CASE.5 十年目の殺人
ゲスト:橋本さとし
脚本:丸山真哉
監督:上堀内佳寿也
人とは適切な距離を図りましょう。
全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ
門脇さんのモデルとかいるんですか?
独断による順不同見逃せナインポイント
◆1.ソーシャルディスタンスな捜査演出
今回はまずこれですよね。演出がキレッキレでした。監督は特撮ではおなじみ、上堀内佳寿也監督。個人的にはアクションキレッキレの監督のイメージが強い。
ソーシャルディスタンスなビデオ通話による解剖・鑑定結果報告から始まり、ソーシャルディスタンスなホチキス留め、ソーシャルディスタンスなクリアボード越しの会話、ソーシャルディスタンスなダンボール運搬の兄ちゃん……などなど、この状況を生かした楽しい演出が満載。演出に気を取られて内容が頭に入ってこなかった、なんて方もいらっしゃるのでは。
常に瞬瞬必生な撮影をこなす東映特撮経験者だからこそなのか、こういう逆境を発想でプラスに変えてる上に楽しいものになっているっていうのが、すごく嬉しく感じられちゃったりして。
個人的に、このノリでソーシャルディスタンスをネタにできるのって、案外この『特捜9』くらいかもしれない、なんて思います。軽妙洒脱といいますか、絶妙に笑えるタッチの演出。他ドラマだと、メインに据えたり逆にギャグとして重要視されすぎちゃったりで、こんなに軽やかに笑えるタッチにはならんじゃろなぁって。
◆2.国木田「彼らを統率しろだなんて、総監も無茶なことを……」
特捜班の皆さんの人事記録を眺める国木田班長。皆さんの制服姿もそうなんだけど、個人的には血液型と出生地が気になりました。今までこの設定、ありましたっけ?
A型が浅輪さん、村瀬さん、矢沢さん。B型が青柳さん、新藤くん。O型は小宮山さん。で、出生地は全員東京。
血液型占いは眉唾であると知っている前提で無責任にコメントすると、面白いし納得いく分け方だなぁと。日本人ってA型が一番多いのは知ってるけど、次に多いのはBだっけOだっけ? Oの方が少ないの、珍しいなあとか思っちゃったんだけど、どうなんだろ。
出生地って、今までの話で言及なかったんだっけ? なんか村瀬さん、小宮山さん、青柳さんは地方から出てきたイメージだった。イメージなので根拠はない。逆に浅輪さんとか新藤くんは東京生まれで違和感ないっす。
で、浅輪さんの家族関係に、「妻 浅輪倫子」の表記があって……私は……私は……!
わざわざ資料を眺めて「こんな問題児どもの面倒見ろとか無理ゲー」(要約)とこぼす国木田班長、私は好きですw
なんつーか国木田班長って、今までの係長とか宗方班長と比べると良くも悪くも堅くて真面目で過去故か皆さんとの距離がめちゃくちゃ離れてて、そこが好きなんですよなぁ。今はまだデレの片鱗が見えないが、それをどう浅輪さんが攻略していくのか、っていうのが楽しみで仕方ない。
何度でも言うけど『9』シリーズって、浅輪さんが持ち前の婿養子力で年上男性を落としていくシミュレーションゲームみたいなところあるから。
◆3.カッコいいOP、久々にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これはただ単に私の好みなのですが、今期のOPテーマがホントにめちゃくちゃ好きなんです。軽快でカッコいい。イントロがとにかく好き。
『特捜9』になってから何故か円盤類やサントラが出なくなってしまったんですが、第3シリーズまで来たしってことでこの際、一気に発売してくれんものかなぁ。サントラほしいっす。
◆4.殺しのルージュ
マジで10年前の話でした。そりゃ浅輪さんも浅輪くんな浅輪青年の頃だよ。要するに若い。過去回想映像の浅輪青年、髪型のせいで幼さすら感じるのだが。
当時の感想、一応貼っておきました。何の参考にもなりませんが。相変わらずフザケた感想を書いていることしかわからない。10年経って、『9』シリーズの皆さんは確かに変わっているのに、私は何も変わっていない気がする……という気づき。なにそれ凹むわ。
◆5.村瀬×小宮山の夫婦漫才
最初に言っておきますが、私にはいわゆる「むらこみ」への萌えがないです。
何度でも言うが、私は「小宮山さんとつかさちゃんの板挟みになってる村瀬さん萌え」派なので、本人たちの性格以外に障害がない現状では村瀬さんでカップリング萌えができないんですわ。私は村瀬さんは何かに板挟みになっているときが一番輝くキャラだと思っている。これは私の性癖の話です。
なので今回のむらこみ爆弾は「息ピッタリの夫婦漫才すげー」とは思うんですが、萌えてないです。そこに、Twitterで盛り上がる皆さんとの温度差をものすごい感じた。という誰得報告。
と、私の性癖報告はさておき。
非番の日、異性の同僚と一緒にいるかどうかを他の同僚にわざわざ言うか問題。この状況だったら、私は村瀬さん寄りかなぁ……警察官だしね。変に誤解されたら嫌だしね。
「持つべきものは仕事以外趣味がない相棒」vs「コンビニのジャムパンしかくれない3食コンビニか外食」。
どれだけ些細なことでも言ったもの勝ち、どちらがより相手の心を抉るか、みたいな言い争いだなこれ……
アラフィフの難しい仲な男女の口論は、傍から見ると滑稽だけどエグいな。今CMやってるSPドラマみたいな。
そんなふたりの仲、夫婦漫才で未だにニヤニヤできる早瀬川先生は、小宮山さんのいい友達だなぁと思う。早瀬川先生、登場初期に比べると最近は結構感情豊かでよく喋るようになって、雰囲気柔らかくなったよねホント。好き。
◆6.頑張れ新藤くん
上司に捜査結果報告電話したら「なんだよ、新藤かよ」とか言われるし、先輩と待ち合わせしてたらすっぽかされるし、その上自分が見つけてきた重要参考人は勝手に引っ張られてるし、それを愚痴ったら諦めるように肩ポンされるしで、今回の新藤くんは不憫枠。花を愛でる彼は可愛かったけど可哀想でしたw
こういうとき、「俺なんだったの!?」と軽やかに駄々こねられるのは新藤くんの良いところですね。今回の新藤くんはさすがにちょっとだけキレていいっすよw
◆7.特捜班を作ったのは誰か
現メンバーの大半を集めたのは確かに浅輪さんだけど、その元になる9係を育てたのは今はいない加納係長。
でも特捜班という存在そのものを作ったのは神田川警視総監で、そこの初代班長を務めて、新藤くん含めてのチームをまとめたのは宗方元班長。
色んな人の助けあっての現在なんだけど、神田川警視総監はともかく加納係長も宗方元班長も浅輪直樹というひとりの人間、そして刑事にめちゃくちゃ期待や信頼を寄せていたんだよなぁと考えると、確かに「特捜班を作ったのは浅輪直樹」なのかもしれない。
前も書いたけど、浅輪さんは係長エミュをすることでめちゃくちゃ成長して主役になったわけですが、それでも今も宗方班長や猪狩さんなんかの年長者に認められつつ彼らには敵わない、みたいなパワーバランスはすごいしっかりしてるんだよね。ここはホント、毎回きっちりしてると思う。
今回も、国木田班長の方が先に真実に辿り着いてるし。きちんと捜査に関われば、国木田班長は今も有能で浅輪さんの先を行けるわけですよ。
◆8.真実は
「自殺」という結果は変わらなかったけど、真実に辿り着くことで和田さんの凶行を止めることができた。それはきっと、沙織さんが望むことではなかったはずだからね。
相手を思いやって交際を断るものの余命と想いの狭間で思い悩む人、間違っていたとしても彼女のことを胸に行動しようとした人、今回は人の想い、愛の話。
なんだけど、それを理解できない門脇さんが国政に出ようとしているという虚しさ。本当に彼は議員になるのだろうか。
浅輪 「門脇さん、変わらないですね!」
昔の浅輪青年だったら、ここで掴みかかってたかもしれないよなぁ。もっと前にかもしれない。それでも、こう言うに留めた浅輪さんの表情は、苦い大人の表情だった……成長したんだな、君も。
「結局は自殺だった。騒がせて申し訳ない」と早瀬川先生は言ったけれど、でもこれは突き止めるべき真相だったよね。人の心を掬って、救うのが法医学なんだって誰かが言ってた。
◆9.一件落着とパン
「偏屈なおじさん」vs「面白ばあさん」。
相手の心を抉るという意味では、これ村瀬さんの方が勝っちゃったな……勝っちゃいけない勝負に勝っちゃったな……
新藤 「パンだー!!!」
村瀬さんもビビる大音声で喜ぶ新藤青年。何そのノリw パンでそこまで喜ぶ20代、かわいいじゃねーか……
しかし、彼の反応は……?
そして続いて食べる村瀬さんの反応は……
村瀬 「1つ質問なんだけど、これ、味見した?」
小宮山「してない」
村瀬 「えっ、なんで」
小宮山「だって、もし味見してよ? 失敗したってわかったらどうするの? 最高級の材料使ってるのよ? もったいないじゃない」
メシマズ人の思考の一端がこちら。その考えで料理するのはやめた方がいいと思うよ。これは結構マジですw
小宮山「何? その埴輪みたいな顔」
村瀬 「あっ、いや……君とはもう十数年の付き合いになるけど、未だに新しい発見があるなあと思って」
埴輪w
こういう風に言えるだけ、村瀬さんはまだ優しいなと思うよ私は。
小宮山(パンを食べる)
村瀬 「なっ?」
小宮山「……うん。美味しい! 上等! もう1回作ろう!」
村瀬 「……マジ?」
小宮山さんって味音痴故のメシマズだったのか……
そんなパンですが、浅輪さんの舌にかかると。
浅輪 「……えっ? 美味い!」
マジで!?
簡単雑感
めちゃくちゃおもしろかった!!!!!!!
なんだろ、新作再開のワクワクも多めにプラスされてるのかな?
「そうそう、これだよこれ! 待ってたんだよこのノリを!」って感じのものをお出しされた感。やはり今期のメインテーマ、好きだわ。アレを聞くだけでワクワクできるもの。
話も、防げなかった悲劇もありつつ、人の思いを汲んで防げた凶行もありで、その中にレギュラー陣の軽妙なノリがプラスされて「『9』シリーズのいいとこ、ぎゅっと詰め込んできました!」な話だった。
あと、個人的なことを言うなら、国木田班長が動いたから今回が好きです。自粛期間も含めて「やっと動いた!!!!!」っていうワクワク感。そして彼の過去がほんの少し垣間見えたこと、その捜査能力が確かであることもわかって、これからへの期待も掻き立てられて。
いやーよかった。ちょっと自分でもビックリするぐらい、今回のことが好きです。今のところ、初回抜いてトップかもしれん。やっぱり『9』シリーズ、『特捜9』も面白いわー好きだわー!
次回予告とか。
次回は階段から転落死!
突き落とし方も杖で突っつくとかいうソーシャルディスタンスな話らしい?
猪狩さんが来るぞ! これは良回になる予感しかしねぇ! 猪狩さん、っていうか強キャラの年長者が出張るだけで、ピリっと作品が締まって面白くなるんだよなぁ。そこらへんのパワーバランスに気を使っている『9』シリーズならではの現象かもしれない。