【相棒 Season8】第2話 感想

相棒
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第2話 さよなら、バードランド

ゲスト:大浦龍宇一、神尾佑、増沢望、吉見一豊

脚本:太田愛
監督:和泉聖治

ないわー。

と、先週と同じ書き出しでなんなんですがこれはないわ。
印象としては『緑の殺意』『殺人の資格』オサレって感じ。
右京と神戸のやり取りの妙はまぁまぁだったが、逆に言えばそれだけしか見所がなかった。
『相棒』では初めて書く脚本家ってのを差っ引いても、これはちと粗が目立ちすぎだろう。
来週もこの人らしいが、ちょっと不安だなぁ……今週のは捨て回。

というわけで、今回の感想・小ネタ拾い。


◆大浦龍宇一の役名が『青柳』って、モロに今年の9係を連想するんだが、まぁ偶然だろうな。

◆音楽や効果音が、何か微妙なんだよなぁ。シーズン7よりかはマシなんだけども。

◆鈴虫の鳴き声が電話越しじゃ聞こえないのは常識だと思ってました。
あと、風鈴の音とか。

◆青柳から広田への殺意が、同級生同士の(不自然な)会話だけで説明されちゃったよ。今回、この話にはさほど重要ではないとはいえ。
ここはもう少し、自然に描写できなかったのかなぁ。

◆所謂『相棒ブルー』復活。いい加減やめれよコレ。

◆道を間違えたりあからさまに話題逸らしてみたり、相変わらず運転は荒い模様だったり、温泉でのぼせてみたり女の子口説いたり、今回の神戸もどことなくダメな子でした。
ってか右京さん、神戸が道間違えてたのわかってたんだろうに黙ってるとは……そんなに嫌いか。

◆福助人形は伏線でもなんでもなかったんだ。
『福助』っていうと、神戸初登場回のダメ息子思い出すんだが、小ネタの一種かな。

◆予告で走ってたのは、ただ帰りのバス乗り過ごしただけかよ!
ここでも厭味言ってるし、右京さんそんなに神戸が嫌いか。

だからこのOPはやめよう。な。頼むから。
なんかあんまり、“事件捜査・解決”って感じしないんだよな……公式が言う程、スタイリッシュでもないし。
むしろダサい……
個人的に、OPはシーズン2が好きだったなぁ。

◆どっかの山奥だと思ってたら、トリオ+米沢がいることから奥多摩かどっかな様子。
でも、別に今回はトリオや米沢、いなくてもよかったような気もする。伊丹・三浦・米沢は空気だし。
唯一目立ってた芹沢さんは、まるで呼吸をするかのようにペラペラと捜査情報漏らしてました。

本日唯一の伊丹語録
「アレは俺の背後霊かなんかかよ!」
確かに最近、トリオの行く所に特命アリというか(逆もいっぱいあるし)、それはもう嫌になるだろうなぁ。
でも前回や今回、やっぱり伊丹は空気だった。

◆同級生たちいらなかったかと思う。
上手く書けば、青柳と黒木だけ、いたとしても宇野、で、話は回ったかなと思う。渡辺いらない子っぽい。
この妙に説明的な人物紹介は、この4人の関係を表しているんだとしてもちと不自然だったし、そもそも台詞でがーっと説明されて覚え切れないしさ。

◆前半の事件捜査はグダグダしすぎ。今回の肝はむしろ後半なのだから、前半のグダグダな描写削ってそこを丁寧に描写してほしかったな。
時間の流れも、なんか変だったし。

◆神戸のひそかなツッコミのセンスはさまぁーずみたいでなかなかだと思ったが、いかんせん及川の滑舌がなぁ……

◆20年間で4人の男の間に様々な差がつき、昔の思い出のままずるずると同窓会やるのはどうなんだ、と苦悩する。止めるほどの決心もつかない。
そんな切ない描写はよかった。が、なんかいまいち振り切れてないな。

◆本日の右京さんの違法捜査の中で1番酷かったところ
右京「恐縮ですが、彼が喉が渇いているようなので、お水を1杯頂けますか」
→社員追い出す
右京「今、動物の鳴き声が聞こえませんでしたか? リスとか、ハムスターとか……この中でしょうかねぇ」
→黒木の机を勝手に漁る
今回も元気にアグレッシブ捜査。そんな右京さんです。もうキャラ崩壊とかどうでもいい。

◆右京さんが机を漁るのを止められず、その上フォローとして社員の女の子を口説く羽目になる神戸
それでちゃっかり情報聞き出してる辺りはなかなかやるなと思ったが、まずは止めようよ。

右京「交換殺人だったんですよ!」
アレ? 何かデジャブ。あっちは、そう見せ掛けた上でのトリックでしたが。
で、そのデジャブ……交換殺人を利用したトリックって、似たようなの過去にやってるし(『殺人の資格』)、それ以前に色々と無理ありすぎるし。
そもそも、交換殺人ってのは動機の面から自分に捜査が及ばないようにするための工夫なんだから、自分に近しい人間とやったって意味ないだろう。
そしていくら青柳がアリバイ工作したからって、両方が泊まる旅館で殺人を犯してどうするんだ。黒木にはアリバイがないのに。下手したら交換(委託)殺人ってことがバレバレになってしまう。
大体、あの電話だけで黒木が青柳を信じるのもなぁ……土地の遺産相続や愛人のために、昔からの付き合いの奥さん殺そうとするんだから、普通はもう少し疑り深いというか慎重だと思うが。今は3年に1回しか会わない間柄なんだし、いくら大学時代の親友とはいえ信頼しすぎではないかね。奥さんを守るためとはいえ、全く躊躇いもなく交換殺人を飲んじゃうしさ。
と、えらくグダグダなトリックでした。これなら『殺人の資格』の方がマシ。

◆黒木の別荘へ行くと、奥さんではなく黒木の死体が!
殺されたと思われた奥さんは、旦那と思わしき人物からの手紙とチケットにより、秋田にいた。
しかしワープロ打ち+あの文面でカケラも疑わないって、奥さんただのバカやがな
てっきり、黒木殺害は奥さんが階段に工作したから、てな話かと思ってしまったよ。

◆黒木の殺害方法
青柳「奥さん仕留めそこなったかも、確認してきて」
黒木「おk」
→青柳が仕組んだので、もちろん奥さんの死体はない。黒木焦る。
(ブレーカーは落としておき、玄関の電球だけ緩めておく)
→ふと見たら、地下室への扉が開いている
→覗いてみたら、妻弾いていると思しきピアノの音が! んなバカな!
(ピアノの音は、カセットデッキによる細工。電源は、黒木がブレーカーを上げた時に作動)
→元から階段の踏み板は腐っていて危険だった。それで踏み外してあぼーん
いくらなんでも、偶然に頼りすぎじゃないかなぁ。これで殺そうとするには、確実性がちょっと。自分を殺す装置のスイッチを自分で入れちゃう、という発想は悪くないけどね。
死んでも死ななくてもどっちでもよかった、っていう、『未必の故意』だったならまだ納得はいったかな。それだとモロに『緑の殺意』ですが。
他にも現場検証の際にカセットデッキが見つかってない(怪しまれてない)し、危険だった踏み板をそのままにしておいた黒木といい、ちょっと無理がありすぎるんでねぇかい。

◆で、事件の背景描写もなんだかなぁ。
同級生4人と奥さんを巡る描写が薄くて、人情モノとしてもダメ。
『青春だった』という奥さんを守るにしては、計画が杜撰過ぎるし描写も雑。もっと黒木が嫌われてる描写入れたら、また違ったかも。
事件モノとしては、トリックがメタメタ。
あと、青柳が黒木に広田を殺させたのは、なんだかんだで雑誌を守るためなんじゃないのかと、青柳の黒いエゴとかを突けば幾分面白くなっただろうに。ちょっと仲間や思い出を、ジャズ風味に美化し過ぎた印象。
なもんで、『殺人は絶対やってはいけないこと』という、右京の基本的な芯がぶれている気がする。なんか犯人中心の描写でいい話風になってしまっているという。
なんだかなぁ……

◆最後の、右京の台詞は何か的外れに感じた。
神戸のあの台詞は、ただ「雑誌も奥さんも、どっちも大切だったんだね」ってことだろ。
右京の台詞のニュアンスだと、青柳は聡明っていうか自らの黒い部分を認めたくない人間ってことにならないかな。そこをつついたら面白い話になりそうだったのに。
そもそも最初から、交換殺人の件を奥さんに話していれば、彼女の命は守れたんじゃないかねぇ。
……やっぱり、奥さんが悪女で黒幕って方が、ベタだし何回もやったパターンだけど面白かったように思う。

◆シーズン始まる前の事前予告、殆ど3話から来てたっぽいな。
何かデカい事件+ゲストが草笛光子なので期待したいが、来週も脚本が太田さんなんだよな……

何か過去の焼き直しをたくさん詰め込んだ上、スケール、クオリティともにダウンさせた感じで微妙……食材は悪くないのに、調理方法が。2週連続でこのクオリティはキツい。
あと、キャラネタ、キャラ萌えがキツかった気がする。特に、伊丹と芹沢の。何か元気にアホの子化してたしなぁ……
来週もこんな感じだったら、もう『相棒』ではなく『段違い平行棒』(@先週の珍百景ホリケン)と呼ぼうかと思います。割と本気で。
明日の『副署長』に、これだけ期待したことはなかったわ……これで『副署長』もダメだったら、泣くよもう。

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