、犯罪を犯していない可愛い若者には甘い。そりゃそうだ。
雑感
土門 「仕事は生活の糧であればいいのか、そういう生き方にしたいのか、そういうことかもしれんな」
仕事を生き方に出来る人は、それだけの能力を持っていて、そういう仕事を見つけられる運があって、そういう生き方を保てる人間関係を持てる人格があって、それら全てが揃って初めて出来ることだと思うので、とても幸運な人だと思うんだよね。出来ない人はたくさんいる。
仕事を生活の糧に出来るのだって立派なことなんだから、生き方に出来ないことを恥じることはない。ただ、どんな仕事でもロールモデルは持っておいたほうがいい、かもしれないよね。別に上を目指すわけでなくても、「こういう生き方、いいな」って思える人がいると、その生き方を目指すことで、見つかるものもあるかもしれない。私はそう思います。
マリコさんみたいな絶対的な存在が各々の職場にいたら話がわかりやすいんだろうけど、世の中そう単純でもないので、「この部分はAさんを見習って、あの部分はBさんを見習って……」と、つまみ食いロールモデルでもいいかもしれんけどね。というか、そっちの方が現実的かもしれない。
ファイナルでも、やはり「次世代への継承」は描かれるのかなぁ。亜矢ちゃんは出なさそうだが。