第10話 特命係、西へ!
死体が握っていた数字と、消えた幻の茶器の謎…東京~京都・連続殺人と420年前の千利休の死の秘密が繋がる!?
ゲスト:檀れい、橋爪淳、いしのようこ
脚本:戸田山雅司
監督:和泉聖治
もう2日の午後ですが、明けましておめでとうございます。とりあえず、こんなネットの片隅ですが本年もよろしくお願いします。今年も皆様が健やかに過ごせますように。
気のきいた新年の挨拶も浮かばないので、早速『相棒』元日スペシャルの感想に行きたいのですが……
うん……何書けばいいのかよくわかんね。
CMや雑誌とかを見て、薄々予想はしてたんですけど、やっぱネタが滑って全力で空回ってた気がする。
そもそも私が、神戸くん以上に全く歴史(特に日本史)に対して知識も興味もないというのを差し引いても、なんだかなぁ、なお話でした。母親は日本史好きなんで、結構楽しんで(ツッコみながら)見てたみたいですよ。
ということで、新年最初の感想なのにこんなこと言ってて本当に申し訳ないのですが、今回の感想へ。
◆ぶっちゃけ、トンデモ歴史ミステリ講釈タイムの間は聞き流してたんですけど、私だけじゃないよな?
いやだって、本当に興味ないし超展開すぎたんだもの。信長の首が茶器で中国からのお墨付きだと誇示する手段が茶器でそれを巡る争いがどーたらで比喩表現がなんだって?
私は日本史に疎いので、その方面のツッコミはあまり入れられないんですが……あんなトンデモ解釈、利休ファンクラブの七哲庵の皆さんはよく信じたなぁ。私はひたすらポカーンとしかできなかった。
再現映像も、時代劇が得意な東映、しかも京都ロケなんだから、本気出してほしかったな……何あのしょっぱさ。経費削減ですねわかりません。
そんな壮大な歴史ミステリも結局は事件に関係してなかったし、ただの時間伸ばしだよなぁ。ラストで右京さん、「空想に空想を重ねた、飛躍した話」とか言ってましたけど、これはもはや妄想の域では。
◆で、事件自体は。
自己中心的な人間2人が別々に起こした、「『幻の茶器』? 『歴史がひっくり返る大発見』? そんなの嘘ぴょーん! お前ら釣られすぎクマー」(AA略)という、金目当ての身近な事件でした。
そこらへん含め、雰囲気や面子、途中の七哲庵の方々のやり取りなんぞは実に土ワイじみたお話でしたな。決め手や動機がショボいところを含め、綺麗にテンプレを満たしていたような気がします。金曜でしたけど。
それはある意味、この手の話の御約束だし、どんでん返し具合が『相棒』っぽいかもわからんけど、高村さん殺した犯人さんの方が色々とアレだったなぁ。
金庫の番号=研究室の番号ってどうしてわかったの、とか、暗証番号だけってセキュリティ甘過ぎワロタとか、それはまぁスルーするにしても改ざんとか殺人とかしてまで手にいれたいものかよインサイダー情報ってのは、とか、そこは百歩譲ってもあのやり方で上手くいくとでも思ってたのかよ、とか(実際上手く行ったのは、偶然に偶然が重なった結果なわけだしさ)。
他にも色々ツッコみたいけどとりあえず、何度目だ転落死。
あと、2回目の殺人の時がね……アレははぐれ死っていうよりプロレスに見えた。あんな技なかったっけか。
◆で、ある意味本日のメインだった、神戸くんの元カノの細野唯子さん。
ラストのオチ……アレいるの?
なんか「最後に一捻り、不祥事オチ入れてやれ!」な感じでしたなぁ。
色々怪しい動きはしつつも、最初からミスリード係だということがバレバレな彼女。神戸くんについても、もう少し掘り下げて描写してあげてもよかったと思うんだよなぁ……時間かけとる割には表面的で、なんかそこまで重要な役割だとは思えなかった。
彼女の研究内容から、「千利休のクローンとか出てくるんじゃね?」と思ったんだが当然外れましたね。よかったです。
CMで流れてた抱擁、ラストのだったのか……復縁フラグ、ではなさそうだねぇ。もう出ることもなさそうだしなぁ。
◆で、予想はしてたけどさ。
400年前の謎を前にして、やっぱり右京さんのテンションが高かった。
利休の謎をトンデモ解釈してるとき、すっごく気持ち悪く笑い出した時はどうしようかと思った。母親も、「何か右京さん、亀ちゃんがいる時より性格が軽くなったね」と呟いてました。
神戸くんは……まぁ、下手にいじくられるよりは、あれでいいんじゃなかろか。ぶっちゃけほぼ空気だったけども。
今回SPなのに三浦さんがFBI研修中の伊丹と芹沢は、小ネタは頑張ってたけどやっぱなんだかんだと特命にコキ使われてるし、たまきさんは途中でどこ行っちゃったかわかんなくなるし、小野田も何か腹黒い便利屋みたいになってるし、ラムネさんに至ってはワンシーン、相変わらず怪しい雰囲気の店で酒飲んでるだけだし。まぁ、去年みたいにキャラ破壊されるなら、こっちの方が絶対にマシですが。
以下は小ネタ拾いや細かいツッコミ。戸田山脚本らしくちまちまとたくさんあったので、割と大雑把ですが。
◆もはや特命(というか右京さん)を呼ぶのに、全く躊躇いのない米沢さん。『名探偵登場』の時といい、呼んじゃいましたかそうですか。
いや、もう今更かもしれませんけども。結局は「右京さん好み」の事件だったわけだし、呼んで正解だったのかねぇ。
そこでスルーされてる伊丹さん哀れ、というか右京さんが酷いのか。
◆神戸さんの元恋人、細野さんが現れた時の特命2人+芹沢くんの顔芸が……
特に芹沢くんは、「ほほぉ、アレがあの人の元カノ……」とでも言いたそうに見えた。
◆特命部屋改修工事は、ただの謹慎の口実かぁ。てっきりプレみたいな地下にでも行くのかと。
それはともかく、もはや陰謀めいたタイミングでしたな。後で越境捜査について部長たちキレてましたけども、特命に暇を与えるってことは「押すなよ! 絶対押すなよ!!」と同義だってことだな。厄介な人たちだ。
◆たまきさんの口から、久しぶりに美和子さんの名前が……!
これに喜んだのは私だけじゃないはず。さすが小ネタに定評のある戸田山脚本。本当に、薫ちゃん以上にスルー対象だったからなぁ、美和子さん……今頃サルウィンで、何をしてるんでしょうね。
◆何かエラくテンションの上がっている右京さん、過去を振り返るのが嫌いな神戸くん、理解があるっていうか、もはや都合のいい人物と化しているたまきさん。3人で京都へ。たまきさんが余計な気を回すから、おそらく久しぶりのデート気分だった右京さんは拗ねちゃってるし。
しかも旅館では、「どうして別れちゃったんですか?」とか聞いちゃってるたまきさん。神戸くんはそれに動揺してたけど、それはいつぞやの君と同じことしてるだけだよ。
◆途中に出てきた、あの木8でよく見る細い橋(名前失念)。あそこは地元の慣れた人だと、自転車で渡るとか渡らないとか聞いたんですけど、どうなんですかね。
それはともかく、相変わらず相棒ブルーがキツいなあ。木8で見る京都の街並みも、相棒ブルーの手にかかるとああなるんですね。燃えているかのような真っ赤な紅葉を始め景色は綺麗に映ってたけど、人物にまでブルーかけるのはやめてほしいなぁ。
◆歴史に詳しくない神戸くん(=視聴者)に、ハイテンションでトンデモ歴史講義を始める右京さん。ううん、上にも書いたけど本当にこれはやめてほしいなぁ。もうちょっと落ち着いてほしい。
◆これも上に書いたけど、2サス的世界だからかやたら京都府警が協力的でしたな。別に敵対しなくてもいいけど、もうちょっと怪しもうよ、あんな怪しげな2人組見たらさ。
第2の殺人の時、「マリコさんを呼べー!」と叫んだバカは私だけでいい。いや、科学的に分析しなきゃいけないところなんざ、ひとつも出てきませんでしたけどね。
余談ですが、京都府警が『副署長』初回に出てきた建物と同じ件。なので、『相棒』ワールドは『副署長』ワールドと繋がって(ry)
はい、ゴメンなさい。でも誰か、すーっと木8主人公が通り過ぎてもおかしくない雰囲気だったなぁ。もういっそ、カメオ出演すればよかったんじゃね。
◆SuicaとPASMO、ICOCAって、互換性あるよね? あれ、京都ってICOCA使えないんだっけ? でもああいう乗車カードはあるよねぇ。
大量の切符からの指紋採取シーンで、そんなことを考えた。結局あれ、事件には関係してこなかったし。
◆特命の直談判に乗っかる伊丹さん。大分丸くなったなぁ。本人は利用しているだけのつもりらしいが、なんだかんだとコキ使われているだけなような気がしないでもない。
なのにスーパー右京さんのハイパー推理に置いていかれる捜一コンビさん哀れ。
伊丹「オイ、何言ってるかわかるか」
芹沢「わかるワケないじゃないッスか」(←ものすごく投げやりに)
芹沢くんと視聴者の心のシンクロ率が400%を超えた瞬間だと思う。
その芹沢さんは、真冬の冷たい水に落ちてて更に哀れ。芹沢くんは今年厄年なんですかね。
◆最後の細野さんの告白してた場所、あの“紫陽花”のトンデモ告白の場所じゃないですか……
◆これ、正月の話じゃなかったんだねぇ。まだ年越し前だったんだ。
いつか神戸くんに、亀山がいた頃の話をする時が来るフラグなのかねぇ、このラストは……
◆最後にこれだけ書かせてくれ。
小野田「京都は一千年以上も怨念と暮らしてきた街だからね」
京都には、怨念がおんねんて。
……ゴメンよ、新年なのに本当にゴメンよ。
2時間半の尺埋めるのには引き延ばすしかなかったんだろけど、なんつか途中から「どうせ千利休の謎なんて、大して事件に関係ないんだろ?」っつーのが(御約束として)わかっちゃったのがねぇ……
事柄や設定の繋がりもちぐはぐだし、いっそ特命係タイムスリップとか、千利休クローン復活計画とかぐらいぶっ飛んでた方が、元日SPとしてなら面白かったかも。本当にやったら、余程上手くやらない限りキレる視聴者続出だろうけど。
やたら長ったらしいサブタイや途中にあった御約束描写からして、かの『イカ』並の2時間サスペンスのパロディとして見るのが正しいのかも、というのが結論です。
そうだよコレ、モロに『浅見光彦』なんだよなぁ。
次回は……時効ネタ?
どうしても『ありふれた殺人』とかと比べられそうだなぁ。
そして脚本は太田さん……『バードランド』も『ミスグリーン』も苦手なんですよ……どうなることやら。不安ではありますが、予告は面白そうなので期待してますよー。