第14話 復讐する臓器
記憶を移植された殺人犯!! マリコに早月が乗り移り!?
ゲスト:橋本じゅん、遊井亮子、潤浩、柳美稀、浅野彰一、石田剛太、奥井隆一、諏訪雅、折目真穂
脚本:戸田山雅司
監督:宗野賢一
ワクチンの副反応で体力使い切ってて、感想1週遅れです。すみませんでした。
というか、ここんところリアタイ視聴もできてないし、忙しさと疲れが結構来てる。三連休中に立て直したいところ。
#科捜研の女
『科捜研の女』第14話は、臓器の記憶が移る!?
そしてマリコさんと風丘先生の記憶が入れ替わる!?
もしもあなたが入れ替われるなら、誰と入れ替わりたい?— そらいろ (@akanegarnet) March 6, 2022
今回のアンケートです。投票してくださった方、ありがとうございました!
「マリコさん」トップ。マジかよ。サバイバルな科学ライフを送るマリコさんなので私は遠慮したいんだけどw、やっぱまぁ、入れ替われるなら美人とってことなのかな……
「風丘先生」僅差で2位。私は風丘先生派かな。マリコさんほどはサバイバルライフ送ってないし……と思ったけど、結構風丘先生も大変な目に遭ってるよな。美人だけど。
「土門さん」3位。身体的にキツい目に遭ってるのは間違いなく土門さんトップである。体とか、実は傷だらけなんじゃないだろうか土門さん。
「藤倉刑事部長」最下位。この中だったら、まだ穏やかな生活を送れそうな気がするんだけど、精神的にはそうでもないのかな。主にどもマリ+科捜研の皆さんに振り回される生活を良しとできるかどうか。
そんなわけで、今回!
全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ
記憶は大事。
この話の見どころ
◆始まって3分の情報量じゃねぇ!
転落死の回想から始まり、遺族が臓器移植提供の話を受ける場面もあり、そして科捜研での呂太くんのお話。そこでマリコさんを巻き込んで大翔くんに話を聞きに行く……と、冒頭からフルスロットル構成。
いや~これだよな~! と、なんか嬉しくなる。面白い話、というか私が好きなメインライターさんが書いてる話は、冒頭からの情報量が全然違う。なのに詰め込みすぎって感じでもなく、きちんと情報が整理された状態でお出しされる。そこが面白いところなのよ!
◆日野「頼むから、不審者と間違われたりしないでね」
そんな中でも、ストーリーの流れには関係ない、こういう遊びのセリフがあったりするのがまたいいところ。
ご時世的には「遊び」と言っていいのかわからんけども……確かに、小学生男子にスケボーを教わるアラサー男性は、一歩間違えれば不審者だ。イケメンは得。
◆亜美「見事に食いついちゃいました」
日野 「オーマイゴット!」
マリコさんが食いつくことにはろくなことがない、というのを身にしみて感じてる勢のセリフ。
◆呂太ビーム!
亜美 「呂太くんがマリコビーム使ってる……」
実際のマリコビームは瞬きをしないので、これは呂太くんオリジナル。身長180センチ男性の上目遣い……
呂太くんファンが「私にもやって!」と言っているのを幻聴で聞きました。
しかし、ここまで擦られる「マリコビーム」を生み出した岩下脚本、やはりすごい。さすが!(しかし今期後半戦には岩下脚本なし。残念)
◆日野「また勝手に蒲原刑事動かして!」
小さな声で「悪いな……」と謝ってるの、父親が娘の夫に謝っているようにも見えなくはない。何を言ってるんだ私は。
蒲原刑事、すっかり科捜研担当である。今更すぎる話ではあるけど、この「科捜研担当」って設定? 自称? はすげー便利だなと思う。
だからって、科捜研の中に溶け込んでるのがいいことだとは思わないんだけど……やっぱり刑事さんはお外に出て捜査してナンボだと思うし。
だから「最近の土門さんが科捜研のラボに来てない! 寂しい!」ってのも、いまいちピンと来ないんだよな。(設定上は)捜査で忙しくしてるんだからよくね? って。視聴者側の「寂しい」と話や設定の整合性は、決して全てが噛み合うものじゃないんだなぁと思う事例。あ、これ本編に関係ないや。
◆土門「俺はその手の超常現象は信じない」
なんかよくわからんけど、ここの屋上での会話よかったよなぁ。どもマリの会話って感じで。
個人的にはどもマリの会話、仲良くしてるのもそりゃいいのかもしれないけど、こうやって事件について話してるのが一番好きです。その中で、各々の性格やらプライドやら視点の違いやらが見えたら最高。
今回で言うなら、マリコさんは「臓器移植で記憶は移るのか?」っていう疑問、土門さんは事件性についての疑問を持ってひとつのやるべきところに向かって動き出すのが感じられるのがいいよな! って感じ。
やっぱり『科捜研』は刑事ドラマ、事件ドラマですので、主役ふたりにはむやみやたらにイチャイチャされるよりは、事件に真摯に向き合っててほしかったりします。仲いいのはスパイス程度でいいので。
◆風丘「すごく気になってるみたいだけど……」
マリコ「はい。風丘先生と同じぐらい」
風丘 「また誘いにのってしまった……! ……調べておきます。念の為」
本家・マリコビームは瞬きをしない。ここでわかりますね。相変わらずの眼力。
それにやられる風丘先生も相変わらず。なんでこの人はこんなにいい人なのか……
◆マリコさんって病気するの?
マリコ「ですから、例えば私が何かの病気で風丘先生から臓器をもらったとします」
なんだろう、この「例え話なのに全くありえないとしか思えない前提」は……
そもそも、マリコさんが病気してるところが想像できない。風邪もひきそうにないもんなぁ。
そんなことはともかく。
予告で使われてた風丘先生のなりきりマリコさんは、風丘先生の妄想だったことが判明。
風丘先生本人も「いやいやいやいやいや! ないないないない!」と否定してたけど、そもそもその妄想上の「マリコさん」は、一体誰に解剖鑑定書を渡しているんだ……どういうことなんだ……いや、妄想にマジレスしても仕方ないんだけど。
◆鑑定シーンは中盤に
ここまでは過去の話+事件性の有無もあやふやだったので、メインテーマが流れる中での鑑定シーンは中盤までお預け。構成はすごく移植、いや違う異色。
◆マリコさんの記憶力、エグい
マリコ「賀茂井准教授の研究室にも、同じものがあったわ」
相変わらず、事件関係になると記憶力がエグくなるマリコさん。仮に今回のテーマ「セルメモリー」が実在するとしたら、マリコさんの細胞には一体どれだけの記憶が蓄えられているのだろうか。
マリコさんの記憶を引き継ぎたいかって言われたら、ちょっとそれは……ご遠慮願いたいけど……マリコさんの科学ライフ、あまりにもサバイバルすぎるので。
◆マリコさんは名探偵
蒲原 「まさか、マリコさんまで記憶が移った男が復讐してるなんて信じてないですよね?」
マリコ「どんなに突拍子もない仮説でも、ありえないと科学が証明しない限り、可能性を排除することは出来ないわ」
戸田山脚本のマリコさんは名探偵なので、こういうことを言う。
じゃあ他の脚本だと言わないのか、と聞かれると、それは難しい話なので私にはよくわからないですね……
◆亜美ちゃんの敬礼
蒲原刑事を見送る際にやってた。亜美ちゃんはかわいい。
◆風丘先生カッコいい!
話を聞くだけで怪しみ、傷跡を見るだけで嘘を見抜く、そんな風丘先生がプロフェッショナルなお話。腕を組んで壁にもたれる風丘先生、カッコいい。
いや、それだけ笠城さんの嘘がアレだったって話かもしれないんだけど、でもまぁ、こんなプロフェッショナルな医師がこの場にいるとは思わないよなぁw
◆笠城さんの私物
もう1ヶ月も前の話だし、洗濯されてたらアウトだったな……微物が見つかったのはブルゾン、アウターだからセーフだったけど……(ややこしい)
◆風丘「やっぱりこの役目は、私じゃないとね!」
若干メタい発言、やめてもらっていーすかw
風丘先生、この役目にアイデンティティを感じてる模様。そのために毎回凝ったお菓子を持ってきてくれるんだから、ホント風丘先生ってお金持ち……
◆真相解明シーンには蒲原刑事を添えて
マリコさんのお供が板についてきた蒲原刑事である。
土門さんは、まぁ警視庁管轄内で遥かなる捜し物をされている頃合いだろうからな……
◆理想論の蒲原刑事と現実を教える土門さん
蒲原 「あなたも研究者のひとりでしょ? 金のためにそんな犯罪を重ねるだなんて……」
高平 「お金が欲しくて何が悪いの? どんなに優れた研究でも、結果が出なきゃすぐに打ちきりになるし、そうなったらポスドクなんて簡単に切って捨てられるのよ。せめてお金ぐらいもらったっていいじゃない!」
土門 「……仕事柄、人を殺した人間に会うのは珍しくない。そういう人間にひとつだけ共通しているのは、なんだかわかるか?」
高平 「何?」
土門 「あんたが罪を犯したこの手には、誰かの命を奪ったという記憶が一生、ついてまわるってことだ」
今回のテーマが「記憶」だからって、土門さん上手いこと言うな~!
ついでに、自分の研究テーマをも汚したってことだもんね。いやぁ、さすが土門さんだわ。ある程度詩人じゃないと、刑事ドラマの刑事は務まらないのかもしれん。土門さんも、隠れ文学青年だった疑惑(?)あるしな。蒲原刑事が磨くべきは、そういうセンスかもよ。
◆大翔「最初っからわかってたよ、僕」
大翔 「イショクの話が嘘だって」
笠城 「え、嘘……なんで?」
大翔 「だって僕、最初っから補助輪無しで自転車乗れたもん」
笠城 「ああ……!」
マリコ「子どもに見破られるなんて、詐欺師はもう廃業ですね」
か、かわいい……! そして上手い。これもまた記憶の話。
と同時に、切なくなる勢。補助輪のエピソード、もしかしなくても笠城さん本人のエピソードだったってことだもんな。切ねぇ……!
笠城さん、いい味出してただけに救済エピがあってよかった。さすが橋本じゅんさんでしたわ。
◆ロマンチストマリコさん
マリコ「ねえ。記憶って科学的に言えば、無数のシナプスの間を流れる電気信号なんだって。形があってそこにとどまるものじゃなく、人と人の間を流れ続けるもの。それが記憶だとしたら、たとえ賀茂井さんはいなくなっても、恵美さんや大翔くんが思い出して語り続ける限り、賀茂井さんの記憶もまた、2人の心のなかでずっと生き続ける。私はそう信じてる」
この回の風丘先生の語りを思い出すような、マリコさんのロマンチスト具合。この回も戸田山脚本でしたね。
マリコさんは基本的に、人の心を信じている。気持ちを、思いを、どこまでも愚直に信じている。そんな力強いヒロインなんですよね。
この語りも言ってしまえばポエミーなんだけど、面白い話のマリコさんのポエミー具合は気にならない、むしろよく感じてしまうから不思議だ。なんだろう、そこまでの過程を踏まえた上での結論になってるからかな。下手な話だと、「なんでそういう結論になるの?」みたいなのがあるので。たまに。
簡単雑感
構成やテーマはイショク(移植と異色)なんだけど、マリコさんのロマンチスト具合とか色々、『科捜研』の基本にも立ち返れる良作だったと思います。
やっぱ戸田山さん回、好きだわ~!
子どもはズルいって。かわいい子どもが味のあるオッサンと絡んでる回とか、そりゃ良作になるって。ズルいって。