第3話 マリコvs絶対に捕まらない男…最新【声】鑑定が暴く衝撃過去!?
ゲスト:長谷川初範、玉城裕規、三戸なつめ
脚本:戸田山雅司
監督:柏木宏紀
『TVガイド』8.26~9.1号には沢口さんの、
『TVnavi』10月号には同じく沢口さんの、
『おとなのデジタルTVナビ』10月号には沢口さんと内藤さんのインタビューが載ってるよ! 書店や取寄でチェック。
また、『TVstation』2023年18号からは『科捜研』短期連載がスタート! 第1回は沢口さんインタビュー&科捜研メンバーの座談会。こちらも合わせてチェック。
今回。遅くなっちゃったので慌て気味で少し短め。申し訳。
あらすじ
夜の公園で、女性が通り魔に切りつけられ、頭を打ち死亡する事件が発生。手口が6年前から起きている4件の通り魔事件と酷似しており、その全てで聴取を受けたカフェ経営者の栗城(玉城裕規)が捜査線に浮上する。栗城を追い続ける定年間近の刑事・郡司(長谷川初範)に土門は協力を依頼するが…。
一方、科捜研ではマリコらが新たな音声技術で栗城の供述を分析しようと試みていたが…その新技術で浮かび上がる衝撃の真実とは…!?
見どころ
◆今回の被害者の死因
通り魔に襲われて、逃げようとして転んで頭を打って死亡。不運すぎる。死に方が選べるなら、この死に方は嫌だな……
通り魔なんて野放しにしてたらいつかは死者が出ていただろうけど、こんな死に方は本当に可哀想だ。だからこそ、今回の犯人はど畜生、クソであるということになる。
◆土門さんが科捜研に……いる!
新しいラボになってから、土門さんはよく来るようになったな。いや、今期だと初だったっけ?
出席率を気にしてるのか、といつもの茶化しをしたいところですが、蒲原刑事がいないからってのも大きそうだ。次回からは出ます。
◆マリコ「平成29年って……6年前?」
衝撃の発言すぎる。平成29年が6年前……令和ちゃんだって5才だもんな。そうなるよな……
6年前といえば2017年、呂太くんが来たあたり。すごいな……
◆土門さんの先輩……?
じゃあその土門さんは今いくつ?ってのは、ブラックボックス開けるようなものなのかもね。マリコさんもまた同様。でもマリコさんと土門さんの年の差は、いつかのドラマ雑誌に載ったように10歳差がいいし、土門さんと美貴ちゃんとの年の差は15歳であってほしい。というか、あの設定は胸がときめいたから、年の差だけでも生きててほしい……
長谷川初範演じる郡司刑事。ショパン、S20最終回で有能そうで無能っぽいようなふわっとした監察官やっとったやないけ……と思ったけど、浅野ゆう子がメインゲストで2回目出るんだから、まぁアリです。あの時の役より、今回の役の方が好きですし。全然ありです。
◆刑事部屋!
映るのはいつぶりだろうか。所轄はあっても、本部(マリコさんが白衣のままだから、たぶん本部だよね?)の刑事部屋は久々じゃなかろうか。
刑事部屋、私はS5が印象深いです。土門さんのアメ缶……
◆土門さんの表情
今回はある意味、土門さんの刑事としての今の在り方を描くような話だったけど、そんな中で郡司刑事と相対している時の土門さんの表情の変化を見ると、とても楽しい(話のテーマ的には楽しくないんだけど、ドラマの出来を見る見方が)のでオススメです。
土門さん、今回はどんな気持ちで捜査してたんだべな。前から思ってたけど、戸田山脚本の土門さんはハードボイルド。タバコとか似合いそう。このご時世、吸わせてもらえんだろうが。今も喫煙者だったら、間違いなく今回吸ってたべな。
◆土門さんに隠れる亜美ちゃん
これはカメラワークとか画面上の人物配置とかそういう演出の問題なのか、亜美ちゃんのキャラ付けなのかわからんけど、栗城が近寄ってきたらさっと土門さんの陰に隠れる亜美ちゃんがかわいすぎました、という話です。
対してマリコさん、堂々と全くその場から動かん。それどころか、栗城に迫られた店員さんとの間にさっと割り入るほど。さすがヒーローインは度胸が違う。
◆音声マイニング
テキストマイニングの音声版、だそうです。そのテキストマイニングもよくわかってないけど、日野所長の十八番の範疇っぽい気はしている。テキストだし。
最新の技術を使って何かしよう! を閃く君嶋さん。
今期に入って、その傾向が顕著ですよね。マリコさんに次ぐ「第二のマリコ」感を出してるのかな。
マリコさんのお株を奪うイケメン。負けてらんねっすよ、宇佐見さん!(何を?)
◆莉子ちゃん
そんな君嶋さんの娘・莉子ちゃん。ビデオレターで登場。勝手に産まれたて赤ん坊ぐらいかと思ってたら、小学1年生って結構大きい!
亜美ちゃんの「かわいいがすぎる……」、みんな同意したんじゃないでしょうか。誰ですか君嶋さん闇落ち説なんて唱えてたのは、土下座して反省しなさい。
風丘さんちの亜矢ちゃんみたいに、トラブルメーカー……もとい、賑やかな準レギュラーぐらいになる日が、来るんだろうか……その時まで、『科捜研』が続いてたらホントすごい。
◆日野「なんかマリコくんが2人になったみたい……」
新研究員への評価としては、この上ない褒め言葉なんだよなぁ……
その分、日野所長の心労がすごいことになるんですが。あかん、日野所長が美しいハゲになってまう……
◆サウンドスペクトログラム
前回も出てたけど、前回とは違う見せ方で、よかったですね。この部分に関しては、前回と今回どちらがいいとかいう話じゃないですよ。どちらもいいね、って話です。前回がダメなのは、もっと別のところですからね。
◆踊るシリアスクラッシャー風丘
これがアラフィフ……! かわいいがすぎるぜ。
一応、自分がシリアスをクラッシュしたことは自覚的な風丘先生。そういう自覚ができない人も、いますからね……(マリコさんの方を見つめながら)
今回のお菓子は回転焼き。ということで。
◆ベイクドモチョチョ
ツイッターもといXでは「ベイクドモチョチョ」。
風丘先生は「回転焼き」。
君嶋さんは「今川焼き」。
亜美ちゃんは「大判焼き」。
木立刑事は「おやき」(っていうか、お土産もらうんかい!)。
マリコさんは「今川焼き」派らしいですよ。
そんなアレの呼び名は、下手したらきのこたけのこ戦争並の火種になりかねないので、安易に口にしない方がいいぞ……特に、ネット上では。
私は「今川焼き」でした。関東民なので……
◆栗城「あんたの息子の和哉くんがやったこと」
ここの「和哉くん」を静かに強調する物言いが、非常に憎たらしくてねぇ……役者さんの演技が素晴らしい。
1件目の時点で、レジ袋使ってカッターナイフに指紋つけないようにしてるとか、コイツ前科持ちってことを差っ引いても、天性の犯罪者すぎるよ!!!!
そして刑事脅して捕まらない方法を得たり、捕まらないように圧力をかけたり……コイツ、天性の犯罪者すぎるよ!!!!!
今回は捕まりましたけど、せいぜい過去の障害・現在の傷害致死とかその程度だろうし。あまり量刑が重くなりそうにはないよな……こんなヤツが、再び世に放たれる可能性。こわい。修羅の都・京都すぎて怖い。
◆土門「郡司巡査部長」
土門 「この一件は刑事部長、ならびに監察官室に報告させていただきます。よろしいですね?」
そして長谷川初範同士が並ぶんだべな……
とかいうのはともかく、ここで土門さんが突き放した距離を感じる物の言い方になってるの、切ないけど土門さんカッコいい、でも切ねぇ……と、見てるこっちの情緒が乱れちゃう。
戸田山脚本の土門さんはハードボイルド、でもこんなつらいお気持ちにさせるこたぁないじゃない……
◆絶対に捕まらない男の天敵は
そりゃあ、「絶対に捕まえる女」だよなぁ!?
ってことで、お店の捜索でテーマ曲をかける演出is最高。劇場版なのもアガる。S15だったら泣いてたかもしれない。
土門 「なあ、栗城。今度こそ、無意味な芝居ではなく本物の聴取だ」
◆赤いネクタイと刑事
土門 「ああ、参ったな……郡さんには口止めされてるんですが、奥さんに、嘘をつくことはできませんから……」
「実は、郡さんがポロッと言ったんですけど、奥さんと一緒にいる時間を、もっと増やすことにしたと」
「私から聞いたなんて、郡さんには内緒ですよ」
どこかのお人好し刑事のような嘘つくじゃん……「赤いネクタイ(リボン)と刑事」じゃん……
あの時と違うのは、土門さんの嘘は亀ちゃんのそれと違って、一生のしかかる残酷な罰かもしれないってことかもなぁ。
亀ちゃんのそれも土門さんの嘘も、相手を思ってのものなのは間違いない。でもそれがささやかな救いになった岩下脚本と違い、これからの郡司さんの人生を思えば、一生息子さんと奥さんのことを背負って生きていかねばならんのだな……という意味で、残酷すぎる嘘だよ。
いや別に、嘘をついた土門さんにそんな意図があるとはもちろん思ってないし、郡司さんと奥さんを思いやってのものなのは間違いないんだけど……っていう。
土門さん、慣れない人情派刑事みたいなムーブするから……なんて茶化すのがいつもの私ですが、今回は特別です。茶化しません。ちゃんと真面目に言います。
今回は、土門さんの刑事としての在り方が垣間見えた回だった、と。
郡司さんが栗城に掴みかかったのを見て、「誰がなんと言おうと、あの時の郡さんは刑事だった」と語る土門さん。
犯罪を犯す者に対して、人の命を奪う者に対して、真っ当に怒る心を持つ。それが土門さんにとっての「刑事」なのかもしれない。そして、そう在っている、在ろうとしているのかもしれない。
犯罪を犯した身内にも厳しい土門さんですが、今回は、直接的に救ったのは郡司さんの奥さんだけなので……許してあげてほしい。それは、それだけは、たったひとつの救いとして、あってもいいんじゃないかと。
昔の土門さんならどうしてたかわからないけど、少なくとも今の土門さんは、まだ刑事だった郡司さんを責めきれなかったんだなぁ。人情派刑事みたいなことするじゃん……
ムードぶち壊しなことを言うと、これ、戸田山脚本だからこそのハードボイルドさであって、櫻井脚本の土門さんだったら普通に情け容赦なく責めてたと思います。どちらが好みかは、人それぞれあっていいと思います。
そして、土門さんの嘘については普通に賛否両論あってもいいと思ってる派ですが、それはそれとして今回は面白いと思ってるので、土門さんの嘘の是非と一緒くたに今回が否定されてたら嫌だな……という臆病心で、他の人の感想が読めずにいます。笑ってやってくれ。
雑感
1件目の犯人は郡司刑事の息子・和哉くん。そしてその後の2件目以降は、その犯行を真似た栗城の仕業。
文章にすればありきたりな真相かもしれないけど、それを隠したかった親心はいかばかりか。ただ息子を亡くしただけの奥さんの気持ちも考えてしまえば、心がキュゥっとなってしまう。
今回は、事件の真相で驚かそうとしたり、その過程の新鮮さを魅せる回ではなく、事件捜査を通して土門さんや郡司さんのドラマを感じる回だった。そしてそこから、今の土門さんの刑事としての在り方まで見えたような、そんな気がするのです。
上にも書きましたが、土門さんの些細な表情の変化だったり、そこから推測できる心情の変化だったり、そういうのをじっくりと味わう、スルメのようなハードボイルド回だったと思います。
……あかん。便利だから「ハードボイルド」って連呼してるけど、使い方間違ってたらどうしよう。笑ってやってください。
次回予告
次回はS22-6で登場した松下由樹こと盗犯係の小菊刑事再登場!
京都中を食べ歩いた男の死体!?
25品目の謎を追え!
今回と打って変わって、明るめのミステリーが見られそうかも。楽しそう。