【科捜研の女13】第5話 感想

科捜研の女
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File.5 矛盾する鑑定! 法医学vs化学!! 空白の15分 死亡時刻に潜む殺意

ゲスト:平田薫、萩尾みどり、倉石功、舟木幸

脚本:櫻井武晴
監督:兼崎涼介

今週のTVガイドに隅っこながらちゃんと書かれていたのを確認したので言わせてもらうと、『科捜研』第13シーズンは年をまたいで2クールです。

ほらやっぱり私の願望による幻聴じゃなかった!

ということで、どーせまた1クール目の終わりから2クール目開始まで1ヶ月は待たせる気なんだろ、とか小石を蹴っ飛ばしつつ「で、でも待ってるんだからねっ!」とツンデレっぽくキモくお待ちしておりますんで、どうぞよろしくです。
っつーか前々から言ってますけど、こういうことはちゃんと公式でアナウンスしなさいよ。働け公式。

登場から3話目でこういう話をするのもアレですが、涌田亜美ちゃん役の山本ひかるさんって、今22歳なんすね。
「とうとう自分より年下の人が、自分の見ているドラマのレギュラーになったのか……」という、謎の感慨に襲われているのは私です。
私は相馬さん役の人と同学年なんですけど、その時も「ああ、私と同学年の人が……」とかいう謎の感慨に。
とうとう、自分が前から見ているドラマにそんな若い人が、しかも主人公と同じ職場の役で出るようになったんだ……ああ……
いや、この枠でもちょこちょこ自分と同い年だったり年下の人だったりは出てたんだよ。でも大体、その人たちって「子ども」扱いだったり「ゲスト」だったりしたわけで……
時の流れは残酷だなぁ。なんか最近、特にそう思うようになった。なんだろう、そんな自分が嫌だ。

ちなみに今年、月曜ゴールデンでやってた内藤さん主演の『制服捜査』で、内藤さんの娘さんの役をやってた人だっていうのも合わせて知って、「えっ、あの時と全然雰囲気が違くない? それとも、私の顔認識能力があまりにアレすぎるの?」と悩んだ今週。
もうひとつちなみにを重ねるなら『制服捜査』は東映制作ですし、主人公が内藤さんで娘が山本さん、一家の奥さんは第一話の元奈良県警科捜研の女・手塚理美さんでした。それはさすがにわかってた。
っつーか、当時書いた「誰得2サス感想」を見ればどうやら私はちゃんと彼女を「山本ひかる」と認識しているらしいのに、今回思い立ってwikiを見るまであの娘さんと亜美ちゃんが結びつかなかった辺りがあまりにアレ。
こんな私が、役者さんに対してどうこう言うなんておこがましいですな。これから気をつけようと思います。
うん、すっげーどうでもいいな。
自己弁護しておくと、『制服捜査』の撮影は少なくとも1年以上は前だったんで。うん、これもすっげーどうでもいいな。

はい、以上が長い無駄話!
今週の感想へ!


◆5話目にして、初めて最初の2分間がコントタイムじゃない! 真面目な時間だ! いや科捜研内でのちょっとした日常会話タイムもありましたけど。
そして宇佐見さんの家がちらっと。介護付マンションかな?
結構広めなのに綺麗な空間で、なんか宇佐見さんの今までの生活だとか、基本的な生活だとか、そういう今までの話の中では明らかにならなかった部分があの数分でわかった感じで、映像の力ってすげーなーとかワケのわからないことを。宇佐見さんの優しそうで真面目そうな性格が垣間見えた感じ、とでも言いましょうか。

「おい、また怒られるぞ」
そう言う土門さん、なんか楽しそうっすね。対立を煽って楽しむって、土門さんって実はねらーなの?

「大人しく待ってたご褒美だ」
頑固一徹職人オヤジの藤倉鑑識課長のその台詞に「まるで犬扱い」と呆れたように不満気なのが相馬くん、「どっちでもいいわ、検死できるなら」としれっと言い放つのがマリコさん。歳の差か。
マリコさんのそれは、なんつーか勝者の余裕だな。もう藤倉鑑識課長のいなし方を大体理解しちゃってる感じ。

◆職場ではばんばんハイテクな最新機器を扱いこなすマーちゃんが未だにガラケーなのは、やっぱり「電話をかけやすい」という利便性の面が大きいのかしらね。スマホはスマホで確かに便利なんだけど、やっぱ「携帯電話」という一面から見ると操作性はガラケーのが上よね、とか思うスマホユーザーの最近です。うん、話には全く関係がない。

◆日野さんが風丘先生を「早月先生」って呼んでた!
亜美ちゃんかわいい。そして安定の相馬さん。
「宇佐見さん、帰宅のチャーンス!」
アタックチャーンス。同じ局か。

「今までだって誰も頼んでない鑑定、勝手にやってきたじゃないですか。マリコさんが! ……いや、褒めたんですよ」
そこでヘタレるところが相馬さんの良い所。そこで「お前が言うな!」とツッコまなかった日野所長以下もみんな良い人。

「うーん……まあ、今回はいいよ」
日野所長にそう言われ、登場3話目にして新人教育・指導を放棄される亜美ちゃんが可哀想です。

◆一体、相馬さんはどうやって木島くんを連れだしたのか。1回目はともかく、2回目はさすがに学習しないとダメだろう、あれだけの目に遭わされたんだから。
置き時計にこだわる相馬さんがかつてないほど頼もしく見えました。普段が頼もしくないとかではないんだけど。

『私、木島修平は泥棒です』
これを首から下げられ(しかも前と後ろの両面)、府警内引き回しの刑ってやってることのポップさに比べて実はエグいよ藤倉鑑識課長。
だって想像してみ? あの気難しそうな顔した藤倉鑑識課長が、わざわざ紙を用意して(しかも2枚)、自筆であの文面を描き(無駄に達筆なのが更にアレ)、嫌がっているであろう木島さんに引っ掛けて府警内を引き回すって。
なにこのポップエグい罰……新ジャンル:エグポップ。
第1話で初登場した時や、おそらく藤倉鑑識課長のテーマであろうRPGのラスボス音楽からは想像できないほどのポップさ。案外お茶目だな、っつーか実は暇なのか鑑識。それでいいのか鑑識!
正直、こんなのに付き合わされる佐久間刑事部長もいい迷惑だと思います。あそこで笑わない佐久間刑事部長も、なんつーか色々慣れちゃってるっていうか麻痺しちゃってるな。

◆パソコン以外の知識はあまりなさそうなところが、なんつーかやっぱり亜美ちゃんは『若いオタク』ってキャラなんだなーっていう感じで、なんか自分の中で亜美ちゃんの捉え方がストンと腑に落ちた感じでよかったです。
これから場数を踏んで、どんどん図太く頼もしくなっていくんだろうなぁという想像をするととても楽しみです。

◆今回のマリコさんと宇佐見さんの対立に対して、ハラハラしつつも楽しんでる相馬さんがとてもらしくてよかったです。
「科学者の勘アンド看護師の勘、ですって」とか「珍しい、宇佐見先生が強情だ」とか。相馬さんはとても素直にねらーっぽくていいですね。

◆マリコさんと宇佐見さんの対立に寂しそうな顔してる新人亜美ちゃんと、それ込みでみんなを見守るオトンな日野所長と、それを超える働きをするフリーダム相馬さんがとてもよかったです。
その中でも、日野所長の言葉はひとつひとつどれを取ってもカッコよくて、いやぁもう久々に(敢えて久々に、と言う)カッコいい日野さんが見られて超満足です。
「2人とも、科学者だから」
「僕はね、科捜研はチームプレーだと思ってる。でもね、“仲良しクラブ”じゃあない」
「君も何か意見をしたいなら、科学で立証してからね」
「一見、矛盾しているように見える鑑定も……その矛盾さえ、科学で解明できることがある。あの時それを教えてくれたのは、マリコくん、君だよ」
「早く帰れる日は早く帰らないと……身体壊すよ」

日野所長のこういうシリアスになりすぎないで誰かを諌められるってところは非常に貴重だと思います。大好きです。日野所長と一緒にご飯食べたい。

「勘とか想像はいいの! 俺は科学で立証したいの」
言ってることはとても立派でカッコいいのに、やってることは何の関係もない木島くんを2度も巻き込んで突き飛ばして生贄にしてその隙に自分が逃げること、ってやってることがすごすぎますよ相馬先輩。

『私 木島修平は泥棒です(再犯)
わざわざ作ったの? また? 本当に鑑識って暇なの?
それをかけたまま望さんを追いかけようとする木島さんも、それを冷静に止めて静かに看板を取ってから彼女を追いかけるように指示する土門さんも、その看板を静かに藤倉鑑識課長に渡す土門さんも、たぶんこれは「シリアスな笑い」ということでよろしいんですよね?

◆今回の日野所長は全体的にカッコよかったのに、その分なのか責任とかも色々背負わされてて大変に可哀想でした。
提供画面で流れてた、「いやしかし我が科捜研はこれまで、ずっとそうしてきたじゃないですか!」が微妙に笑いどころのように処理されてて悲しい。
提供画面で流れたときは、「コレは絶対、日野所長が科捜研を背負ってお偉いさんの前で啖呵切ってるんだ! さすが俺の日野さん! かっけぇ!」 とひとりで盛り上がってたんですが。いやでもそこ以外、っつーかオチの付け方以外はそこだって本当にカッコよかったんですよ。
佐久間刑事部長も、そろそろ誰かさんたちがいい加減にしないと胃に穴が空きそうだな。
「許した覚えはないんだけどね」
「それがいいと思ったことも、ないんだけどね」

これぐらいは言わせてあげないと、本当に倒れると思うよ。

◆マリコさんはドアのノックとかそういうのに結構こだわる派なんだ。まあ、でも色々精密機器とか化学薬品とか置いてある場所で、不意打ちにドア開けられても危ないよなぁ。
相馬「鑑識から勝手に持ち出した置き時計です」
亜美「勝手に持ち出してたんですか!?」
相馬「鑑識から勝手に持ちだしたデジカメです」
亜美「……いい加減にしないと怒られますよ」
相馬「所長が怒られてるよ」
さすが相馬さん、俺たちに出来ないことを鮮やかにやってのけるッ! そこに痺れないッ! 憧れないッ!
相馬さんと亜美ちゃんのやり取りが、やんちゃなボケ兄とアホのツッコミ妹って感じで楽しいね。まだイマイチ息は合っていないようだが、なんだか下の立場が出来たことで相馬さんがイキイキしてて楽しそうですね。

◆1回発作が収まったのに、その後もう一度発作を起こされもがき苦しんで死ぬ、しかもそれを病死と誤った判断を下されそうになる、とか……うわぁぁぁ想像したくない……まさしく「なんて残酷な殺し方」
意図的なものではないにせよ、実際としてそうなっちまった辺りに奥さんの深い恨みを感じる。女を裏切ると怖いのよ、ということですか。女ってやーね。

◆ケシやベラドンナがどこに栽培されてるかってのと、防犯カメラの解析で今回ようやく役に立てた亜美ちゃん。新人ながら、取調室に立ち会うという超役得(?)っぷり。
まあ今回、登場3話目にして日野所長には新人教育を放棄されてたので、これぐらいの役得はあってもよかんべ。

◆医科大学の薬用植物園って、中学生の授業で立ち入れるものなのか。知らなんだ。
それはいいとして、そんな危ない毒を持った植物を栽培しているエリアに、一般人が立ち入れるものなのか。ザルすぎんだろ警備。なんつーか全体的に頑張れよ、京都の主要施設の警備。

「こんな勝手な鑑定をいつまで続ける気ですか? 科捜研がこんな鑑定を続けていたら、いつかきっと大変なことが起きる」
これは間違いなくこれからの展開の前フリなワケだが、わざわざあんな札作ってお茶目な罰ゲームをやってる藤倉鑑識課長に言われても……なんかこう、真面目に受け取れない……
しかし前期の芝管理官の時は超シリアスに「あれは危険だ」とか前振りしといて、でも実際に起こった出来事は芝管理官のせいではなかった(ように見えた)ので、今回はちょっとチャラけた前フリで視聴者を油断させておいてからシリアスにガクッと叩き落す算段なのかもしれない。
うわぁ、制作陣マジドS。

◆流れ始めてから4話目でこういうこと言うのもアレなんだが、DEENの主題歌……地味、だな……可も無く不可も無く、みたいな。
実は前期『京都地検の女』主題歌が久々にヒット! とか思ってたので、今回『科捜研』主題歌にも期待してたんですがイマイチ、インパクトがないな……
たぶん歌は何も悪く無い。ただ、本編の展開とかが歌のインパクトを上回ることが多いんだよ。実際、前回4話の時は別におかしいとか思わなかったもん、主題歌。

たとえ被害者であろうとも、たとえ生前に自らの過ちについて気づいて悔やんでたとしても、娘の職場の人間と不倫していたとか、その一点だけでダメだなこの親父は。勿論、「殺人ダメゼッタイ」は前提としても。
今回一番の被害者は、殺されたこのダメ親父でも殺人犯になった奥さんでもなく、ひとり遺された上に自らの職場の同僚が父親と不倫してたとかいうキモい事実を突きつけられた望さんだと思います。私だったら絶対に耐えられません。そこに触れられなかったのは、やっぱり敢えて、なんですかね。彼女のこれからを想像するとなんとも言えない気持ちになるな。ああ、無情。

今回は無駄なところがひとつもなかったんだなー、と最後の土門さんの「刑事の勘」のシーンで思いました。しかも最後の最後までキツキツに色々詰め込んでたしさ。すげーな、ホント。
私なんかが何かを言うのもおこがましいぐらい面白かったです。3話、4話と(殺人が起こってるんだけど)割と軽めな話が続いたところにコレ。
そして藤倉鑑識課長がせっせと今後の展開の前フリをしているのも印象的だった回。ちゃんと回収されるといいなぁ。いや、してもらわんと困るよ。2クールもあるんだからちゃんとしてくれ、頼むから。
今回は藤倉鑑識課長の初回の台詞、「予断を持って現場に臨めば証拠が濁る」っていうことはどういうことなのかって回だったのかな、と思いました。
マリコさんは日野所長から聞いた宇佐見さんの家の事情の話で、確実に先入観、つまりは「予断」を持ってしまったように見えたのです。
しかしその宇佐見さんもまた望さんに同情していた、つまり「予断」がなかったわけではなく、というからややこしい。
結局のところ、どういう風に科学鑑定に接すればいいのさ!
この話を踏まえた上でマリコさんはどういう結論を出すのか。藤倉鑑識課長の台詞や前フリの落とし所、非常に楽しみにしておりますよ。
しかし今回のマリコさんと宇佐見さんの対立は、それぞれ互いに信念も根拠もある対立だから、緊張感はあってもギスギスはしてない、見ていて非常にいい対立でよろしゅうござんした。私はこういうの、大好きですから! でも毎週やられたらキツい。そんな我儘な視聴者です、ごめん。

そんな感じで今回は、科捜研メンバーの対立という王道でありつつ張り詰めた雰囲気で、緊張感満載の変化球(今となっては)な面白さだったので、予告の

「不倫?」→謎メカがうぃーん・うぃーん→ドギャーン(効果音)→「私見たの」

のコンボに思わず笑ってしまいました。
いやあの、なんつーかごめん……緊張で張り詰めてると、どんなに「そこで笑っちゃダメだ」って理解してても思わず吹き出しちゃうような、あの感じですよ。今回の藤倉鑑識課長の所業がツボにハマっちまったのと同じ現象。ちくしょう、やられた。
でもこの予告、藤倉鑑識課長のそれと違って全然笑いに走ってるわけじゃないんだろうけど。うんホントごめん。
今回、なんで私はこんなに謝っているのかしら。それは、誤っているから。なんつって。

次週以降も期待! しておりますですよ!

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