第3話 新たな地へ
ゲスト:小松和重、天野浩成、平澤宏々路、宍戸美和公
脚本:たかひろや
監督:濱龍也
今回の感想は第5話放送終了時点で書いております。3話遅れ!!!!
いい加減にしろって話ですね。しかし、国木田班長の抜けた(私の精神的な)穴は大きい……
あらすじ
人気コミック誌編集長の刺殺体が見つかった!折しも特捜班主任・浅輪直樹(井ノ原快彦)は休暇中…若手刑事の新藤亮(山田裕貴)、高尾由真(深川麻衣)、捜査支援分析センターの分析官・三ツ矢翔平(向井康二)の3人は、直樹に頼らず自分たちで事件を解決しようと張り切って初動捜査を開始する。一方直樹は旅先で、“ある人物”に騙されたという女性と知り合う。そんな中、班長の国木田(中村梅雀)は、意味深な行動をとり…!?
見どころ
◆国木田班長……
こんな、冒頭から匂わせてるパターンで本当にそうなっちゃうことって、あるんだ……
こういうのって、普通は「異動だと思った? 残念! 違いましたー!」じゃないの?
うわーん! 悲しい……
◆新藤「先輩の抜けた穴は大きい」
国木田班長が抜ける穴の方がデカいが?(私にとっては)
とまぁ、冗談かどうか判別つかない愚痴はさておき、新藤くんがここぞとばかりにええカッコしいしようとしてるのは微笑ましい。
またしても何も知らない三ツ矢くん。浅輪さんが有給だってことも知らされずに呼び出されてるのか……若手、仲いいな……由真ちゃんがスイーツ?選んでるのかわいい……でも仕事となったらキリッとモードが切り替わるの、いい……
◆三ツ矢「なんすか?」
念願?の現場に同行させてもらったものの、新藤くんの「とりあえず……」にはピンとこない三ツ矢くん。まぁ、新藤くんの言う通りに初現場だしな。そのうち慣れればええんやで(果たして今後、現場に来るのかは知らん)。
指示出しのようなことをしたり、現場で不審な点を発見したり、係長エミュならぬ浅輪エミュをする新藤くん。ということはつまり、新藤くんは係長の孫。浅輪夫妻の息子。話が飛躍しすぎだ。
◆電話が気になる浅輪さん
倫子 「旅行の間くらいさ、仕事のこと、忘れたら? 新藤くんだって、気遣ってくれてるんだと思うよ、きっと」
そこで機嫌を損ねることなく、さらっと相手のことを思いやるセリフを言えるようになってる倫子ちゃんが刑事の妻。『9係』時代を知ってると、この一言が嬉しかったりするんじゃなかろうか。
倫子 「そんなに気になるんだったらさ、電話してみればいいじゃない」
更にはこのセリフですよ。せっかくの旅行、万が一にも事件なんか起きてて(起きてるわけだが)そこに行ってほしくなんかないだろうに、こう言えるってのはホントもう刑事の妻なんよ。倫子ちゃん……アンタ……!
その後の、電話しない浅輪さんを見て嬉しそうな顔してるの含めて、複雑な女心が垣間見えてもう、今回はそれだけでもめちゃ好き。国木田班長の抜けた穴は大きいが、このシーンだけで大好き。倫子ちゃんが好きなんだな、私は……
◆若手中心の捜査会議
志保 「でも、浅輪くんいないのに、本当にこの事件、うちで受けて大丈夫かしら?」
浅輪さんへの絶対的信頼。誰もその意見を軽んじないところが特捜班。
青柳 「若い人たちがやる気を出しているんですから、好きにやらせればいいんですよ。ねえ」
青ちゃんのこれも、決して浅輪さんの存在感を軽んじてるわけじゃないんだよなぁ。むしろ軽んじられてるのは国木田班長。なぜ……
早瀬川「確かに。浅輪くんいないと、駄目そう」
志保 「でしょ?」
外部(と言い切っていいかはアレだが)から見ても浅輪パイセンの信頼は絶対。このやり取りの前の青ちゃん由真ちゃんのやり取りは、村瀬さんと青ちゃんのやり取りのミニ版って感じでかわいい。猫同士がフシャーキシャー鳴き合ってる感じで。
◆青柳「若い人たちの成長が著しいですねぇ~」
青柳 「ただね、1個だけ気になることがあるのよ」
若手の成長を褒めつつ、まだまだ若手にメインは譲らんとばかりに気になることをぶっこんでいく青ちゃん。バチバチに表に出さないところがらしい。
村瀬さんあたりだったら、表に出すのかどうか。気になるところ。たぶん、青ちゃんとは違った意味でひねくれてるので、出さない(けどダダ漏れ)に1票。
◆結局電話するのかよ!
そして結局事件の重要人物を引き寄せちゃうのかよ!
ホント、持ってるというかなんというか……すっかり主人公になっちまいやがって……
◆国木田班長の別れの言葉 新藤くん編
国木田「さっき、感心しました。成長されましたね。このまま自信を持って、浅輪さんに負けない存在になってくださいね」
この言葉を聞いて尚、気付かないとかそんなことある……?
お前、そんなだから浅輪さんになれないんだぞ……(酷いチクチク言葉)
その後、浅輪さんに負けない存在になろうと、特捜班を仕切ろうとするものの失敗。お前、だから浅輪さんになれないんだぞ……
◆浅輪「ちょっとだけ……時間あるかな?」
事件に繋がってるとは露知らずとも、明らかにトラブルの気配がする子は放っておけないとばかりに声を掛ける浅輪さん。
そんな浅輪さんを見やる倫子ちゃんの表情だったり、それでも花鈴さんにも優しい倫子ちゃんだったりで、今回めちゃくちゃ倫子ちゃんを堪能しちゃったなぁ感。もちろんそこは今回の話のメインではなかったんだけど、ホント、倫子ちゃんは成長したよなぁって噛み締められたのが良かった。
◆国木田班長の別れの言葉 青柳さん・矢沢さん編
国木田「私はあなたのスピード感のある発想が大好きなんですよ。喧嘩したっていいじゃないですか。それが特捜班の活力になってますからね。これからも、自由な刑事でいてください」
さすが元、そしてこれからも広報課。人を見る目がしっかりしてらっしゃる。
ここまで露骨なことを言われてパート2。まぁでも、青ちゃんは元から浅輪さんにはなれないしならないし、目指してもないので。自由な刑事でいてくれ……そのままの青ちゃんが私は好きよ。
矢沢 「矢沢さんも、まあ色々苦労は絶えないでしょうけど、あなたの機転や対応力があってこそのコンビネーションですから。これからも、勤勉な刑事でいてくださいね」
問題はこの時点で、矢沢さんは知ってたのかどうか。どっちとも取れるんだけど、まぁ、たぶん知ってたのかな。
話には関係ないんだけど、案内してくれる人を指差すんじゃないよ新藤くんw
◆花鈴「覚えるのだけは得意なんです」
覚え方が瞬間記憶能力とかのそれ。だから絵が上手いというわけではないんだろうけど、才能と興味が噛み合ってるいい例。
そして、漫画も描けるってことはストーリーの才能もあるってことか? そっちは編集者さんと上手くやっていけるって、そういうことなのか? 何にせよ、上手く舵取ってあげてほしい。がんばれ若い才能。
◆新藤「っていうか最近、班長、様子変じゃないですか?」
青柳 「浅輪がいないのをいいことに、勝手なことをやろうとするヤツが増えて困ってんだよ!」
これを言わせたいがための矢沢さんの「なんか色々あるんじゃない?」だとしたら、矢沢さんもお腹ブラックが過ぎますぜ……いや、そんな青ちゃんが好きだけどね。そんな矢沢さんが好きだけどね。
◆カフェの店員さん、かわいくなかったですか?
カフェの店員さん、かわいくなかったですか? お名前教えて!(存じ上げなくて申し訳ない)
◆由真「ちょっと、志保さん!」
読んだことある作品に浮かれる志保さんを宥める由真ちゃんかわいい。
大田原先生は、ちらっと見えた絵とか、志保さんが読んでるのとかを見る限りでは少女漫画っぽい作風な気がするんだけど、ヤンスピ掲載なのか。と思ったけど、ヤンスピは青年誌か……まだ少年誌よりは女流作家にとっての敷居は低いのかな。そこらへんの事情、よくわからん。
◆浅輪さんはヒーローだけど
主人公(ヒーロー)だけど、誰でも助けるわけじゃない。
自分から変わろうとする人を助けてくれる、そんなヒーロー。
刑事としてではなく、旅先で出会った相手にするお節介の度合いとしては、ちょうどよかったんじゃないでしょうか。声を掛ける、アドバイスもする、でも積極的に東京へ引っ張っていったりはしない。そんな温度感で。
もちろん、自分で決意できた花鈴さんが偉いんだけどね。それは大前提っすよ。諦めきれない何かがある、というのは、とても大事。
◆大田原「お互い、もう少し素直だったら、もっといい関係になれてたと思うんですけどね」
要するに、「いい歳したツンデレはやめとけ」事案。ツンデレが通用するのは10代まで。二十歳超えたら、自分の言葉は素直に伝えましょう。そういうことかな。年を取ろうが素直に言えばこんがらがることはないのに、しがらみが増えれば増えるほど、素直には言えずに絡まっていく。世の中、そんなのばっかりだねぇ。
◆新藤「あっ、いや……先輩だったら、こういうタイミングで言うかなと思って……」
青柳 「なんで浅輪の真似してんだよ!」
視聴者の代弁定期。
それは冗談らしいが、とりあえず星川のアリバイ取れてますんでーを挟めなかった新藤くん。そういうところ。そういうところが、君が浅輪さんになりきれないところなのよ……(チクチク言葉)
ここまでで誤解されたらアレなんで補足しときますけど、私は新藤くんのことも好きだよ。ただ、浅輪さんの真似してる新藤くんは「係長エミュしてる浅輪さんのエミュしてる新藤くん」という入れ子構造で、ややこしくなるので微妙な気持ちになるだけでw
◆青柳「えっ? あの源丸さんでいらっしゃいます?」
ペンネームも男性っぽいし、掲載誌が青年誌だから男性だろうと決めつけてた視聴者を嘲笑おうとするアレ。いや嘲笑ってはない。騙してた。
でも青年誌に載せてる女流作家は大田原先生で描いてるし、そこはフェアなのよな……花鈴ちゃんの夢を勝手にイラストレーターとかだろうと決めつけてたやーつ。
志保 「やっぱり浅輪くん、持ってるわ……」
これが主人公補正……なのか? 旅先で拾った(拾ってない)女の子が、事件の重要目撃者。これは割と、加納係長ではありえなかったタイプの主人公補正じゃないだろうか。お人好しさとトラブルメーカー体質。これもまた差別化……なのかもしれない。
◆ペンだこをすぐに見破る矢沢さん
今回、早苗ちゃんの「さ」の字も出なくてめちゃくちゃ寂しいんですけど、矢沢さんがペンだこを一瞬で見破ってたのはさすがでした。
でも早苗ちゃん……話にすら出てこない……悲しい……おぉう……
◆国木田班長の別れの言葉 志保さん・由真ちゃん編
国木田「あなたのそういった行動で救われた人は、たくさんいると思います。これからも、痛みに寄り添う刑事でいてください」
「高尾さん。あなたの成長ぶりを、ここで最初から見ることができてよかったです。これからも、真っ直ぐな情熱を持った刑事でいてください」
本放送時、ここまで来ても尚、私は国木田班長の異動を信じてなかったからね。どんでん返し、あると思ってたからね。それを裏切ったんだから、今期面白くあってくれ……の気持ち。
◆浅輪「わかった。ありがとう」
そこから犯人のところ(解決編)へ向かうわけですが、最後に漫画風になった! 特に連れて行く必然性はないと思う(いなくても犯人検挙はできる)が、今回のヒロインだし源丸先生なので花鈴さんも一緒。この漫画を書いたのは誰なんだろう。
そして浅輪、お前今回は全然捜査してないのに、なんか最後いいところ取っていったな! まぁ、花鈴さんが関係する小松さんのケア(キュア浅輪)なので、そりゃまぁ旅先で彼女を拾った(拾ってない)浅輪さんが担当するのはそうかという感じではある。
◆青柳「あのさ。お前のそういうところ、今回の事件と無関係じゃないと思うよ」
青柳 「自覚しろよ」
「そもそもの発端、お前じゃん」を明らかにしていく。
青ちゃんにしばかれなかっただけ温情。ビンタはご褒美だろ。まぁ、あくまで発端ってだけなので……
ややこしいのは、連絡先を奪おうとしたのはコイツだけじゃなく、犯人の方もってこと。そして実際に盗み出したのは犯人の方。ややこしい。
◆国木田班長……
国木田「私もこの歳になると、自分の存在価値というものを考えてしまう気持ち、よくわかります。優秀な後輩が近くにいると、なおさら」
そんなこと言わずに、もっと生真面目タヌキ親父やってくれてよかったのに……暗躍班長見たかったのに……国木田班長……
◆新藤くん、“理解”する
新藤 「先輩……本当、今回はつくづく思いました。先輩のポジションは大変だなぁって……」
浅輪 「新藤……なんだよお前……なんかお前、大きくなったな……」
新藤 「先輩、いつもお疲れ様です……ありがとう、本当に……」
特捜班のややこしさを改めて実感・体感した新藤くん。浅輪エミュじゃない方法で、新藤くんらしい方法で生き残っていってくれ。エミュの入れ子構造はややこしすぎて微妙w
◆国木田「皆さんに私から、報告があります」
異動に見せかけてーのー?
だと思うじゃん!!!!!!!!!!!!
国木田「以前から、浅輪さんには相談していたんですけども、この度、私、国木田誠二、警視庁音楽隊に異動することが、正式に決まりました」
あああああああああああああああああああ
青柳・新藤「えーーーーっ!」
気づかない2人。ポカンとしてる新藤くんと対象的に、青ちゃんがめちゃ喋ってるの面白い。面白いけど、いやここは……笑えないよ……青ちゃんの言う通り、「水臭い」っすよ国木田班長……一緒に村瀬夫妻の婚姻届を埋めた仲じゃないかぁ!(視聴者は埋めてないです)
国木田「いや、実は迷ってたんですよ。この特捜班という場所が、あまりに居心地が良くて。でも、そんな理由でここに居続けたら、ここに入るきっかけを作ってくれた彼に、怒られるような気がして。それに何より、皆さんが活躍する姿を見ていて、私も、残された時間でもう一度、チャレンジしたいって思ったんです」
このセリフの締め、「報告が遅くなってすみません」のあとに後ろで流れる主題歌が、「踏み出す君に 笑顔でエールを送ろう」なの、粋すぎやしねーか……
国木田「それから、最後に浅輪さん。あなたはやはり、この特捜班に欠かせない存在です。あなただからこそできる、等身大の刑事で居続けてください」
同局に「等身大の刑事(ヒーロー)」が既にいるんだが、まぁあっちは独自路線突き進んじゃってるので、喜んでその称号、受け取りましょう。
国木田「皆さん、私を仲間に入れてくれて、本当にありがとうございました」
こちらこそ、ありがとうございました……ありがとう……ありがとう……!
雑感
メイン(なのかもはや?)の事件に関しては、上でも書いたけど、「いい歳した大人同士のツンデレはやめとけ」。テレ朝刑事ドラマ、1/4くらいはいい年した大人同士のツンデレ発端の事件だから……(体感)
気のせいでなければ、浅輪さんが休暇先で花梨さんに出会うとか、若手チーム発足とかは「キャラのわちゃわちゃが見られて楽しい」以外にストーリー上の必然性が特になかったように思う。浅輪さんの休暇に関しては、描きたかった要素のひとつであろう「浅輪さんが居なきゃ特捜班じゃないよね!」と天秤にかけても、話の遅延行為ですらあったと思うし。
それはそれとして、それを超えて「キャラ同士のわちゃわちゃが楽しい」が魅力になっちゃうのが、『特捜9』ひいては『9』シリーズの特色なんだけどね……そういう意味では、らしい回ではあったかもしれない。なんだかんだ、倫子ちゃん筆頭にキャラ描写楽しんじゃったので、そこを言うのは野暮なんだろうとも思う。
若手の成長が著しいことは年上チーム(?)も共通認識っぽいが、いつか、本当に若手チームだけで捜査する日とかも来るんだべか。
国木田班長異動。私の『特捜9』を観る理由がまたひとつ消えてしまった。暗躍国木田班長、また見たかったよなぁ。
国木田班長はマジでジャンプの敵役→仲間キャラのポジというか、「いざ仲間になったら、なってない時の魅力が薄れた」キャラではあると思う。S3の硬くて特捜班に心を開いてない時の国木田班長が一番好きでした。その後の柔和な生真面目おじさんも好きだけどさぁ。ううう。残念。
でも、同じ警視庁内での異動ということで、また出てくれることに期待。頼むで。
っつーか、シーズンビジュアルにどーんと国木田班長も出てるのに、シーズン半ばで異動ってマジかよぉ。聞いてないよぉ。