第6話 招かれざる客
ゲスト:山口大地、大堀こういち、山口貴也
脚本:西駿人
監督:濱龍也
さて問題、私は今回、何回「係長エミュ」と書いたでしょーか。
答えはありません! 数えてみてね(数えなくていいです)。
あらすじ
人気洋食店の店主が厨房で殺害されているのが発見され、浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班が臨場する。仕込みの最中に何者かに襲われたらしい。店主は味に厳しい料理人で、妻亡きあと、息子と2人で店を切り盛りしていたが、父子は激しく衝突。息子は出て行き、岸川という従業員が店を手伝ってきたという。そんな中、店主は800万円という大金を預金からおろしていた事実が判明。直樹は岸川の靴が泥で汚れている事が気になるが…?
見どころ
◆福太郎の話、これでおしまい!?
おしまいなわけない……と信じたい。そこから始まるフォーリンラブ()があるかどうかはともかく、福太郎本人も映さず早苗ちゃんすら出てこないで終わり、ってのはちょっと……こう……ないでしょ。あの引きで。
いや、話の真相はそんなもんだと思ってたけどね。福太郎本人が万引きするわけないと信じてたから。そこに、福太郎本人のドラマあっての『9』シリーズちゃうんか、と思ってるだけで。どうなんですかね、そこらへん……
◆動揺しすぎの青柳さん
青柳 「元気だよ馬鹿野郎。びっくりするじゃねーか」
おい……大病とか言うなよ……どうせ大したことないんだろ……おい……そう言えよ!
◆青柳「あのね。大人のそういう偏見が若者の更生を阻むんですよ」
若者への偏見には厳しい青ちゃん。というか、反権力なだけか。
ついつい先入観を抱きがちな由真ちゃんとは、割と正反対というか仲いいというか。割と似た者同士だよね。由真ちゃん、行き過ぎてないし薫陶を受けてもないが、村瀬Jrみたいなところある。その村瀬さん本人とも反発してたのが今期なわけだが。村瀬さん+青ちゃん÷3みたいな感じとでも言えばいいのか。「÷3」がポイントです個人的には。
青ちゃんと由真ちゃんの言い争いを止め、由真ちゃんを引っ張っていく浅輪さんナイス主任。ここらへんも係長エミュっぽい。別に浅輪さんは青ちゃんと言い争いは(滅多に)しないが、仮に浅輪さんが誰かと言い争いしたらあんな感じに止めて浅輪さんを引っ張っていくだろうな、って感じ。
◆浅輪さんの係長エミュ
浅輪 「(君が犯人かどうか)思ってるかどうかって言われたら、その可能性はある。そう思ってるよ」
由真 「主任……」
浅輪 「だから君からちゃんと話を聞きたいんだよ。君が犯した過去の過ちは決して消えない。でもだからといって俺たちは、君が犯人だなんて決して決めつけたりはしない」
岸川さんの心を少しだけ解す係長エミュの浅輪さん。
一番係長エミュっぽくて、そこに浅輪さんっぽさも見えたのは、このシーンかもしれない。
係長ならこういうこと言う、そしてその教えを受け継いでるであろう浅輪さんもこういうこと言う。その柔らかさが、浅輪さんっぽさ。そして今の『特捜9』の核。そう思います。
なので私が「係長エミュ」って連呼してるのは、決して『9係』シリーズを回顧する意味合いだけではなく、『特捜9』の核としてそこらへんを観ているんだということは言っておきたい。
もしかしたら『特捜9』って、浅輪さんが父になるための物語かもな……とか思うし。特捜班のメンバーの父になり、そして本当に父となる。そんな話かな、と今期そう思ってるし。わかんねーけど。
◆振り向くんじゃねーよ!
せっかく国木田班長が鏡の中っつーてくれたのに、志保さんはガッツリ振り返る。駄目じゃろw 案の定気づかれてるし。
警察官ってそういうの習わないんだろうか。習いそうだけどなぁ。でもまぁ、確かに志保さんなら振り返りそうな気はする。なんつーか、性格的に。
◆やけ食い由真ちゃん
あれは北海道チーズ蒸しケーキ……!?
120円ぐらいだよね?
それを4つもやけ食い。
oh! やけ食い由真ちゃん、カワイイカワイイネ……
由真 「岸川、主任とは話すのに、私の質問には答えてくれないんです」
青柳 「キャリアが違うからじゃねぇのか?」
浅輪 「まあまあまあまあ……! 僕のは、世間話みたいなもんなんでね。でも、高尾さんの言う通り、岸川は肝心な話になると口を閉ざすんですよ」
由真ちゃんと傷つけず、青柳さんともやり合わず、それでいて重要な話に話題を持っていく浅輪さんの中間管理職スキル。
というかこれ絶対、係長との付き合いの中で培った婿養子スキルだろ……と思ってるw
その人当たりの柔らかさで相手を油断させている隙に、真相へと切り込んでいくのが浅輪さんのスタイル。係長のスタイルをある意味、更に洗練させたものと見ることもできる。
今回はホント、トコトンまで浅輪さんが係長エミュしてて、そこは徹底されてて面白かった。
◆矢沢「あっ。言い忘れてました」
矢沢 「800万の行方なら、わかりました」
みんな「えっ!?」
矢沢 「そんなに?」
めちゃくちゃ重要な捜査情報なのに、「そんなに?」は無くない?
このゆるさ、『9』シリーズじゃなかったらぶっ叩かれてるところだぜ。いや、『9』シリーズだとしても割とどうかと思うけどもw
◆早瀬川「私が通ってる、和食の料理教室に来てる子よ」
矢沢 「和食の料理教室? 早瀬川先生が?」
志保 「えっ……なんのために?」
早瀬川「解剖の技術が、日常生活の役に立たないかなと思って通ってる」
お、おう……早瀬川先生、そっち側の人だったか……本人曰く、「冗談よ」らしいんですけども。目は割とマジだった気がするぞ……
◆志保「休日出勤ごめんね。これ」
ケーキの差し入れ。しかしその箱の中身はテープらしい。どっかで見た。Twitterだったかな。公式アカウントのツイート探したんだけど、見つからなかった。間違ってたらごめん。
三ツ矢「頑張りますよ。でも気にしないでください。村瀬さんがいない分、伸び伸びやってますから」
お前、言うようになったな……後輩力上がってるぞ。その親しみやすさ、生き残る上では大事。キャラ的にもストーリー的にも。頑張れ後輩。
三ツ矢「(青柳さんたちにも情報を)もう送りました」
仕事ができる後輩は生き残れるのか。頑張れよ。
◆三好「また早瀬川さん」
料理教室の先生、「三好 杏」さんだそうです。字幕情報。
油はねにビビる早瀬川先生、を見て笑う浅輪さんと由真ちゃん。こういうところは係長エミュじゃない。係長は内心笑ってても上手く誤魔化せるタイプ。誤魔化せないのが浅輪さん。
なので、
早瀬川「このこと。みんなに話したら……」
浅輪 「言わない、言わない。言わないよ……」
脅してる間に揚げ物が! ヤバい!
◆浅輪「ええと……ビーフシチュー、見てきます」
係長エミュ(という名の見せ場)キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
浅輪さんは別に料理の知識があるわけじゃないので、倫子ちゃんにLINEで聞く。惚気けてんじゃねーよ! 一応、自分でも調べてはいたけど。
◆被害者息子、ホント駄目だな……
端的にクズと切り捨てるほどじゃないにせよ、「あっコイツ、ホント駄目なヤツだな……」ってわかっちゃう行動の数々。そりゃ半グレ集団のリーダーにヤキ入れられますわ。
国木田班長に「詐欺被害もなんとかなるかも」(要約)と言われて、すんなりスマホ渡すところがその象徴のようで。もうちょっと躊躇いとか申し訳無さとか出せよ。
◆志保「あったっけ?」
事件現場に野菜ジュースなんてあったっけ、と言う志保さん。らしいな……
◆取調室での浅輪さん
vs岸川さんの時は、係長エミュ度が上がって、まるで岸川くんが求める父性で覆うかのようで……
相手が浅輪さんより年下の場合、浅輪さんは容疑者や犯人に対しても「父」になるのか……という、そこらへんも『9』シリーズ主人公の特性なのかもしれない。係長も基本的に、「父」として諭す物言いが多かったしね。
まだまだ浅輪さんは若いので(っつーても40代だろうが)、万人に対して「父」になるには経験やら何やら足りないところがあったりするからこその「班長」の存在。だと思ってる。足りない父性を補う感じね。
それにしては国木田班長はやや立場が遠いんだけどね。特捜班と仲良くなってもまだ家族感は薄い。学校の先生っぽいし……
◆ひとり佇む青柳さん
いやだから……思わせぶりなのやめよう……?
◆犯人はクズ
悪女というよりただのクズ。金目的で実質2人殺しているという……それを嬉々として喋っちゃうあたりがもうサイコパス。
今回みたいな人情話を上手く進めるには、犯人をクズにする方が楽なんだろうなという感じだ。まぁ、犯人のドラマを延々とやるわけにもいかないしな、今回みたいな話で。
◆妙子さんは元気妙子さんは元気妙子さんは元気妙子さんは元気
今の私はそう唱えるマシーンだから。妙子さんは元気だから絶対に!
森岡さんもたぶん大したことないよ!
妙子さんもたぶん、せいぜい盲腸炎とかだろ! そうなんだろ!
そうだって言えよ!(`;ω;´)
◆浅輪「これでもう、天ぷら怖くない」
おい浅輪、その料理道具が詰められた段ボールって、おいまさかそれって……
今回ほど係長エミュが濃厚な回で、こうやって係長の痕跡を匂わせてくるの、オシャレとかそういうレベルじゃないな……さすがやで『9』シリーズ……
浅輪 「あっ、じゃあせっかくだから、これからみんなで、天ぷらパーティーやりません?」
乗り気になって食材を買いに行く国木田班長と早瀬川先生、「一食助かる!」と村瀬さんも呼ぼうとしてる志保さん、新藤くんも忘れない由真ちゃん。そして飲みたい気分になっちゃってる浅輪さん。
……その天ぷらパーティー、どこでやるつもりだよ! まさか庁舎内じゃねーだろな!?
係長エミュ回だからって、庁舎内で料理するところまで引き継がなくていいのよ。っていうか、国木田班長止めなさいよw
雑感
何度も書いている通り、今回は浅輪さんの係長エミュが色濃く出た回であり、そのせいか「『9』シリーズの主人公とは」みたいなことまで考えちゃった回であった。
だからといってずば抜けて面白かったとか、出来が良いなぁみたいな回ではなかったとは思う。事件の方はありきたりだったし、キャラストーリーも「福太郎、それだけ!?」になってるし。
でも、まぁ、こういう回があってもいいかな、みたいな、「何様だよ」みたいな感想です。はい。