第2話 AIで蘇った悪魔
ゲスト:森崎ウィン、少路勇介
脚本:戸田山雅司
監督:宗野賢一
前回書き忘れたんだけど、東映公式の「見どころ」と「こぼれ話」が何故かWebラジオ化している。なんでだ……
私は耳での聞き取りが弱いので(ドラマ見る時も字幕をつけている)、文字のほうがありがたいんですけど、音声の利点ってなんだろう……Spotifyとか意識してるんだろうか。
気の早い話ですけど、もし来期があるなら、文字に戻してほしいです。お願いします。嘆願書送ろうかな。
あらすじ
とある大学に、毒ガスの製法を盗んだとの脅迫メールが…犯人の名は兵働耕春(森崎ウィン)。かつて天才プログラマーとして活躍するも、オンライン巨額詐欺に手を染め、25年前に海外で死亡したはずの男がなぜ…?web通話で兵働との交渉を任されたマリコは、彼の若いままの姿を見て驚愕…本人と融合したAIなのかとの疑惑が。鑑定で居場所を特定するも新たな事件に遭遇!兵働は「この事件の5W1Hを答えろ」と不可解クイズを出してきて!?
見どころ
◆OP曲かっけぇ!
これ、初出だよね? 前回と打って変わって激しい感じ。
どっちも好きだー。バランスよく使ってくれ。
っていうか、新曲も好きなのばっかりなのでサントラ第4弾くれ……
◆藤倉「毒性を飛躍的に高めた有毒ガスが市内に散布されでもすれば……」
それに似たような事件、既に過去シーズンで起こってる定期。もう22年もやってます『科捜研』ですから、そりゃあテロぐらい起こる。そうか?
S14-8、9のヤツっすな。まぁアレはガスじゃないんだけど、事件の凶悪さで言ったら割と過去作の中でも未だにトップクラスなんじゃなかろか。それを中和してたのが佐沢先生だった説、ある。
この『科捜研』ワールドの京都において、警察、特に科捜研の手腕は言うまでもないですけど、救急隊とかのレベルも相当高くなってそう。テロとか割と年間行事みたいに起きてるからな。おっそろしいところやでぇ。
◆藤倉「科捜研なら適任だろ」
犯人との交渉を科捜研に任せる。そうか?
……どう考えても、マリコさんの存在がデカいですよね……
「アイツは何をどう言っても出しゃばってくるから、なら最初から交渉人にすればええやんけ!」とかそういう考えじゃないだろうな……いや、絶対違いますけど。そこは信頼してますよ、藤倉刑事部長のこと。
結果的には適任だったとはいえ、これはめちゃくちゃリスクのある賭けだった気がする。平然とした顔でこんなギャンブルをするようになった藤倉刑事部長、ホント変わったな……
◆マリコ「社交辞令は苦手なので、本題に入らせてください」
「美人」と言われて、それを「社交辞令」と一蹴するのは言われ慣れてる人の反応なんよ。
沢口さん御本人は、「綺麗ですね」とか「美人」と言われると「ありがとうございます」と仰る。これはこれで言われ慣れてる人の反応。
◆走行音から現場特定までのスピード感よ
ホントこの科捜研、鑑定力がぶっ飛んでるよな……
そしてそれを誘導する目的で罠として使う。最初からバックノイズに気づかないトンマな警察だったらどうするつもりだったんだ……
◆風丘「出た……! 初めての宇佐見ビーム……」
風丘 「ウサビーム……?」
可愛く言ってもダメなのよ。マリコさん、とんでもない技をどんどん周囲に伝搬させていく……
結局折れる風丘先生。でもこれはかなり重要な発見だったので、宇佐見さんファインプレー。イケメンにジッと見つめられたい人はウサビームを食らうといい。
◆君嶋「例えば、2021年、イギリス」
君嶋さんは、今までの科学的事件を記憶している年表キャラ(なにそれ)で行くつもりなのか。あれは初回だけじゃなかったのか。なんか続けていくの、難しそうなキャラだな。頑張ってほしい。
◆兵藤「その答えはイエスであり、同時にノーでもある」
兵藤はマリコさんのことを「科学的にフェア」と評したけど、実は兵藤もまたフェアで、ここでマリコさんが兵藤=AIと仮定したときの問答では、ひとつも嘘をついてないんだよね。この答えもまた、「名前は失ったけど自分は生きている」ということだし。
そこらへんがミステリ大好きの戸田山さんらしい話運びだったなと思う今回。兵藤は犯人としてフェアだった。
◆エルドビア
ここで書くけど、本当に出てくる度にロクなことじゃない架空国家だな。今回もロクなことじゃなかった。
◆マリコさんに気軽についていく風丘先生
そして宇佐見さんに引き戻される。
事情を知らないとはいえ、その気軽さはなんなの。チョロインなの?
◆藤倉「事は緊急を要するんだ。責任は私が取る」
そしてその後、取調室での映像がSNS上に流れてしまい、マジで責任を取らされそうな藤倉刑事部長カワイソス。
◆後半、存在感が消える君嶋さん
中の人が舞台だからね。しょうがないね。
◆兵藤「細工はその程度」
兵藤 「倉庫に誘導するために列車の音を重ねた他は、ライトの光量を強くして若作りに見せ、あなたの動きを目で追わないようにする」
若作りの方法がYoutuberみたいでワロ……ていいのか?
しかし、「その程度」の細工が結構大変だと思う。特に後者。わかってても目で追っちゃうのが人間だろうし。この事件のために、どれだけ練習したんだべか……
◆AIには思いつかない動機
マリコ「『死ぬ前にどうしても汚名を払拭したい』。それは命が尽きることもなく、永遠の時間が与えられているAIには、絶対に思いつけない動機です」
兵藤 「愛する科学を利用して罪を犯したという汚名に比べれば、私を裏切ったあの男をこの手で絞め殺すことなど、誇りに感じても、恥じるつもりは一切ない」
どちらもAIには絶対に思いつけないであろう動機。なるほどなぁ。
じゃあ自身がAIのフリをするのは「愛する科学を利用して罪を犯した」に当たらないのか、とも思ったけど、たぶん兵藤の様子からするに、最初から解かれること前提だった気もするしな……
◆マリコ「『WHY』……動機は」
マリコ「あなたが科学者だから」
兵藤 「……あなたが解答者で、本当によかった……楽しかった。嘘じゃない。私はこの25年間、『兵藤耕晴』として誰かと語り合うことなど、一度もなかったから……」
「名前は初めてもらうプレゼント」という言葉があるけど、名を失うと人は自身をも失ってしまうのかもしれない。
マリコさんが科学者の犯罪者に同情しちゃったよ! と思っちゃったんだけど、ちゃんと次のシーンで犯罪を否定してくれてよかった。
◆マリコ「ううん。理解なんかしたくない。絶対に」
土門さんに、兵藤の気持ちを理解できるのかと問われての答え。ちょっとホッとしました。
でもマリコさんは、優しいからな。優しいからこそ、兵藤の過去や未来は否定できない。土門さんは割とそこらへん、スパッと切り捨てちゃいそうだよね。どっちのスタンスも好きよ。
◆古久沢さん(回想)
未来の科学を奪うのは害悪。古久沢さんの言葉に悩むマリコさんである。連ドラっぽい!(連ドラだよ)
いやまぁ、今回の25年前の事件の犯人たちは、割と「害悪」と否定されてもおかしくはない……いや、それを研究資金に使ってはいるんだけど、それでもなぁ。
雑感
今回は割と今までのシーズンにノリが近かったんじゃないかなと思います。AIが復讐する!?とかキャッチーな導入とかが。そこからの話運びも実に戸田山脚本回的で、今までの視聴者的には安心できて、初回に惹かれた人は面食らったんじゃないだろうか。「なにこれ、初回と全然違うじゃん!」って。
戸田山脚本回だとマリコさんは科学者というより名探偵。だけど最後に、科学者として兵藤の意思を否定してくれてよかったよ。
兵藤を救ったのは名探偵のマリコさんなんだけど、兵藤を逮捕して否定したのは科学者のマリコさん。最後に「あなたが科学者だから」と救ったのは、名探偵の方のマリコさんだと思う。
そして1話の古久沢さんの台詞に悩むのは、科学者のマリコさん。マリコさんも科学者なんで、そりゃ「未来」には思いを馳せるわけですが、そのためには人間はどうあるべきなのか、を問われるシーズンになりそうですね。
マリコさんにはやはり、科学的禅問答が似合う。はっ、岩下脚本……(今期はスタッフ欄に名前がなくて凹んでいる)
櫻井さんと戸田山さんのコンセンサスとれてそう……と、改めて今期の連ドラ要素に期待したい次第です。キャッチボールが上手いおふたりなので、最終回は期待しております。それぞれ、最終回までにあと1回ぐらいは担当回あるといいなぁ。
次回予告
報ステと直結になったせいで、次回予告が最後の数秒切れるようになった。直結うぜぇw
それはともかく次回。
科学者ブローカーにラテックスアレルギー。密室で死んだ男の謎?
マリコさんも売り飛ばされちゃうんです? どうなるマリコさん!