CASE.2 殺人美容室
ゲスト:国生さゆり、神楽坂恵、高橋メアリージュン、土屋裕一
脚本:深沢正樹
監督:長谷川康
青ちゃんがプロポーズした回。いやもうアレはプロポーズだろ。
そして村瀬さんも、目立たなかったけど矢沢さんも、小宮山主任も係長も青年もみんな青ちゃんと妙子さんを心配してたのがよかった回です。
やっぱり深沢さんの話はいいなあ。青妙話はいいなあ。
ってことで、今回の感想!
◆最初に関係ないこと言っておく。
9係にもっていうか『9係』も、ハイテクリンゴに支配されておるのだな。初回の係長のパソコン然り、今回見えた中央テーブルのリンゴタブレット然り。
◆小宮山主任に何かと主任話で絡む村瀬さんはダメな子だなあ。
小宮山主任本人には「心配なんかしてないし。ちょっと退いて」と簡単にあしらわれてるし、挙句に無視されてるし。
◆今更だけど、食材をがーっと並べて聞いただけで料理を当てられる係長は相変わらずオールマイティな知識の持ち主。普通、得意料理のジャンルとか逆に苦手なジャンルとかあるだろう、とか思うんだけどね。
そのうち、あの9係の部屋に本格的なコンロを設置して、あそこは9係の捜査部屋兼警視庁の第二の食堂になるんじゃなかろか。そして9係の前には美味しい料理を求める刑事たちで行列ができそう。
◆あまり関係ないが、早瀬川先生の「それを調べるのはそっち(刑事)の仕事」という割り切りっぷりが結構好きだ。
あれだな、某横浜の監察医さんは見習うべきだな。というか足して割ったらちょうどいい。
◆被害者の状況説明にかこつけて、自分と倫子ちゃんのルームシェアを正当化しようと試みる青年。ルームシェアの健全性を訴える。
いやしかし、なんか勘の鋭い係長にとっては墓穴掘ってるだけな気がする、このぎりぎりの緊張感が好きよ。
◆「恋人の通っている美容室を知っているはずだ」と考えている村瀬さんは、やっぱりつかさちゃんの時も把握してたりしたんだろうか。
今回、村瀬さんを止める小宮山さんが久しぶりに「村瀬さん」って呼んでた気がする。いつ以来だ。
◆上司と部下は、(未来の)舅と(未来の)婿。
青年「僕だって倫子ちゃんが行ってる美容室どこだかわか……」
係長(無言で手振り)
青年「……どこの美容室行ってるかわかりませんけど?」
シーン自体は村瀬さんと青柳さんの衝突1回目で非常に緊迫したものだったのに、ここのおかげでちょっと空気和らいでよかった。
◆青年の部屋がサカイ引越センターの段ボールで埋まってる。倫子ちゃんの荷物多すぎだろ。
あそこまでラフな格好の青年と倫子ちゃん、初めてじゃね?
ラフな格好で前髪上げてる2人かわいいな。
そして青年が倫子ちゃんの肩もみを提案。
倫子「タダ?」
青年「タダ、タダ!」
リア充がぁぁぁぁぁぁぁぁくそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
これはあれだわその後そういうことに雪崩れ込むフラグっていうか準備運動なんだよね普通は。
でも青年と倫子ちゃんの場合、普通に肩もみして
「あー、気持よかった! ありがとう!」
「いーえー」
で終わりそうだから困る。
◆まあ多分、「事件に関係してるかも」って言えば妙子さんも話してくれたかもしれんよね。
でもあそこで「だって俺も嘘ついて無いだろ?」と相手の信頼に訴えるような言葉を言ったから、その上で嘘ついちゃったから、ある意味で青ちゃんの負けなのよね、あそこのシーンは。いや勝ち負けの話ではないんだけども。
青ちゃんは本当に弱いなぁ。そこが好きなんだけどね。個人的には一番応援したいカップルです、青柳さんと妙子さん。
◆青柳さんの不可解な降格を気にする村瀬さんは、本当にいい人だな。
係長の「青柳くんや君より、主任としての適性がある。そう判断した。……納得できた?」の台詞があらゆる意味で残酷。でも現状ではそれが正しいから困る。
◆地味な話だけど、ヒール履いた原沙知絵より渡瀬恒彦の方が小さいのか……いやまあ、ヒールが結構高めっぽいけども。
あと更に地味だけど、靴ずれに関する報告を持ってきてくれた時の係長の、「僕が、気にしてたの?」の台詞がちょっと怖かった。前回の謎のクシャミ推しと関連とか無いよな、係長の体調がヤバいとかそういう話じゃないよな。
◆妙子さんからの電話すら出られない青柳さんは本当に弱いなあ。
そしてそんな弱い青柳さんを心配し、フォローする矢沢さんは本当にいい人だ。
◆青柳さんもいい加減悩みすぎな上に私情で揺れすぎの感じはあるんで、そりゃあ村瀬さんがブチ切れるのも無理はねーよなーと思う。
それでも、「妙子の恩人だから疑いたくない」と正直に言えるようになった辺りは、地味ながら成長、或いは変化といえるかもしれない。以前までの青柳さんだったら、それすら隠してたような気がする。
◆別にいつぞやかの名コンビっぷりを持ち出すまでもなく、村瀬さんと青柳さんは反発しあうけど、別に嫌い合ってる訳じゃなくてお互いのこと認めてるんだわなっていうのがわかる。
だから村瀬さんは(青ちゃんがガチで警察辞めようと悩んでたのを知らないし)「そんなんだったら刑事辞めちまえよ! なあ!」ってキレるし、今回の青ちゃんは村瀬さんの言葉をちゃんと受け止めた。
「ああ。辞めようと思ったよ。グダグダ言われるんだったら、主任も刑事も辞めようと思ったよ。けど……申し訳ない。辞めたくないんだよ。……辞められないんだよ。」
この言葉を吐き出す青ちゃんの表情が、青ちゃんの言葉を受けた村瀬さんの表情が、もうむっちゃ苦しそうだ。すごく好き。小宮山さんも矢沢さんも悲しそうだし。
◆「あの。主任じゃなくなったことバラしちゃったこと、私、謝りませんからね。大事な人に嘘ついてた、あなたが悪い」
もう今回の村瀬さんはいちいち正論しか言ってないわ。ちょっと言い方がキツいけど、それも青柳さんと妙子さんを信じて心配してるからこそだもんな。だから嘘をつかれるのは嫌だ、隠すなって言いたいのだよね。
このキツめの台詞は、村瀬さんにしか言えないだろうなあ。青ちゃんも「そうだよな」って素直に受け止めてるし。
◆さりげなく青ちゃんのハンカチを取り替えてあげる妙子さんマジいい奥さん。もう事実婚だろ、これ。
「俺ら昨日から『ごめん』『ごめん』しか言ってねーのな」って軽い調子で言う青ちゃんが、悲しくてな……
「……ごめん」って言う妙子さんの表情も悲しすぎて、なんかラストでまた妙子さんがいなくなっちゃうんじゃないかと思っちゃったけど、そんなことなくてよかった。本当によかった。
◆問:肩を捕まれ、振り向いたら満面の笑みの青年がいました。さてこの状況に希望はあるでしょうか。はたまた絶望でしょうか。
いやしかし、やけにその目がきらきらしてて笑ってしまった。純粋すぎる笑顔だな。
その青年の取り調べでの追い詰め方もなかなか迫力あってよかったよ。机ばーん!とか。うむ、そりゃあ検挙率ナンバーワンの係に入って8年目だしな。
◆被害者も他人を脅迫してたりとなかなかのクズだが、犯人の動機がガチクズ。
「あんた、なんか努力して生きてきた? 女に金もらって平気でいられる男なんて、最低の三流男よ!」
いやまあ、言葉だけ切り取れば割と正論だと思う。「お前が言うな」ってのはあるけども。そりゃあ係長だって「君に『愛』なんて言葉を使う資格ない!」ってキレるわ。
◆DV受けてる様子とか、そこから反撃した時の様子とか、その後の呆然とした様子とか、やっぱり国生さゆりは薄幸女優だよなあ。『京都迷宮案内』の渚が異端。
「妙子は、幸せに生きていると思いますよ」
そう言えた青柳さんは、きっと妙子さんを幸せにしてくれるよね。っていうか、幸せにしなくちゃ許さないぞ! 青ちゃん! 下剤送り込むぞマジで。
係長と矢沢さんと青年と、(しぶしぶ)村瀬さんの手を重ねるところがよかった。
◆とうとう青ちゃんがプロポーズを!
妙子「青ちゃん……私さ……これからも迷惑かけちゃうかもしれないけど……青ちゃんに着いてっていい?」
青柳「そりゃあダメだな」
妙子「………………」
青柳「着いて来るんじゃなくてさ、隣にいてくんねーかな」
妙子「青ちゃん……おうち帰ろう」
青柳「うん」
妙子「青ちゃん」
青柳「ん?」
妙子「チャック開いてるよ」
せっかくプロポーズ(に近い台詞)言えたのに、照れ笑いしちゃうわチャック全開だわでイマイチ締まらないが、それでこそ青柳さん。
妙子さんもはっきりした返事はしなかったけど、笑顔で冗談言って一緒に手を繋いでたから、もう答えははっきりしてんだなあ。
アカン、涙が……・゚・(つД`)・゚・
◆青年に対して「みなまで言うな」とさりげなく言葉を止めて、係長に頭を下げる矢沢さんマジイケメン。本当にいい人だわ。
青柳さんの話はこのシーズン中は引っ張ると想ってたのですぐに(とりあえずは)解決しちゃって、そこで拍子抜けはしたけど安定の青柳妙子話でよかったです。
直接行動に出た村瀬さんも、9係メンバーをまとめる小宮山主任も、陰でさりげなく心配し気遣いフォローしてた矢沢さんも、係長も青年もみんな青柳さんと妙子さんを想っててよかったです。
事件はショボいけど、『9係』に関しては事件はオマケみたいなもんです。
なんだか今シーズン、旧シーズンの頃みたいなプライベートだったり人物掘り下げだったりが結構あって、「ああ、これが『9係』だよな」と思います。原点回帰のシーズンなのかしら。
次週!
小宮山主任が刺されたー!
テレ朝刑事ドラマのヒロインだったり紅一点は、大体一度は襲われるなり刺されるなりしているので、小宮山さんもそれを踏襲してるなという……
「俺の相方をなんで刺したぁー!」と啖呵を切った村瀬さん回になるか?
カッコいい村瀬さんが見られるか?(いや、今回の村瀬さんも十分カッコよかったと思ってますけど)
小宮山さんの危機に立ち向かえ、9係!
ってなわけで、次週も期待しておりますよ!