映画を観てきたよ。

雑記
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 『ミラベルと魔法だらけの家』『パーフェクト・ケア』の2本を観てきました。ネタバレはもちろんあるよ。要注意。

ミラベルと魔法だらけの家

「白雪姫」、「シンデレラ」、「美女と野獣」、そして世界中で大ヒットした「アナと雪の女王」まで、魔法のように美しい映像と、素晴らしい楽曲によって数々の伝説を生み出してきたディズニー・ミュージカル。
この冬、「ズートピア」の監督と「モアナと伝説の海」の音楽というディズニー史上最強の豪華スタッフが集結した、全世界待望のミュージカル・ファンタジーがついに誕生!

「“魔法だらけの家”へ、ようこそ──」

魔法の力に包まれた、不思議な家に暮らすマドリガル家。
家族全員が家から与えられた“魔法のギフト(才能)”を持つ中で、少女ミラベルだけ何の魔法も使えなかった。

ある日、彼女は家に大きな”亀裂”があることに気づく──それは世界から魔法の力が失われていく前兆だった。 残された希望は、魔法のギフトを持たないミラベルただひとり。

なぜ、彼女だけ魔法が使えないのか?
そして、魔法だらけの家に隠された驚くべき秘密とは…?
ミラベルと魔法だらけの家


 同時上映に『ツリーから離れて』という短編アニメがありました。まずはそちらから。

・ツリーから離れて
 アライグマの親子のお話。
 親の気持ちが、自分が親になった今だからこそわかる――そんな要素もありつつ、「でもこうして欲しかったよね」と自分の子を通じて過去の救済をするお話でもあり。
 10分程度の短編アニメーションなのに、めっちゃ動く! 細かく動く! スタッフの量もえげつなかったし、力入ってるなぁすげぇなぁ、さすがディズニーは違う。鳥が集まってて楽しそうだと思ったら、実はその鳥たちは、そしてその向こうには……という場面、自然の厳しさと納得度が高くて好きです。

・ミラベルと魔法だらけの家
 ど、毒家族だー! 逃げろミラベルー!
 おばあちゃんからの抑圧もさることながら、ブルーノの予言の話を次々に耳打ちしていくシーンとか胸糞すぎて変な笑いが出たw あんなことする家族と一緒にいたら頭おかしなるで。逃げろミラベルー!
 っていうかこれ、『めだかボックス』では? 異能モノにはよくある、「自己の開放をすることと引き換えに力を失う」ヤツでは?
 怪力のルイーサも花を咲かせるイザベラも、それぞれ悩みや抑圧があって、ミラベルがそれらを図らずも開放することで奇跡の魔法は失われる。最後まで自分を開放できなかったおばあちゃんは大激怒するけど、やはりミラベルが彼女の本来の願いを開放することで本質を思い出す。
 「魔法(異能)なんてなくたって、あなたは特別なのよ」――このセリフに隠された欺瞞や傲慢をぶちまけることで、本当の「特別」になる。みんな都合の悪いことから目をそらし、隠そうとするけれど、最終的にはトラブルの種になる。やはり人間にはコミュニケーション(会話や繋がり)が大事なんだよ。やっぱり『めだかボックス』じゃないか!
 とまぁ、そんな話はともかく、家族のクソっぷりがすげぇリアルw 「魔法なんてなくたって、あなたは特別なのよ」と言いつつ、気にするのは体面。おばあちゃん筆頭に彼女たちにとって「余計なこと」をするミラベル(と、ブルーノ)は目の上のたんこぶでしかない。排除し、隠匿することで「平和」な現状を維持しようとする。い、歪だ……
 そんな歪な現状を打破したのが、唯一奇跡を授からなかったミラベル。眼鏡は授からなかった者のアイコンであり、真実を見つける者の象徴でもある。
 最後までミラベルが眼鏡を外すことがなかった(一瞬外れたりはあったけど、自発的に外すことはなかった)ように、「ありのままの私でよかったんだ」と自己肯定することで自信を得て、最終的にはおばあちゃんのことも許して本当の奇跡=家族の繋がりを取り戻すのだから、ラストのオチはいらなかったんでは……とか思う。
 いや、「魔法=能力」と考えれば、私たちだって当たり前に使ってる文明の利器だのなんだのがある日突然失われたら困るし、取り戻せるなら取り戻したい気持ちはわかる。けど、そこらへんは「完璧ではなくてもいいんだよ、これからはみんなで補っていこうね」ってオチじゃなかったんか……と。どうにもそこらへんがピンとこなかった。
 話はスッキリしなかったけど、アニメーションとかミュージカルのレベルがめっちゃ高くて、そこらへんだけでも観てて楽しい。さすがディズニー。好きなのはルイーサのプレッシャーの歌。
 まぁ、そのレベル高いアニメーションやミュージカルで、めちゃくちゃ歪な家族の話をしているんですが。そこらへんもさすがディズニー……なのか?

パーフェクト・ケア

法定後見人のマーラ(ロザムンド・パイク)は、判断力の衰えた高齢者を守り、ケアすることが仕事だ。常にたくさんの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は医師やケアホームと結託し高齢者たちから資産を搾り取る悪徳後見人だった。パートナーのフラン(エイザ・ゴンザレス)とともにすべては順風満帆に思えたが、新たに獲物として狙いを定めた資産家の老女ジェニファー(ダイアン・ウィースト)をめぐり、次々と不穏な出来事が発生し始める。そう、身寄りのないはずのジェニファーの背後にはなぜかロシアン・マフィア(ピーター・ディンクレイジ)の影が……。迫りくる生命の危機、まさに絶体絶命、マーラの運命は果たして――?
パーフェクト・ケア


 ブラックユーモアたっぷりのコメディタッチなクライム・サスペンス。でも油断していると、結構ガチである。
 主人公のマーラがめちゃくちゃ悪女。共感とかハナから考えてなさそう。ロザムンド・パイクの迫力がすごい。目が切れ者のそれなんだよなぁ。予告にもあった、水没する車から脱出するところとか熱演凄かった。
 マーラとフラン、ふたりの女性vsロシアン・マフィア。マーラが詐欺師なので、知力による駆け引きになるんかいなと思ったら、それは中盤の裁判シーンまでで最後は実力行使。マーラ側も実力行使でやり返すので笑った。一応、ジムで鍛えてはいたけども、薬とかテーザーガン?とかはどこで調達したのさ!
 実力行使の最中、死人も出る。いや、クライム・サスペンスだからそりゃ出るだろみたいな話かもしれんが、カモにされてるご老人がポックリ逝くの以外は、なんかそんなに死なないのかな……と思ってたんだよ。割と死ぬし、「暴力はすべてを解決する……!」のノリで実力行使していくもんだからすごい。一応、マーラを事故死に見せかけようとか、ローマンへの意趣返しとかはあったけど、それで知能犯でございみたいな顔されてもな。
 と、なんか否定的な意見並べちゃったけど、実際に見たらテンポよくて面白かったです。ポンポンと次の展開に持っていかれるから、飽きることがなかった。観終われば王道のクライム・サスペンスと悪女モノだったと思うが、それでも最後まで飽きなかったです。
 何より、ロザムンド・パイクとエイザ・ゴンザレスが美しくてなー。画面がとにかく華やかでよかったです。でもふたりのレズビアン描写は男嫌いだからと言えどいるんか?って感じはする。それはそれとして、ファッションとかもオシャレで素敵だった。
 オチですが、私は「よくあるヤツ……!」ってなったけど、隣の男子高校生(ひとりだった)は息を飲んでいた。どんでん返しと言えばそう。でもよくあるヤツだと思う。
 なんじゃろ、どこかで「教科書的な良作」ってレビューを観たんだけど、確かにそうかもしれない。それなりにサスペンス作品観てると「ああ、なるほどね」となる展開が多い。でも、きっちり詰めて作られてるから飽きない。そんな作品でした。
 劇場公開と同時に各配信サイト(詳しくは公式サイトを確認してください)で配信もされていて、どちらも3週間限定らしいので、年末年始のお供にどうぞ。

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