第6話 犯人予想システム
ゲスト:松下由樹、風見しんご、鈴之助
脚本:戸田山雅司
監督:西片友樹
ワクチン5回目に負けてました。おのれ副反応……
そのせいでやや短め。申し訳。
あらすじ
システム開発会社社長が石段から突き落とされ転落死。防犯カメラに映っていたのは、ベテラン刑事の篠宮小菊(松下由樹)。盗犯係ひと筋の彼女は、検挙の為には規律違反ギリギリの事もやると噂されていた。被害者の社長はAIによる犯罪予測システムを開発、警察への導入を目論んでおり、篠宮はそれに猛反発していた事が発覚。殺害現場には海外製らしき靴の痕跡があり、マリコは篠宮が海外製の登山靴を愛用していることに気づき…!?
見どころ
◆篠宮「私らの仕事を、機械に奪わせようってこと?」
今回のメインゲスト、篠宮小菊さん。叩き上げのデカとしての言い分を最初に叩きつけたのも、単なる叩き上げの経験からくる反発ってだけじゃないのがいいね。ちゃんとシステムとシステム管理者である被害者に対する不信感が前からあったよ、と。
そんな事情を知るはずもない藤倉刑事部長なのに、「確かにこのシステムは優秀だが、冤罪を生む危険性をはらんでいる以上、今回はあくまで試験的導入にとどめておくべきだと判断します」と、めちゃめちゃ真っ当な判断できてて最高。さすが俺たちの藤倉刑事部長は格が違うぜ!
◆まだ事件が起きていないのに
篠宮刑事の靴に着目するマリコさん。
今回は戸田山脚本だから、その目線は名探偵なんですよな……
◆ここ、この前行ってきた!
この前の京都旅行で行った。ほ、ほうりん……いや、なんでもない。あそこは円国寺です。間違いない!
◆風丘「手首に何かついてる」
マリコ「粘性のある何か……」
今回は珍しく風丘先生が発見。当然、マリコさんにお知らせしてくれるわけですが。
マリコ「気になりますね」
風丘 「……! きた。その目は……」
マリコ「これなら……」
風丘 「『これなら』?」
マリコ「科捜研で分析できます。採取します」
風丘 「……お願いします」
何かモノ言いたげなマリコさんの視線が続くけど、今回は風丘先生は無茶振り回避。この視線、マリコさんってばあわよくば風丘先生が自分から「手伝います!」って言うの期待してたんじゃないか? そんなことない? 大丈夫?
次回以降、無茶振りされないかが気になります。大丈夫?
◆漆原総務部長は風見しんご
声でやっと気づく勢。眉間にシワ寄せてると気づけないな……
しつこい記者から救ってくれるのは土門さん。きゃー土門さんカッコいい!
ここや新聞社前でのやり取りを見るに、前から知り合いの記者さんだったんだろうか。知り合いが当たり前に犯罪者になる修羅の都・京都。怖いわ。
◆篠宮「あんた今、人の仕事の邪魔したのよ」
蒲原 「ひょっとして今、万引きの警戒を?」
篠宮 「こんなところで、そんな話しない……!」
まぁ、マリコさんと蒲原刑事のコンビの辞書には、「気遣い」とかそういう言葉は後ろの方に記載されてますからな……
でも考え様によっては、犯罪に踏み出すかもしれなかった人を踏みとどまらせたのかも……しれない。もしかしたら。たぶん。いや、篠宮さんの見てないところで再チャレンジしてた可能性の方が高いかもしれんけど。
◆篠宮「一課のくせに隙だらけね」
マジでそれ。蒲原刑事、この修羅の都の一課で7年働いてるとは思えないぐらいの隙だらけ。そんなんじゃ君、いつか刺されて死ぬぞ。
篠宮 「いい? 万引き犯とか下手な素人の方が、殺しのホシなんかより凶暴になったりするものなの」
そんな篠宮刑事は、蒲原刑事いわく「捜査情報を上に上げずに常に単独行動ばかり。そのくせ、検挙件数がずば抜けて多いから、異動させることもできないって」「刑事は結果がすべて。盗犯を挙げるためには、規律違反ギリギリのことも平気でするって」。
否が応でも視聴者はS15の対立軸こと落合刑事のことを思い出すわけですが、蒲原刑事は何も言わなかったね。それだけ、落合刑事のことは吹っ切れてると解釈していいのかな。もうあれから7年経ってるわけだし、今も「落合さん」じゃないだろ、ってことなんだろうか。
◆ラボシーン
今期はほぼ毎回、土門さんは科捜研のラボに来ている気がする。マジで出席率気にしてる説ある。
確かに、今期は出席率自体下がってない気もするし。気にすればなんとかなる事情なら、今までも頑張ってほしかったんですけどねぇ。
◆『科捜研』ワールドの京都府警
京都市上京区竹小路通り新長者町上ル西鶴町150(篠宮刑事の名刺から)。前からそうだっけ?
実際は「85-3」なので、実在の住所ではありません。
『853』……あれももう、10年以上前……うっ、頭が
◆亜美「ほい」
蒲原刑事に靴裏を調べてもらうよう頼まれての返答。気安い!
ホント仲いいなこの2人。もう7年は一緒に働いてるわけだから、そりゃ気安くもなるのか。
一応、蒲原刑事側からは「涌田さん」呼びだけど、亜美ちゃんからはそのうち「蒲原」とか呼び捨てになるかもしれんぞ。今は「蒲原さん」だけど。どうしよう、ホントに呼び捨てにしだしたら……
◆君嶋「それが闇ですよ闇。人の心の闇……」
風丘 「……闇?」
君嶋 「僕は、人の心の闇を科学で解明したくて、科捜研に来たんですから」
風丘 「やっぱり物理研究員は変人説……当たってるかも。ふふふふふふ」
本人の目の前でこんなこと言えちゃう風丘先生も、十分変人だけどな。
それはともかく君嶋さんの「心の闇」発言、おそらく個人回までは引っ張るんでしょうけど、今回はきちんと「忘れないでくださいね。振り返っておきますよ」の意思を感じた。これは個人回に期待。今期じゃないかもしれないけど。
◆京都駅だ!
この前の旅行で見たところがたくさん映ってて嬉しかった。また行きたいなぁ。
◆白衣が映える
CM明け、広い会議室に集まったメンバーは暗い色の服が多いけど、その中でマリコさんの白衣が映える。
今期になってマリコさんたちの服装が暗くなったというところに対する不評が多いけど、こうして白衣を映えさせる狙いがあるんじゃないかと思う。
◆篠宮「甘ったれるんじゃないわよ!」
篠宮 「この社会にはね、あんたよりももっと傷ついて、もっともっと抜け出せない悩みに苦しんでる人間が大勢いるの! その人たちよりはるかに恵まれたあんたが、犯罪に逃げるなんて最低。ううん。最低以下よ。わからないの?」
私は今回のこと好きだし、隅々まで気の利いた回だと思っているがそれは『科捜研』の今期で「科学」に対するテーマへの立ち位置の話で、単回としてのテーマとして、この篠宮刑事の言い分はちょっと悪手だったかなぁと思ってる勢です。
悩みに対して「お前は恵まれている」と相対評価して断じてしまうのは、現代の価値観にはちょっと合わないかなぁと思うんです。悩みは人それぞれ、その人にとっての重みがあるわけだからね、というのが現代の価値観じゃないかな。
現代の価値観に少しずつでも寄り添ってきたのが『科捜研』だと思ってるので、ここは素直に残念かな。篠宮刑事が海斗くんを救いたいのはすごくよくわかっただけに。
篠宮 「人間は簡単に、貼られたレッテルの色に染まるの。警察が手柄や数字のために怪しい人間を挙げまくれば、ギリギリのところにいる人間を、犯罪者に追いやることになりかねない。それを防げるのは、現場の刑事の目だけなの」
これを言える篠宮刑事だからこそ、悩みを相対評価してほしくなかったぜ。本当に残念。
◆異常行動認証
さらっと言ってるけど、結局のところ人の目で膨大な量の映像を最終的には確認しなきゃいけないわけだし、すごいこと言ってる……
科学はやっぱりマンパワー。大人気漫画『Dr.STONE』でもそう言ってました。
◆クズがクズを殺した話
脅迫犯に脅迫して上手くいくと思える方がすごい。自分が反撃を喰らうかもしれないのに。
結果的には自分が犯罪者になっちゃったわけです。やっぱり上手くいくわけないのよ、脅迫なんて。
まぁ、言えるのは「階段の前なんかで揉め事起こすなよ!」ですかね。お約束ですけど、やっぱり言いたくなっちゃう。
◆藤倉「訓告処分で済んだ」
これ、処分され慣れてるマリコさんと土門さんが聞いてるからホッとしてるし、実際軽めの処分で給与や昇格に影響ないことも多いってグーグル先生が教えてくれたけど、処分は処分なんだよな……篠宮刑事がそういうの気にしなさそうな人でよかった。
で、土門さんが過去食らってきた処分の中で、一番重いものってなんなんですか?(鬼の質問)
◆篠宮「私の目に間違いはなかった」
以前もありましたね。「見ることは愛情」。きちんと人を見ていくこと=愛情こそが、道を間違えかけた人を引き戻せる唯一のものなのかもしれません。
◆今回のラストはマリどもきみ
君嶋 「篠宮巡査部長には、AIでも識別不能な人の闇が見えるのかもしれませんね」
マリコ「だからこそ、海斗さんのような若い人が闇に取り込まれるのをなんとしても防ぎたかったのかもしれない」
君嶋 「はい。若い人や、特に子どもは無垢だからこそ、良い方にも悪い方にも転ぶ危険性をはらんでいますから」
土門 「あっ。そういえば、子どもがいるんだったな」
君嶋 「僕は、自分の娘を絶対に闇に取り込ませたりしません。そのために、この仕事に就いたんですから」
視聴者の間で「君嶋さん、ダークカイト説」出ててワロタ。
この台詞を言わせといてダークカイト化はさすがにない……と思うんだけど、どうだろう。いや私も、「ホントに奥さんと娘さんいるの? 非実在的存在じゃないの?」とか言っちゃったけどさ。
まぁ、いつかあるであろう個人回に注目。というところですかね。その時にダークナオキになってたら、それは……ごめん……
雑感
これ以上ないぐらい直接的に、「科学は扱う人次第」を描いていた。凄腕AIも恐喝に使うか犯罪捜査に使うか。今までのシーズンにあってもおかしくない話ながら、今期のテーマにきちんと沿っていたと思います。
それにプラス「見ることは愛情」があれば最強だよね!という、今までの『科捜研』の良回のおさらいみたいな回だった。やはり戸田山脚本……
加えて、君嶋さんの個人回に向けての伏線も張っておく隅々まで気の利いた話(尚、篠宮刑事のあの台詞に関してはノーカンとする)。
でも今期中には君嶋さん回無理そうな気がするんだよな……どうなんだろ。あるのかな。なかったら来期(あるといいよね)に期待。
次回予告
ウマが見た殺人。サルとカメの次はウマ。ウマ娘?
ウマの証言を聴く優れた生物科学者が次回のメインゲスト。
呂太くんがいた!!!!!(写真だけど)
呂太くん、いつかまた出てほしいよね。よし、劇場版第2弾だ!