第6話 信じた男は白か黒か 5つの殺意と動機!!
ゲスト:渡辺大、杉本有美、竹内寿、載寧龍二、大嶋航平、阿部亮平、原田大二郎
脚本:田子明弘
監督:池添博
「バカなんですよ、俺! バカだから! バカすぎるから大切な人の順番がつけられないんだよ!」
……お、おう……せやな……
◆本編前の予告っつーかあらすじ?的映像で、「完全なる事故だよ!」「俺はお前を信じるぞ、誠二!」って台詞があるのは如何なものかと思うのだがどうか。
◆「吉永さんこそ、その歳で!」
……なんか、吉永さんっていうか帝王ってさ、暑苦しいってよりは、なんつーか、こう……ねちっこそ……いや、なんでもない。
で、誠二くんは一体何歳設定なのか。菜摘ちゃんが「パパの弟みたい」って発言してるところからするに、そう若くはないのかな……と思ってたけど、つい数年前まで突っ張ってて「半グレ」集団にいたってんだから、やっぱそれなりに若い……
いやまさかの吉永さんが若い設定なのか。
でもデコとは12歳ぐらい年が離れてんだよね? で、菜摘ちゃんが今年で小学校5年生。
ってことは、少なくとももう吉永さんは40代後半ぐらいなわけでしょ? なのに菜摘ちゃんは「パパの甥っ子みたい」とかじゃなくて「弟みたい」って……
いや、ごめん。すっげーどうでもいいな。
◆回想シーンで、ちゃんと小沢さんが相棒としてスーツ着て刑事姿でいるところが。
いや、当たり前なんだろうけど。でもなんつか、こう、ねぇ?
◆うら若い女子が休日にひとりシーパラ絶叫マシンなんて、そんなん嘘に決まってんだろ小沢さん。恋人はいないにせよ、友達と行くに決まってんだろ。
要するに、「たとえひとりでもお前とはシーパラには行かない」って、暗に牽制されてんだよ。気づけ。
「絶叫してる顔なんて、知り合いに見せられませんから」に対して「そんな酷い顔なんですか!?」とか言っちゃうからダメなんだよ、小沢さんは。ついでに、鑑識なのに自分の髪の毛に気を配れない辺りが更にダメなんだと思う。理香さん、アダ名通りに真面目だからなぁ。
◆「暴走族」なんてカッコよく呼ばないで、「珍走団」って呼んで貶めようぜ! 的な、そこはかとない意図したダサさを感じる>半グレ集団
まー、そういう集団にセンスを求めるのもアレだが、「ヨコハマキルズ」って……
だからっていうわけじゃないですけど、なんか関係者もなんつーか、みんなひとり残らずアホだなーっていうか……
◆小沢さんの「手伝いましょうか?」に素早く力強く「話しかけないで!」って言ってるってことは、もう理香さんはだいぶ小沢さんのことを下に見ていると思うんですけどどうなんですかね。
◆「黒猫が道を横切ると不吉」をあそこまで大げさに守ってる人、私は初めて見たよ貴一くん。吉永さんの言う通り、「合理的かつ効率的に」はどこいった。
話の核が猫アレルギーだったので、もしかして貴一くんも猫アレルギーなのかなって思ったけど猫を飼っている家にいっても特にくしゃみとかしてなかったし、「黒猫は別なんです!」とわざわざ「黒猫」と指定していることから見るに、やっぱりジンクス的な意味合いでダメのようだ。
なんかもう6話目なのに、私は貴一くんのキャラがますますわからなくなってきたよ。
◆牧村さんの「猫騙し!」を何事もなかったかのように受け流す片山班+鑑識の皆さんは色々慣れすぎ。もっとちゃんとツッコんであげないから牧村さんが調子乗っちゃうんだよ。
◆「人を信じるのに、理屈なんかいらないだろ」
その言葉自体は別にいつもの吉永さんらしさから外れてはないけど、どう見ても誠二さんにかかる疑わしさから目をそらそうとしているところが「吉永さんらしくない」ということかね。それが「防衛機制」ってことか。
貴一くんは若いからか、いや元々の面倒くさい……いやいや、生真面目な性格から故か、非常にまっすぐ吉永さんにぶつかりますね。そこが良いところだよ。
◆「鑑。お前、『吉永病』が移ったか? 人はそう簡単には変わらねーぞ」
私は辰巳管理官のことを『“刑事の鑑”さん大好き』な人だと思ってるので、そう思うとなんかこの言葉も、それを言う時の辰巳管理官の顔も、また意味深なものに……見え……いや、うん、もうやめよう。
しかし、現状だと“刑事の鑑”さんの情報があまりに少ないので(貴一くんが反抗期みたいな反応しているお父さんで、吉永さんの尊敬できる先輩で、辰巳管理官と同期だかなんだかで同じく捜査する立場で、拳銃で撃たれて殉職したとかぐらい?)、そんな人が今の情報不足のままこのシリーズの中心に据えられて6話目まで来ちゃっているこの状態は、なんとも座りが悪いな。
なんだろう、似たようなこと(初回辺りでネタフリした過去話が最終回で解決する)は他の刑事物でもやってるんだけど、それに比べると“刑事の鑑”さんの存在がデカいのよ。で、その存在感に比べると現段階じゃあ“刑事の鑑”さんに関して情報不足だなーって思います。
一体、どんな人だったのか。“刑事の鑑”さんって、今まで写真か殉職シーンしか出てないからなぁ。
◆「そりゃあ小沢を貸すのは構いませんが。小沢じゃあ使い物にはなりませんよ」
そこで塚田主任直々に出動しようとしている辺りに、小沢さんの鑑識内での評価がわかる。
そしてそこで「ちょっと吉永さん、僕には迷惑かけてもいいっていうんですか?」とか言っちゃうからダメなんだよ。
そして理香さんが来るとなったらコロッと「僕もやります。吉永さん、やらせてください」って言っちゃうからダメなんだよ。そりゃあ理香さんも当たり障りのない程度に冷めた視線を送るわけだ。
◆渡辺大の、帝王とも張り合えるあの熱い演技はやはり『臨場』で養われたものなのかしらん。
そこに精一杯割り込もうとする貴一くんガチギレ。
……貴一くん、なんだかんだで吉永さんのこと大好きだな……
◆大好きといえば、暁さんも誠二さんが大好きで、誠二さんは「バカだから」大好きな人が決められなかった。
……そう思うと、誠二さんが優柔不断のハーレムもの主人公みたいだ。そのせいでトラブルに巻き込まれて幸せ絶頂から叩き落とされて身の破滅、ってのは古典的なぐらいミステリ的でもある。
「バカなんですよ、俺! バカだから! バカすぎるから大切な人の順番がつけられないんだよ! バカだから……!」
「美羽ちゃんより生まれてくる子どもより、暁が大切なのか」っていう吉永さんの問いかけも今回の話からズレてるし、そのせいもあってそれに対する誠二さんの答えもズレてるし、だから余計に吉永さんが誠二さんを抱きしめてるシーンに全く感情移入できないわ。ちょっと引いたところにいる貴一くんの顔が呆れ顔に見えるぐらいには感情移入できませんでした。
今回の問題点は「大切な人の順番を見誤った」とかいうことじゃなくて、「過去の腐れ縁の関係性を断ちきれなかった、何より過去を気にしていたのは自分自身だった」ことでしょう。吉永さんの言う通り、過去を知っても尚受け入れてくれる相手はたくさんいたのに。
でも何より過去の罪を気にしていたのは自分たち自身だった、だから暁さんも誠二さんもまた罪を犯しちゃったんだよねっていう。
その過去の罪から生まれた傷を舐めあってたり、そこに漬け込んでくるヤツらがいたりすることが悪いのであって、「大切な人に順番を付けられない」はまた別の話じゃね、と思うんですけどどうでしょう。
その後の「いくら過去に罪を犯していても、傍に大切な人がいるなら何度だって人生はやり直せる」こそが暁さんにも誠二さんにも必要だった言葉であって、大切な人の優先度云々は本当に全く話にそぐわないのでいらねーよなぁ、とか思うんですけども。
ついでに言うなら、いくら自分が怪我させて脊髄損傷で歩けなくなった相手だからってそいつの呼び出しに毎回毎回応じて良いようにさせているわ、昔のワル仲間の弟分の過ちを正すことなく匿い、妻も未来の子どもも顧みずに自らも罪を犯して庇ってしまうわ。
なんつーか……誠二さん、ろくでなしに共依存されまくりだな……確かに自分自身で自覚している通り、「バカだから大事なものに順番を付けられない」のかしらね。いや、これはもっと根深い別の何かだと思うけど。
なんだろう、出てくる人たちはみんな男なのに、共依存のような関係性がとてもジメジメしていて、悪い意味で女性的というか……
私は男じゃないので断言はできませんが、男性っていうのはこういう風なウェットな関係性を築いてそれを美化して「友情」とか「絆」とか「信頼」とか呼んじゃったりするようなものなんですかね?
そんな誠二さんを最後まで信じた吉永さん。相手が相手なら「最後まで、たとえ最後のひとりになっても信じる」ってのは美談になるんだろうけど、あまりに誠二さんがバカなのでどーにも……
せめて、誠二さんと新堂、誠二さんと暁さんの間にある、「共依存」としか呼べないどうしようもない関係性をちゃんと指摘して正してあげてからじゃないと、どうにも気持ち悪い。絶対また同じこと繰り返すぞ、こいつら。
最後の吉永さんと誠二さんの号泣もまた「共依存」的に見えちゃったよ。なんだコレ。
一番まともなのが、残された美羽さんってところがアレだわ。出てくる男たちがみんなウェットすぎるぐらいなんで、あれぐらいたくましい方が誠二さんには似合ってるのかもしれん。
次回!
一瞬、伊藤かずえの格好を見て、「まさか、女子高生のコスプレ……?」とか思っちゃってごめんマジごめん。
帝王と伊藤かずえの並びはどこかで見たな、と思ったら『鳩村周五郎』の再放送だった。あの時の伊藤かずえは誰得かと思うぐらいの蓮っ葉加減だったが、今回はどうなるか。
帝王が「絶対に許さない!」とかなんとか、片山班長こと眞野あずさの某シリーズの決め台詞をパクるような発言を。
別にだからってわけではないんですが、来週は楽しみです!
しかし予告では小沢さんの出番が全然なかったな。どういうことだ。