CASE.7 万引きGメンの死
ゲスト:水沢エレナ、中島ひろ子
脚本:森山あけみ
監督:上堀内佳寿也
犯人はウエダ。
全く伝える気がないから公式をちゃんと読んでほしいあらすじ
いじめも万引きもモラハラも恐喝も、全部ただの犯罪ですから!
独断による順不同見逃せナインポイント
◆1.闇の帝王・ウエダ
もうまずはこれでしょ。諸悪の根源とか言ってもまだ足りないレベル。なんだあのヒャッハーな開き直りの表情。
今回の事件、誰も救われてなさすぎて恐怖で震える。
モラハラ夫がいる月子さんが一番マシ、というのが泣ける。小宮山さんが手助けしてくれるだろうけど、あのモラハラ夫から逃れる具体的な手段は提示されないまま。まぁでも、ウエダからの被害はほぼないので相対的に一番マシなんだよなこの人。
松浦さんは自殺した妹さんの死んだ理由の真実を知らされちゃったし。妹さん死んでるし。
秋代さんは相澤さんの真意を知ったところで息子の悠馬くんがいじめの末の事故で死んだ事実は変わらないし、相澤さんの真意を知ったことで更に背負うものが増えただろうし。
そして今回の被害者の相澤さんが、一番酷いと思うんです。
だって、
・万引き犯から本屋守ろうとしたら相手は事故で死ぬ
・毎年命日に死んだ相手の家に尋ねても母親からは毎年責められる
・12年後、その相手はいじめで万引きを強要されてただけだと知る
・挙げ句、AV脅迫から女性救ったら殺される
相澤さんが何したって言うんですか……
過去の後悔から優秀な万引きGメンになるぐらいの人なのに、真っ当な善人なのに、何ひとつ悪いことしてないじゃないですか……
これがあるので、今回を素直に「面白かった」と言っていいのか非常に悩む。
もちろん、真犯人のウエダにビシッと言ってくれる特捜班で溜飲下げてくださいねの作りなのはわかるんですけど、いくらなんでも誰も救われてなさすぎて。
◆2.緩急自在な演出
演出はド素人なのでよくわかりませんが、それでも今回の画面は見てて楽しかったですよね。みんながわちゃわちゃ動いててもわかりやすくて、質感がパキパキしてて見やすかった。序盤とか特に、それぞれのコンビが仲いいのわかってよかったよねぇ。
青柳矢沢組の捜査令状コント(「ちゃんと仕事してやがるな、おい」、「はい! 捜査令状です!」とか)、新藤くんの「昭和と令和の名コンビ」や先走り憑依芸とか。
話の真相が重たい分、こういう細かい笑いどころが入ってるのはわかる、わかるんだけど……話がなぁ。重いよなぁ。暗いというか。
◆3.月子さんのモラハラ被害演技
追い詰められたときの表情も、物の言い方も、ぷつっと緊張が切れたときの吹っ切れ方も、小宮山さんに助けを求めた後の表情も、心が壊れかけてたところからの再生の物語がわかって、いいっすな。いや「いいっすな」とか表現すると軽いんだけど……
◆4.小宮山さんと早瀬川先生の女子捜査会議
そういえば、お互いに早朝かなんかに情報交換してるみたいな話もありましたなぁ。
その回限りのネタかと思ってたんだが、こうやってたまーに参考になる情報交換とかしてるとわかると、やっぱり小宮山さんと早瀬川先生はお友達なんだな……とわかってちょっとほっこりする。
◆5.村瀬さんと小宮山さん
村瀬 「そういや昔、君にはモラハラ受けてた友達がいたよな」
「まぁ、今度上司にキレそうになった時には、その前にまず、俺に言ってくれ。俺はいつだって、君の味方だから」
前も言いましたけど、私にはあんまり現状のむらこみにカップリング萌えするセンスがないです。
でも、今回の村瀬さんと小宮山さんはよかった。萌えるっていうか、ここまで15年間の重みを感じさせてよかったなぁ、って感じなんだけども。
相手の心情に寄り添おうとする余りに暴走しかける小宮山さん、そんな小宮山さんをフォローしようとカッコつけるけどカッコつけきれない村瀬さん、というバランスが、今も変わらずそれでいて絶妙なまま、今でも続いてあるんだなぁと。
最後の掃除のアレは、上司との軋轢は俺に任せろ!君は何も気にすんな!ってことでいいんだよね……?(よくわかってない)
ちなみに、小宮山さんのお友達が出てきた過去回はS5-7『聴かれた殺人』ですな。
もう10年前の話なので記憶もおぼろげなんですが、このときは小宮山さんはお友達を救えなかったんだっけか……? あれ?
前の話がどうだったかはともかく、今回はちゃんと月子さんに寄り添って、彼女の心を救い出せたんだなぁ。小宮山さんがいなかったら、事件解決はさておいてもひとりの心がぶっ壊れてたかもしれないんだ。
地味に好きなのが、月子さんの取り調べに同席しないけどずっと見守ってた村瀬さん。月子さんのことも小宮山さんのことも考えてる、これもひとつのソーシャルディスタンス。
◆6.小宮山「捜査しないんだったらせめて、邪魔だけはしないでください!」
そうやって啖呵切れる小宮山さんが、私は好きだ。
次回は青ちゃんが国木田班長におこになるわけですが、こうやって班員と対立していくことで、過去に何かがあって冷めてしまった元熱血上司・国木田班長の心が氷解していく……とかいう流れだったら、私はとても嬉しい。そうなってくれたらめっちゃ嬉しい。だって今回のこのセリフにも、思うところあったみたいだし。
◆7.難読漢字読めるかな
女部田で「ウエダ」。
私は母に「地名と人の名前は読めなくても恥にならん」と教えられて育ったので、今回のウエダは読めなくても全く気にしません。これはゆとりじゃなくても読めない。
◆8.キレる青ちゃん
でも、もう机をひっくり返してくれなくなってしまった……
このご時世だから余計にかな。こんなウエダみたいなクズは机ひっくり返してバーンしてどーんしてくれてもよくってよ青ちゃん!
◆9.浅輪「覚悟しとけよ」
取調室に集まったメンバーの皆さんの、義憤を抑えながらも冷静にウエダを追い詰めるプロっぷりがすげぇ好きなんですけど、浅輪さんの声が終始冷めてるのがゾクゾクしましたね。別にそんな趣味はないんだけどな……
簡単雑感
いやもう、最後に浅輪さんが綺麗にまとめてくれてるところ悪いんですけど、ホント今回の話で誰も救われてなさすぎて……その筆頭が被害者の相澤さんなので、飯倉さんが真相を知ったところで何かこう……「時既にお寿司」っていうか。うわぁあああああ。なんでこんな闇のごった煮みたいな話になったんですか……
話はテンポよく進んで面白かったし、小ネタなんかで楽しかったところもあるだけに、話が重すぎて「面白かった」って素直に言っていいのかわからん。
そりゃ視聴者みんな、むらこみではしゃいで現実逃避するよなみたいなダークっぷりだった。そりゃ殺人事件なんだし、救われる人が出ない話だってあるんだろうけど、こんな全方位が不幸になる話じゃなくてもいいじゃないか……
次回予告とか。
次回は密室殺人。『一課長』とは違って、ちゃんとトリックやってくれるんだろうかw
そして次回は青ちゃんが班長におこ。まさか、こうやって班員全員が一度は国木田班長と対立するとかいう流れじゃあるまいな……?
国木田班長、ただ単に上からの圧力に流されてるとかじゃない……と思いたい。或いは、そうなっちゃった原因は間違いなくなんかある、と思うんだけど。それはなんなんだべかな。気になるね。
マジで今期主題歌はいつ発売なんだべ!?
¥550 (中古品)