【相棒 Season9】第10話 感想

相棒
スポンサーリンク

第10話 聖戦

ゲスト:南果歩、白石美帆、石野真子、中野英雄、天野浩成、花原照子

脚本:古沢良太
監督:和泉聖治

確かにツッコミ所はたくさん、その他も諸々あったけど、約2時間を「『富田寿子』という女性が如何に生き、そしてこれからどうやって死にゆくのか(の予想図)」っていう、一種の人生譚的に見てたらアリでした。
際立ってたのは、南果歩の怪演っぷりとか、怪演っぷりとか。むしろ今回の見所はそこだけと言っても過言ではない気がする。
途中、どんどん廃人から復讐鬼へ変わっていくところは、最早ホラー。
爆弾とかもそうですけど、そのスーパーなストーキングっぷりとか、体力をつけるためのトレーニングとか、懸垂でベランダに上がるとか、その発想と行動力と執念が怖い。私なら間違いなく梯子を使います。
そしてその『復讐』にのめり込み、手段が目的にすり変わってたっぽい富田さんがどんどん活力を取り戻していくところとか、泣いてると思ってたら椅子から転げ落ちて文字どおり腹抱えて大爆笑してたとかのぶっ壊れっぷり。
いやぁもう、なんつか隅々まで南果歩を堪能しました。
ここまでネジというかタカというか常識というか、そういう何かがぶっ飛んだ執念深い女は、かの『ベラドンナ』以来じゃあないかと。違ったらごめん。

今回は、色々な意味で特命係の敗北だったなあ。
まず、あそこで折原さんが赤ん坊を盾に特攻してこなかったら、間違いなく皆で吹っ飛んでたよな。私はあそこで「行け、そこで刺せ!」とか思ってたんですが、違った。
子どもとともに特攻かまして(しかも何故か勝つ確信があったっぽい)、本当に勝っちゃったわけだから、折原さんもまごうことなく復讐鬼であり、ある意味では富田さん以上に怖い人だったっつーことですな。子を盾に特攻してくるなんて、富田さん以上になりふり構わずじゃないですか。たぶん、スイッチが入ったら富田さんより折原さんの方が怖いと思う。
しかも、富田さんの精神を折っちゃったようなもんだし。復讐劇の完遂という芯を抜かれ、精神が逝っちゃったのは、ある意味では幸せなのかもしれんなぁ。精神的な苦痛は比較によって起こるもので、比較する際の物差しが壊れてると、苦痛を苦痛とは感じなくなるから。
そんな彼女たちを「理解できなかった」右京さんたちとか視聴者は、まだなんとか踏み越えてはならないラインを越えていないようです。

ただ、今回は(も?)、ストーリー云々の問題点より、画面構成その他演出が非常に退屈だったなー、チープだったなーってのが目につきました。
なんだよ、あの回想と現在を切り替える時のエフェクト。『〇〇年前』とかいうテロップ。
それのせいもあり、他にも色々と「何これ」ってな演出が多かったんで、全体的にテンポがのたくたしてたなぁと思うんです。
あと、最近マシになったと思ってたのに、また相棒ブルーが復活してたし。アレはマジでいらんし。

でもまぁ、正直、新年早々、話のアラやなんやにケチつけて見るのも野暮です。
というか、正月なんかにそんな頭や気を使って見たくないし、そもそもそんな風に見る気もないです。
「愛する人を失った母ちゃんは怖いのよ」ってのは、この2時間でものすごく伝わりました。怖いぐらいに。
それで十分楽しめた、というとアレだけど、もたれそうなぐらいにお腹いっぱいになりましたんで、自分としては満足です。

小ネタ拾い。

◆エキストラ出演して本当に楽しそうだった青山剛昌先生。
映っても画面の端っことかかと思ってたら、割と真正面から映ってましたね。
しかも、あそこではコナン描いとったらしいし。何やってるんスか、あーやま先生。大好きです。

『爆弾ハンバーグ』って。

◆爆破の予行やってたところって、仮面ライダーとか特撮戦隊モノとかで使ってそうなところっていうかそういうところなのかな、やっぱり。

◆色々伊丹さんが危なっかしかったような。「正直に話せばお袋さんに会わせてやる」は、傍で聞いてた私のお袋、もとい母が退いてた。

◆そんな伊丹さんと芹沢さんと米沢さんが活躍していた最後のコントから三浦さんだけがいなくて、新年早々ひでぇことしやがるぜ……(いやまぁ、たぶん中の人の事情なんでしょうけども)

◆特に何がという必要もなく、全体的に1番キャラ崩壊が激しかった神戸さん。
新年早々、こういうのはカンベんしてほしいッスよねー。

タイトルとURLをコピーしました