【ネタバレ有】相棒 劇場版Ⅱ 感想

相棒
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相棒 劇場版Ⅱ 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜

ってことで、見てきましたよん。

【ネタバレは殆どない感想】
『相棒』好きなら、見て損はない。っつーか、見ておいた方がいいんじゃないでしょうか。
特に、「輿水脚本のえげつない後味悪さが好きよ!」とか、「キャラを活かせる戸田山脚本ってなかなかいいよね」みたいな、脚本にまでこだわっちゃうコアなファンにはオススメです。
ただ、まぁ、ある意味当然っちゃあ当然だけれど、捜一の皆さんとか組対五課の皆さんとか、そういう準レギュラーの人々はほぼ活躍してなかったんで、そこら辺のキャラファンには厳しいかもしれない。前回の劇場版Ⅰがオールスターのお祭り的意味合いもあったから、それとは違う感じにしたんでしょうなぁ。

私の主観による活躍度合いは(特命係と官房長除く)、

米沢さん>ラムネさん>>>中園参事官>暇課長>捜一の皆さん>>>陣川くん>たまきさん

たまきさん、本当にワンシーンしか出番ないやん……いや、でも右京さんにもひとりにならない場所があるんだよっていうのを指し示す、いいシーンだと思いましたが(だからこそ、ラストシーンが映える)。

話は……
前作(劇場版Ⅰ)よりは整合性がちゃんと取れているし、意外性や派手さはないけどしっかりした『相棒』ワールドでした。
でも、いきなり『影の管理官』とか言い出したときは正直、「何それ」って思った。事前にネタフリしておいてくれればよかったのに。
あと色々ツッコミどころもあるっちゃあるけど、2時間飽きなかったんでよかったです。

あ、そうだ。パンフレットは一部どころか、超ネタバレ満載なので、絶対に映画を見た後に見ようね!
インタビューとか色々あったりするんで、「絶対買っとけ!」って感じなんですが、ネタバレが激しすぎてねぇ。表紙にも、「一部ネタバレあり」とか書いてあるけども。
うん、よかった。私は映画終わったあとに買いました。忘れてただけだよ。

以下は、ネタバレを含む小ネタ拾いとかー。


◆大河内さんの剣道の稽古に突き合ってあげて、見事ワインをせしめる神戸さん酷いよ神戸さん。
「監察官に友達がいると思うか?」とかなんとか言ってましたけど、神戸さんは友達じゃないのかな。

男のシャワーシーンって誰得。

◆陣川さんはいつ見ても安心のクオリティ。警視庁内なのに振り込め詐欺注意のポスター貼ったり、「自分こそが特命係においては先輩」と神戸さんにアピールしたり、ロープを支えたり、発炎筒を見つけて持ってきたり。今回はちょい役でしたが。
その代わり、中の人の実の弟が大活躍。もう死んでましたけど。中国マフィアでしたけど。刺青ありましたけど。

◆小木茂光さんが別役で再登場(Season2『器物誘拐』)。こちらもちょい役でしたけど。

◆突如指揮官を任されてテンパる中園参事官。
自分で内線電話をかけておいて、「出た!」じゃねーですわよ。

◆CMで視聴者の心を鷲づかみにしたと(私の脳内で)評判の、右京さんのロープアクションシーン。
今日の『徹子の部屋』で、水谷さんが言ってたんですが、高所恐怖症らしいですね。
なのに、ひょーいと飛び込んでいきましたよ。ロープを支える役の3人の合図を待たずに。あれ、下手したらそのまま、まっ逆さまですって。危ないですって。神戸さんが「無茶が過ぎる」って言ってたのは、犯人が発砲する云々ではなく、まず落下の危険性についてだったと思うんだ。

◆なんで内村刑事部長は鼻血出してるの?

◆さりげなく赤いカナリアの文字があったよ

◆暇課長は老眼。

◆運転中にはサングラスをかける神戸さん。前にも会ったっけ?

◆回転寿司でお皿を戻さない官房長は官房長じゃないよね。もしかしたら、右京さんがいないところでは平然と戻してたかもしれないけど。

◆死体保存とか、どこのホラーですか。そりゃあ、神戸さんじゃなくても吐き気催すわ。
米沢さんを連れてきて正解。でも襲われちゃったけど。スピンオフ映画でも襲われなかったのに。

◆官房長との『悪魔の取引』を飲んじゃったラムネさんと取引することになっちゃった朝比奈さんの上申書を見た神戸さんの熱さ。車の前に飛び出すとか、本当に無茶だよ。人のこと言えないよ。

◆正直、あのままだと朝比奈さんは自殺しそうにも思えるんですが、私だけでしょうか。一応、右京さんに救われてた感じではあるけれど、たとえ長谷川副総監以下が捕まったとしても、なんか逆にそれで心の支えがふっと無くなっちゃいそうで。

◆モールス信号かぁ。
いくら室内が防音でも、コツコツシュッシュっていう音は聞き取れるのかな。っつか、まず犯人に気づかれるような気がする。八重樫さん、人質が少し身動きしただけで、結構怒ってませんでした?
長谷川副総監たちを追い詰めた場面で、最後にボートからクレーンカメラでぐーっと俯瞰していくところの「こつん、こつん」って音も、モールス信号だったりするんでしょうか。あいにく、私は聞き取れなかったんですが。

◆小野田さんが思いっきり違法行為(盗聴)をするのって、自分の記憶が確かならこれが初じゃないかと思うんですが、どうだったっけ。
今まではぎりぎりグレーゾーン圏内から物事を動かすって立場をきっちり守ってきた感じだけど、今回は黒い方向へ一歩踏み込んじゃった感じ。
「神輿は軽いに限る」が小野田さんの持論らしいですけど、軽くしようと色々あちこちと削りまくってたら、尖ってささくれ立っちゃって、とうとう自分に突き刺さる羽目になっちゃった、みたいな。なんか喩えが上手くなくてごめん。
何にせよ、詰めの一手を間違えたから自分に跳ね返ってきちゃったんですね。あの唐突に刺されて終わるのは、Season2の『殺してくれとアイツは言った』を思い出した。

◆で、その犯人である生活安全部長。
「『ノンキャリの星』の末路か……」って三浦さんが呟いてましたけど、そういうところの細かい皮肉というか残酷さが結構好きだったりする。

◆警視庁(田丸警視総監)と警察庁(金子警察長官)の対決は、Season9最終回! とかだったりするんでしょうか。

◆官房長の死に際の苦しむ演技がエグくて、もう。
それにしても、あまりにあっけなく儚い死に方でした。
「殺されるなら、お前だと思っていた」っつーのは、Season1でも似たようなことを言ってたから、やっぱり本音なんだろうなぁ。

官房長に、「この世に絶対的な正義なんてあると思ってるの?」「お前の正義も間違っている。でも、お前にはその自覚がない分タチが悪い」と言われた右京さん。
それでも、右京さんはどこまでも信じる『正義』を貫く、という右京さん。
果たして、それは正しいのか?
果たして、正しい答えなどあるのか?
最後の神戸さんの表情は、そう言っているように見えました。
それが、Season9の『暴発』の行動なんかに繋がっていったりしてるのかなと思ったり。
劇場版Ⅱを見た上で、もう1度Season9を見返してみると楽しいかもしれないですね。
「あなたの正義を問う」
個人個人、立場や思惑によって解釈も違うし、貫くことは困難で、あっけなく揺らいでしまう曖昧な言葉である『正義』。
それを守ろうとして、それぞれが暴走した結果が今回の事件の真相なんだよなぁ。
ってところとか、官房長の死とか、そういう虚脱感というか虚無感というか、そんなものに襲われる後味悪いラストでした。

それから、官房長の死は、これから『相棒』の世界に、どう影響を与えるのか。
ある意味、亀ちゃん以上に『相棒』の柱だった存在ですよね。彼が与える影響力とか、作り上げた世界観とか、そういう大きなものをリセットするかのようなこの退場劇。右京さんを止める「敵」であり、右京さんを守る「盾」でもある彼がいなくなるってのもデカい。
それまでの過程には無理はなかったけど、これからの未来にどう影響を及ぼすのか。
『相棒』シリーズは、どう決着をつけるのか。
そんなことまで考えてしまう2時間でした。

最後に、ひとつだけ。

場面転換がおかしいところが2回ぐらいあったのが不満。
ラスト、警察葬からスタッフロールに切り替わるときに『相棒』のロゴを大写しにして切り替えるっつーのは、なんかすごくダサく見えたぞ。

などなど、細かいケチはつけましたが、楽しめた2時間なのでしたとさ。

以下は、個人的な愚痴。

地元の映画館、防音甘いよ……
クライマックス(?)の壮大な音楽とか、右京さんの「官房長ぉー!」とか、丸聞こえだったんですけど。

◆しかも、そんなクライマックスシーンなのに出てきたお客さんがいて、開いたドアからクライマックスシーンが丸見え。
なんというネタバレ……これは意図できない、これは孔明の罠。全然違います。

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