【科捜研の女 season20】第8話 感想

科捜研の女
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第8話 プリンセスの扉

ゲスト:高橋ひとみ、林泰文、上杉祥三、七瀬公、酒井善史、堀田貴裕、白井哲也、田辺ひと心、森口幸音、池之上頼嗣

脚本:岩下悠子
監督:濱龍也

『科捜研の女』第8話では、風丘先生の差し入れの秘密が明らかになる!? あなたが今期の風丘先生の差し入れで好きなのは

風丘先生の差し入れS20

 普段のTwitterアンケートがバグってたので、今回はGoogleフォームで集計とりました。いつもと違うフォーマットですが、投票してくださった皆様、ありがとうございました!
 そんなわけで結果。画像はクリックすると無駄に大きくなる。
 圧倒的「風丘早月特製・スイートポテト」率。すごいな! 確かに食べたい。20分で作ったんだぜ。食べたい。
 「紅月堂の激辛煎餅」。これは蒲原刑事が食べて悶えてたヤツ。あのシーン、蒲原刑事ファンにはたまらなかっただろうな。
 「ドライフルーツのケーキ」。あれは単純に美味しそうだった。
 「カボチャのようかん」には票入らず。仕方ない。私も、2話見返すまで存在を忘れていた……

 そんなわけで、風丘先生の差し入れの秘密も明らかになった?今回!

全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ

 開けゴマ!では開かない扉もある。

20の見どころ

◆1.プリンセストシコ

 高橋ひとみ、プリンセスファッション似合うな……やはり美人には何を着せても似合うということなのか。
 あのティアラ、わざわざ特注品だったからなんか事件に関わってくるのかなぁとか思ったんだけど、特になかった。でもバクテリアデザインの割には可愛らしくていいと思う。
 マリコさんをこういう場に呼ぶという暴挙。事件起きてくださいって言ってるようなものじゃん風丘先生。ダメでしょ風丘先生。「お世話してるんです」から、わかるでしょそれぐらい!
 爆破予告が来て、さっとプロの顔になるあたりがカッコいいマリコさん。「ティアラ似合いそう」なのにそうなるところがマリコさんの魅力。

◆2.マリコ「科学の力で、人の命を救い続けてきた人」

 こう言うマリコさんの声が、尊敬の念がこめられているトーン。
 マリコさんと方向性は違えど、同じ志を持って科学と向き合っている女性。それがプリンセストシコ。
 今回、途中でプリンセストシコを疑う場面もあったけど、それでもマリコさんもどこかでプリンセストシコを信じていた……ようにも見える。証拠が彼女を指し示していても、同じ志を持つ科学者として。まぁ、これは非科学的な視点なんだけど。

◆3.1億円もってけ社長

 また某あの人が批判される……と思ったけど、別にモチーフになっただけだった。
 完全に批判だろみたいなアレは『相棒』だったっけ。じゃあ『科捜研』は冤罪ですw

◆4.新海「あら、マリちゃん!

 いずみママ……
 マリコさんをこう呼ぶということは、悪人ではない。その示唆だったのかもしれません。絶対違うけど。
 エアコンが壊れている研究室ってヤバくない!? バクテリアが凍えちゃうっていうか、下手したら死ぬのでは……そんな、エアコンも買い換えられないものなのか……って、ちょっとしたショックでした。最近の真夏なんか、エアコンなかったら人間だって死にかねないのに。

◆5.文書鑑定の本領発揮

 文書鑑定技術においては科警研の人も一目置く日野所長。その本領発揮回でもある。
 鑑定結果を報告する日野所長がカッコいい。
 酸いも甘いも噛み分けるオトナの魅力、そしてこのカッコよさ……どこかの土門さんのように出席率がどうこうってのもないし、やはり日野所長がナンバーワンでは? 日野所長、抱いて!!!!!

◆6.亜美「なんで頭の良さをいい方向に使わないかな……」

 そうよねぇ、と視聴者は皆一様に頷いたであろうこのセリフですが、真相を知ればこのセリフすらも「恵まれた」側、「扉を開いた」側が言えるセリフということになってしまうのが、なんというかエグい。
 亜美ちゃんに限らず、この科捜研にいる人たちはみんな「扉を開いた」側の人なんですよね。だからこのセリフに対してのフォローは出ない。
 学ぶということ。それを活かすということ。それができる・できないの理由は色々あるんだろうけど、だからこそできる側の人はできない側の人のことなんて気づくこともない、のかもしれません。
 そう考えると、私は恵まれた側だなぁと思う。それを活かすことをしてこなかった残念な人間でもあるんだけど……

◆7.海老芋タピオカ

 アリだと思います。タピタピしたこと、実は1回しかないんだけど、アリだと思います。
 タピタピはまだリバイバルブームが起きる15年近く前に本場の台湾でしたことあります。めっちゃお腹に溜まった記憶がある。でも美味しかったなぁ。
 ……あのさ、「タピ」の使い方ってこういう感じであってる? あまりにタピオカブームに縁がなさすぎて、よくわからない……

◆8.夜中のラボに2人きり

 コーヒー持ってる土門さん、少し息が抜けてるけどえっちじゃない……(何言ってんだ)
 櫻井さんは完全にラブシーンを意識して書いてるらしいが(いつかの東映公式)、岩下さんはどうなんだろうな。そう思った今回のシーンだった。
 いやなんか、櫻井さんの方だと「ラブシーン」って言われても頷ける色気があるんだけど、岩下さんの方は割とさっぱりしてんのね、って。
 すげー個人的な見解だけど、岩下さんは巷で言われる「ドモマリ」にはあんまり興味なさそうだよなーと思ってる。独自の価値観がありそうというか、所謂カップリング萌えみたいなのはしてないんじゃなかろか。コンプリートBOOKで女性脚本家対談読んだ時にそう思った。なんかひとりだけ、「ドモマリ」に対するテンション違うなーって思ったんだ。
 岩下脚本回だと、所謂「ドモマリ」萌えみたいなことやらせてても、一歩引いた「いやでも、この2人はくっつかない方がいいですよねー」「ラブラブじゃないんですわ」みたいな冷めた視点を感じてるんですよ私は勝手に。そこが好きなんですよめちゃくちゃ勝手に。私の感性に合う。
 ラブシーンもといラボシーンは、どちらが好みかと言われると困るんだけど、少なくとも「ドモマリ」シーンにおいては女性脚本家の中では一歩抜きん出てると言っても過言ではないと私は勝手に断言します!
 メインライターお2人のヤツは、またテンション違うし……あくまで通常回における「ドモマリ」の話ですよ。もうメインライターお2人はあまり通常回書かないじゃん。悲しいけど。悲しいけど!!!!!!

◆9.「風丘先生のお土産」の過去

 プリンセストシコのエミュだったのか。恩師を真似て、ってのが風丘先生っぽい。かわいい。
 研究室にいつもお菓子が置いてある、「一人で食べて美味しいものは、みんなで食べるともっと美味しい」……確かに、今の風丘先生の陽キャメンタルの一部って感じ。
 そう、風丘先生って陽キャなのよね。陰の要素は辛い体験によるもので、メンタルは至って健全というか。かなり大変な過去持ちなのに、この健全っぷりはホントすごいと思う。会ったときからそうだもんなぁ。

◆10.風丘「今回は、私がマリコさんをあごでこき使わせてもらうわ」

 とか言うから期待(?)したんだが、風丘先生は優しいのでジャケットを調べさせるだけで済んだのでした。
 ……風丘先生、普段はこの倍はマリコさんにこき使われてるのにな……
 たぶん、マリコさんは「こき使う」までもなく、言われりゃ喜んであれぐらいは調べてただろうし。
 時代は風マリじゃなかった。マリ風でした。ふぅぅぅぅ……

◆11.適切な環境さえ与えてあげれば、ここから花が咲く

 可能性の芽は本人の力だけじゃなく、環境の力も大きい。
 「女に勉強は必要ない」
 「大学なんて行って何になるの。女の子はね、賢くなったって幸せにはなれないんだよ」

 女性じゃなくても、こんな言葉じゃなくても、親から受けた言葉は簡単に「呪い」になりうると思います。
 私は勉強に関しては言われたことないけど、死んだ母にはいつも「気が利かない」って言われてたなぁ。実際、気は利かないのかもしれないけど、これもひとつの「呪い」として受け止めてます。
 「呪い」を科せられた種は、その可能性の花を開かせることができなくなるのかもしれない。プリンセストシコの場合は、幸か不幸か環境が変わったから花開くことができた。
 なにひとつ「呪い」のない種はないかもしれないけど、でも理不尽な重みを科せられることは減っていくと良いなぁと、平凡な私はそう思います。

◆12.いたずらっ子・呂太くん

 目で見るのをやめたら、真実が見えるようになる。
 完全にバトル漫画、少年漫画の文法なんだよなぁ……やはりマリコさんはジャンプ主人公なのでは?
 とかいうのはさておき、呂太くんの悪戯心がマリコさんの閃きを作る。マリコさんも馬鹿正直というかなんというか……
 しかしマリコさんと呂太くんの体格差、すごいな。マリコさん、ホントにちっちゃい。呂太くんの陰に完全に隠れられそうじゃん。

◆13.バイタリティ溢れるマリコさん

 そんな小さな体なのに、ひとりで土の採取を夜中に行うマリコさん。
 範囲は狭いとはいえ、別に呂太くん辺りを手伝わせても良かったのでは!?
 機材設置とかから考えると、ホントにマリコさんってこと科学に関してはバイタリティ溢れる人だよなぁと思う。
 普段、マリコさんは他人に無茶振りしてる印象が強いけど、マリコさん自身も相当体張って無茶やってるので、そのせいで無茶振り断れないみたいなところはあると思う。無茶振りとマリーダムはセット。

◆14.まさかの真犯人

 いつもは犯人当てとか興味ない自分ですが、この真犯人は驚いた。いやだって、踏み台になる事件の犯人ってもうほっぽりだされることが多いじゃん……
 ちゃんと伏線も張ってあって、いやもうさすがっすわ。ミステリーとしてもちゃんとしてる。くそぉ、悔しいw(なんでだよ)

◆15.潜り込みってバレるの?

 実験とかならわかるけど、講義でバレるのか……
 人が多いからバレないと思ってた。いや私はやったことない、むしろ周りの人と全然関わることのなかった学生だった。そこまで行くと極端だろうけど、みんな自分とそのグループ以外の人には興味ないんじゃないかなぁ。同じ学部とはいえ全員の名前と顔なんて覚えてられないんだけど、えっ、私だけか?
 そんな私のポンコツぶりはともかく、そんな人前で晒し上げるみたいなことしなくてもいいじゃん……って思う。周りの学生たちが見ていたのは、ああやって晒し上げみたいなことやってたからじゃないの? って思う。話の都合上、仕方ないんだけど、そんなことしなくたって……

◆16.刑事ドラマファン

 海老芋タピオカさん、本名は「八木」さんなんですけど、字幕情報だけだったからたぶん、大半の視聴者知らないと思うんですよね。
 そして、この濃いキャラ付け。このキャラ付けは脚本の岩下さんからなのか、演出の濱監督なのか、或いはまさかの林さんご本人提案だったりするのか、そこが問題だ(そうか?)。
 ちなみに、刑事ドラマファンだからって尾行が上手いわけではありません。でも海老芋タピオカさんは見事、自宅まで突き止めてるんだよなぁ。すげーわ。やっぱり刑事ドラマファンは有能。

◆17.宮本「だが、不幸な境遇は罪を犯す理由にはならないんだ」

 そうなんですよ。だから宮本さんは殺されてしまうし、久保田は人を殺してしまった上に捕まるわけです。
 別に犯罪を犯してもいいと言っているわけではないんですよね今回は。そこからどうするか、どうするべきかを問いかけているわけです。
 そこらへんが非常に寓話的だなぁと思う岩下脚本。私、岩下脚本って一種の「おとぎ話」だと思ってるんです。いや、教訓を含んでいるから寓話か。なんにせよ、ファンタジックなまでに美しい価値観が根底にあり、常に正しい生き方を示しているんですよね。
 それを言われるまでもなく実行できる人が、一番正しい。それは合っている。でも、それができなかった人、できない人から目をそらすことは、違うんじゃないか。そう訴えているような気がしています。
 だから好きなのかもしれないなぁ。

◆18.新海「学び直して、生き直すチャンスはきっとある」

 これもそうなんですよ。おとぎ話とまで言えるぐらいの、綺麗すぎる綺麗事ですよ。
 だって実際、人を殺して戻ってきたとき、彼がきちんと学び直せるチャンスがあるかどうか……私なんかは正直、難しいんじゃないかと思っちゃいます。
 でも、それでもチャンスはあるんだ。たとえ綺麗事でもそう言わなければ、何も変わらない。学ぶことにも、生き方を見直すことにも、遅いということはない。「今」が一番早いんだと言ったのは誰かは知らないけど、それは本当のことですよね。
 扉とは、もしかしたら鏡でできているのかもしれない。扉が現れた時に、その扉に対してどう立ち向かうのか。開くのか、背を向けるのか――それこそが、その人の「生き方」そのものでもあるのかもしれない。
 だからこそ、新海先生も宮本さんも、久保田が扉を開けることを望んだ。自分たちのように、いや自分たちができなかったことも、できるようにと。

◆19.土門「だが、何か言い忘れたことがあるなら……俺が聞こう」

 新海教授の想いも無駄にせず、久保田の可能性を信じる。これは土門さんカッコいい。土門さん素敵! やっぱり土門さんがナンバーワンでしょ!!!!!(テノヒラクルー)
 茶化すのはともかく、扉を閉ざされた若者に必要なものとは、まずはこういう風に、話を聞いてくれる「大人」なのかもしれないよねと示唆する土門さんの存在である。
 もしかしたら、これだったら平凡な私にもできるかもしれないじゃないですか。平凡な私、或いは平凡ではないあなたにも、今からできることなのかもしれないじゃないですか。
 人と人はまず、話し合うところから。そこから、未来への扉が開くのかもしれませんよね。

◆20.扉の存在

 これを意識したというセリフは、マリコさんに言わせると嫌味すぎるからなぁ。マリコさんほど周りに恵まれた人もそうそういないので。マリコさんはそのままでええんやで。
 なので今回は、風丘先生に代弁してもらう。風丘先生も、マリコさんほどではないが周りに恵まれていたらしい。だからこそですよね。どうやら風丘先生、新海教授から見ても「いい人」になったらしい。よかったね。
 環境が育てる花は、未来への扉だけじゃない。こうやって笑いあえる同志でもあるのかもしれません。

簡単雑感

 シーズンラスト間近の名作キター。はい岩下脚本はやはりハズレなし。
 風丘先生回ってほどではなかったけれど、風丘先生のルーツを探る上では重要な回だったんではないでしょうか。
 人生はあなた次第でどうとでも変わってしまう。
 あなたは扉に対して、どう向かい合いますか? 向かい合いたいですか?
 それは生き方のお話。
 そう、これはS19から続く「生き方」の話なのです!
 ……まぁ、今のところ、第1話と今回ぐらいしか「生き方」を強くテーマにはしてない気はするんだけど……
 しかし、やっぱりメインライター+岩下さん辺りは、「生き方」をテーマに脚本書いてるんじゃないかなぁと思わせた今回でした。私の勘違いの可能性は大きい。

次回予告とか。

 土門刑事の運命が動き出す――

 最近、殉職未遂だの異動だのでしょっちゅう動いてはいませんかね……? と、視聴者たちがこぞって小声でツッコんだのはナイショだよ。
 次回のサブタイはそのままズバリ、『被疑者:土門薫』
 取り調べも検視もされる!? 盛り沢山の2時間SP!
 そしてその後、重大発表が……!?
 果たしてそれは、巷で噂の映画化か、はたまた「また通年放送やります!」系のぶっとび企画か、或いは「全シーズン円盤化or配信します!」なみんなが待望している系統のものか。
 もしくは、「年明けに2時間SPやります!」かもしれない……私はこれに100マリコ賭けておきます(100マリコとは)。
 なんにせよ、何が来てもヽ(・ω・)/ズコーとはならないぞ!
 私は重大発表楽しみ民です。よろしくお願いします。

岩下さん著の連作ミステリ。
これもまた、「生き方」のお話なので。

漣の王国
漣の王国

posted with AmaQuick at 2020.12.13
岩下 悠子(著)
¥1,980

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