【科捜研の女 season19】第14話 感想

科捜研の女
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File.14 予約された死

ゲスト:中島ひろ子、鶴田忍、梅沢昌代、大地伸永、飯島順子、西村亜矢子

脚本:下亜友美
監督:西片友樹

 質問が思いつかないときは安牌。今回のアンケートです。
 「どこにもなくて買えない」派が割と多いのは、あんまり良くないと思うよぉ。せめてコンプリートBOOKの取り扱いは増やそうよ。重版出来!
 そういえば、この前テレ朝に行ったとき、ペンライトのブルーは売り切れてた。ペンライト、人気みたいですぜ。東京駅に来たらテレアサショップへ! 送料かかるけど通販でも買える。検索検索ぅ。

 はい、今回!

全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ

 悲劇は時に喜劇かもしれないし、喜劇の裏には悲劇があったりするのかも? な、お葬式コメディー回。

20の見どころ

◆1.今回の演出テレ朝金曜ナイトドラマ風味

 冒頭の棺に語りかける神城さんのシーンといい、今回はなんだかやたら全体的に「金曜ナイトドラマのシリーズとのコラボ」感があった。良くも悪くもB級チープな演出が多かったというか。見たことある金曜ナイトドラマの演出を思い出した人もいるんじゃないでしょうか。私は『家政夫のミタゾノ』とかあそこらへんを思い浮かべてました。
 そのおかげか、神城さんの存在感がむしろ補強されてたのが強いなぁって。今回の作中では描かれなかったドラマを、きちんと背負って出てきてる雰囲気があったもん。
 今回はとにかく、話そのもの以上に、演出と中島ひろ子のスタイリングの勝利だと思ってるw 実際がどうこうっていうか、神城さんが強キャラっぽく見えたもんな。そう見えることはとても大事だ。

◆2.呂太「勉強熱心なお医者さんだったんだね」

 荒らされた室内を見た第一声がこれなのが面白い。確かに見ていけばそうなんだろうけど、第一声でこれを言えるのは変わった視点だと思う。
 呂太くん自身がオタクっぽいから、なんか勉強熱心な人に共感するところでもあるんかね。
 まぁ、実際は「被害者=厳格で生真面目」の印象を植え付けるための台詞なだけで、別にそんな深い意図はなさそうだけども。

◆3.神城さんと百面相・風丘先生

 神城さんの登場にビビる風丘先生。風丘先生は解剖医さんなので、幽霊とかそういうオカルトチックな現象を信じてはいなさそうだけど、お化け屋敷とかああいうビックリ系にはビビりそう、みたいな偏見はある。むしろお化け屋敷の方が嫌いかもしれない。
 でも自分たちの職務を邪魔しそうな存在には強気な風丘先生。それまで生きていたご遺体の尊厳を守りたいと思うのは、法医学者も解剖医も葬儀プランナーも同じ。

◆4.ジャケットを脱ぐマリコさんがえっちすぎませんでしたか!!!?

 ジャケットを脱ぐマリコさんがえっちすぎませんでしたか!!!?
 なんであのアングルで全身ショットなんですかね……え……?
 ジャケットを着てないマリコさんの破壊力がすごい。夜8時に見られていいものじゃないすぎる。えっちだ……
 最初、この衝撃的なショットのせいで風丘先生の話が頭に入ってこなかったっていうのは内緒だよ。

◆5.蒲原刑事が亜美ちゃんを手伝ってる……

 ホワイトボードの準備を手伝ってる……科捜研内の雑務を手伝っている……
 言われてみれば、初登場時からマリコさんの検視手伝ったりしてるんだし、実験にも付き合ってくれるんだから別にこれぐらいやってくれててもおかしくないのに、「蒲原、お前……蒲原! お前!!!!!」って、何故かうろたえてしまった。
 蒲原刑事は本当に初登場時に比べたら親しみやすいキャラになったな。今のお前に初登場時のお前を見せてやろうか!
 まぁその後、土門さんに家族の聞き込みに行かせてることが判明したりするんですが。
 お前、この猛暑の京都を上司に聞き込み行かせてんの!? 偉くなったなお前! 今のお前に初登場時のお前を見せてやろうか!

◆6.亜美「ぎょ」

 この一言が、かわいいのにオタクっぽい、オタクっぽいのにかわいかったので、やはり亜美ちゃんっていうかひかるさんはすごい。オタかわいい。
 そんなオタかわいい亜美ちゃんも、最近はますますオシャレだからトップコートの解説ができる。女子力低い設定とは一体。いや、「トップコートなんて女子力低くても知ってるわ」っつーたらそうかもしれんけど。でもマリコさん、普通に亜美ちゃんの解説の聞き手に回ってるしな……知らないとも言ってないけど。

◆7.爪は口ほどに物を語る

 特に『科捜研』ではね。今回はそうでもなかったけど。
 そんなわけで、マリコさんの信条は物証を調べること=科学で証明すること。それを「爪です。(中略)(あなたの)爪を調べさせていただけますか?」で表すのは結構オシャレだ。

◆8.家政婦さんの典型的な家政婦ムーブ

 家庭内のゴシップ大好きなあるある家政婦ムーブ。
 それに乗っかっちゃう亜美ちゃんはかわいいし、ノッてあげる土門さんは優しい。「もうひとつ……見ちゃったんですか?」は草。真顔で言うのかw
 この顔芸とか家政婦ムーブが楽しかっただけに、犯人だったのは悲しい。しかもクズだった。ショックだ。
 でも、家庭内から犯人出してたらあのオチにはならんかったから、仕方ないといえばそうかもなんだけど……

◆9.途中でぶった切られる緊迫BGM

 2回あったけど、あの唐突さがコメディ感を演出してて好き。
 やっぱり今回は、金曜ナイトドラマ感……木曜だけど……

◆10.風丘「やっぱり宇佐見さんの淹れてくれるお茶は、美味しいわ」

 めっちゃしみじみ言うじゃん風丘先生。私、まだ先週の傷が癒えてないので、そこをえぐってくるのはやめてもらえるとありがたいのですが……
 『科捜研』のメインメンバーは近しい人を亡くした人が多いが、その中でも被害者遺族なのは風丘先生と宇佐見さんだけなので、お葬式の慌ただしさのありがたさを実感を持って語れるのは、まずこのふたりなのかも。
 確かに、慌ただしい方がありがたいってことがあるよね。忙しいとは心を亡くすと書くけど、心がない方が事務手続きは上手く回せたりするんだよね。

◆11.色恋沙汰のゴシップ大好き科捜研

 なんでこの科捜研は人様の色恋沙汰になると、みんな妙にイキイキとしだすんだ。妙に下世話なノリが大好きな京都府警科捜研。
 神城さんの愛人疑惑にノリノリの風丘先生と日野所長に笑う。何あの妙にテンポのいい掛け合いw

◆12.三石琴乃ボイスのラジオが毎週聞けるんですか!?

 毎週聞きますけど、全国ネットですか? どの局?
 上手いなぁって思ったのは、このときに回想で読み上げられてた投稿が和真くんのものであるか否か、ってことは台詞では言ってないってところですよね。なので最初、あの読まれたネタが和真くんが投稿したものだと勘違いしてしまったw それは私だけじゃないと思いたい。
 今回は金曜ナイトドラマ的なチープ演出が抜群に話と噛み合っててよかったけど、こういう、台詞で表すものと映像で表すものの取捨選択もよかったなぁって思いました。真面目なところでも楽しかった。

◆13.カエルの置物

 お屋敷と(置物だけど)カエルっつーたら、旧『科捜研』だな……
 とか言ってたら、置物を動かすと隠し扉が開くなんて忍者屋敷のカラクリかよ!
 ってツッコんだら、それが大マジだったっていう……じいさん、おちゃめかよ!

◆14.死と向き合うことは、生を尊重すること

 今回で好きなところ、真面目部門の2つめは神城さんの過去回想。これ、映像では神城さんのお母さんの日記を親戚一同に回し読みされてしまったってことしか提示されてないんだよね。その後に「その人の生き方まで踏みにじったような気がした」と言わしめるほどの何かがあったのか、と想像させる作り。あったかもしれないし、なかったかもしれない。ただ、遺影に写った神城さんのお母さんは厳格ながらも優しそうな雰囲気だったから、それを裏切るような何かがあの日記にはあったんだろうね。
 もっと言うなら、回想はマリコさんは知らないかもしれない。マリコさんからすると、神城さんの過去に何かがあったかもしれないってことしかわからない。視聴者に対して以上に、マリコさんに対しての説明は少ない。
 神城さんの過去に、何かがあったかも……というのを、台詞でとうとうと説明するんじゃなくて、短いながらも映像で印象的なところをバシッと見せて想像させる作りなのが好きだなって思う今回。
 人生もそんな感じだよねって。わざわざ言わないけど、人それぞれバックグラウンドとかあるもんじゃんって。それを台詞で説明するならするで、想像させるなら想像させるで、ある程度統一してくれると見やすいですよねって話です。私個人の好みの話。
 そのバックグラウンドをどう扱うか、という信条。それは「人を尊重する」ために、故人の意思を尊重するのか、真実を明らかにすることか。
 それを真面目に扱ってた回も過去にはあったけど、コメディにするとこんな感じ。まぁ、今回は雨降って地固まればいいじゃねーか回なんですけど。

◆15.徹夜で自分の葬式プランを考えるマリコさん

 バカ真面目っていうかなんていうか、そういうのは徹夜して考えるものじゃない気がする……
 たぶんマリコさんが徹夜するなんてのは日常茶飯事だと思うが、それでも未だに根気強く「マリコくん、ちゃんと帰ってね」っていう声かけを欠かさない日野所長は本当にいい上司。それに答えないマリコさん……って話でもある。嘘でもいいから「はい」って言ってあげなよ!
 そんなマリコさんに付き合ってあげる呂太くん。途中で寝ちゃうけど。それでもコーヒーとラジオは徹夜の友。この2つにどれだけの受験生が救われてきたんだろう……ラジオ禁止は厳しいよ母さん!

◆16.日野所長のツッコミ好き

日野 「『副葬品として棺に入れてほしいもの』。『鑑定道具』……ねえ。マリコくんらしい」
マリコ「私の人生と共にあったものですから、旅立つときは一緒に」
日野 「ALSライト、白手袋、ルーペ……は、いいとして、サーモグラフィカメラまで。なんで、死んでまで火の温度を測ろうとしてるの?
マリコ「火葬の温度は約800度から1200度。骨だけが残るようになる火加減がわかります」
日野 「……死んでも忙しい人だね」

 お前は何を言ってるんだすぎる……
 普通の人だったら「徹夜明けのテンションだな」って思うところでしょうけど、マリコさんはこれが通常運行だから困る。でもそれにしてもこれは徹夜明けのテンションじゃないかと思うけど、思いたいけどw
 日野所長のツッコミのセンスが好きです。「なんで死んでまで火の温度測ろうとしてんの?」は、その発想はなかったw マリコさんってサーモグラフィカメラ好きなの? とか思ってた。違ったw もはやツッコミを放棄した「死んでも忙しい人だね」も大好き。日野所長のマリコさんへのスタンスの一端がわかる。基本的に、「ツッコんでも無駄」って思ってるよな……
 っつーか、もう日野所長は諦めてるのか流してるけど、「鑑定道具を一緒に燃やしてほしい」ってのはなかなかふざけた要望だと思うw マリコさんは最期まで金のかかる女なのな。京都府警の鑑定道具は京都府警のものであって、マリコさん個人のものじゃありませんから!
 棺に入れていいものって今や結構限定されてるけど、そういう制約抜きでも、マリコさんが挙げたもののなかでは白手袋とルーペぐらいしか許可されないんじゃないの。
 っていうかマリコさん、意外にピンセットや試験管とかには愛着ないのかな。私個人としては、ALSライトとかサーモグラフィカメラよりは、ピンセットやスポイト、試験管とかの方がマリコさんっぽい気がする。個人のイメージの話です。

◆17.三石琴乃嬢!

 ご本人登場案件。ネットニュースにもなってましたね。
 リアルハンコック様だった。いや別に高飛車すぎて見上げているなんてこたぁなかったけど、『カレン様』というお名前にふさわしい容姿だった。お美しい……
 カレン様のラジオ、また聞きたいんですけど……また出てこないかなぁ、カレン様。なんか後ろでBGM代わりに流すとかでいいから。ぜひに。

◆18.犯人がリアルクズ

 結構笑えない方面のクズさだったのでショック。顔芸と家政婦ムーブが好きだったのになぁ。
 金・コワイ・でもハンザイ・ダメ・ゼッタイ。

◆19.最優秀しもべリスナー

 とかいうパワーワード。ますます聞きたい、カレン様の華麗なるお仕置き。またどこかで聞ける機会、ないもんかなぁ。
 私最初、被害者が隠してるのは女装癖とかだと思ってたw
 しかし、女装癖や愛人だのより、はがき職人であることをバラされるのはある意味キツい気がする。
 まぁでも、今回は死後、家族にはがき職人であることをバラされて、雨降って地固まればいいじゃねーか回だからな。そのために、家族じゃない家政婦さんは犠牲になったのだ……

◆20.嘘のないマリコさんと秘密がある土門さん

 自分の死を考えることは、今の自分の生き方を考えること。今には必ず終わりがあるから、やっぱり終わりのことも考えてみた方がいいのかもね。
 で、我らがマリコさんに秘密はない。確かに、マリコさんは一般人には嘘つけないしな。犯罪者相手ならいくらでも駆け引きするくせに……
 対して、土門さんには秘密がある。
 なんですか!? いつぞやか、木佐貫刑事に耳打ちしてた秘密ですか!?
 木佐貫くんには言えて、マリコさんに言えない秘密ってなんですか土門さーん!?
 これらが同じものとは限らないけど、まぁでも、確かに土門さんは秘密が多そうではある。というか、土門さんは自分の本心とか全っ然言わないもんな。私は正月SPの現場に未練たらたらな土門さん、忘れてないですから。私は、土門さんのああいうところについてはもう全く信用してませんから!!!!!!(暴言)

簡単雑感

 最初にも言いましたが、とにかく全体的にチープな演出がコメディタッチな話と合っててよかった。初見時、ラストの展開にはやっぱり笑っちゃいました。雰囲気が、ちょっと新2~3っぽくて面白かった。
 中島ひろ子のスタイリングといい、そのおかげで神城さんの存在に妙な補強が加えられてて、「別シリーズから主人公が出張してきた」感があった。もう今回は出オチというか序盤で勝ち確だったw 負けたw
 今回、神城さんのバックグラウンドなんて正直全然語られてないのに、それでも神城さんは本人なりの信念をもって仕事してんだな……ってのがわかったからよかったです。
 あまりこういうこと言うのもなんだが、前回のお茶の達人よりは全然わかりやすかったよ。これを言うと、どれだけ私の中で前回が傷になってんだって話にもなるんですが。なんだろな、台詞で説明するかどうかの取捨選択が上手かったのかなやっぱり。あと演出とのマッチング効果。
 話は良くも悪くも王道で、特に目新しいことをしてたわけでもないと思うんだけど、なんか妙に楽しかった。
 いい意味での緩さがあったこの視聴後の感覚、『リュウソウジャー』っぽい。ケボーンだ。頭いいことやってるのに細部にはこだわらないで勢いでごり押す感じ。確かに、『科捜研』も東映特撮みたいなもんだろうし……ケボーン! 大好きです!
 オチの脱力感まで含めて、今回はマジで演出面が大好きです。癖の強い金曜ナイトドラマ感好き。

次回予告とか。

 vsぬか漬けの女神。
 メインゲストは森口瑤子さんです!
 そして脚本は、『9係』『特捜9』『おかしな刑事』でお馴染みの岡崎さん。
 ぬか漬けを科学鑑定するマリコさんが楽しそうで何よりで。やっぱり楽しそうなマリコさんが一番見ていて楽しいです。
 森口瑤子さんと並ぶマリコさんが楽しみです。美人が並ぶのはええな……
 そしてその次の週で夏クールは終わり(テレビ雑誌より)。夏クール最終回は、風丘先生が立てこもり事件に巻き込まれるんだってさ。とうとう、解剖とか関係なく事件に巻き込まれるんだな風丘先生……

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