【科捜研の女 season19】第24話 感想

科捜研の女
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File.24 土門刑事の選択

ゲスト:升毅、早霧せいな、辻萬長、大河内浩、森下じんせい、中村凜太郎、大八木凱斗、井上藍香

脚本:戸田山雅司
監督:森本浩史

 今回がどうなるかわからなかったので、こういう感じで関係ない質問アンケート。投票してくださった方、ありがとうございました!
 人選の理由は、「土門さんは(質問作った当時は)どうなるかわかんないし……」「若手組は、自分の伸びしろという未来に賭けてください」です。よろしくお願いします。

 結果。風丘先生トップ。つよい。圧倒的である。ほぼ半数。すごいな!
 実際、やるなら可能性が一番高い人ではあると思う。前もこれ書いたな。

 同率2位。宇佐見さんと日野所長。
 日野所長すごい!!!!!!
 宇佐見さんはイケメンだからそりゃ票取れるだろうが、日野所長が宇佐見さんと同率にくるというのは予想外でした。
 これは……日野所長をスピンオフ主役に据えるべきですよ……!

 藤倉さん過去編はまさかの最下位。
 過去編なのがよくないのか? 私はめちゃくちゃ見たいぞ!

 というか、全部見たいっすな。改めて書くことでもないけど。

 アカン。なんかもう何を書いても上っ面な気がする。
 今回の感想へ。

全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ

 それは、未来に繋がる生き方の選択の話。

20の見どころ

◆1.よくわかるマリコさんによる前回のあらすじ

 左上の「前回のあらすじ」のフォント、どことなく土ワイっぽさある。たぶん違うんだけど。フォント感ほしい……

◆2.美貴ちゃんの出番、前編で終わり!?

 後編のどこに出すんだって話になるかもしれんけど、相変わらず会えない土門兄妹。美貴ちゃんがわざわざ京都来てくれたのに! まさかあのままフェードアウトとは思わなんだ。
 美貴ちゃんの再登場はさすがに更に7年後ってことにはならなかったけど、土門兄妹が再会するのはマジでまた7年後とかになりそう。今からだと5年後?

◆3.マリコ「そこに隠された真実があるとすれば、絶対に明らかにしなきゃいけない。土門さんと私の手で……必ず」

 このシーン、何故か「私なんかが見てよかったのかな……」って謎の罪悪感が。いつもはそんなこと思わないのに、「覗き見てしまった……」って思っちゃったんだよね。
 マリコさんの言葉と瞳は力強い。それもいつものことなのに、ここは妙にドキっとしてしまった。
 台詞としては、マリコさんは他の人相手でもこういうこと言うだろうと思うのに、なんか、やっぱり、土門さんは特別なんだなぁってのがわかるこのシーンでした。妙にドキドキする。恋かもしれません。

◆4.呂太「やっぱり、デート?」

 空気を読まない呂太くん。
 にはちゃんと亜美ちゃんがツッコんでくれてるからいいんだけど、蒲原刑事の顔芸よ。確かに土門さん関連のゴシップは憶測で話したくはないんだろうけど、もうちょっとこう、なんつーか。顔芸。

◆5.風丘「いやまさか、この記録だけで20年も前の検視をしろって言ってる?」

 マリコさんの言動に呆気にとられている間に、マリコさんにされるがまま椅子に座らされる風丘先生。

マリコ「先生なら、できますよね?」

 尚、異論は認めないものとする。最大級のマリコビーム、効果は抜群だ!
 でも今回に限っては、この無茶振りの大元は土門さんなので、恨むなら土門さんでおねしゃす。
 それと、マリコさんの無茶振りって基本的にはその人に対するデレだから。言わずもがな、その人のことを信頼しているからこそのアレだから。実際、風丘先生はなんだかんだ不審な点を見つけ出しちゃうわけだし。
 だからって限度があるだろ! っつーかデレ方が半端なくはた迷惑だな! ってのは、仰るとおりだと思います。

◆6.土門さんには臙脂のネクタイががないとね!

 それはいいんだけど、しれーっと捜査に復帰してるのはええんじゃろか。休暇届の意味よ。
 尺的にそこに時間を割いてる暇がねぇってのはわかるんだけど……いやでもなぁ。割とここは引っかかってて、ううん……

◆7.大学がカルトの温床なのは、現代も変わらないそうですよ

 サークルのフリして強引な勧誘してくるって、未だに聞きます。ホント、他人事じゃないですよ。
 東京で起きたテロ事案。アレな。あの当時、私は確か幼稚園児だったんだけど、毎朝見てる教育テレビもニュースに変わってた気がする。それは記憶の間違いかもしれないけど、でもあの当時のニュースを見て、アホ園児でも「なんかヤバいことが起きたんだ」ぐらいはわかったもんなぁ。あの当時、関東圏に住んでた人だと、やっぱり体感した恐怖とか物々しさは違うのかもしれない。実際、父も都心に通勤に行ってたけど遭遇をギリ回避って感じだったし。そういう人も多いと思う。

◆8.浮足立つミレニアム直前京都タワー

 浜崎あゆみだのモー娘。だの。私はビーイング女性アーティスト派でした!(逆ギレ)

◆9.マリコさんと土門さんは特別

 藤倉刑事部長にとって。
 このふたりには真正面から見据えて言い聞かせてる辺り、藤倉刑事部長はデレてると思うし、その上でやっぱりこのふたりが何するかわかんないとは今も思ってるんだなぁって感じだ。土門さんとか、いつもだったら暴走しててもおかしくはない。今回のをどう思うかはともかくとして。

◆10.マリコさんの心マ受けたくないですか?

 でも心マ受けるってことは、死にかけてるってことだよな。じゃあやっぱりいいです。
 宇佐見さんで被害者の衣服に付着した指紋の再現をする際、宇佐見さんが若干驚いて身を引きかけてるの草。マリコさんの実験台になると、大体の人はろくな目に遭わないもんな。
 でも一応、マリコさんも無茶振りする相手を選んではいるんですよ……身体的な負担がかかる無茶振りは、若手組に任せてることが大半だもの。それは見ようによっては余計に酷い話かもしれませんけど。

◆11.マリコさんの動体視力よ

 というか、観察眼?
 あの一瞬で、ちらっと見えただけのはずの楡井さんの蔵書印がわかるとか。
 もうこれずーっと言ってるけど、マリコさんは五感が鋭い、と思う。思う割には作中でそう言及されたことって特にないと思うんだけど、でもやっぱり視力とか聴力、嗅覚は鋭敏だと思う。味覚は知らん。人並みなんじゃないでしょうか。

◆12.作中時間は12月1日

 最後のチャリティーコンサートとかは12月1日。チラシから。
 警察人事ってよく知らんけど、こんな中途半端な時期にどうこうするの!?
 ……って言い出したら、藤倉刑事部長とかも割と中途半端な時期に異動してたよな。今更か。そうですな。そこは言っちゃいけないアレだったか。

◆13.マリコさんの観察眼よ

 刑事の皆さんより室岡さんを見つけ出すのが早い。百戦錬磨過ぎる!

◆14.絶望のLOVEマシーン

 楡井さんが落とされる場面でかかる「LOVEマシーン」。こんな腹の底が冷える「LOVEマシーン」、ある?
 子どもという未来を得て2000年以降も生きたいと思った青年を、終末思想に取り憑かれたカルト集団がリンチして殺す。その場面のバックは2000年到来に浮かれる人々で、BGMに「LOVEマシーン」。しかも歌詞の中でも、「これからの未来を明るく生きていこうぜ!」って歌う部分を抜き出すのが、もう悪意の切れ味が高すぎる。
 よく木曜夜8時にこれやろうと思ったな……っていうか、なんかハロプロに恨みでもあるのかよ! 『科捜研』は別運営のアイドル派なんですか!?(そういうことじゃない)
 これを機にYou Tubeの公式動画見たんですが、「LOVEマシーン」は名曲なんすよ……「LOVEマシーン」に罪はないんですよ……

◆15.火浦さんの最大の罪は

 追い打ちをかけるようだが、火浦さんのムーブの中でも、室岡さんに中途半端に事実を話しちゃったこともかなり罪深いんじゃないかなぁ。
死ぬかもしれない人を見殺しにするのも罪深いだろうけど、もしかしたら犯さずに済んだ罪を煽るようなことをしてしまったのが火浦さんの行動なんじゃないでしょうか。
 なのに、室岡さんを中途半端に止めてしまったり。
 もっと言うなら、土門さんに「済まなかった、土門。20年前のあの日、俺が声をかけなければ、有雨子さんを巻き込まずに済んだのに……」「全て、俺のせいだ」って謝るのも、ズルいよ。今更、面と向かって謝るのはズルい。
 火浦さんの最大の罪は、誰に対しても優しくあろうとしたところかもしれない。
 楡井さんを見殺しにした罪悪感がそうさせたのかもしれない。その場面や瞬間には、そうせざるを得なかったかもしれない。でも、彼が本当に「天秤の選択」をしなきゃいけなかったのは、京都タワー展望台のあの場面じゃなくて、もっとずっと後の、今この事件の時だったんじゃないかと私は思う。

◆16.何も言えない土門さん、代わりに言葉を紡ぐマリコさん

 ここで火浦さんを、許したりできる人はそうそういない。
 「生きてください」と選択の先を使命や義務として背負い続けろと言える人も、そういない。
 あの取調室のマリコさんは、当事者じゃないからこそ火浦さんの命をすくい上げられた。私はそう思います。
 それこそ、土門さんが出来なかったことだし、出来ないこと。肩代わりするじゃないけど、ここにマリコさんが来てくれてよかったと思ってます。

◆17.異動の内示

 が、貼り出されてたってことでええんかな。亜美ちゃんと呂太くんが騒いでたってことは。
 その一方、藤倉刑事部長と話す蒲原刑事。

蒲原 「土門さんには、刑事として一番大切なことを教えていただきました。今度は俺が、あの人のようになる番です」

 声が震えてる。泣きそうなのを堪えてる。蒲原刑事は本当に変わったな……

◆18.残酷な選択とは

 いつかどこかで、様々な形で、それぞれの人の目の前に現れる。
 警察官等の命を扱う職業じゃなくても、命の話じゃなくても、人はどこかで必ず大きな選択を迫られる。
 その時、自分のその選択がどういう結果になるか。どういう影響を及ぼすか。考えが及ぶ限り、最善を尽くすこと。責任を果たそうとすること。それが「選択する」ということ。
 警察学校の教官になった土門さんは、「選択した」土門さんなんだなぁ。そうか。もう、土門さんは刑事じゃないんだなぁ……
 いや。でもまだだ。まだ!
 正直、私は過去の『9係』で村瀬さんを係長昇進→シーズンまたぎで逆戻りなんて超ウルトラCギミックをやる過程で、テレ朝の公式サイトの人物相関図まで偽装してた時以来、テレ朝東映刑事ドラマの卒業話は確実に作中で死んでない限りは信じてないし、いくらでもレギュラー復帰や再登場の目は作れると思ってるから!
 とか考えちゃうのは、好きなキャラが卒業しちゃった空気濃厚な雰囲気からの現実逃避と受け取っていただいて大丈夫です。そりゃ動揺したくもならぁな!
 ぶっちゃけ、ここ最近の、何かとすぐ「卒業!?」「殉職!?」と煽るのも、特にSNS上のそれに乗っかって騒ぐ風潮にも辟易してて、「けっ」と思ってたのは事実なんですが、そしてそれは特に変わったわけでもないんですが、今回ばかりは動揺させてほしい。
 動揺するわ、そりゃあ。
 でもこれが土門さんの選択だというなら、時間をかけてでも、私は受け入れたい所存。今はまだ無理でもね。

◆19.幻覚は重症ですよ、マリコさん……

 屋上に吹く風に靡く髪も、横顔も美しい。
 演出を見る目がないド素人の戯言ですが、森本監督回って他の監督回と何が違うのか、殊更マリコさんのビジュアルの破壊力が凄まじいなといつも思ってるんですが、このシーンは特にすごかったですよね。これ、地上波でただで見られてよかったやつなの?
 そりゃ沢口さんも気合い入れて最終回のつもりで挑むわ……というシーンでした。あの風が自然のものってのが神がかっている。神様はいるのかもしれない。

◆20.こんな締めをやった後に

 『一課長』予告を流すバカがいるか!!!!
 ってTwitterで呟いたら、そこそこ反応もらっちゃって申し訳ない。わかりづらくてごめん。私は思わず吹き出しちゃった派なので、怒る権利はないです。私は『一課長』SPも楽しみにしてるので……

次回予告とか。

 中村俊介! イケメンである。ちょっと前の『アウト×デラックス』はぶっちゃけ引きましたw でも南ちゃんへの執着は面白かったよ。
 今回の土門さん教官エンドと中村俊介と上海行きと蒲原刑事へのアレコレで印象が薄くなってるが、泰乃ちゃんが再登場です! やったね! 亜美ちゃんと並んでるの胸アツ。宇佐見さんに白衣着せてもらってるのかわいい……

 色々要素はあるみたいだが、蒲原刑事にも卒業フラグである。そうか……君もか……
 グッバイ、蒲原刑事。君のことは忘れないよ。

 と、軽ーく言ってますが、もし私の考えが正しいなら、次回こそが今回前後編の土門さん話の本当の締めになるんじゃないかって、蒲原刑事の役目も責任も重大なんじゃないかって、私はそう思ってますから。
 それについては、以下のぐだぐだとながーい雑感で。

ぐだぐだ雑感

 私は今回の土門さん前後編って、今年の正月SPと流れが繋がっているんじゃないかと思ってるんです。
 で、その2019正月SPは「理不尽な出来事に遭遇した時の生き方の話」なのではないか、と当時の感想に書きました。
 主にメインゲストの巽さんと、話の中でスポットが当たっていた土門さんは、それぞれ抗いようのない理不尽にぶち当たる。その時、生き方を捻じ曲げるか? 正しく生きようとするか?
 その結果があの正月SP。

 その正月SPの話の中で、土門さんは現場への未練たらたらだったじゃないですか。なんかこう表現するとアレなんだけど、簡単に言えば。
 でもその現場への未練、刑事であるプライドってやつは、もしかしたら土門さんのエゴとも言えるものなのではないか。そんな風にも思えた今回だったんです。
 だって作中でも言われてた気がするんだけど、土門さんほどのキャリアがあれば、それを後進育成とかで組織や未来のために活かせと言われるのは、至極当然の流れだと思うんですよね。
 もっと言うなら、土門さんだって定年まであと僅かですよと年齢が出てきたわけだし、そもそも土門さん本人だって、若い人たちを育てることに抵抗があるとかいうわけではないんだし。
 でも結局、正月SPでは土門さんのエゴは大きな流れ(クレーム)によってまかり通ってしまったんですよ。
 けどあの時、土門さん自身が「理不尽」に対してエゴを通す選択をしたわけじゃないってのは、大きなポイントじゃないかと思うんです。
 かといって、正月SPで一時、異動を受け入れそうになってたのも、別に組織のためだの後進育成だの考えてたわけじゃなく、キツく表現するならただ流れに逆らえなかったってだけなんだよね。だって本人も言ってたし。「『人事は自分じゃどうしようもない』」って。

 今回の土門さん前後編では、冒頭で藤倉刑事部長から再び同じ選択肢を突きつけられるわけですよ。
 「現場にこだわるエゴをとるか、未来という大勢の利益のために自分を犠牲にするか」
 それを、現場一筋だったのに刑事部長になって現場に出られなくなった藤倉刑事部長が突きつける構図だとわかると、このシーンは最高に意地が悪いw
 この選択の場面って要は、「土門さんが藤倉刑事部長みたいになれるかどうか?」って話でしょ。しかも、事前に藤倉刑事部長が一晩限り現場復帰した回を仕込んでおき、前編冒頭でわざわざその回のことを回想までさせてる。「えーお前、藤倉刑事部長の前で『無理です』とか言うのー? 藤倉刑事部長に申し訳ないとか思わないんですかぁー???」って構図じゃんこれ。底意地悪いわぁw

 で、今回の事件。

 最後に土門さんが講義してた通り、選択の話だったのですよね。
 ひとりの命と大勢の犠牲、の他にもうひとつ。火浦さんも有雨子さんも、エゴではなく、未来という大勢の利益を選んでる。
 土門さんを筆頭に、周囲からの不倫疑惑の誤解を解きたい、大切な人に本当のことを話したいというエゴ。
 でもこの事件がテロ事案だったため、不用意に話すことができない。大勢の利益のために、火浦さんや有雨子さんは口を噤んだ。それこそ、最後まで。
 翻って、土門さんはどうだったか。
 そもそも目の前に選択肢があったことすら、気づけなかったんだよね。もしかしたら有雨子さんに寄り添う選択もあったかもしれないのに、土門さんは刑事の仕事にのめりこんじゃった。それは、選択からの逃げと言っても差し支えないのではないか。
 目の前にあったはずの選択肢に気づかなかった、気づかせてもらえなかったってのは、土門さん個人にとっても土門刑事としても、アイデンティティを揺るがす話じゃねぇかなぁ、とか思うんです。
 警察官という大勢の利益のために働いてきた土門さん自身が、大勢の利益のために自分を犠牲にした身近な人の存在に気付かなかったというのは。

 20年越しにそんな真実を知った今の土門さんの目の前には、ちょうど同じく「エゴ」か「大勢の利益」かという選択肢がある。
 繰り返すけど、土門さんほどのキャリアを後進育成に活かさないなんて勿体ない話だもの。これからのことを考えるなら、そりゃあ未来のために種を蒔く方がいいでしょう。
 「現場の刑事でいたい」というのは、土門さんや、土門さんに傍にいてほしい身近な人のエゴでしかないのかもしれない。
 大勢の利益のために自分を犠牲にした火浦さんや有雨子さんの真意を知った土門さんに、現場の刑事にこだわるエゴを貫けるだろうか。
 自分も、火浦さんや有雨子さんのように、大勢の利益のために、エゴを犠牲にするべきと考えるのではないか?
 だからこそ、未来のために種を蒔く場である警察学校の教官だからこそ、今度こそ土門さんは大勢の利益を取る選択をする。

 今回の土門さん前後編、もっと遡れば正月SPから、「生き方の選択」ってテーマは一貫してるんじゃないかなぁって思うんです。
 この世には大きな流れがあって、それは時に理不尽かもしれない。そうじゃないかもしれない。
 それに対して、「はぁー!? 自分の生き方は自分で選びたいんですけど!!!」って思ってたけど、結局自分で選択することはできなかったのが正月SP。
 その後、なんだかんだやりたいことをやれてたけど、エゴ優先で生きてたところに、「お前のそれ、ワガママじゃん! やるべきことやれや!」っつって思い切りカウンター入れてきたのが今回。
 というのが、私の受け取り方。
 って見ると今回のラストって、後味悪く感じる部分はある。別に選択した気持ちが嘘とか、あの講義してる内容や姿が嘘偽りとかいうわけじゃないだろうが、あれは土門さんが選択を迷うほどには内に抱えていた「したい」より、重たく存在する「すべき」を選択した姿ってことだからなぁ。

 そんな「生き方の選択」の話で次回のメインが蒲原刑事ってのも納得しかない。
 何故なら蒲原刑事は、既に生き方の選択をしているから。ソタイの落合刑事(の思想)の下で生きるか、或いは一課の土門さんとともに生きるか。
 そして彼は、現場の刑事である土門さんが育てた未来そのものだから。
 なんか土門さんは「したい」と「すべき」を天秤にかけてるけど、「したい」ことやりながらでも「すべき」ことできんじゃね?っていう意見の証明そのものだから。
 「いやいや、現場にいた土門刑事だって、エゴのために未来を犠牲にしてたとかじゃなくて、ちゃんと未来を育ててましたからー!」って証明になる存在なんですよね。
 ってことで、私のここまでの妄想がある程度当たっているならば、次回の蒲原刑事は責任重大である。蒲原刑事自身の選択がどうあれ、ここで下手なことしたら、土門さんや周囲との今までがまるっきり無駄みたいな話にもなってくるし……
 土門さんのためにも、次回の蒲原刑事には頑張っていただきたい。たとえどんな選択をすることにしても、今までを無為にすることだけはしないように。
 アレなことしたら、キミは屋上行きだからな。いや屋上は認められた人しか来ちゃダメだから、その時は府警裏かな。呼び出します。

 そんな「生き方の選択」の流れを汲むかもしれない次回に泰乃ちゃん再登場ってのも、もしこれらが少しでも当たってたら、意味深だなぁと思ってます。
 だって泰乃ちゃんなんか、わかりやすくエゴ(恋心や皆への甘え)と大勢の利益(もっとスキル活かせる場所がありますけど?)が卒業回のテーマだったわけだし。今までの卒業キャラの中では、たぶん一番わかりやすいんじゃないかな。
 そんな泰乃ちゃんが次回の話の中でどう動くかにも注目ですね。

 で、土門さんの今後。
 私の妄想通りなら、この前後編の真の決着は次回だと思うので次回次第なんだろうが、もし仮に、万が一の可能性でも現場の刑事に戻るっつーたら、実際のやり方はともかくとして、「また大きな流れに流される」(正月SPパターン)か「今度こそはっきりとエゴ優先を選択する」しかないと思うんですが、どうせだったら後者がいいなと思ってます。
 土門さんがどんな気持ちを持ってエゴを優先させて刑事へ復帰するのかを見たい。
 正月SPでも今回でもわかるとおり、土門さんって本音を本当に全っ然言わないし、自分の話になると妙に物分りいいからな。
 そんな土門さんが本音を少しでも曝け出し、エゴを優先させることがあるのなら、それは私好みの展開ですというだけの話です。
 いいんだよ。人間、もうちょっとエゴイスティックに生きようよ!
 そんなこともなく、「考え過ぎ。このまま普通に土門さん卒業でぇーす!!!!」も十分あり得るし、だったら年末年始は心の中で泣いて過ごしますw 或いは枕に顔埋めて足バタバタしときます。明後日の方向の熱弁、恥ずかしい!

 ちなみに、今までの卒業回ありキャラの卒業理由って、私は科捜研メンバーは大体が「したい」優先だと思ってます。異論は認める。
 「すべき」でいなくなったのって、権藤刑事とか佐久間刑事部長とかかなぁって。「すべき」という使命感で卒業する人は、大体辛い目に遭ってる気がする……その中では土門さんは、割と穏当に府警を出ていったなと思う。これが……相棒格特権……!
 でも、「したい」も「すべき」も、どっちが上とかそんな話ではなく、「自分が生き方を選ぶべき」ってのは変わらないと思います。

 微妙なところなのは木島っちと落合刑事なんだけど、木島っちは間違っても「したい」から異動したわけではなく、かといって「すべき」だからってわけでもなく、「せざるを得ない」からって印象なのよな……正月SPでそのまま異動しちゃった土門さんパティーンみたいな。
 落合刑事は、たぶん根っこは「すべき」(使命感)なんだろうけど、あそこまで行けば、あれは立派なエゴだと思うんですよね。
 「僕がそうすべきだと思ったからだ」と言いながら中学生とは思えない覚悟の決まり具合で様々な無茶をゴリ押したりするのが漫画『ワールドトリガー』主人公の三雲修くんですが、そういう意味じゃ落合刑事はオッサムだよなと思う。そうすべきだと思ったから、自分なんて度外視でどんな手段でもとる。

 使命感も最上級になればエゴでしかない。
 そう表現すれば、マリコさんなんてそのものの存在ですよね。
 そして逆に言えば、エゴも貫けばひとつ自分を支える大きな柱として、自らの中にも周囲にも根付くものなのかもしれない。
 周りから影響されないぐらい強く生きるには、それぐらい強いものを自分の中に宿さないといけないってことなのかなぁ。人類が総マリコさんメンタル化したらそれはそれでアレかもしれませんけど、マリコさんのメンタルのカケラぐらいは、自分の心の片隅にあると強く生きられるかもしれませんよね。
 いや、カケラで結構です。むしろカケラがいい。

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