【科捜研の女’10】第7話 感想

科捜研の女
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CASE.7 科捜研vs絵画修復家 消された微細証拠!!

ゲスト:杉本哲太、今井朋彦、久世星佳

脚本:櫻井武晴
監督:西山太郎

『科捜研の女』オリジナル・サウンドトラック、発売日まで1週間切りました。(Amazonへのリンク。アフィじゃないよ)。
皆さん、もう予約はお済みですか? まだの方は急いでね。
あ、ちなみにAmazonでも視聴ができるようになっていますよっと。

本題。

マリコさんが風邪ひいたことを散々ネタにしてたら、自分が夏風邪ひいた。
ごめん、ゴメンよマリコさん。しかも喉やられたし声掠れたし。こういう面白い回に限ってこの様。
間違いなく、これはマリコさんのせいだ。マリコさんを怒らせちゃダメですね。違うか。

で、まぁ、そんな風に夏風邪で煮えた頭で見てたら、あっという間に終わって驚いた(いい意味で)。

そんな感じで、今回の感想へ。


私一般人だけど、あんなにしつこくて厭味ったらしくて高圧的な警察の人が来たら、涙目になる自信がある。
ってな感じで、やたらマリコさんがテンション高く見えたんだけど、どうした。なんか、超活き活きしてませんでした?
もう、土門さんと一緒に何回もしつっこく仕事場尋ねてくるし、やたら態度が好戦的だわ、なんか土門さんも態度が高圧的だしだわで、そりゃあアナタ、犯人じゃなくても嫌になりますよ。むしろ、橘さんはよく耐えた方。
久々の倒叙モノだったからか、余計それが強調されて見えてねぇ。
個人的に、『科捜研』の倒叙モノっていうと、新2~3辺りの戸田山さん脚本回を真っ先に思い出しちゃうので、自分の中では「マリコさんは倒叙モノになるとテンション高くなる」説が着々と出来上がりつつある。
そして土門さんも。土門さんの場合は、「ネクタイの色がだと好戦的になる」説かな。ほら、最近何故かネクタイがだし、やたら態度がアレだし。記憶が確かなら、去年のゴリさんの回でもネクタイがでした。たぶん。
つまり、

倒叙モノのマリコさん+ネクタイがの土門さん=鬱陶しいっていうか怖い

ああ……そりゃあ、橘さんも落ちるワケだ。これは精神折れる。間違いなく折れる。むしろよく耐えたよなぁ。私があの立場だったら、すぐに自白するか逃げるかカッとなって殴る。

◆で、そんなテンションの高いマリコさん、致命的な芸術オンチであることが発覚。
絵を見るセンスはさておき、さすがにカラヴァッジオを「カルパッチョ?」はねーよ。何、徹夜明けで腹減りだったの?
そういやこの人、『マクベス』も知らんかったんだよな……でもさすがに「カルパッチョ」はねーよと(ry)
で、その時、日野さんが「親の顔を見てみたい」って言ってて笑った。
それで全然関係ないことを思い出したんだけど、そういやもしかして、マリコママって科捜研の人と会ったことないんだっけ? 少なくとも、今のメンバーとは会ったことないんだっけか。

◆マリコさんに比べて、権藤くんって実は、意外に(ごめん)美術系に詳しいのかしら。
興味なかったら絵のサイズを尋ねる時、「何号ですか」ってパッと出てこないんじゃね? 私も、何号って言われてもわかんないよ。
実際、画家の妻だった奥さんはわからんかったワケだし。

◆徹夜に弱い男性陣と、徹夜してもケロっとしてる女性陣の対比が面白かったっす。
本当に眠そうだったもんなぁ、乾くんや日野さん。

◆今回、1番嬉しかったことは
初回以来、どことなく空気だった所長が久々に目立ってたこと。
久々に「マーちゃん」呼びしてたり、生で有名な画伯の絵を見られるとあって「こんな間近で見られるなんて、役得だね!」なんて不謹慎スレスレの発言をしたり、娘を「芸術オンチ」呼ばわりしていたり。
娘のテンションに引きずられたのか、父さんまでテンション高かったです。
っつか、娘は科学バカの芸術オンチなのに、父さんは本当に知識がオールマイティ。しかも、百合の絵が画伯の絵だと見抜く(「似てると思うんだけどな」レベルだけど)審美眼まで持ってるし。
やはり、考古学の教授時代のフィールドワークの経験が生きているのかな。

今回の事の顛末
安芸津「飯田真紀殺したの、実は俺なんだ」
「な、なんだってー!?」
安芸津「その証拠がこの絵。彼女の血痕がついてるんだよ」
「な、なんだってー!?」
安芸津「この絵って、実は殺人の証拠を消すために描いたし」
「な、なんだってー!?」
安芸津「お前には俺を告発する権利があるから、お前の手でその血痕を取り出してくれや。お前ならできるよな?」
「なぜ殺たし」
安芸津「お前より俺の方が才能あるのに、お前を選んだから、カッとなって殺った。反省はしている。だから、お前の手で俺を人殺しの画家にしてくれや、って、ぎゃあああああ!」

ごめん、なんか崩しすぎた。
で、「なんで橘さんは安芸津さん殺したん? 警察に突き出せばいいのに」と一緒に見ていた妹が言ってたんですけど、橘さんの心情を私なりに解釈すると、

(俺はこの絵を見て心折られて画家の夢を諦めたのに、この絵が殺人の証拠? コイツが真紀を殺した? その上、この絵は証拠隠滅の末にできたものだって? は? ふっざけんなぁぁぁぁぁぁあああ!!!)

ごめん、なんか崩しすぎた。
要するに、「才能ってなんだよ、人を殺しても赦されるのかよ」っていうやるせなさとか、「俺はこんなヤツの絵に負けたのか」っていう劣等感とか、それでも彼の圧倒的な才能には勝てないという事実に対する嫉妬とか、勿論彼女を殺された恨みとか、色々ごちゃ混ぜになった感じかなー、って。
そこらへんが、絵を処分できなかったってところに表れているな、って。
何にせよ、これは殴られる。殺すかどうかはともかく、そりゃあ殴られる。
要するに、昔抱いてた画家の夢も絵の修復家としてのプライドも昔の恋人も、全部まとめて、木槌でばっきばき! なレベルですよ。『才能』という否定できないものに、20年前から現在までの自分を、全否定されたに等しいんですよ。それも、自分の恋人を奪った人殺しに。それは殴るよ。
せめて最初に、「俺は末期癌なんだ」ぐらい言っとけばなぁ。どうやら橘さん、最後に聞くまで知らなかったっぽいですよ。それも言わず、あんな自己陶酔MAXの舐めた態度取ってたら、それは殴られる。言ったところで許されはしないだろうけど、それでも言わないよりはマシだっただろうになぁ。
でも、その結果起きてしまった殺人を隠そうとした時点で、橘さんもまた安芸津さんと同じレベルまで落ちちゃってたのよね。とか考えると。ああ、嫌だ嫌だ。

※ここから先は読み飛ばしてもいいです
少し気になったのは、「何故、今頃になって安芸津さんが橘さんの元へ行ったのか」っていうこと。
「もう末期癌で長くはないから」ってのが理由の大半なんでしょうけど、果たしてそんなしおらしい動機だけで、安芸津さんがわざわざ20年前の殺人を告白しに行くかな? って思ったんです。
「最後は人殺しの画家だ。それも俺らしいかもしれない。それならお前の手でそうしてくれ。きっとそれが、俺の運命だったんだ」
って台詞と、彼が殺される直前、一緒にカラヴァッジオの絵が映っていたことから思いついた、ほぼ妄想なんですけどね。
彼はカラヴァッジオになりたかったのかもしれない。なんか語弊があるかもしれないけど、芸術家としての「箔」をつけたかったのかな、と。
ほら、よく言うじゃん。「芸術家の人生は劇的じゃないといけない」って。え、言わない?
まぁとにかく、癌で死ぬ人は大勢いるけれど、「殺人を自白し、警察に捕まって癌で死ぬ」っていう「劇的」な人生の終幕は、『芸術家』として「箔がつく」ものだったんじゃないですかね。
少なくとも、彼はそう思ったんじゃないかなぁ。それ、ものすごい不謹慎だし失礼な思考だけど。
序盤で被害者について、奥さんが「自信家で自己顕示欲が強い」云々言ってましたけど、要するに安芸津さんは自己愛が強い人だったんじゃないかと思うんですよ。
そうじゃなきゃ、自分が過去殺した女の恋人に、あんな自己陶酔MAXの態度取れませんぜ。「お前、本当に人殺したことについて罪悪感抱いてるか?」って態度だったし。しかも、「あれは事故だった、殺すつもりなんかなかった」とか、この期に及んで言い訳っぽいことまで言ってたし。
そんな自己愛の強い人だったら、そして癌で余命半年との告知を受け、全ての発端であるあの絵と運命的な再会をしたら、「芸術家として相応しい人生の終幕とは云々」なんてことを大真面目に考えて、それを実行しても不思議はないかなぁ、って思ったんです。
で、橘さんがキレたのも、「最後は人殺しの画家だ。それも俺らしいかもしれない」云々の台詞を言われたからに見えた。
要するに、「なんで俺がお前の人生の箔付けに協力しなきゃならねーんだよ! 死ね!!」みたいな。
勿論、他の色々な要素と絡み合った末の衝動的な結果だったんでしょうけど、その衝動の引き金を引いたのは、この自己陶酔MAXの台詞だったように見えたんですよ。たぶん、安芸津さんも橘さんに申し訳ないとかいう気持ちから謝罪しに来たんじゃなくて、本当にただ自分のためだけに謝罪しに来たんだと思うんだ。
カラヴァッジオは殺人を犯したけれど、画家としての才能や、遺したものの価値は認められている。彼も、そんな存在になりたかったんじゃないかなって思ったんです。
もし、この事件が発端となって、安芸津さんの絵の価値が高騰した……とかいう話があったら、結果的に彼の芸術家としての価値を上げちゃったのは橘さん、ってことになるんだよなぁ。そうなったら超皮肉。
でも、そんな話は一言も出ていないので、結局はこれ、ただの妄想ですわな。

ってことで、こんな妄想をわざわざ読んでくださった方がいたら本当にごめんなさい。
まぁ、夏風邪で頭煮えてても、色々考えたり妄想したくなるような面白い話でしたよってことで、勘弁してちょんまげ。
ひとつだけ確かなのは、安芸津さんは人とのコミュニケーションが苦手なタイプだったんだろうなぁ、ってこと。奥さんの話からも、橘さんとの会話からもそれは明らか。芸術家って、どっか欠落した人が多いよね(偏見)。
※ここまで読み飛ばしておk。っつーかもう全部読み飛ばしてもおk

色々ごちゃごちゃと余計なことを書きましたけど、一言でまとめると面白かったよ! ってことです。
でも、なんかちょっといつもと雰囲気違ったような。どことなく、ふわふわーってしてた感じ。
え、それはお前が風邪っぴきだからだろって? そうかも。

次週は匂いのお話らしい。何それwktk。
来週も期待してますよー。

お暇な時にどうぞ→【科捜研の女’10】第7話 感想の蛇足な補足。

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