【科捜研の女’09】第9話 感想

科捜研の女
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CASE.9 立て籠り事件の死角! 銃を奪われた警察官

ゲスト:井坂俊哉 酒井美紀 立川三貴 清水紘治 松永京子 日野陽仁

脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史

だからどうして人情モノに行こうとするの
これが木8枠の限界とか、私は信じないよ。
予告見て不祥事モノと勘違いして肩透かしくらったのもあるけど、今回の話は酷い。
櫻井さんも「相棒」から3ヶ月あったとはいえ、今期は科捜研、来期は「副署長」にまた「相棒」とネタ煮詰める時間ないんじゃないか?
お得意の職人モノである6話こそ今期(恐らく)1番の良作だった。
けど、風丘先生にスポットが当たった4話は個人的には嫌いじゃないにせよ穴が目立って役者の演技に助けられてた感があり、初回SPはさすがに櫻井脚本好きの私も「これはないわ」と思った。
なんだろうなぁ、「相棒」とか過去の科捜研での人情ものとかは、別に嫌いじゃない、好きだったりするのに。
今回、ゲストの演技もイラつくし脚本もダメだし、かと言ってネタとして突き抜けるワケでもないしと、ほぼ今期ワースト回確定。
櫻井さんがこのクオリティの話書くってのがショックだわー。
というわけで、「9係」に続き愚痴や不満だらけの感想。

※酷評注意※


◆大阪の組事務所に発砲した抗争相手の暴力団の団員、ピストル持ったまま民家に立て篭もる。
いっそこれの解決までを1時間書いた方がマシだった気がする。序盤の方が緊迫感もあり、役者さんたちの演技に気合い入ってたし。

◆S.T.G.SYSTEMってのは、熱源を映すカメラ、って認識であってるよね?
それはともかく、やっぱりこの立て篭もり事件解決までを描いた方が絶対面白かった。

◆立て篭もり被害にあった家のガラスや内装の修理代は、ちゃんと警察が出してくれるのかなとか関係ないことを考えてしまった。
うん、全然関係ないね。

◆全体的に東兄妹の演技が下手くそで見るに耐えませんでした。

◆機動隊から銃を奪うとか無理だろ、まず身内を疑えよ。
上司の言うような、「やじ馬やマスコミでごった返していた」ようには見えなかったし。

◆で、その奪われた銃を使った事件発生。
銃を握ったまま、密室で死んでいたため自殺か他殺かを含めて捜査が始まる。
その一環として解剖に立ち会うんだけど、美貴ちゃんが解剖に立ち会うの初めてだっけか。
解剖された遺体からちょっと退いてるように見えた。
隣のマリコと風丘先生はケロッとしてた(当たり前だけど)。
仕事としてはこの2人が正しいんだけど、人間としては美貴ちゃんの態度が正解だよなぁと思ったり。
もうマリコと風丘先生の慣れ具合ときたら、死体の横でご飯食べられそうだもん。

◆解剖の結果、被害者は即死ではなく、撃たれてから数分間は生きていた可能性があることが判明。
手についていた血液は自身のもので、傷口を押さえた時についたもの。何故か人差し指の血だけが擦れていた。
そして硝煙反応は出なかったため、自殺説は否定される。

◆指紋についての豆知識
日本人の5割は渦状指紋→日野さん、美貴ちゃん、乾くん
日本人の4割は蹄状指紋→榊親子(指紋は遺伝の要素があるらしいため)
日本人の1割は弓状指紋→被害者
ちなみに私は渦状指紋(どうでもいい)。
手を触られてる時、マリコさんが険しい顔してるから触られるの嫌だったのかと思ったら、考え事してただけか。

密室宣言東野圭吾の「名探偵の掟」
マリコ「つまり……密室殺人ね」
土門「うん……(何を言ってるんだコイツは)」
↑こう見えた私は、多分もう様々な意味で末期
それはともかく密室殺人の謎解き→被害者が自ら移動、犯人を庇うためにドアに鍵をかけた。
ドアの鍵のつまみにある血液指紋なんて、真っ先に鑑識が見つけてなきゃおかしいだろ。

◆被害者のオヤジ、こんな若い女と内縁関係なのかよー。
でも、痴情の縺れなら彼女を庇うだろうか、そして一般人の彼女に銃を奪うのは無理なのではと気付くマリコ。いやマリコでなくとも気付けよ。
しかし前者は「所詮男と女だからな」という超理論で切り抜け、念のためとはいえ襲われた機動隊員に「犯人は女の可能性はないか」と聞いたり、土門さんが3話以来のアホの子状態だったんだけどどう思う。

◆ここから櫻井脚本とは思えない粗っぽい真相発覚タイム
犯人→東兄妹の共犯
2人の実の父親は被害者。母方の親類に養子縁組され、姓が変わっていた。
兄が立て篭もり現場から銃を持ち出し、妹に渡した。殴られた傷は自作自演ってんな無茶な
動機→女癖悪い父親に捨てられた後、自分らを育ててくれた母はとても苦労し、心労で亡くなった。
それからは父親のことを忘れて生きてきたが、偶然東京で父親を見かけ、後をつけて家を突き止める。
その後改めて、恨み言をぶつけるために兄妹で父親の元へ行くと、若い女とイチャついてやがりました。
そして「母さんは元気か」「(内縁の女性を指して)アイツ、お前より若いかもな」「今からでも一緒に暮らせるか」なんて無神経な言葉を吐かれました。
土門さんの「それで?」が、(だからって殺すのかよウゼェ)というニュアンスに聞こえるぐらい、陳腐な動機ですね。
立て篭もり現場から奪った銃を使ったのは銃なら妹でも殺せると思ったから、って本当にバカだなオイ。
いい歳した大人が2人もいて、憎悪に歯止めをかけられない、周りへの影響考えずに思い止まれないってそれどうなのよ。動機部分が壊滅的過ぎて泣けてきた。
動機そのものもそうだし、動機の告白や回送シーンでの兄妹、被害者の演技が安っぽくてもう見るに耐えない。

◆父親がせめて最期だけは父親であろうとした、だから自殺に見せかけて庇ったのだと知らせ、弓状指紋に引っ掛けて親子人情モノでオチつけてた。
確かに父親を殺すのは、マリコさんには想像つかんかもな(仲いいから)。でも悲しいけど現実にはいくらでもあるし、有り得るのよね。だからこの台詞は重いけど虚しい。
それにしてもこんなバカ兄妹、土門さんがアメちゃん刑事時代並に締め上げてくれると思ったけど、それがなかったのがなぁ。
マリコさんは、犯人に情け深いのは今に始まったことじゃないから、もういいや。

◆次回は昨期のネタ回、ベビーカー爆弾魔書いた人で最終回ッスか。
櫻井さんだと思ってたけど、まぁ、今回の話の出来で痛いくらい忙しいのはわかったから無茶は言わないことにする。
だけど個人的には、少し休んでネタ煮詰めてほしいな。なんだかんだで、信頼できる脚本家さんのひとりだから。
そしてやっぱり1時間ですか。空いた木9枠は「交渉人」……わかっていたとはいえ、残念だなぁ。

今週の話、関東視聴率が今までの話の中で1番高い、16%越えだったらしいが、それに見合う出来だったとは思わない。1番低い骨董品殺人、2番目に低い先週の方が断トツで面白かったわ。
とにかく来週、無事に終わってほしいな。

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