第12話 SPY
ゲスト:美木良介、小嶺麗奈、芦川誠
脚本:櫻井武晴
監督:近藤俊明
感想更新は夜って言いましたけど、何とか時間空いたので更新ー。
あと、おそらく本日の『853』も今回の感想と同じように、いつも通りに更新とはいかないと思います。申し訳ない、ダメな父さんで……
それはともかく今週のお話。現時点では今期最高だと思う。
1時間、飽きずに楽しめた回でした。シーズン8入ってから、初めてあと2回は見ようと思った話。
なんでしょうね、小ネタたっぷりでもメインのストーリーが何だかなぁな話が多かった今期ですが、小ネタもメインもしっかりしてるとこんな風に面白くなるんだ! という感じ。予想していた通り、『逃亡者』みたいなノリでした。あれも主題は重いのに、軽妙なやり取りがふんだんにあった良回でしたよね。いや全く、櫻井脚本贔屓でごめん。(´・ω・`) でも面白かったんだよ。
欲を言えば、サブタイは雑誌のまま『庁内S』の方が締まりがあってよかったと思う。
そんな良回に、水を注すような冷やかし半分の感想を書いていいものか微妙なところですが、とりあえずはいつもの調子で行ってみましょう。本日の感想ー。
◆小嶺麗奈、また警察絡みで死ぬホステス役か……
またといっても、『臨場』で似たような役やってたなーってだけですけど。話は全然違うし、私がつい最近DVD借りたから連想しちゃったんですけどね。
◆本日も三浦さんがFBI出張中の捜査一課
伊丹「半年以上も前の客、よく覚えてますね」
ママ「だって、こんなにいい男だったら、ねぇ?」
その時の伊丹さんの顔ときたらもう。取調べでやたら神戸につっかかったのも、美人にモテる神戸くんへの嫉妬ですか伊丹さんっ。
右京「死因はなんですか?」
伊丹「教えません」
芹沢「絞め殺されたんです」
芹沢君は相変わらずペラッと喋るよね。
他にもいきなりホステスの生霊を身に降ろすイタコ伊丹とか芹沢、譲歩して情報を引き出そうとするとか久しぶりの『カンベ ソン』とか、全体的なトリオの出番は本当に少なかった割には、美味しい役どころでしたね。まあ、出番が少ないのは事件が警視庁・警察庁を巻き込んだ比較的大きな話だったので、仕方ないといえば仕方ないのですが。
◆捜査一課以上に美味しい役どころだった米沢さん。被害者の携帯に残されたメモリの名前を嬉々として読み上げたり、「例によって細かいことが気になりますなぁ」とぼやいてみたり、まるで初期のような変人右京さんに突然首を絞められたり、ロッカーを調べる際にいきなりのドアップだったりで、今回も地味に事件捜査に役立っていました。いや、この4つは別に関係ないのですけど。
◆それ以上に美味しい役どころだった本日のラムネこと大河内監察官。相変わらず大河内さんのラムネの噛み砕き方がワイルドでした。だってガリッ、ボリッ、ごっくんですよ。薬でだってあんな噛み方しねぇよ。
それはともかく、久しぶりにカッコいい大河内さんを見られて満足です。最近の扱いは不遇だったからなぁ……
「私が監察官だからです」など、警察官としての意地やプライド、正義感を見せ付けてくれた今回。警察庁相手に、真実を公表するための取引をしたり、大河内ファンにはたまらないであろうカッコいい名シーンばかりでしたね。
しかも、なんだかんだで顔見知りの神戸さんを心配しつつ、どうやらまだ微妙に『庁内S』じゃないかと疑っている節があったりで、まさしく今回はラムネのための回でした。いやぁ、本当によかった。
神戸を『庁内S』だと疑っているだろうこと、このシーズンの最終回辺りに絡んできたりは……しないかなぁ、してほしいなぁ(´・ω・`)
最近、メインストーリーで他の脚本の描写を拾う人が、櫻井さんと戸田山さんぐらいしかいないのが本当に悲しい。もっとこう、神戸のスパイ関連について進めてほしいなぁと思うのは間違ってるんでしょうか。
◆で、その神戸さんは今回色々と大変だった。
序盤→ホステス殺しとの関連を疑われる
中盤→監察官聴取を受けている最中、大河内さんの言葉を受けて「じゃあ何で大河内さんは結婚しないんですか」なんて爆弾発言をかます
終盤→よりによって大河内に、犯人とホステスが結婚しなかった理由を推測させる・犯人に、「君が庁内Sだと思っていた」なんて爆弾発言をかまされるも、しれっとしらばっくれる。
大変っていうか、なんていうか。序盤は災難だったと思うけど、中盤のあまりにもKYな発言で何もかもが吹っ飛んでしまったなぁ……そうか、大河内さんの秘密を知ってるのは右京さんと、今はサルウィンにいる彼だけだったな。でも、警察官僚であの年まで結婚しない、ってところで、「何か事情があるんだろうな」って察してやれよ神戸さん。やっぱり神戸くんは微妙にKYなのか。
だからこそ、あれだけ真正面からストレートに『庁内S』疑惑をぶつけられても、右京さんに「Sというのは哀れな存在だ」なんてものすごいプレッシャーをかけられても、うろたえることなくしらばっくれるんだろうけども。ある程度の図太さがなければ、あんなスパイみたいなことできないわなぁ。
◆指紋ってアルコールで拭き取れるんだ……
それはともかく、事件は警視庁vs.警察庁の『庁内S』を巡るお話。小野田さんが登場しなかったのは残念だ、との声もありますが、出たら出たで話が大きくなりすぎて1時間では収拾が付かず、おそらく今回のような明るさ・軽妙さが微塵もなくなりそうなので、出なくて正解だったのかなぁと私は思います。警察組織の対立構造、黒さは十分出せていたと思いますしね。内村さんと中園さん、警察庁の方々が頑張ってくださっていたおかげです。
水木さんが最初っから怪しいこと(携帯の番号にかけたことも「総務部」発言も両方とも)は、そこが主題ではないので全然構いません。少なくとも私は許容範囲内です。
動機も、自らの境遇に思い悩んだ末の男女のすれ違いというか悲しさというか、ただの男女関係だけなら、或いはただのS同士だけなら決して生まれるはずのなかった悲劇。最後、「この事件は、痴情のもつれということにしてください」って台詞は、Sの悲哀と同時に、水木さんが被害者と本当の意味での男女の関係でありたかった、という思いの表れなのかなぁと考えてしまいました。
被害者側も、彼を想って別れようとしてはいたものの最後まで彼の『S』であろうとしたことといい、色々深く考えれば考えるほどに「うわぁ」って感じです。描写は軽めだけど、苦い結末だよなぁ。
関係ないけど、警察庁の人事さんに電話する時の水木さんが「Mです」と名乗ったのには微妙に笑った。確かにドMでもなきゃ、あんな環境じゃあやっていけませんよねぇ。
◆警察官の借金調べてた総務部の方ですけど、あれは本当に個人の一存だったのかなぁ。
それはともかく、最後の特命2人と暇課長のやり取りで、そうだよな、暇課長も一家の大黒柱なんだよなと再認識した次第です。家のローン組んで頑張ってたり、「いいねぇ、独身貴族デカは」なんてすごく中の人の出演作を連想させる愚痴をこぼしたりと、今回も課長は本当にいいキャラしてました。
画面の青さも先週より落ち着き、明るめだったのが好印象。他にも色々と演出効果が面白かったです。水木さんの回想シーンとかね。
台詞の掛け合いもテンポのよさも、小気味良く懐かしい感じがしました。さすがわかってらっしゃる。
『相棒』ってのはこう書くんだぜ!と、シーズン1からのベテランに見せ付けられた気分です。近藤監督も、さすが『最後の砦』なんかを撮った監督さんだけあるぜ!
キャラが活き活き動くと、それだけで話も活性化するんですね。もちろん、メインのストーリーも大事ですし、キャラ描写ばっかりのまるでキャラ萌えを押し付けるかのような話もどうかと思うけど。でも、最近の話に足りないのは、いわゆるひとつの『キャラや作品への愛』なのかもしれないなぁ、と思った次第です。
次回は……マジックショー? で、また転落死ですか。
何か雰囲気としては、今期4話の『錯覚の殺人』みたいな感じなのかな。あの話に期待した、錯覚やらマジックやらを利用したトリックが……あるといいなぁ。
そういや、最後にひとつ。
全っ然関係ないんですけど、USBメモリをポーチの中に入れるって変なの?化粧道具というか、手鏡とか目薬とかリップとか、日用品入れたポーチの中に入れて持ち歩いてる私はおかしいんですか? 「場違い」呼ばわりされて、非常にキョドっている私がいます。え、ダメなの?