【特捜9 season6】第5話 感想

特捜9
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第5話 永遠の生命

ゲスト:水橋研二、片岡礼子、戸井勝海、我妻三輪子、大迫一平

脚本:川﨑龍太
監督:濱龍也

東山紀之主演『刑事7人』、シーズン9放送決定!6月7日スタート、初回は通算“第77話” #テレ朝POST

 次クール(?)の『刑事7人』がなんと6月7日
 つまり『特捜9』5月いっぱいで終了。マジで!?
 数えると、5月いっぱいで終了だと全9話になるっぽい。『9』シリーズでは史上最少話数か?
 そもそも一般的に日本国内のドラマってのは1クール3ヶ月ってのが定石なわけで、そこも異例。
 夏、なんかあったっけ? 放送を前倒ししないといけないイベントとか、なんかあったっけ?
 いやぁ、これが何かの前触れとかじゃないといいな……と戦々恐々としています。2サス枠も木ミスもなくなった今、何が起こっても不思議じゃないからね。

あらすじ

あるチェーン店の社長・城川太一が殺されたと聞き、浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班は現場へ臨場!しかし、“遺体がない”ことが発覚する。通報者で秘書の紺野亜由美によると、朝から社長と連絡が取れなかったため、位置情報を頼りに捜し歩き、路地裏に血だまりと城川の携帯電話を発見。動転して「殺人事件が起きた」と通報してしまったという。その後、城川は不老不死の能力を持つクラゲの研究に興味を持っていた事が判明し…?

見どころ

◆不老不死

 大体、創作物での「不老不死」って「なるもんじゃない」的な扱いというか、周囲との寿命差による孤独とか、生を「永遠に続く苦しみ」と捉えたものが多いよね。
 実際のところは、不老不死になってみないとわからんよなと思う。案外、周囲との寿命差とか気にしないかもしれないし、生が永遠に続く苦しみかどうかは、それこそ生きてみなきゃわからないと思うし。
 おそらく私が寿命を迎えるまでに不老不死はできないでしょうけど、実際にできるようになったら、やってみていいんじゃないかと思いますね。私は。

◆居酒屋常連の三ツ矢くん

 いつも仕事は残業続きで、仕事が終わっても遅い時間だからスーパーとか行ってもろくな惣菜も残っておらず、泣く泣く居酒屋チェーンで晩飯食ってたら常連になってた……
 みたいな、泣けるストーリーを妄想した。誰得。いやでも、三ツ矢くんっていうかSSBCって村瀬さんみたいな仕事人間が上司だから、割とブラックなんじゃないかな……とか思ってるんだが、どうか。ごめん、村瀬さん。違ったらホントすまん。

◆青柳「えっ? 村瀬に頼るの?」

青柳 「……あっ。ごめんね」

 志保さんに謝る青柳さん。青柳さんと志保さんの絡みが好きなファン、結構いるんじゃないでしょうか。私も好きだよ。
 ここでまたSSBCの仕事が増えた。別に私は(中の人含めて)そこまで三ツ矢くんのファンというわけではないんだが、三ツ矢くんは割とブラックな働き方させられてる感あって、応援したくなるんだよな……頑張ろうね。

◆矢沢「じゃあ、よろしくお願いします」

青柳 「いや、お前も行くんだよ!」
矢沢 「そっか……俺も行くんだ」

 何を言っとるんだの矢沢さん。アドリブだったりするんだろうか。

◆科学とはロマンである

小田嶋「科学の歴史は、不可能なことを可能にしてきた歴史でもあります。空を飛べると本気で信じた先人がいたから、今、この空に飛行機が飛んでいる。常識ではあり得ないとされていることを疑うのが、科学の出発点なんです」

 『Dr.STONE』でも読んだんか? みたいなセリフだ。小田嶋さんがっつーか、脚本家の方が。
 科学は日々進化しているので、だからこそ『科捜研の女』はネタ切れはないと脚本家の方は豪語してるぐらいですが、まだ科学がそんなに発達していない中で「空を飛べると本気で信じる」というのは夢や空想の類に近いよねぇ。
 ある意味、科学者はロマンチストじゃないとやっていけないのかもな、と思う。『Dr.STONE』の主人公・千空もゴリゴリの合理主義者でリアリストだけど、その反面、誰よりもロマンチストでもあったし。ロマンチストは世界を変える、かもしれない。

◆志保「このメールを送ったのはあなたですね」

 三ツ矢くんは若者なので、正しく「トークアプリ」とか「メッセージ」とかの文言を使いこなす。
 しかし、志保さんは……なので、つい「メール」って言っちゃう。
 そういうことを表す細かい表現の違い……なのかもしれない。違うかも。そして私は志保さんにぶっ飛ばされるわ。

◆早瀬川「で? このご遺体は、まだ見つからないの?」

早瀬川「早く私に仕事をさせて」

 今回は仕事をきっちりこなす早瀬川先生回であった。別に他の回が仕事してないってわけではない。
 テレ朝刑事ドラマの監察医あるある、きっちり矜持を持っているので、警察・刑事側が頼りないとちょっとおこになる。
 まぁ実際、今回はちょっと浅輪さんたちは頼りなかった。ご遺体がないと避ける人員が少ないってことなのか、こんなに警察って頼りないんだ……と思った。でも浅輪さんたちの頼りなさは、なんかもっとこう、違う理由のような気はしたけど。

◆遺体の冷凍保存

 不老不死の研究はそうでもないんだけど、「遺体の冷凍保存」と聞くと急に忌避感が強くなるな。なんだろう、想像がつきやすい、ちょっと生々しさを帯びるからかな。
 すごいこと考える人もいるもんだ、もうまるっきりSFの世界だよな……とか思っちゃう。本当に、不老不死が叶う世界もすぐそこにあったりするのかしら。

◆小田嶋「まだ遺体じゃない」

小田嶋「城川さんはまだ死んでいない。未来で蘇生される可能性がある限り、死んだことにはならないはずです。冷凍状態を保てなかったら、城川さんは永遠に死んでしまう。つまり、あなたたち警察が彼を殺したことになる。そんなことになったら、僕は警察を訴えます」

 後の展開を見る限り、この小田嶋さんの語りは詭弁みたいなもので、本当は早紀さんを庇いたいがためにあえてこういうこと言ってる……んだよね?
 でもここで、割と素直に浅輪さんたちはこの言い分を信じちゃうというか、小田嶋さんの言葉の奥を読み解こうみたいな感じにならなかった不思議。小田嶋さんの嘘を暴くきっかけも、凶器云々からだし。警察を訴えますとか言われてビビるキャラでもないだろうに、どうしたんだ。

◆青柳「よし……」

志保 「……何?」
青柳 「小宮山さん、先行って」
矢沢 「どうぞ」
志保 「ええ~……? ああもう!」

 こういう時はホント息ぴったりのあおやざコンビ。そして天丼芸。志保さんも大変だw
 こうやってふざけるのも、まぁ怖くてグロいかもしれない現場だけど、危険度は低い現場だからだよね。仮にこれがヤクザのアジトに乗り込みますだったら、青ちゃんも「先行って」とは言うまい。というか、率先して乗り込むだろうし。
 ってか、職場ではまだ「小宮山」で通してたのか。私、もう結婚して名字変わっちゃったしってめちゃくちゃ気を使って「志保さん」って書き方変えちゃったのに。打ちやすさでは慣れもあって断然「小宮山さん」なんだけど、今更戻すのもアレなので頑張って「志保さん」に慣れます。
 めちゃくちゃどうでもいいけど、冷凍庫のシーン、色味と靴音が『バイオハザード』みたいだったよね。やったことはないけど実況動画は見たことあります。こわい。

◆国木田「そこで、検察の判断を仰ぎたいんですけど……」

 ちゃんと手続きを踏んで、段階を踏んでリスクを軽減しようとする国木田班長素敵。さすが暗躍班長!(誰がやねん)
 しかしこのシーン、徹頭徹尾検事の馬渕さんが正論しか言ってなくて、むしろ浅輪さんが「何言ってんだお前」でしかなくて困っちゃったな。

馬渕 「まさか息をしていたり、心臓が動いていたわけじゃなかろう」
国木田「はい。瞳孔も開いていたということです」
馬渕 「ならば正真正銘、遺体じゃないか」
国木田「ええ」
馬渕 「君たちは、犯罪者の詭弁を真に受けるのか? 遺体を発見したのなら、至急回収すればいい」
国木田「しかしですね……」
馬渕 「犯人の検挙が、何より優先されるべきだ」
浅輪 「ただ、被害者が冷凍保存を望んでいるのは事実ですから、その意思をないがしろにするのは……」
馬渕 「だからといって、遺体が搬送されるのを指をくわえて眺めるつもりか!?」

 浅輪さんが引っかかってんのは「被害者の意思」なんだろうけども、もし被害者が自分を刺殺した犯人を見つけてくれることを優先してくれって言ったらどうするつもりなんだ。
 っていうか「遺体(被害者)の意思」に踏み込むなら、まず「死とは何か」という医学的な観点、刑事法的な観点、その他諸々必要だろうに、それらをぶっ飛ばしてただ人情的な話をやろうとしてるからなんかおかしくなるんじゃないかと。
 浅輪さんたちはあくまで警察、刑事なんだから、その職務を優先してくれなきゃ困っちゃうよ。話的にも、ドラマ的にも。

◆浅輪「別の方法を考えたんですよ」

国木田「遺体の冷凍状態を保ったまま、早瀬川先生に検視をしてもらいます」
浅輪 「ちゃんと死亡診断書を作成して、エバーリビング社に遺体を引き渡すつもりです」
青柳 「えっ。遺体がなくて、立件できんの?」
国木田「検察に確認したところ、裁判で立証できるものがそろえば、公判は維持できるそうですよ」

 節子それ考えたんやない、ただの無茶振りや。
 なんでだろうな。いつもなら浅輪さんのそういうところが好きなのに、今回ばかりは「これはお気持ちごっこでは……?」という言葉が喉から出かかる。もう出てる。
 浅輪さん、それ誰のためにやってるの。本当に被害者のためなのか?
 そんなことで前例にないことさせられる皆さんが可哀想です><

◆早瀬川「前例にないことするのは嫌いじゃないわ」

 正直に言うけど、こんな話でプロフェッショナル魂見せられてもなあ、の気持ち。せっかく早瀬川先生がカッコよく描かれても、それがこんな話だとなぁ。

◆過去回想

 早紀さんにイイハナシダナーなセリフを言わせるために、早紀さんのお母さんに「人殺し!」って言わせる話、引くわー。
 どういう因果関係を経てそういうセリフを書こうみたいな発想に至るんだ。言わせるならせめて「帰ってください」程度じゃない? どういう経緯で小田嶋さんが溺れたのかはわからないけど、そこで被害者を強い言葉で責めちゃうの、なんなんだ……小田嶋さん可哀想にしすぎだろ。

◆浅輪「それは……違うんじゃないですか?」

浅輪 「命の恩人の娘、早紀さん。彼女のことを本当に心配に思うんだったら、あなたはもっと早く、別の方法で彼女に手を差し伸べることもできたんじゃないですか? ……結局あなたは、自分の研究のため、城川さんから資金援助を受け続けるためだけに、彼女の境遇を見て見ぬふりした。あなたなら、彼女を救うことができたかもしれないのに」

 まぁ概ねそのとおりなんでしょうけど、そこまで言わなくてもいいじゃん……
 と、別に小田嶋さんに感情移入してるわけではないと思うんだけど、そう思っちゃった。なんか今回の浅輪さん、変だよぉ。怖いよぉ。
 なんだろなぁ、結果的に被害者が死んだことで早紀さんは救われてるし、早紀さんは犯人じゃない上に犯罪行為は何もしてないしで、言ってしまえばただ空回ってただけの小田嶋さんにそこまで言う理由が特にない気がする……という感じ。少なくとも誰かを貶めるための悪意で今回の行動を起こしたわけじゃないし。とかいうのは、まぁ平和ボケした考えなんだろうけど。

◆福太郎の真実はいつ?

青柳 「疑われても本当のことを言わねえってのは、なんか理由があるんだろうな」
矢沢 「ああ、はい」
青柳 「いや、福太郎のことよ」
矢沢 「えっ?」
青柳 「いや、なんかそんな気がするんだよ」
矢沢 「青柳さんもそう思いますか?」
青柳 「うん……まぁ同じ嘘でも、やったのにやってねえって言うより、やってないのにやったって言う方がいいか」

 そういう問題か?
 この言い方からすると、矢沢さんも青ちゃんも真相には薄々感づいてて、福太郎からの言葉を待ってるって感じなのね。それでどうなるのか。真相はいつ明らかになるのか。楽しみです。
 しかし、万引きした後に停学くらって復学、って、まさか福太郎、いじめられコースとかないよな……? 大丈夫だよな? 青ちゃんが大丈夫っつってんだから、大丈夫だよな?

◆妙子さん、入院

 なんでだよ。
 なんで矢沢さんにも話さないんだよ、青ちゃん。
 おい、軽い盲腸炎とかなんだろ? そうだって言えよ。
 心なし妙子さんに元気がないとかやめろよ。おい。
 おい!!!!!!!

◆倫子「どうする? 宗ちゃん」

倫子 「このまま、うちの子になっちゃう?」

 仮にも人様から預かってる子に対してなんてこと言うんだw
 対する宗ちゃん、「何言ってんだおめー」みたいな顔してて最高。
 青ちゃんと妙子さん、矢沢家に対して、浅輪夫婦の平和ボケぶりが酷い。これが……格差……!

雑感

 春の微ホラー人情回(なにそれ)。浅輪さんの取調室での説教といい、異色回だった。
 上で述べた通り諸々の理由が目について、決して好きな回ではありませんでした。早瀬川先生のプロフェッショナルぶりとか、見どころ自体はあっただけに残念です。
 なんじゃろな。こういう方面の異色回やるには、『9』シリーズとしても刑事ドラマとしても掘り下げが足りなかった印象です。もう一度言う、残念です。

次回予告

由真 「なんか、ビーフシチュー調べに行きました」
浅輪 「犯人は、鍋に具材を入れざるを得ない事情があったんだと思うんです」

 次回は『9』シリーズ恒例(?)お料理回。かの加納係長に影響受けまくりな浅輪さんが見られそうでオラワクワクすっぞ。
 これで部屋で実際に料理作り出したら間違いなく係長エミュ、っていうか係長憑依。公式のあらすじを見ると、カセットコンロ持ってたりするから期待はできる。
 ってか、早瀬川先生が料理してなかった!? 早瀬川先生って料理するイメージないけど、できるんだろうか……予告では「あっちぃ!」っつーてましたけど。大丈夫ですかね。

ベニクラゲは不老不死 ―永遠に若返るスーパー生物のなぞ
久保田 信(監修), 小野寺 佑紀(その他), いとうみつる(その他)
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