第3話 ミス・グリーンの秘密
ゲスト:草笛光子、川口真五
脚本:太田愛
監督:和泉聖治
前2週(特に先週)の出来が悪かった+先週からの流れで今回の脚本にあまり期待しなかった、ってのもあるんでしょうが、シーズン8に入って今回が1番マシ。
少なくとも、『段違い平行棒』呼ばわりする出来ではなかったし、後半のふっ飛び具合は驚いた。
ただ、大分ゲストの草笛さんの演技に助けられていたと思うし、ちょっとどうかと思う粗もあるんだよなぁ。雰囲気も、水9とか相棒とかいうよりは、木8的な感じだったし。
おそらく、『副署長』や『おみやさん』辺りでやってくれたらもう少し好きになれた。『相棒』として見ると微妙。
嫌いじゃないけど、本当に微妙。神戸のキャラ立て回としてなら佳作、かねぇ。
と、今回はややテンション低めです。
何故なら風邪で寝込んでたせいで、再放送するとわかっていた『キソウの女』(脚本:櫻井武晴)を見逃したから。櫻井信者っていいましたけど、私にそんなものを名乗る資格はなかったよ。
……ゴメン、ものすごい私情挟んでるね。
◆今回の映像は、相棒ブルーていうか相棒グリーンでしたな。
タイトルにかけたのか。こっちの方が、まだ見やすいなぁ。
◆久しぶりに暇課長の「暇か?」を聞いた気がする。
一課もそうだけど、あれだけ対人スキル高そうな暇課長も、まだ神戸に対しては様子見段階っぽいね。
◆特命に回されて来た“面倒な電話”(by暇課長)から、一課とは違った観点から事件に関わっていく特命係。
あの情報提供オバサンに、てっきりあの前沢さんが来るかと期待したのは私だけじゃないはず。
でも、よく見ただけであの小箱をオルゴールだとわかったな。
◆ハプニングビデオ見て笑ってる米沢さんに、何だか違和感。それ含め、何か今回の米沢さんは好きになれない。
いや、これが後のやらせへの前フリなのは承知の上だし、閣下のフンドシビデオ再現したり元から茶目っ気はある人だと思うけど、仮にも証拠品見て笑う人だったっけ。
あと、ショルダーバッグの話については、普段ならもう少し飲み込み早いと思う。脚本の問題なのか、演技や演出の問題なのかはわからない。
細かいけど、ショルダーバッグは、バードウォッチングじゃなくても、特にあの年齢の人なら斜め掛けするんじゃないかな。バッグを置いてのくだりも、この右京さんのスーパーっぷりなら、あんなワザとらしい説明シーン入れなくても、すんなりわかってもよさそうだったけど。
◆神戸はミス・グリーンに張り付くが、早速見つかったりコキ使われてみたり、やはりややヘタレのダメな子か。それは右京さんに厭味言われても仕方ない。
ただ、ミス・グリーンがPC使いこなしてるのを知ってたり、見てるところは見てるみたいなのはいい。
しかし「年寄りは寂しいから、優しくされるとすぐ気を許す」とか、後のシーンだと本人に「何で結婚しなかったんだ」と聞いたり、やっぱり神戸はやや残念なKYくんなのかね。
◆普通に緑とお茶をする神戸。やはり女たらしキャラでいくのかしら。
ここで特に際立ってたのは、神戸というか及川の演技の下手くそさ。棒読みだし滑舌悪いし、表情も乏しい。上手い草笛さん相手だから余計目立つ。クールキャラとはいえ、もうちょっと何とかしてほしい。
◆パイを持っていって貰おうと包んで渡そうとするミス・グリーンと、証拠となるステッキを持った神戸が鉢合わせするシーンは、クセ者かつ切れ者の神戸らしさが出ていてよかった。
そして、草笛さんの威厳が本当に凄まじい。ベタだけど、ベテランの風格があったよ。
ただ、神戸はあれだけ1話で右京の違法捜査を非難してたのに、自分もやっている件。あれとはレベルが違うけど。発見するのはたまたまでもよかった気がするなぁー。
◆被害者の正体→やらせでハプニングを作り出していた、関係ない他人を巻き込むニコ厨
時事ネタに最速で食らいつく『相棒』ですが、今度はニコ生批判ッスか。
ニコ厨氏ねとは言わんが、ほんの悪戯や遊びのつもりがエスカレートし過ぎて犯罪になるっていうのは最近、ニコ生であったので有り得る話。
今回の被害者は本当に清々しいまでのクズ。今までにも死んで当然のクズ被害者はいたけど、コイツはその中でも1、2を争うな。
◆オルゴールは被害者のベランダにあったわけだけど、バッグから落ちたのを、わざわざ被害者が拾って帰ったのかしら。ここがよくわからない。
そして葵が死んだのは知らなかったみたいなのに、メールでは死んだと書いていたこともわからない。
あと、右京さんが『もうひとりのチャーリー』について神戸に言うのが遅かった気が。あれ、もっと以前から気付いてたよね?
ならSATとか呼ぶ大事になる前に、もっとスマートに解決できたと思うけどなぁ。
◆園芸の知識があったりPC使いこなしてるとはいえ、いくらなんでも爆弾は突飛でアグレッシブ過ぎるだろうミス・グリーン。
右京さんの指示に素直に一課トリオが従ったり、やたら動画協力者の『もうひとりのチャーリー』についての位置特定が早かったり、何かご都合主義だなぁ。
あとそもそも、『もうひとりのチャーリー』について右京さんが周りに話していたら、こんな大事には(ry)
◆庭の手紙を出すんだったら、もっと神戸との交流を書いたらよかったんでないかな。
そんなお涙頂戴展開を『相棒』でやる必要性はどこにもないけど、やるならやるでちゃんとやれ、と。
先週はまだしも、今回は動機や事件背景からしてわかりやすい、所謂『木8』的な感じなんだから、振り切ってベタベタにして構わなかったと思うがどうだろう。
◆爆弾処理犯とか交渉人よりも先にSAT呼んだり、相変わらず無能な内村さん。SATはないと思うよ、SATは。実際問題、老女は撃てないだろ。
何か、神戸にいいカッコさせるためだけに無理矢理超展開にした感がアリアリ過ぎてどうも……
「見知らぬ老女とともに爆弾で死ぬなんて、人生最大のハプニングね」などの洒落た台詞回し、枝葉はいいのに根本のストーリー、幹がダメという。
とりあえず言えるのは、神戸が説得に回らなきゃ、内村は確実にクビ飛んでたなこりゃ。
◆警備畑出身だからSATのセオリーもわかってる、だからSATからの盾になり説得する。
まさに神戸age話だったんだなぁ、今回。
あまりに呆気なく緑が説得に応じちゃって、何だかな。そのまま死ねばとは言わないけど、「新芽」云々だけで諦めるのはちょっと消化不良だったかなぁ。
やはり、たとえベタでクサくても、もっと緑と神戸のやり取りを深く書いてほしかった。それだったらもっと、あの説得のやり取りも活きただろうに。及川の演技もあろうが、ちょっとここが軽くなっちゃってたな。残念。
◆久しぶりに右京さんがプチ激昂してたのはよかったが、あそこはもっとキレてほしかった。
小粒にまとめてあったけど、その分、前回程じゃないにせよ粗も目立ったなぁ。
序盤、神戸が「足の悪い老女が鉄パイプ振り回して男を殴れるのか」と言ってたのに、答え:出来ただったり、何か右京さんの行動がやたらモタモタしてたり。
人情話として小綺麗に纏めたみたいだし、今までの中なら1番マシなんだけど、個人的には
木8でやれ
が結論ですかね。
とりあえず太田脚本だと、神戸萌えage・一課空気がデフォなのかなぁ。ここ最近の一課の空気&パシられ具合は異常。
とにかく、再来週は久しぶりに戸田山脚本が帰ってくるぅぅぅぅぅ
経費削減TV局の話っぽいが、これは期待。
ついでと言っちゃなんだが、来年の科捜研にも帰って来ておくれ……!