【警視庁捜査一課9係 season11】第8話 感想

警視庁捜査一課9係
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CASE.8 3つの大追跡

ゲスト:葛山信吾、上原多香子

脚本:徳永富彦
監督:田村孝蔵

今回はちょっと前置きが長いです。『9係』にはちゃんと関係あることなので、ご容赦ください。

<V6井ノ原快彦>出世に色気? “係長”渡瀬恒彦に「新巻鮭でも……」

俳優の渡瀬恒彦さんや人気グループ「V6」の井ノ原快彦さんら連続ドラマ「警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日系)の出演者が22日、東京都内で行われた元刑事による「特別講習会」に参加。警察監修を担当する倉科孝靖さんに、刑事ドラマをやっていて素朴に思う疑問をぶつけるという内容で、巡査部長に昇進したばかりの浅輪直樹役の井ノ原さんは「刑事の出世の方法」について質問。倉科さんから昇進試験に加えて、犯人を検挙し実績を作ることで係長から推薦を受ければ出世が可能になると聞かされると、「じゃあ係長(渡瀬さん)に新巻鮭でも贈ろうかな」とつぶやき笑いを誘った。

 講習会には渡瀬さん、井ノ原さんに加え、羽田美智子さん、吹越満さん、田口浩正さん、津田寛治さん、原沙知絵さんも参加。現実の女性刑事のファッションが「ずっと気になっていた」という羽田さんは、倉科さんから「女性も男性も過度な服装はダメという教えがあります。ですから女性の場合は装飾品もダメ。唯一許されているのは結婚指輪です」と教えられると、「(劇中で)唯一してないのが結婚指輪ですね~」と笑顔を見せつつも感心していた。

 また最後に「捜査の心構え」について倉科さんから教えを受けた渡瀬さんは、ドラマと現実との違いを理解した上で「やっちゃいけないと知りながらやっているところもある。プロデューサーとも話し合いながら進めていきたい」と気を引き締め直していた。


浅輪さんが昇進できたのは、係長に賄賂送ってたからなのか……(違う)

ということで、公式ページで詳細な講習会の内容が。→今まで知らなかった!? 刑事の真実に迫る! 疑問の数々を解決していく「9係特別講習会」を開催!

これが実に興味深い内容で、『9係』のみならず刑事ドラマ系が好きな方は必見です。
ということで詳細は是非公式でご確認いただくとして、講習会内容の感想。

「警察監修で今回の講師を担当した倉科氏は、警視庁の刑事として刑事部鑑識課、機動捜査隊、捜査一課、科捜研などで勤務。
『9係』で言うと、(スピンオフ小説だけの設定かもしれませんが)矢沢さんが過去に鑑識(で、『相棒』の米沢さんと知り合い)設定でしたね。
機動捜査隊と捜査一課はわかるんだけど、鑑識、科捜研って完全に別分野だと思ってた。異動ってマジであるんだな。

◆津田さん「『現場(げんば)』と『現場(げんじょう)』の違いは?」
今でこそ「げんじょう」が主流になってはいるけど、最初に言い出したのはどのドラマなんだろう。
イメージ的には『踊る大捜査線』辺り。でも私は『踊る』をよく知らないので、誤解かもしれない。

◆吹越さん「刑事の勤務時間はどのようになっている?」
上野から北海道までの尾行って大変だな……
残業は、『9係』では家庭持ちの矢沢さんと妙子さんがいる青ちゃんは特に嫌いそう。
係長も、元々部下に残業させるの好きじゃなさそうというか、特にそんな指示は出さんだろうけど。
天候調査も大事という話、羽田さんの反応からすると早速ドラマに活かされそうですね。

◆羽田さん「女性刑事がスカートやハイヒール、というのはリアルでない?」
これは他の刑事ドラマでもあるある。地味なスラックススーツ着用・装飾品非着用の女性刑事レギュラーって、パッと浮かばない。いてもモブ的な人だよなって気が。
小宮山主任の場合だと、どんどん格好がオシャレになってってるよね。今期はデニムも履いてたし。女性じゃないけど矢沢さんに至っては(今回は休日だったので除外)、派手なカラーシャツだもんなぁ。
少しラフな雰囲気の一般企業では許容される範囲の服装ではあると思うけど、実際の刑事さんは厳しいんだな。
手錠の持ち運びに関する話は、「なるほどなぁ」って思いました。

◆原さん「監察医に刑事さんからプレゼントなど贈ることは?」
そんな設定あったのか!!!!
係長って、エンゲル係数は高そうだけど食費以外の金の使いみちが全く想像つかん。と表現すると、人聞き悪いな。
吹越さん同様、私も皆さんのお給料気になります。それによって超売れっ子セレブ漫画家の早苗ちゃんが昔、矢沢さんをアシスタントにしたがってた理由もわかりますね(違)。

◆田口さん「捜査会議での説明について」
これはドラマ(フィクション)ならではの話だよなぁ。そうだよな、効率考えたらそうなるよな。
ボードにまとめたりなんだりも刑事ドラマあるあるだし、役者さんとスタッフさんに「ありがとうございます!」ってお礼言わなくちゃいけませんね。2サスの10時またぎ説明は必須。

◆イノッチ「刑事の出世はどのように?」
10年以上も検挙率ナンバーワンの9係にいたのに、やっと今年昇進した浅輪さんェ……出世願望も人並みにあったし、試験も受けてたっぽいのに。
係長が推薦してくれなかったのだろうか。だから「新巻鮭贈ろうかな」になるのか……

◆渡瀬さん「犯罪現場に臨んだときの心構えとは?」
これもまた納得のお話。目に見えることだけが全てではなく、“有る”ことも“無い”ことも重要、というのは、犯罪捜査だけじゃないかもしれませんね。

最後に渡瀬さんが仰ってましたけど、あくまで「刑事ドラマ」は「フィクション」なんだよな、っていうのが全体的な感想です。
これは刑事ドラマに限らずフィクション全般に言えるけど、リアリティも大事かもしれんが受け手を面白いと納得させられるなら、そして世界観(その作品内でのルール)さえ守ってるなら、現実ではありえなくてもその世界ではアリ。
「現実だったらありえない」は、ものすごくナンセンスな指摘なんだな。それを自覚してない指摘は、「つまらない」をやわらかく表現してるだけなのかもしれない。
面白ければ「こまけぇこたぁいいんだよ!」。たとえ小宮山主任や矢沢さんの服装がオシャレでも、役者さんたちが四苦八苦して説明台詞まくし立てても。

それを思えば、この『9係』ワールドを長年維持してらっしゃる役者さんやスタッフの皆さんは、本当にすごいんだな思います。話の方向性に転換はあれど、世界観はずっと変わってないもんな。

まあ、それはそれとして話を全力で茶化す粗探し大好き人間が私なんですが。ごめんなさい。

今回の感想はここから!
最初に書いておくけど、今回は大好きです。何かと「好き」としか言ってない。超べた褒めです。


◆冒頭から妙子さんの歌唱。私は妙子さんの歌、嫌いじゃないです。
今回、カメラワークもカット割りもいつもとは違う感じで独特でしたけど、きちんと冒頭から何回も真犯人に繋がる事件当時の人物位置関係を示す構図が挿入されてて、もうその時点で今回は好きです。冒頭で言うなら、子どもが風船貰って駆け出すのを追いかけてる辺りね。
演出に関してズブの素人が感心してるだけなので、実は基本的なことなのかもしれんけど、丁寧だと思いました。

◆青柳「なんだよ? その格好」
これは全面的に青柳さんに同意。矢沢さん本人曰く「妙子さんの歌聴きに来たんですから、オシャレして来ないと」らしいし、今回は休日だったらしいんで服装にツッコミ入れるのも本当に野暮なんだけど、まさかの帽子・蝶ネクタイ・ステッキ装備。矢沢さんの年代であの服装を選択する人って、なかなかそこらにはいないと思う。
それでも「矢沢さんならこのファッションもアリかな」になってんのがホントすごい。ズルいわ。
青ちゃんの休日装備は平日と一緒。それもまた青ちゃんっぽくてズルい。ファッションだけで「ズルい」と思っちゃう今回がズルい。

◆いくら休日でこれから妙子さんの歌が聴けるからって、不審者の話をしている矢沢さんに対する青柳さんの反応が適当すぎて大好きだw
「お前、おまわりさんが女トイレになんか入っちゃダメじゃん。怖~」
「じゃああの人、男の人か?」
「あの、シュリンプと……えっ?」

それでも男子トイレ捜索に付き合ってくれる青柳さんに、矢沢さんは「シャブの取引でもしてたんですかね?」なんて的確に青ちゃんの心をえぐっていくスタイルなんですが。すぐに気づいて謝ってたけど。

◆ということでそこで和田さんは撃たれて時は巻き戻り、小宮山・村瀬コンビに話が移る。
目的がどうあれ、ちゃんと大きな事件に関して事実関係把握に勤めてる辺りの村瀬さんはすごく私の中で「村瀬さんっぽい」感じで大好きです。これは真面目に言ってる。
車の持ち主調べて「108歳だったw」と言う村瀬さん、単独捜査しかける村瀬さんに「しょうがないな。主任として、一緒に行くか」と言って同行してくれる小宮山主任、とかここらへんも好き。
「カップルのフリだよ、カップルのフリ!」「しょうがねぇなぁ……!」の辺のくだりは、現時点で一番この2人の関係性がよくわかりました。村瀬さんの咳き込み方がガチw

◆そしてまたもや和田さんは撃たれ、今度は係長・浅輪さんコンビへ視点移動。
サッと「浅輪くん、出入り口封鎖!」って対応を指示できてる係長がカッコよすぎ。
でも、北海道フェア目当てで浅輪さんと同行してた係長はブレない。
警察手帳を提示する浅輪さんの横で平然とアイス食ってる係長ブレない。しかも正義くん探してる間も食ってたっぽい。ブレない。
浅輪さんはといえば、ひょいひょいと身軽さを強調していくスタイル。でも少年である正義くんには負ける。こればっかりは仕方ない。

◆都合4回も自身が撃たれるシーンを視聴者に見せるはめになった今回の被害者・和田幸子さんは、本当に何の関係もないのに流れ弾で重傷を負ったって、不運すぎて泣ける。
そして今回は本当に全くの無関係なのに、目の前で知人が撃たれるはめになった妙子さんも不運すぎて泣ける。
妙子さん、心配症の青ちゃんに事件との関与を心配されるぐらいの不運歴だもんなぁ。事件に関与してようがしてまいが、妙子さんがお祓い必須なのは変わらんのだな……

◆今回、ただの客も9係以外の警察官もいて、モブの描写多くて事件の大きさが1回目のCM明けにすぐ把握できる作りになってて好き。その上で展開もスピーディで好き。今回、9係メンバーだけで数時間のうちに事件解決してるし、しかも死者なしってすごいな。

◆矢沢「見えないかもしれませんが、警視庁の者です」
矢沢さん、自分のファッションに関して自覚は有るんだなw

◆あの迷子を担当してたっぽい受付の人、係長も浅輪さんも警察手帳の提示すらしてないのに、さらっと迷子捜してた人の情報を教えちゃダメだろw

◆正義くん保護に努められる小宮山主任(と浅輪さん)、拳銃持ってた黄確保に突っ走れる村瀬さんの(たぶん無意識の)役割分担ができてる辺りが好き。

◆揉めだす村瀬さんと青柳さん、それを受けてみんなをまとめて指示できる係長。
「いつもみんな好き勝手言うけど、結構間違えないじゃない」という台詞含めて、今回は係長の単独プレイも推理もアグレッシブで実に「徳永脚本らしい係長」って感じでした。これに似たようなことを、season9の『殺しの処方箋』(徳永脚本)で言ってましたね。
徳永さん担当回だと、割と係長・村瀬さんがカッコよく描写されてるイメージ。

◆係長の頼みで、今回死体は出なかったのに出演してた早瀬川先生。レギュラーだしね。
そういえば、早瀬川先生が出るようになって以降、人が死なない事件ってあったっけ。少なくとも、パッと思い出せないレベルにはない……はず……自信がないけど……

◆ライブ会場であることを最大限活かす現場検証。マイクも使ってるところ、確かに効率的だしそうするべきなのに、何故か笑ってしまったw ゴメン、係長。

◆金幇のメンバーを確保する際、矢沢さんがステッキを有効活用してて笑った。
そして腕力強い小宮山主任、唯一格闘戦不参加だったのに手錠をかけてたのは村瀬さん。青ちゃんは安定。

◆麗美「そのうち2人とも情が移って、一緒に暮らせるんじゃないかって、そう思ってたんです。男の人にとって、一番大事なものってなんですか? 私には、家族以上に大事なものがあるとは思いません」
こう言ってたからには最後のこの親子の選択はハッピーエンドではないと思うんだけど、トゥルーエンドってヤツですかね。
浅輪「ちょっと待ってくださいよ。じゃああなたにとって重要なのは、仕事だけだってことですか? そんなの家族からしてみたら、自分勝手でしかないじゃないですか! あなたに銃を向けられた正義くんの気持ち、考えてみてください」
係長「家族守ろうとしたんですよね?」
まだ経験がないので父親の気持ちにはなれないけど、倫子ちゃんの存在があるからまっすぐに正義くんの代弁が出来た浅輪さん、倫子ちゃんの存在があるから父親としての比留野さんの代弁が出来た係長。
係長『自分の職務のために、家族の幸せを犠牲にする。確かに自分の身勝手かもしれない。けど自分がそうすることによって、自分以外の誰かが幸せになれるんじゃないでしょうか』……そう言ってた。せめて、僕らぐらい、彼の気持ちをわかってあげたい」
一歩間違えると自己満足とも言われかねないヒロイズムだと思うし、麗美さんの選択も比留野さんの事情・心情を考慮してるとは言いがたい。せめて「あの子のためにも、やっぱり父親はちゃんとした人の方が」って台詞は否定してあげてほしかったとも思う。でも不思議と納得できる作り。
『9係』ワールドだと、基本的に父親ってのは報われないことになってるんです。子どもが娘だと倍率ドン。今回は息子だったので、ヒロイズムは継承してくれたワケだが。それだけでも比留野さんは、父親として報われている。そこに救いがあったから、なのかなぁ。

◆なんにせよ、全くの無関係で撃たれた被害者・和田さんがラスト付近で笑顔で無事退院してて良かったです。もうなんだったらセレブの矢沢さんからたかりまくっていいぐらいの不運っぷり。
けちけち言わずに回らない寿司でも食いに行こうぜ。食えるかはともかく。

今回、似たサブタイの去年の『3つの捜査線』と同じ脚本・監督の組み合わせなのか(徳永脚本・田村監督)。でも前作より、より洗練されてて面白かったです。
今回は事件の概要上、今期4話並に専門用語を多用してたし、人物の位置関係も複雑だったんだけど、その上で違和感なく『9係』を見せつつ皆さんの個性も優秀さも描いてて好き。
すごく皮肉な話だが倫子ちゃんの出番が無い今回が、一番今までの倫子ちゃん絡みのドラマを想起させたという。それ含めて、今期で一番『9係』してたと思います。今のところは今回がベストってぐらい気に入ってます。
ただし、この方法は何度も多用できるものじゃないだろうなぁみたいなことも思う。変則的にやるからこその面白さ、みたいな。難しいっすね。

次回!

次回は王道『9係』に戻るみたいだな。
もう次回予告の時点で何もかも気になるんだけど、一番気になるのはコスプレを熱く語る矢沢さんだったりする。そんな視聴者で本当に申し訳ない。
早乙女さん・倫子ちゃん関連のドラマも動きがあるみたいだな!

最終回は6月15日! 全11回だ! 今年はボリュームたっぷり!
そしてその最終回には、久々に神田川警視総監が登場するらしいぞ!

最終回まで次週以降も楽しみ! にしておりますよ!

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