【京都地検の女】第8話 感想

京都地検の女
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第8話 チカン冤罪の行方

ゲスト:前田亜季、高田賢一、藤巻るも、篠塚勝、井上紀子

脚本:西岡琢也
監督:黒沢直輔

「私、今回ほど、自分が女性であることに責任を感じたことはありません」
「『お互い、宮仕えは大変ね』って言っといて」
「太田さん! それでもあんたは痴漢!?」

なんか名言が多かったぞ、な今回。
重くなりそうな話だったけど、いっけい&きな子の舞台演技(アドリブも入ってそう)がそれを救ってた感あり。
キャラたち全員に見せ場があったし、面白かったです。
それも含めて、感想行ってみようか。


◆剣道着姿の池内さんにときめいたとか内緒ですよ内緒

◆鶴丸親子は痴漢にあったことがないらしい(理由:なるだけ満員の電車やバスに乗らないようにしているから)。
特にりんりんなんて、あんなに可愛い子なのに、痴漢にあったことがないとか。
奇跡だな……

今回の太田さん
・斉藤さんと「真実を探せ」コントして
「カムバァァァァック!」と絶叫し
・バス混雑体験学習をサボって「おさぼり九官鳥」扱いされ(しかも鶴丸さん、成増さんと2回も)
「鶴丸なんか怖くない。今まで3回泣かせた」と、どこの田舎のヤンキーの武勇伝だよってな感じのことをふかし
・調子に乗って「鶴丸は俺がいなくちゃ、何も出来ない。仕事が出来ない。はかどらない。検事なんていうのはな、所詮、俺たち事務官の、手のひらの上で踊るサルだ」とまで言い
お約束で聞かれ、鶴丸さんにイヤミを言われ
・約10センチの下駄(中の人の身長から推定)を履かされ被疑者役をやらされ、超無理やりな体勢を取らされ
「やるの! あんた、痴漢でしょう!?」「太田さん! それでもあんたは痴漢!?」と、何も知らない人が聞いたら絶対誤解する発言を連発され
・キレる栗原さんから鶴丸検事を庇うかのような「御引き取りください!」

今日は太田さんスペシャルでしたね。まるで、前2回で出番が少なかった分を取り戻そうとするかのような活躍っぷり。今回、もしも太田さんと斉藤さんがいなかったら、きっとえげつなくて見るのやめてたぜ。

今回の斉藤さん
斉藤「あー! 触られなかった!」
勿論、実験的な意味でってのはわかってるし、キャラとしては斉藤さんのことを好きだけど、斉藤さんに痴漢するマニアックな人があのバスに乗り合わせる確率は限りなく低いと思う。
まさしく成増さんの言う通り、「何、期待してんだよ」ですわ。
・事件の実験をする際、ここぞとばかりに太田さんに当たる
・2回目の実験の際、しきりに「ブーンですよ、ここ」「ブーン」と、再現しなくていい走行音まで再現し
⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン
・キャリーバッグを担ぎ出し(っつーか、「斉藤、キャリーバッグ!」の一言で、本当にすぐ用意してくる斉藤さんはマジ有能なんじゃね説)
・何故かリンゴを剥く。なんでだ。

今回の成増さん
痴漢を逮捕したり、混雑バス体験学習につきあったりと、警察(中京署・池内さん)・検察(鶴丸さん)両方の理解者というか、クッションのような立場にいたなぁという感じ。そこらへんの柔軟性が、北村さんと違うところなのかな。北村さんは、良くも悪くも「鶴丸さんと対立する立場」を守っていたからなぁ。成増さんは北村さんと違って、あまり鶴丸さんとガチで対立はしないよね。
それが強く表れていたのが、池内さんと鶴丸さんが言い争ってた場面や、川上のお店を見守ってるときの会話じゃないかなと。鶴丸さんにぶっ叩かれてたりしてたけど、かなり重要なポジだったと思いますよ。

今回の副部長
(鶴丸検事を指して)「我が京都地検で一二を争う、優秀な人材です」
「彼女は毀誉褒貶相半ばする人間ですが、仕事の腕は間違いないと、私が太鼓判を」

ただ、彼もまた組織の人。
組織にいながら組織に馴染まない(馴染めない、馴染もうとしない)我の強い鶴丸さんを買っているからこそ、彼女のまっすぐな意見もその立場も守りたいと思ってるんだよな、だからこそあの半端ない懐の広さを持って鶴丸さんの暴走を許容してるんだよなと、あの小料理屋でのシーンで思った。
彼もまた、鶴丸さんの暴走を緩和するための、重要なクッションなんですよね。
「私は、君が正義を実践しようとする限り、ずーっと、君の味方だ。心配するな」
相変わらずカッコいい。
この人は『理想の上司像』という面ではほぼブレないというか、カッコいいよなぁ。

本日の古川町・たまこジューススタンド
なんか久々にジュースの内容がわかりましたね。柿と豆乳のスペシャルドリンクだそうです。美味そう。飲みたい。
そこで主婦生活の大変さについて愚痴を言って、鶴丸さんにヒントを与える。お約束ですな。
そして衝撃の発言が。
「今まで気になっててんけどな……突然、自分の世界に入るやろ?」
(3人で)「謎やなぁ」

え、今更?
でも、確かに。鶴丸さんっていきなり自分の世界に入るよね。
地検内での浮きっぷりは今まで何回も描写されてきましたけど、実は主婦友の間でも「あの人、変わってはるよね」的な扱いなんだなぁってのが、何となくわかった。確かに変わった人だしなぁ。

「私、今回ほど、自分が女性であることに責任を感じたことはありません」
「主婦の勘!」っていう決め台詞が示すように、基本的に今までは主人公の鶴丸さんが主婦であり母であり、女性であるが故のメリット(女性ならではの視点)を活かした話作りが主流だったわけですけど、当然メリットがあればデメリットもあるんだよ、ってことで、その視点の転換が結構新鮮だったかもしれないと思った。
鶴丸さんのキャラの1番の特徴は『暴走する・猪突猛進な性格』ってところなんだと思いますが、実は暴走するばっかりじゃなくて、ちゃんと周りも見えてらっしゃる。一旦こうと決めたらブレないけれど、内側では悩むし、迷うときもある。
だから「『お互い、宮仕えは大変ね』って言っといて。たぶん、それが正解だと思う」って池内さんに言えるんだよね。
彼女は組織に対して折れはしないけれど、組織に従うしかない人の気持ちが判らない人ではないし、そんな人を無視できる人ではない。
鶴丸さんは精神的にタフだしバイタリティもあるけれど、超人じゃあないんだよね。
だから、人の気持ちを最大限理解しようと、意思を汲もうと奔走するんじゃないかな。
そこらへんに、第5シリーズの初回の挫けっぷりや、そこから立ち直るまでの過程を何となく思い出した。

「今までと何一つ変わらない生活に戻るのは、大変」
「一度、警察沙汰になったら、たとえそれが起訴されようがされまいが、同じ」
「犯罪を犯していようがいまいが、世間の目は同じ」
「私たち法曹界の人間が立つ場所は、そんな風に、人の社会的生命を左右する、おぞましくて危険なところなの。時には、やりきれなくなる」

そう言われ、一種の「挫折」を味わった栗原さんは、果たして川上さんに謝りに行ったのか。そこはちょっと重要なんじゃないかなと思った。彼女は痴漢被害者ではあるけれど、同時に、川上さんに対しては加害者でもあるからね。
ただまぁ、本当の痴漢が捕まってない以上、川上さんに対して頭を下げられるかっていうと簡単ではないだろうね。
その上、実証しても頑ななまでに証言を撤回しようとしなかったプライドの高さと世間知らずな面や、あの親父の過保護っぷりからしても、きっと謝罪には行かない(行けない)んだろうなぁ、とか思うと、そういう面でもまた後味が悪い。

『疑わしきは罰せず。疑わしきは被告人の利益に』――刑事裁判の原則とされています。
でも、りんりんいわく「それ、もう日本じゃ死語だよ」
理由は、「日本じゃ捕まった途端に、よってたかってみんなで極悪人に仕立て上げてしまう。警察に手錠をかけられたら、もう『有罪決定』って感じで。たとえあとで裁判で無罪になっても、その頃は、みんな事件のことなんか忘れてるし」
こと立証の難しい性犯罪では、被害者である女性側の意見が強く尊重され、被告人である男性側の意見が十分考慮されずらい現実。特に痴漢なんぞ、ごく一部を除いてほぼ証言と状況証拠のみで立件することになる。
だからこそ、鶴丸検事は言うのです。
「世間では、『疑わしきは罰せず』の原則は崩壊しているわ。一度、手錠をかけられた人間は全てが犯罪者で、抗弁は許されず、社会から手厳しい糾弾を受けるわ。我々、捜査に携わる人間は、そのことを頭に置いて、慎重に行動しないと」
罪を犯したときは、刑罰だけではなく社会的制裁も同時に背負い込むことになる。社会的制裁というのは簡単に言えば「周囲からの信用を失う」ということ。それは罪を犯したなら、そのリスクとしてごく当たり前のことだと思うし、そしてそんな犯罪者に関わりあいたくない、と避ける気持ちも、当然のものだと思います。
けれど人は案外、他者に対しては無関心を装いつつもそうではない。そのくせ、無責任。悪い噂ほど簡単に広めてしまうし、他者を貶めることに躊躇いのない、そしてそれに無自覚な人なんて、たくさんいる。
それが誤りだったと言われても、反省するどころか正当化してしまう人すらいる。
「疑われたのは、疑われるようなことをしたから。私は、間違っていない」
おそらく、今回川上さんを痴漢として声をあげた栗原さんも、そんな考えだったんじゃないでしょうか。
そんな誰しもが多かれ少なかれ持っているであろう陰湿で傲慢な一面、思い込みの強さ、世の中に溢れる無自覚に歪んだ正義感とも言うべき感情に、いきなりぶわっと冷や水を浴びせられた感じ。
和菓子屋の廃れっぷり、通りすがりの主婦の言葉、さりげなくあった「ネットでも、面白おかしく書き込みがあった」という一言などに、今回の話のテーマがほぼ内包されているんではないかなと思うんですがどうでしょう。
「一方的な見方の上で成り立つ立件は、冤罪を呼ぶから怖いよ」がテーマと思いきや、実は誰しもが持つ野次馬根性や一方的な正義感、それを満たす無神経な暴走行為に対しての揶揄というか警鐘というか、問いかけの面が強かったんじゃないかなぁ、と思う今回です。

まぁ、そんな無駄に長ったらしい割に中身がない私の戯言はともかく、「過保護な親と自意識過剰な女は、ロクなことしねーよな」ってのは、視聴者全員の総意じゃあなかろうか、と思ってます。勝手に。
あ、「本当の痴漢が捕まらなかった」っていうのは、『西岡脚本』『冤罪モノ』って時点で予想ついてたんで、個人的には許容範囲です。
っつか、現実でもそうそう簡単に痴漢って捕まらんし、最後に鶴丸さんが「本当の痴漢捕まえられんで悔しい(要約)」ってまとめてたし、そもそも今回のテーマってそこじゃないし。

そんなこんなで、次回は最終回!
無差別殺人のターゲットが……鶴丸さん!? なんて命知らずなことを
脚本は岩下ゆうこりん! お久しぶりです。
ってなわけで、勝手に期待しておりますですよー。

そして、『ホンボシ』告知きたな!
なんか「渋い」っつーか、「地味」なキャスト揃えましたって感じだな……いいか悪いかは、見てみなければわからんけど。
こちらにも期待したいところです。次週はもうちょっと長い告知が流れるかな?

……あれ? 再来週放送予定の『おみやさん』スペシャルの告知は?
相変わらず、木ミスドラマのSPは冷遇っすな。

オマケ:今回1番笑ったところ→家政婦は宇宙人だった。
不意打ちすぎて笑ったわ。
もし地方ごとにCM違ったらすまん。市原悦子のBOSSレインボーのCMです。BOSSの宇宙人シリーズのCMって、なんつーかシュールだよなw

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