File.3 カナダから来た男
ゲスト:長田成哉、堀内敬子、セイン・カミュ、小堀正博
脚本:櫻井武晴
監督:田﨑竜太
あの男の帰還。予想外に早かった。
全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ
相馬さんケィムバーック!
20の見どころ
◆1.冒頭の相馬さん国際通話
今回は相馬さんの友人が被害者だったので、本編では8割方しかめっ面。相馬さんの飄々とした笑顔は冒頭と最後にしか見られないのであった。
個人的には、そこはちょっとアレだったな。いや話の筋的にしょうがないんだけど、私は相馬さんの飄々としたあの笑顔が一番好きなので……
その代わり、冒頭のスカイプ通話は相馬さんらしさ満点。
わざわざモノを食いながらスカイプ通話する相馬さん!
ルー大柴みたいな口調! それも含めてなんか格好がアメリカンだけど、君はカナダにいるんじゃなかったか。カナディアンのイメージなのかアレ?
時差を気にせず通話してくる相馬さん!
いきなり3日後に遊びに行くと告げる相馬さん!
事件起きたら手伝うと予告する相馬さん!(しかも、最悪の形で実現)
言うだけ言って勝手に通話を切る相馬さん!
この冒頭2分で、普段の飄々ぶりを堪能できたから、まぁいいや。
後々の亜美ちゃんの台詞でも相変わらず、この京都府警科捜研の物理研究員は「変わり者」枠扱い。風評被害が熱い! 乾くん泣くぞw
◆2.そわそわする科捜研メンバーかわいすぎ問題
時計を気にして、日野所長の分のお茶を淹れようとしたらこぼして日野所長にかけちゃう宇佐見さん。きょろきょろして椅子にぶつかる亜美ちゃん。「今日はこのまま、事件起きなきゃいいけど……」と漏らす日野所長。優しいなぁ。
相馬さんが来るというだけでこの反応。そりゃまあ「事件起きなきゃいいけど」は当然のこととして、ちょっとそわそわしすぎな気もするw
その原因は「話が弾んじゃうだろうから」なのか、或いは相馬さんの破天荒さにあるのか……
◆3.おやつを独り占めさせない風丘先生
相馬さん初登場回でよほど懲りたと見える。
たぶんですけど、あの回以降、風丘先生は差し入れを小分けタイプに変えてると思う。全部じゃないかもしれないけど、ほとんどの回で。
まぁでも、確かに差し入れは小分けの方が貰う側は助かる。どこの職場にも食器や包丁があると思うなよって話ですよね。そして切り分けるのも結構面倒なんだよ、って。
◆4.言ったもん! 僕言ったもん!
ホウレンソウができてない京都府警科捜研と捜査一課。
冗談です。
蒲原刑事には伝えてあるんだから、まぁ呂太くんに非はない。が、こういうことすると、「気が利かない」って言われる現代。
呂太くんを見てると、たまに自分の行いに刺さる時がある。うっかりしがちなところとか、上手くものを伝えられてないところとか。すげぇ刺さる。つれぇわw
◆5.相馬さんケィムバーックに湧く科捜研
日野所長の反応はオトンだし、亜美ちゃんは妹、風丘先生は親戚のおばちゃんみたいになってる。相馬さん待ち望まれすぎ問題。
通年放送の3話目、しかもゴールデンウィーク中ってところから見ても、相馬さんの再登場って結構な切り札だと思うんですよね。再登場したら視聴者側も湧くのが当たり前っていうか。
そのカードを出し惜しみせず、遠慮なく早々に切ってくる『科捜研』S19の気合の入りぶりよ……って話です。現時点ではまだ情報無いですけど、もっと過去キャラ再登場していただいてもええんですよ。
でも、『仮面ライダージオウ』の歴代レジェンド客演もスケジュールギリギリだとか聞くし、同じ東映特撮(違う)の『科捜研』も、出演オファーがギリギリだったりするんかね……
◆6.矛盾概念
知る人ぞ知る売れっ子マイナーアイドル・サイキユミ。ハートは機種依存文字だぞ。
日野「『売れっ子マイナーアイドル』……矛盾概念だよ」
……「頻繁に現場へ臨場する科捜研研究員」みたいなものじゃないかな。或いは、「行く先々で事件に巻き込まれる科捜研研究員」とか。マリコさんの人気を株価にしたらどうなるのっと。
それはさておき、サイキユミさんのことは日野所長や宇佐見さんは知らなくても、亜美ちゃんも呂太くんも彼女のことを知ってるようなので、アンテナを広げている若年層には届く存在ってことなのかな。地下アイドルみたいなもんじゃろか。結婚で下がる株価、世知辛い。
自分自身を株式にして発行できる「ヒューマンストック」。それでアイドルや研究者が活動資金を集めている、と。
だったらクラウドファンディングでよくね、って思ったんだけど、投資という形をとることでより確実に、多くの人たちから資金を得られるって認識でいいのかな。それが元で思い悩んだり、行き過ぎて殺人が起きたりするってのも辛い。金が集まるところではどこでも殺人が起きえるのは怖いな。
◆7.いい兄貴の宇佐見さん
相馬さんの異変に気づいて、まずはこっそり事情を聞こうとする宇佐見さんが兄貴。兄貴と呼ばせてくれ! 呼ばねぇけど!
◆8.科捜研でイングリッシュ(除く日野所長)
そりゃまぁ、諸外国の論文を読む必要があるんだから英文雑誌を読めても不思議じゃないんだけど、日野所長だけ置いていかれてるの酷いw
視聴者の代弁として英語読めないよキャラが必要だとしても、しょ、所長ぉー! 早々に「これ、なんて書いてあるの?」って読解を諦めちゃうんですか所長ぉー!
◆9.亜美「今回は 珍しく 呂太くんの言う通りです!」
酷いw
友人の捏造疑惑でカッカしてる相馬さん。呂太くんに掴みかかるとは思わなかった。
今回はこの捏造疑惑云々もあってほぼ相馬さんがピリピリしとってなぁ。キャラスポット回で自分の知人が事件に巻き込まれれば、そりゃこうなるのは当たり前なんだけど、残念といえば残念だ。もう少し普段のノリの相馬さんも見たかったよな。欲張りな話なんだけど。
◆10.カウンセラーの越田さん
のらりくらりする彼女と土門さんとのやり取りの内容自体は面白かった。
んだけども、なんか……こう……すげぇ違和感。
普段はキャスティングどうこうは思わないんだけど、なんか、堀内敬子の台詞回しがめちゃくちゃ違和感。台詞に四苦八苦してない? みたいな。台詞に振り回されてる? 的な。
あのオチだと再登場も望めるかもしれないけど、この台詞回しのままだと、長時間出られるのはちょっとキツい……というか、私が辛い。今回もちょっと辛かった。
◆11.しれっと亜美ちゃんに仕事を丸投げする日野所長
そりゃ電子化されたカウンセリングシートに改ざんの痕跡がないかを確かめる、ってのは亜美ちゃんが専門になるんだろうけど、それにしても軽いノリで丸投げするもんだから笑った。
改めて言うまでもないが、この科捜研は少数精鋭特化型すぎて人員不足。それが回り回って日野所長の負担にな(って自分がぶっ倒れたりす)るんだから、もうちょっとこういう時の対応を考えたほうがいいよw
◆12.科捜研でイングリッシュ(除く日野所長)再び
日野「ちょちょちょ……僕にもわかるように話して!」
優等生宇佐見さんとマリコさんだけじゃなく、亜美ちゃんまでイングリッシュ会話に入っていくのでひとりだけ置いていかれる日野所長。大丈夫だ、蒲原刑事もいる。口に出さないだけで彼もついていけてないと思っとこう。
まぁ、「ただし話すなら、真実を話してください」とそこまでのアランさんとの会話を踏まえたことを蒲原刑事は言ってたので、聞き取りはできてる可能性が高い。
日野所長だけハブられかわいそす(´・ω・`)
◆13.論文を読み込んでいた呂太くん
呂太くんって眼鏡かけんの!?
論文を取り寄せて読み込む。その内容を語る熱量がすごい。一気にガーッと語るなぁ。研究者だし事件に関係あるならその論文を読み込むのは当然かもしれないけど、それにしたって語りの熱がすごい。呂太くんってオタク的に語るタイプなのか。
そういえば、S16-9でもフィールドワークより研究や鑑定の方が大事、それだけしてればいいって聞いたもん! 的なノリだったしなぁ。元々、そういう気質なのかも。
ここで呂太くんがちょっとヒゲが伸びてる?のがリアル。で、その状態で相馬さんと並ぶと、呂太くんって意外と老け顔、いや失礼、男らしい顔立ちなんだなぁって思う。イケメンだよね。言動とかで普段は見失いがちだが。スタイリングが違うだろと言われりゃそれまでだけど、この並びだとむしろ相馬さんより年上に見えるんだけど……
◆14.耳つねりキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
マリコさんが相馬さんの耳をつねるのは、信頼と愛情の裏返し。
なんだけど、見てると毎度、痛そうでかなわんw
ビンタも耳つねりも、案外攻撃力が高めのマリコさん。あの小柄な体に無尽蔵のエネルギーを秘めてるから、マリコさんはあんなにエネルギッシュなのかもしれない。
科学と人を信じる心で、犯罪に立ち向かうぞ!
と書くと、やっぱりマリコさんはヒーローだな。マリコさんはヒロインっていうかヒーローインですから。
◆15.ひとりだけ置いていかれる日野所長(三度)
なんでや……
◆16.やっぱりヒーローは、はためかせてナンボですから!
「白衣を羽織る」仕草を世界一カッコよくするドラマ。
ヒーローははためかせてナンボ。『科捜研』の正装は白衣ですから。白衣を着た皆さんは無敵ですよ。
相馬さんと呂太くんの反応が一致するの、カッコいいし微笑ましい。コンビネーション抜群!
◆17.動機の割に行動がアクロバティック過ぎる
このアクロバティックな行動力があれば、ある程度の損失なら補填できる気がする。撃つのも遺体遺棄にも全く躊躇いや動揺が見られないし、殺意が強すぎる。どんだけデカい損失だったんじゃろか。
◆16.「成果を出せずに生きるより、業績を残して死んだほうが研究者としてはずっと幸せだ」
海外での捏造疑惑すら解決しちゃう京都府警科捜研はもはやグローバル。世界的機関ですよ。
自らが死ぬことで、結果的に自らの研究結果を第三機関(京都府警)にも証明してもらっちゃったのか……命がけの意味が違う!
確かに遠藤さんの論文が捏造ではないと証明されたけども、別にこんな形は望んでなかっただろうにな。
このオチとか、まだ京都府警には預かったカウンセリングシートがあるかも?なところとかも含めて、やっぱりカウンセラーさんには再登場の目はあるんだろうけども、やっぱ演技が辛いよぉ。
◆19.抹茶と桜のロールケーキ
美味しそう。
相馬さんにも、「お返しする」って概念があるんですよ。わざわざ限定品を買ってくるぐらいの恩を感じてるんだな。ねぇ、マリコさん!
亜美ちゃんが手をワキワキして待ち望んでるのかわいい。っていうか、いそいそとお茶淹れてみんなで食べようとしてるのかわいい。風丘先生もわざわざ来てくれてかわいい。風丘先生がめっちゃいい笑顔で相馬くんの肩ポンしてんの笑ったw
◆20.懐かしのロールケーキ丸かぶり
風丘先生のフルネーム呼び。そういえば、相馬さんのときもロールケーキまるかじりされてフルネーム呼びしてたな。
ってことでおまいう。亜美ちゃんが昔の相馬さんの行動にドン引きしてて笑った。でも、相馬さんはここ近年のレギュラーの中では、登場初期とのキャラブレが小さい方だとは思うよw
相馬さんと呂太くんの間にも、めでたく友情と信頼が生まれ、呂太くんが卒業した後の就職先も暫定で決まった(気が早い)ところでハッピーエンド。「呂太くん」「ドクター相馬」って呼び合ってるの、微笑ましいし、ほっこりする。
カナダに遊びに行った呂太くんも、どうせ事件に巻き込まれるんでしょう……?
簡単雑感
レギュラー時代は友達が殺人で捕まるし、今度は殺されるしで、相馬さんもなかなかの不憫枠。なんだろう、物理研究員は不憫枠って決まってんのかな。
面白かったです。
ただ、なんで今回にあのカウンセラーさんのエピソードぶっこんだんだろうとは思う。そのせいか、いつもどおりの櫻井脚本回と言われればそうだけど、尺が相変わらずパンパンだった。
最近といっていいのかわからないけど、櫻井脚本回の「空白恐怖症かよ」みたいなところが、いい方に作用する回もあるけど微妙なときもあって、今回はやや後者よりだった。最近の『ONE PIECE』を読んでいるようだなと思う時がある。面白いのは間違いないんだけど、その空白恐怖症を疑う密度に引く時があるというか……
たとえば、「さっきのアレってどういうことかな」とか、一瞬でも他に思考を逸らしてる間にも情報が大量に流れていったりするのでリアタイが辛い。話の流れを止められる録画とか円盤、或いは文字媒体とかならいいのかもしれないけど、映像のリアタイ視聴だと辛いときがある。
こんなこと言ってるの、自分以外に見たことがないんで、8割ぐらいは自分のぼんくら処理性能のせいだと自覚しているが、でも本音はこれ。そういうこと考えるのはCM中に済ませてくださいって言われたら、もうぐうの音も出ないんですけどもw
今回のカウンセラーさんは、再登場の可能性がある引きなのは間違いないかなと思うけど、再登場して面白いのかなぁとは思う。なんつーか、「『科捜研』にこの人との対決は求めてない……」感がある。
S12の芝さんから始まり、S15まで続いた対立軸の人たちには各々の「正義」があり、それをぶつけ合うことで良くも悪くもシーズンの話を引っ張ってきたけど、今回のカウンセラーさんの行動にはたぶん絶対おそらく間違ってもそんなものはないんだろうし。
でも、「正義がない」のにこういうことする人はマリコさんが一番嫌いそうな人種な気はするんで、ぶつけてみたらどうなるのかなとは思う。けど、面白くなりそうかなと言われると……わかんない……
たぶんこう思うのは、私があのカウンセラーさんの演技に辛さを感じてるのも大いに影響してると思う。台詞を聞いてるとムズムズする。そこを狙ってますって言われたら反論できないけど、狙う意味がわからないので違うと思いたい。
なので、むしろああいうカウンセラーさんみたいな人種をカウンセラーさん以外もたくさん出してほしい派かも。んで、マリコさんには一遍、人間に対して絶望してほしい。今までちょっとは理解できてると思ってた人間は、やっぱり理解できないものだと諦めかけてほしい。
で、その絶望の淵から立ち直るところを見せてほしい。
「人を見、人を知るたび、私は人間に憧れてきた。私は人間が大好きです!その気持ちが変わらない限り私は、世の中はそんなものだと語るより、世の中はどんなものだと問い続けます!」
元ネタは電子版で全巻買っちゃった『めだかボックス』なわけですけど、まああんな感じで、マリコさんも人間になってほしいかもしれない。
できれば人間として死にたいし、欲を言えば可愛く笑顔で死にたいじゃないですか。女の子ですし☆
……なーんて、リアタイ視聴当時のツイッターにはこんなことをふざけて書いてたんですけど、この後の6話で「マジで『めだかボックス』なのでは……?」とか考え始めちゃう自分が救えない。
フラスコ計画は「完全な人間」を作ることはできなかったけど、化物を人間に、そして女の子にすることはできたんですよね。
今のやや人間味が薄くなってるマリコさんも、S19通年放送という名のフラスコ計画を通じて人間に成り果ててくれるのかもよ。そして化物みたいに優しく、神様みたいに犯罪と戦って、馬鹿みたいに考え、英雄みたいに迷い、人間みたいに話す、人間みたいな人間だった。なんて語り継がれたりするかもよ。
なーんてね。
こうやって数年も前に完結済みのジャンプ漫画という全く土俵が違うものを取り上げて語り出すのよくない。たぶん誰にも通じない。そして元ネタを知ってる人がいたとしても、絡めたネタにピンと来るかどうかはまた別の話だし。
この語りは一体、何人に響くんだ。誰にも届かないかもしれない。独りよがりが過ぎて、我ながら泣くわw