File.4 8億円の猫
ゲスト:室井滋、笠松将、諏訪太朗、小久保丈二、川俣しのぶ、谷口高史、ノモガクジ
脚本:森山あけみ
監督:西片友樹
室井滋と猫回。
やっぱりこれ、あてがきだったりするんじゃろか……
全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ
マリコさんと猫の『遺留捜査』風味。
20の見どころ
◆1.20周年を迎えた『科捜研』は室井滋を殺せる
まず何よりこれですよね。20周年効果すごい。
そりゃあ今回においては死んでからが本番の、言ってしまえば『遺留捜査』系の話のメインゲストだからこそなんだけども、それでも被害者役に室井滋を使えるんですよ。しかも、解剖台の上に乗ってくれるんですよ。
もっと言うなら、東映公式で触れてる通りに内藤さん・室井滋・諏訪太朗さんの並び(作中では並んでない)はめちゃくちゃ豪華。
S17では西岡徳馬も使い捨てたし、今年の頭では宅麻伸を2度目の犯人役で迎えたし。
「20周年を迎えた『科捜研』は強い」という話でした。これから先も、様々な豪華ゲストが出るんじゃろか。そういうところも楽しみ。
◆2.マリコさんと猫
被害者の愛猫・ももちゃん。かわいいというか、美しい猫だな。彼女を見かけるや否や、ガッチリとホールドしにかかるマリコさんにワロタ。過去の経験が活き過ぎ。
この京都府警科捜研が猫メインの事件を扱うのって何度目じゃろ。S6・S16と今回で3度目で合ってる?
8億円の遺産に絡む猫。マリコさんも「8億円」の響きにはちょっと戰いたりするんだなぁ、と。
◆3.バクのだいぼうけん
呂太くんが小さい頃に絵本大好きだった、というのは意外でもなんでもなくて、逆に意外。なんじゃろ、呂太くんの小さい頃ってもっとトリッキーな子どもなのかと勝手に思ってたw
でも端々の言動を見るに、呂太くんの感覚は結構普通、全然マトモだよね。比較対象がおかしいだけかもしれないけど(マリコさんの方を見ながら)。
「バクのだいぼうけん」を子どもたちに読み聞かせていた風丘先生。こちらも意外ではない。しかしそういうことではなく、「その様子を……っ! 見たかった……!」って。
沢口さんとか若村さんとか、見た目も発音も綺麗な人に枕元で絵本を読み聞かせてほしいみたいな願望は万人にあると思ってます。おかしくない。おかしくないよね?
今回、絵本の主人公のバクのモデルは……みたいな話になっていきましたけど、絵本の内容そのものにはあまり触れられなくて残念。作中作とはいえ、もうちょっと内容知りたかった。シリーズ化・アニメ化ってすごい規模だよね。
というか、あの猫の五箇条と絵本の内容が絡んでどうこうかと思ったら、全然違った。「幻のマタタビ探し」は、絵本に似たような話があって……とかだと思ってた。違った。猫の五箇条にそこまでの意味がなかった。
◆4.負担付死因贈与
猫ちゃんの価値をどこに見出すか問題。ストレートに「8億円」と言われればそれなりに驚くが、いざ鑑定となれば鑑定対象としてしか物事を見ないマリコさん。ブレない。
対して8億円という価値にそわそわする日野所長が超庶民的で安心するw 普通だったら触るのもビビっちゃうよな。
で、「猫に遺産なんて、本当に残せるの?」問題。それを解決するのが「負担付死因贈与」なんだそうです。
「ペットの世話をするなら遺産を譲ってやるよ」。そんな、ミステリー小説じゃあるまいし……(ご覧の番組は木曜ミステリーです)
この前の回もそうだったし、日野所長もそんなこと言ってたけど、金が絡めばどんなところでも殺人は起こり得る。ので、できるだけ話をややこしくしない。わかりやすく、まずは話し合う。それが大事。それ言っちゃったらもうミステリーもサスペンスもへったくれもないんですけども。
日野「遺産相続っていうのはいつの世もトラブルの元。『“争”う家“族”と書いて“争族(ソウゾク)”と読む』なんて言うぐらいだからね」
◆5.ピロカルピンイオン
ももちゃんの毛に付着していたクリームの中に緑色の汗があったよ。たぶん銅が原因の色汗症なんだね。って流れ。
なんか口に出して読んでみたいカタカナ。ピロカルピンイオン。
◆6.ももちゃんのきもち
ももちゃんの変顔を見たマリコさんの感想、「かわいいじゃない?」。
わからなくもないけど、そうじゃない。
っていうか、事件中のマリコさんも、猫ちゃんを見て「かわいい」という感想が出るぐらいの感性はあるのか……なんか、事件中はそういうセンス全てをカットしてんのかと思ってた。そんなことはなかった。でもどこかズレてるのはその通りなんだな。
ペットの微表情から気持ちを読み解ける現代。矢萩准教授キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! そうか、彼が出たときはまだ相馬さん時代だったな……
最近のシーズンのゲストの中だったら、再登場が望めるゲスト上位だと思う人。というか、私が好きなのでまた出てほしいと思ってる。マリコさんラブを諦める必要はないと思うんだ。
そんな彼が作ったサイトが読み解いたももちゃんの気持ちは「エサがマズいにゃ」。
これのせいでピンポイントに傷つく宇佐見さん。誰も何も言ってないのにひとりで傷つくから、逆に誰も何も言えなくなってるの笑う。宇佐見さんが真面目すぎる。呂太くんがスマホ振ったりして「なんかの間違いじゃない?」みたいな反応してていい子。
高級エサ担当が宇佐見さんなのが想定内すぎて更に笑う。レシピ通りにちゃんと食材を扱ってエサを作れる人が、この科捜研には宇佐見さんしかいなさそうなんだよなぁ……やっぱり、この科捜研でマトモに自炊できそうなのって宇佐見さんだけに見える。
◆7.盛り上がる風丘先生と呂太くん
意外と言うかなんつーか、風丘先生と呂太くんって結構一緒になってはしゃいでる率が高いよね。風丘先生は誰と組んでもちゃんと掛け合いの出来る万能キャラだと思うが、呂太くんとはしゃいでる印象が強いのはなんなんだろ。意外と二人は共通の話題が多い。むしろ同性の亜美ちゃんより一緒にはしゃいでる回数が多い気がする。目からビーム!とか。
マリコさんと風丘先生は同年代設定だ(と思う)けど、マリコさんと呂太くんの組み合わせは親子感が強いのに比べて、風丘先生と呂太くんはよりフランクで、仲のいい親戚のおばちゃんと甥っ子の距離感に感じる。或いは近所のおばちゃんと小学校高学年男子。
実際、風丘先生みたいな人は近所の子どもたちのことを放っておかないと思うし、子ども会だの町内会だの、都合が合えば出るんじゃないかなぁと思う。で、行事ではりきって明るく振る舞ってそう。私、地域の行事で料理作ってる風丘先生がすごくはっきり想像できるんですけど、これはたぶんそんなにおかしな妄想じゃないと思う。
それはさておき今回の話では、絵本という共通の話題で盛り上がる二人。二人が仲いいことを差っ引いても、何あのノリ。ビビる。これが一般人のノリなのか。陽キャはあんなノリで昔の絵本のことを語るのか。亜美ちゃんがあのテンションに若干引いてるように見えるんですけどw
風丘先生はペットがお好き。ももちゃんにエサを与えるあたりの風丘先生、近所の気のいいおばちゃんのそれである。以前のポンタくんの時といい、ちゃんとエサを買ってきてくれる。食べ物に関しては、人間用でも動物用でもお金を惜しまない風丘先生。忘れがちだけど、風丘先生は大学教授の上にシングルマザーでも広い一軒家に住んでるくらいなので、お金持ちなのである。
◆8.マリコさんと呂太くんの疑似親子ぶり
マリコさんが絵本について尋ねた時の呂太くんの反応がまさしく幼い息子って感じで、親子感がすごい。
「もぉー! さっき言ったじゃーん!」と言いつつ、絵本のことをちゃんと説明してくれる呂太くんとか、それを聞いて受け答えするマリコさんの表情とか。息子に絵本のことを説明させる教育をしているママ……
◆9.ルヴァンCM科捜研ver→50の恵
「ルヴァンを買う前、日焼けを気にするマリコさん」のストーリーが完成したな。何度でも言うが、「シミにしないぞっ」が可愛い。
春クールでルヴァン科捜研verが流れたのは3回。ちょっとレア。
何回見ても、パティシエ宇佐見さんで噴く。女オタクの所業過ぎる……
◆10.ももとみかん
姉妹猫なんだって。やっぱり可愛いというよりは綺麗な猫ちゃんだ。
じゃあ「くり」ちゃんはいないのかな。桃栗みかん。『群青にサイレン』はWeb漫画サイトのジャンプ+で好評連載中! 面白いよ!(ダイレクトステマ)
◆11.鼻紋(びもん)
鼻の細かいシワは、個体識別が可能なほど違う。
ってことで、ももちゃん(仮)を撮影。好奇心溢れるお顔がキュートですねぇ~!
◆12.『科捜研』のメインテーマ・ブラバンver
S18初回しか出番ないんじゃね!? 勿体なくね!?
と言われていたレアverのメインテーマキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
サントラ第3弾に収録しますよね? っていうか発売しますよね? しなきゃ嘘だよぉ!
◆13.マリコさん、猫になる
みかんになりきるマリコさん。
自分から日野所長に撫でてもらい、呂太くんにすり寄りに行くのか……
あの時、全国の沢口靖子ファンのヘイトが一気にこの二人に向かったって本当ですか? 冗談です。
でも実際、もし現実に沢口さんが猫化したら撫でたい。すりすりしてほしい。全身撫で回してやるーすりすりさせろー!
なにその前提。なにその願望。我ながら引くわ。
◆14.にくきゅう
マリコさんや亜美ちゃんが言う「肉球」って単語の可愛さの破壊力がすごい。
もっと言ってほしかった。にくきゅう。
◆15.宇佐見「食べ慣れない高級なエサをマズいと感じたのも」
ワンチャン(今回は猫回だけど)、宇佐見さんの作ったエサが本当に不味かった可能性は……はい、ないですね。知ってます。
宇佐見さん、自分の調理の腕にはそれなりに自信があるっぽいことがわかりましたね。というか、気にしてたんだ……
◆16.避妊手術してなかったんかい!
猫ちゃんを飼い始めたら避妊手術をするってのは、ペット飼ったことがない私でも聞いたことある話なんだが……
これを聞くと、早乙女さんは本当にちゃんとももちゃんを可愛がっていたのか不安になるな。溺愛することとちゃんと飼うことは違うんだって、多頭飼いの友達が言ってた。
今回は、ペットシッターの最後の良心か、ももちゃんを野良に放したりしてないだけマシか。家飼いの猫を野良に返すなんて、狂気の沙汰だもんね。それをやってるアニメを見たんだけど、全体的にも好きになれなかったし、その猫部分も最終的には子どもたくさん作ってるしで、猫に対する価値観を疑ったもん。無責任に子ども増やさせる真似するなよ。そもそも家飼いの猫がすぐに野良に適応できるわけないだろ。
◆17.マリコ「ももちゃん。犯人を教えてくれる?」
圧(プレッシャー)がすごい。これは逃げられませんわ。
ももちゃんに「ももちゃーん。大丈夫よー」と猫なで声を使うマリコさん、という珍しい光景。
マリコさんにああいう風に、優しげに声をかけられたかった……
◆18.バクはみんなの心にすむ永遠の少年
でも、誰よりも強くバクに心を奪われていたのは、早乙女さん本人だったんだなぁ。一旦は約束をしたのに、それを反故にしたのは早乙女さん本人なので、怒るまでは理解できなくもない。
それでも、殺人はダメゼッタイ。
◆19.『遺留捜査』だぁー!
別に遺留品にまつわるエピソードの紐解きが『遺留捜査』の専売特許ってわけじゃないから他ドラマでやったっていいんだけど、もうイメージがそうなっちゃってるよね。小田和正が強すぎるわ。
事件を解く際には全く重要視されなかった遺留品が、被害者の想いを解き明かす鍵になる。ってのはやはり『遺留捜査』。
それだけに、「それ、今までの話の中では殆ど触れられなかったじゃん……」って思っちゃう。早乙女さんのメッセージを解き明かすのが突然過ぎるわ! って。確かに事件解決には全く貢献してなかった証拠品だから仕方ないんだけど、だからこそ唐突すぎる。
連ドラ版の『遺留捜査』でも最後の3分間タイムには唐突さを感じるので、やっぱ1時間であの系統の話をやるのって難しいのかなぁ、って思う。事件本体ともうひとつ謎があるようなもんだしな。
稲葉 「やっぱへそ曲がりだわ……言ってくれればいいのに……」
世の『遺留捜査』系ドラマをほぼ否定できる台詞。そうだよね、こういうときって大体、先に話し合っておけば解決するのよね……
◆20.マリコさんは猫
マリコ「猫は自由で、誇り高い生き物だから」
土門 「誰かさんと似てるな」
マリコ「えっ?」
土門 「いや……」
マリコ「なんて言ったの?
土門 「えっ? 何も言ってない」
マリコ「ねえ、もう一度言ってよ」
土門 「言ってないよ」
恒例のじゃれつき。
土門さん、からかうのに失敗してやんの。自分で言ったことに恥ずかしくなってやんの。やーいwwwww
マリコさんって、ラブコメでありがちな鈍感難聴系主人公、に見せかけて、案外ちゃんと人の話を聞いた上で反応してるのがあざとくて可愛くて好きです。マリコさんって、自分が周りから愛されてることをちゃんと知ってるよなぁ。自己肯定感が強い。
簡単雑感
とにかく、ももちゃん(と、みかんちゃん)が可愛かった。
二匹に絡む科捜研メンバーも可愛かった。風丘先生のはしゃぎっぷりよ……
マリコさんの行動が逐一あざとい回でもあった。猫を抱えたり猫を可愛いと言ったり猫になりきったり猫みたいと言われたり……
マリコさんは確かに猫みたいだ。周りに自分が愛される存在であると知っているところも、猫っぽい。
あんな美しい猫がいたら、飼いたいよなぁ(危ない発言)。