第3話 完全密室殺人実験
ゲスト:福士誠治、山崎銀之丞、鳴海唯
脚本:松本美弥子
監督:宗野賢一
科捜研の女 クリアファイル(2022)、発売。1枚440円。
みんなは買ったかな? 私は2枚買ったよ。東京駅のテレアサショップで。
マリコさんの顔の美しさの圧が凄まじい。買うべし。
東映のあらすじ&こぼれ話、やっぱり音声だとどうしてもちゃんと聞けないので、頼むから文字に戻して……の気持ち。あるいは動画で字幕つけて。お願いします……
あらすじ
理工学部教授の兼平政則(山崎銀之丞)が、学内の自室でショック死する。彼のラテックス(天然ゴム)アレルギーを利用した殺人事件と見られるが、部屋は完全な密室だった。兼平は、愛人と噂される准教授・三浦葵(鳴海唯)を優遇するなどして様々な恨みを買っていた。一方、死の直前に“科学者専門の人材ブローカー”として暗躍する奥居秀俊(福士誠治)に電話をしていた事が判明。奥居は、兼平の研究室を過去に追われていた事も分かり…!?
見どころ
◆売れる科学者リスト
第1話の由井先生や、古久沢先生、マリコさんのお名前も。
割とジャンルに節操ないリストというか、ホント「売れる」人は網羅してるんだろうね。
そこまで調べ上げてるネットワークや情熱がすごいと思う。どうやってここまでのリストを作るネットワークを構築したんだべか。
◆mRNAワクチン
めっちゃタイムリー。でもないのか。もはや現代の常識になっている。
それこそ未だワクチンアンチな方々への「メッセージ」かもしれない。冗談です。でも未だに「ワクチンに殺される!」とか言われてもな、という感じはする。私、来月に5回目打つけどまだ生きてますんで。勝手に殺すな。
◆君嶋「所長。ちょっとご相談が……」
鑑定に関するものかと思いきや、働き方のお話だった。明らかに人員が足りてないのに、リモートができる良環境! もう(視聴者に)ブラック職場とは言わせない!
ってのは冗談ですけど(おい)、まぁ中の人、舞台でお忙しいからね……未だに現場へ臨場してないし。年齢もそれなりだし、他に若手人員がいないので(亜美ちゃんはかわいいので除外)、マリコさんにコキ使われるのがだんだん蒲原さんになってきている気がする。君、刑事なのにな……
君嶋さんの娘を心配する風丘先生、優しい。でもひとつ、懸念という名の妄想を言ってもいいですか?
視聴者に対して、娘さんの姿が映し出されないのが不安です。まさか君嶋さんの娘さんとか奥さんって、想像上の人物……とかいうこと、ないですかね? 実は既に死んでいて……とか。なにそれ、一気にホラーじゃん。たぶんないです。
風丘 「でもここの所長は、ワークライフバランスに理解があるから。ね~!」
そこで日野所長だけじゃなく、マリコさんの肩も抱き込む意味よ。そばにいたからなのか、風丘先生なりのメッセージなのか。
◆お菓子をもぐもぐする亜美ちゃん、かわいすぎん?
若手が実質亜美ちゃんひとりになったので、お菓子を真っ先にもぐもぐするのが亜美ちゃんだけになってしまった。仕方ないけど、ちょっと寂しい。
しかしこの状況は、亜美ちゃんのあざとかわいさをアピールするチャンスなのでは? 今までは呂太くんとその座を競い争って来たわけだが、今はライバルがいないから、思う存分アピールするチャンスなのでは? 頑張れ、亜美ちゃん!
◆日野「じゃーん!」
セルフ効果音つきで模型を披露する日野所長もかわいい。
っていうか、事件解決したらもう使わないのに、わざわざ作ったのこれ!?
スタイリッシュになった『科捜研』ではあるけれど、遊び心も忘れちゃいない。アナログな鑑定手法もできる日野所長。手間がかかってるということは、それだけ視聴者が楽しいってことだ。
そして呂太くんの忘れ形見の人形も使って、推理・検証。デジタルもいいけど、アナログ検証は見てると楽しいことが多い。いいね。
◆出た! ミステリーにありがちな仕掛け!
宇佐見「学部長室には3ヶ所にカメラが設置されていました。普段は作動していませんが、被害者以外の人物が解除した時だけ、部屋の中が撮影される仕組みです」
まるでこういう事件が起こることを予見してたかのような複雑な仕掛け! ミステリーにあるあるのヤツ!
批判ではないんだけど、こういうあからさまなのが出てくるとちょっと笑っちゃうw 今回は最新科学が使われてはいるけれど、作りは古典ミステリなんだよね。いいな。
◆科学者ブローカー
奥居 「フルーツでも牛肉でも、日本の優れたものは軒並み海外に流出している。人も同じだ」
「金は、その科学者の評価です。彼は国内でも素晴らしい実績を上げていたのに、上の手柄とされ、彼にはなんの還元もなかった。研究の自由さえ認められなかった。私は、優秀な科学者にその能力を最大限に発揮できる場所で活躍してほしいんです。それが、人類全体の科学の発展にも繋がる」
結果的に奥居さんの仕事にマリコさんが正も誤も評価をつけなかったのは、「日本の科学者の海外流出」という問題提起としては誠実だったのかもしれない。
踏み込み不足という指摘もあろうが、それも合ってるとは思う。ただ、下手に解決できるような問題ではないし、むしろそういうことが起こっていること自体知らない視聴者が多いだろうから、まずは「こういうことが起こってます」と知らせることに止めるのもひとつの誠実さなのかなと。私はそう思った。
まぁ、役者さんが参考にしたキャラクターは、誠実さとはかけ離れた人物であるひろゆき氏なんですが。→福士誠治が『科捜研の女』で好きなキャラクターを明かす「沢口さんが演じるマリコが一番ですね(笑)」
◆日野「なんだ? こりゃ」
日野 「わざと指紋採れなくしてるんじゃないの?」
マリコ「そうなんです!」
日野 「わかってるなら僕に無茶振りしないでよ」
マリコ「所長ならできると思って……」
日野 「あのねぇ。そういう希望的観測でどんどん仕事を増やすから……」
マリコ「そう言わずに」
日野 「うちはいつまでも労働時間が……」
やっぱりマリコさんと日野所長の掛け合いはナンバーワン! なんかこう、得も言われぬ魅力があるんだよなぁ。こんなこと言ってるの、私だけかもしれない。
◆奥居「これまで手掛けた科学者の研究が全て頭に入ってますからね」
単にブローカーをやるだけならそんなことしなくてもいいと思うが、奥居さんならなんかやりそうだな感。なんじゃろね、元が優秀な科学者である、というのが前提にあるからかな。
それにしても無茶な話じゃろとは言いたい。全部の研究って、どんだけやねんって。
◆日野所長の実験魂
うちわで煙をバタバタ。咳き込んでも実験する。実験魂。
◆奥居さんの科捜研メンバー評
奥居 「宇佐見裕也。どんな時でも冷静沈着なバケ学者。データどおりだ。かっこいいですね。でもこれからの科学者は、もう少し感情を表に出したほうが信頼されますよ。特に欧米ではね」
専門は化学。科捜研の同僚達からは常に冷静沈着な科学者であると言われている。
元は航空科学研究所勤務、テロなどに備えた化学兵器の研究が専門だったが、気象・海洋などの航空安全に関する知識、地質学にも通じていて博識である。
同僚にも的確なアドバイスや助言を行える真面目で優しい人柄。
これは奥居さんのタブレットの中の評価なんですが、もしかして奥居さんって、ただの『科捜研』視聴者なのでは……?
でも『科捜研』視聴者は亜美ちゃんの盗撮なんてしませんので。ギルティ! ギルティです! 殺人は無罪でもコイツはギルティ!
幼少期からの超パソコンオタク。だがその並外れた知識を駆使しての映像解析やあらゆる記憶媒体からのデータ抽出・復元技術は秀逸そのもの。
難点を言えば今だネットカフェでの寝泊まりグセが抜けず、研究室にも寝袋を持ち込んで泊まり込んでいること。
亜美ちゃんアンタ……まだネカフェ寝泊まりしてんの!? やめなさい!!!!!!
っていうかこのデータ、やっぱり奥居さんはただの『科捜研』視聴者じゃないですか!!!!!!!
あとその亜美ちゃんの私生活写真ください。違う、どこで手に入れたんだ羨ましいぞ。いや違うって、消しなさい! それを記録した媒体全て私に寄越しなさい! 責任持って破棄しますから!!!!!!
とかいうのはさておき。
奥居さんの中では、マリコさんだけじゃなく他のメンバーもデータベースに入れる=売れる=優秀扱いでよかったです。そう、この京都府警科捜研は、マリコさんだけで成り立ってるわけじゃないからね。
欲を言えば、日野所長と君嶋さんの評も見たかったところ。
◆マリコ「これとこれも鑑定させてください」
たぶんマリコさんは亜美ちゃんを庇う意図はなく、普通に鑑定させてほしくて割り込んできただけなんだろうな……という確信がある。そういうとこやぞ、マリコさん。そこが好きやぞ。
◆君嶋「マリコさん」
あれ? いつから「榊さん」じゃなくなったんだ。前回から既にだったら申し訳ない。
いつものこととはいえ、マリコさんが新人をたらし込むスピードが早い。職場の雰囲気もあるんだろうけど、同僚の下の名前を呼ぶって結構勇気いるよね。
◆ワクチンと抗体の話
ホント、反ワクチンの人にはこういうところからでもいいから、ちょっとずつでいいから、学んでほしいっすな。というか、打つも打たないも個人の自由なんだから、あんまり人に強制しないでほしい。
私はワクチン類は積極的に打つ派です。インフルエンザ予防接種も毎年してます。インフルエンザで死にかけたことがあるので。そういう個人の経験があるから自分は積極的に打つけど、人に強制はしないです。
◆亜美ちゃんを視線だけでコキ使うマリコさん
挙げ句、「亜美ちゃん、行くわよ」だけで引き連れていく。
亜美ちゃんも慣れたもんで、文句すら言わない。
慣れてるなぁ……
◆名刺を出すのに慣れていない亜美ちゃん
かわいい。
っていうか、亜美ちゃん名刺持ってたんだ。知らなんだ。いや、そりゃあるか……
私も名刺出すのには慣れてないんで、人のこと言えないんですけど。内勤だと、なかなか出す機会ないよね……
◆テーマ曲キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
来るとテンションが上がる名曲。勝ち確定演出。
◆動機もポスドクと流出の話
きちんとテーマを統一してるのは偉いと思う。「その話はどこから出てきたんだよ!」みたいなことがないだけでも、見ていて不要なストレスがない。少なくとも、私は。
◆研究室のPCで闇取引!?
馬鹿なの!? そりゃバレるでしょ!
◆土門さん、マリコさんのことが大好き
土門 「お前が、科学に夢中なことはよくわかった。その大切な科学を使って、お前、何をやった? なあ、橋本。お前、どうして科学者になった?」
土門さんがこんなこと言うのはやっぱりマリコさんの存在があるからだろう。土門さん、マリコさんのこと、大好きだな……
そして最後の言葉は、割と今期のテーマにもなりそう。「あなたはどうして科学者になったの?」という問いは、古久沢さんに対してどう響くのだろう。変わらない可能性のほうが大きいけど。
今期はちゃんとテーマが一貫してていいっすな(現時点では)。すげぇ連ドラっぽい(連ドラだよ)。
◆だから本音はちゃんと言っとけよ!
研究者向きじゃないけど優秀。それはそれで致命的な気がするな……
でも奥居さん自身は、その言葉でどこか救われたようですから、結果オーライではあるのかな。人死んでますけど。やっぱりこうなる前に、本音は言っとくべきっすな。もしかしたら、生きて兼平教授と奥居さんが会っていたら、どこかでこの言葉を聞けるタイミングもあったかもしれないけど……
◆マリコさんのリクルート話
は、もちろんおじゃん。
奥居 「榊さん。改めて、あなたに最高の研究環境をご用意したい。私にマネジメントさせていただけませんか?」
マリコ「今回のことで思ったんです。私、恵まれてるなって。私が必要だと考える鑑定に、全力で取り組んでくれる仲間がいる。時には叱って、励ましてくれる上司がいる。そして……いつも同じ目標に向かって進む、パートナーがいる。科学者として最高の環境なんです」
マリコさん、急にデレるじゃん……マリコさんが土門さんについてハッキリ「パートナー」と言ったのは初かな? どもマリ的には、ハッキリ言葉にされるのは逆に洒落臭い感じでもありますな……(面倒な視聴者)
まぁ、マリコさんが恵まれてるってのは、ここ最近の最終回だったり、劇場版だったりで描かれてますからね。そのとおりだと思います。マリコさんにとってだけじゃなく、他の人の職場としても(うっすらブラックだけど)恵まれている環境だと思います。理解者がいるというのは、何よりも心強いことだからね。
もしかしたら古久沢さんとの対決も案外、そこらへんがキーになってくる可能性がありますからね。ここ最近の最終回、本当に週刊少年ジャンプみたいなことやってるし。熱血展開多いから、仲間がキーになる可能性は多いにある。
土門 「何、話してたんだ?」
マリコ「なんでもない」
マリコさんにとって、その環境は当たり前のことかもしれないけど、でも改めて言葉にできるほど感謝もしているものである。なんか、いいっすな。
雑感
話を経るごとにだんだん以前のシリーズにノリが戻ってきてる気がするのは、いいのか悪いのか。今回に関しては、テーマは今までの話と一貫してたので「まぁいいんじゃないかな」寄りではある。理想を言えば、以前のノリと今期ならではのテーマ性ある話が、上手いことグラデーションで描かれていけばいいと思います。
最新科学を使ってのハウダニットではあるものの、ミステリとしてのノリは古典的で、見やすかったと思います。奥居さんに関する人情話は「?」と思うところもあったけど、まぁ……いいかな。今回の話のメインじゃないし。
奥居さんのキャラは面白かったです。やはり現代に求められているのはひろゆきだと言うのか。でもひろゆき、2ちゃんねる時代とか知ってる人からすればそれこそ「嘘を嘘と見抜けなければ」の典型みたいな人なので、あんまりドラマで多用されると困るw
あとは大体、上に書いたとおりです。今回も面白かったです、ということで。
次回予告
次回はvs全てを骨標本にする男。
濱田龍臣が出る。マジか! 今期、結構ゲストにも金かかってんなー。すごいわ。
脚本は真部千晶さん。正直に言うと私は苦手だが、どうなることやら。
真部さん×骨といえば、土ワイの『人類学者・岬久美子の殺人鑑定』シリーズっすな。それだけに、骨の扱いはそれなりだと……思います。たぶん。