最終話 命がけの伝言
ゲスト:佐戸井けん太、永岡佑、イワゴウサトシ、友利恵
脚本:山岡潤平
監督:上堀内佳寿也
あらすじ
ある会社の社長・三倉が刺殺される事件が発生。捜査線上に、三倉に恨みを募らせる男の存在が浮かぶ。昨年、三倉の会社でデータ流出騒動が起きた際、犯行を疑われて死亡した女性社員の婚約者・小島だ。小島の所持品から凶器のナイフを発見。やはり三倉を恨んだ末の犯行と思われたが、小島は留置場内で死亡。手には「警察は無能だ」と書いたメモを握りしめていた…。警察を揺るがす事件の真相とは?特捜班が執念の捜査で立ち向かう!
見どころ
◆街の清掃隊
こういう地域活動にも参加する浅輪家、意識高いな……馬鹿にしてるわけじゃなくて、単純にすごいと思う。刑事とパティシエなんて、めっちゃ忙しいだろうによくできるよ。すごい。
そこで宗ちゃん目線になったりなんだりの倫子ちゃん。君もホント、大人になりましたね……いや登場初期から大人なんですけど、その頃からするとめっちゃ成長したよね。何目線って、そりゃファン目線ですよ。
浅輪 「どうも、妻がいつもお世話になっております」
これをな、このセリフをな、係長に聞かせてやりたかったよ……
◆志保「ねえ。今日、夕飯、何食べたい?」
志保 「あのね。私は議論がしたいわけじゃないの。あなたと話がしたいの。で? 今夜、何食べたい?」
昔の小宮山志保さんだったら、村瀬さんが「パンケーキはおやつだろ」議論をし始めたら拗ねてた気がするが、こうやって本音を言って歩み寄れるようになってるところが素敵だなぁと思いました。
それに絆されて、「じゃあ、生姜焼き」と言えるようになってる村瀬さんも、だいぶ変わりましたねー。これが夫婦の力なのか。むしろこのふたりをCPとして見た場合、夫婦になってからの方が好きかもしれない。むらこみ時代はなんかイマイチピンとこなかったんだけど、夫婦になってからは「こういうのもアリだな」と思えてるというか。
◆最終回はOPなし
ラスト提供にED+OPシーンはあったけど、通常OPはなし。寂しい。
関係ないけど、着信に気づいてバッグからスマホ取り出してくれる村瀬さんや、「いってらっしゃい!」と送り出してくれる倫子ちゃんがいいなと思いました。特に後者。君、立派に刑事の妻やんけ……
◆矢沢「よし来い!」
矢沢 「引っ込むのかよ」
いくら包容力ある矢沢さんでも、成人男性が飛び降りてきたら受け止めきれないだろ……確かに青ちゃんは「急げ矢沢!」って言ったけど、あれは「一緒に引き止めろ!」ってことじゃないんか? どういう状況のボケだよw
なんだかんだで青ちゃんひとりで引き戻せてて草。青ちゃん、身体軽そうな割に力はちゃんとあるのね。さすが警察官。
◆青ちゃん、感情移入する
まーた青ちゃんは弱いものの味方しちゃうんだからー。
それが最悪の結末に。こういうところもあって、今回って結構な鬱話だよね……って思うんです。事件関係者、誰も救われてない……小島さんは死をもって救われたとでもいうつもりなんだろうか……
◆青柳「よし、じゃあ結婚すっか」
結局、妙子さんの病状とか何もわからないままだった……まぁ、ケロっとしてるから大したことはなかったみたいでよかったけども。
青柳 「いや、ひょっとしたらね。俺、警察をね。なんつうか……」
小島さんを死なせてしまったことで責任を感じているけど、それをあまり表に出さない青ちゃんが唯一弱音を吐ける(遠回しだけど)存在が妙子さん。
なんだけど、妙子さんは言うのです。
妙子 「それは嫌だな……」
青柳 「ん?」
妙子 「青ちゃん警察辞めたら、別れる」
青柳 「おい……それは嫌だな」
妙子 「でしょ?」
青柳 「じゃあ、辞めない」
妙子 「約束だよ」
うぉおぉぉおおお! これだよこれ! このやり取りだよぉ!
妙子さんは変わったのです。もう青ちゃんが警察辞めたがる原因が自分だなんて思わないし、何より青柳さんが一番輝ける場所が警察だと、今の特捜班だと信じているからこういうことをちゃんと言えるのです!(オタクの一息台詞)
妙子さんの荷物持ってあげたり、「妙子がお世話になりました」って挨拶したりとか、青ちゃんもマメである。こういうところがJKにモテる所以なのか……!(それ言ってるのは私だけ)
その後、妙子さんは矢沢さんに連絡を入れて、しっかりフォローも入れているのでした。もうね、妙子さんはホント……青ちゃんの唯一無二のパートナーですよ……!
◆三ツ矢「俺が3番目に尊敬してる方です」
こういうことですな。
東山紀之、井ノ原快彦主演『特捜9』で初共演「僕は井ノ原と堂本光一とだけは…」
ということで、バトンタッチセレモニーで『刑事7人』より天樹さん。私は『刑事7人』をほぼ知らないんだが、由真ちゃんの言う通り、オーラバリバリでワロタ。ふざけてはないのに、同じ世界線のキャラとは思えないw
そんなオーラバリバリの天樹さんに、適当ぶっこける三ツ矢くんが面白い。ここではマジっぽかったのに、ラストのやり取りで適当ってバレちゃうからなw 1度天樹さんにしばかれるといいと思う。しばくような人かは知らん。
◆浅輪「捜査は……ここだよ」
腕じゃねぇw 足だよw>由真ちゃん
ということで、再捜査開始。それぞれ頑張る。
志保さんがきちんと村瀬さん頼ってるの、当然といえば当然なんだろうけどいいな。やっぱり夫婦になってからの方がピンとくるな、このふたり……
◆国木田「しかし、真実はまだ明らかになっていない!」
国木田「『こんな事件』……? 真犯人は他にいるかもしれないという今、この時に、まずは身内の処分を優先するという今の状況は、果たして正常なんですか!? 正しい捜査をして、犯人を捕まえ、救うべき人を救う! それが我々警察の仕事でしょ!」
こうやって「正しさ」を訴える国木田班長、過去設定とも噛み合っててそりゃもうカッコいいシーンなのだが、今回においては噛み合わせが悪いと言うか、別に国木田班長は何も悪くないんだけど、真相解明シーンで明かされる小島さんの過去話を見ると、「正しさだけで人は救えないのだなぁ」となったりするなど。それとこれとは話は別だが、座りの悪さは感じてしまう。いいのかこれで。
◆あの坂、どこだろう
あおやざコンビがいた坂、どこだろう。めちゃくちゃ画になるな。カッコいい。
◆取調室での青ちゃんがマジ
いつものおふざけはなし。小島さんに感情移入しちゃってたからね。
声のトーンがガチなのよ……
ついでに言うなら矢沢さんもマジ。「クソはお前だよ」だからな……確かに犯人、ガチのクソだったけども。これよりクソなヤツは今まで結構いたと思う。
◆この世の陰を一身に背負っとるんか?
小島さん。今回はとにかく小島さんの回だったんだけど、描かれる小島さん像がとにかく「献身的」を超えた「自己犠牲的」でなぁ。女の子を身を挺して庇ったり、犯罪行為スレスレの偽装工作手伝っちゃったり、今度は犯罪行為に足突っ込んじゃったり。
それぐらい、婚約者を亡くして自暴自棄だったんだろうけども……この世の陰を一身に背負っとるんか?
浅輪 「誰かを思う気持ちが他の誰かを動かして、僕らはその『誰か』に支えられて生きてるんですよね。まぁ、時々……お節介もありますけどね」
「小島さんはきっと、あなたが、愛する人を誰よりも大切にする人だから、最後の願いを託したんだと思います」
「『おかえり』って言ってくれる人の大切さを、誰よりも知ってる人だから」
仮にそうだとしても、その思いを伝えたところで、一体誰が救われたんだろう……という話だな今回。小島さんは自殺、そしてその自殺を止められなかったし偽装工作しちゃったしということで真田さんも罪悪感に苦しむだろうし。事件関係者は誰も救われてないんじゃないか、今回。
なんかイイハナシダナーにしてるけど、そりゃ真田さんも最後嗚咽漏らしますわって感じの回だった。最後、小島さんとゆかりさんの幼い頃が手を繋いでるのが、綺麗だけど不穏でなぁ。いい話……ではないよなぁ。
◆倫子ちゃんは宗ちゃん目線を手に入れた!
本当に宗ちゃんのためになること、を考えられるって、すごいことだと思うよ。
宗ちゃんのご両親は長期出張に赤ちゃん連れてくのは大変だろうが、でも宗ちゃんと過ごす時間はかけがえのないものだと思うので……なんか安っぽい言葉になってしまうが、頑張ってほしいです。
この経験を機に、浅輪Jr誕生でもいいしな。ええんやで。
◆青柳さんへの処分、なし!
寛大な処分だなぁ。国木田班長が噛み付いてくれたおかげやで。
忘れがちになるけど、一応特捜班って警視総監の肝いりだからな。甘やかされてる感はあるw
◆志保「何? この箱」
村瀬 「それ……それあの……君とのパンケーキデート用だから」
あまーーーーーーーーーい
パンケーキより甘い言葉が聞けてビックリした。村瀬さん、奥さんにはツンデレになるんだ……そっか……
もう3回目だけど、やはり村瀬夫妻はむらこみ時代よりピンとくる。キュンと来る。私の性癖の問題かもしれません。絶対にそう。いいな。
◆青柳さんのことは何でも知ってる矢沢さん
一方、何も知らない青柳さん。
青ちゃん目線だと、「なんで妙子の入院のことも妙子との約束のことも知ってるんだよ」って感じよね。自分の知らないところで職場でのパートナーとプライベートのパートナーが繋がってるの、怖いw
◆村瀬さんと青ちゃんのやり取り!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ってなるよな。矢沢さんも爆笑してるし。
村瀬さんがサブ化して何が寂しいって、これが聞けなくなったことよ。由真ちゃんが青ちゃん相手に頑張ろうとしてくれてるが、またちょっと違うしな……
◆三ツ矢くんが尊敬する相手
1番目と2番目は両親、3番目は浅輪主任。
1番と2番はともかく、これだけの面子相手によく適当ぶっこけるなお前……おもしれーヤツ。
その適当ぶっこきの中にも入ってこない村瀬さん……(あれは由真ちゃんの聞き方がよくなかったと思う)
◆新藤亮、復活!
したけど、事件解決後であった。まさか捜査に関われない、パンケーキも食えない、段ボールもドアの陰とは。しゃーない、1シーズン出られないヤツにはそれなりのペナルティがあるんやで。
いやでも、出るところあってよかったねw
◆特捜班(+α)、出動!
最後が戦隊モノっぽかったのは、やはり上堀内佳寿也監督だったからなんだろうか。
雑感
何度も言うけど、今回は誰も救われてないんじゃないかと思います。そういう回があってもいいとは思うけど、イイハナシダナーするのはちょっと違うと思うんだ……そして、「警察としての正しさ」を説く裏で「正しさ以外で人を救ってしまった」「しかもその人は自ら命を絶つことでしか救われなかった」というのは、ある意味、特捜班の敗北と言っても差し支えないのではないか。これは闇の徳永脚本並の鬱話じゃないのか……
というところが引っかかるので、微妙な評価です。
シーズンについての話は、まとめで。
皆さん、2ヶ月間ありがとうございました!