『相棒』最終回見たんですけどね。あ、あと『裏相棒2』。関係ないけど『裏相棒』、週1、1話ずつ配信なのか。一気に配信開始かと思って勘違いしてた。
まぁそれはともかく『相棒』最終回、もとい新相棒お披露目回。以下、ややネガティブな感想。
うわぁ。
見終わった後、リアルにこう言っちゃったよ。
「後味悪いのが『相棒』の良さ」っていうのがもっぱらの評判ですが、いやそれは違うだろう、と思うわけ。にわかファンですけど。
言わせてもらうなら、完成度が高いドラマという下地があってこそどうしようもない、やるせない後味の悪さが活きることこそが『相棒』の持ち味なのであって、決して『後味の悪さ』自体が独立した魅力ではないと思うの。
で、今回の話は新相棒とか最終回とか抜きに単純に完成度が低いと思う。1時間の内容を2時間に薄めてみました、という感じ。
事業に失敗してばかりで親に甘え続けるダメ息子、そんな息子を助けようと病死に見せかけ無理心中を企てる両親、そこを見てしまった“映像を一瞬で記憶しそれを細密画として正確に再現する”知的障害者、そんな彼を、巡り巡った偶然に乗せられ見捨ててしまう姉。
そんな真実を暴き出しても誰も救われないのに暴いてしまう“暴走する正義”杉下 右京、そんな彼に元へ調査という名の特命を帯びて配属される新相棒・神戸 尊。
書く要素が分散しすぎて、ひとつひとつが薄味になってしまったような感じ。なんだろうなぁ、話として繋がってるし、最後のきいちゃんが死んだくだりの後味の悪さが、好きだという人がいるのも理解できる。でも私はダメだ。受け付けない。単純に私が後味悪い話が好きじゃないというのもあるけど、話として繋がっているのに、無性に感じる『話の噛み合わなさ』がイヤだ。
うまくいえないけど、今回の話を個人的に総括すると、全てにおいて『微妙』、『ちぐはぐ』。ただただそれだけ。
何だろう、うまく言語化できてない。あー、ダメだ。
で、新たな相棒・神戸 尊。
まずそのキャラは成功だと思う。薫ちゃん2号を置かれても困るので、割と反対のエリートタイプを配置したこと、“正義の暴走”を一般市民にまで向けちゃった右京さんに対して皮肉は言うけどあえて肯定も否定もしない、っていうのが新鮮。
後半、薫ちゃんはただのイエスマン化してたってのがデカいからかなぁ……(個人的に、そういうのも嫌いじゃないので、否定はしたくないですが)
もし仮に今回の話に薫ちゃんがいたら、右京さんと対立したと思う(でもいつも通り、右京の正義に圧倒されてイエスマン化しちゃって終わりだとも思う、悲しいけど)。
そんなこんなで年季の入った偏屈vs.未熟な皮肉屋の言葉の応酬は、割と面白かったです。後半、早速空気になってしまっているのが残念でしたが。
で。問題の「君は亀山くんの代わりになれませんよ」だけど、そのまま受け取ればいいと思う。右京さんは皮肉も言うけど、ああいう場面では皮肉より、ガチストレートにモノをいう人間だと思っているので。
なので、「右京の相棒は亀山でしかありえない」というより、「亀山 薫には亀山 薫の、神戸 尊には神戸 尊の役割がある」という意味だと思います。個人的に、ですけど。
なので一部で言われているような「やっぱ右京さんの相棒は薫ちゃんしかありえない!」とか何とかそういうのは、肯定したいのはやまやまなんですけどやっぱこう、違うなと。
で、製作側の意図としては、この台詞を右京さんに言わせることによって亀山 薫というキャラクター、そして過去と決別するつもりなんだと思う。マンネリ脱却とか色々な要因はあるにせよ、こうハッキリ言われると寂しいな。
つまり、シーズン8からは今までのシリーズと世界観は同じだけど別物のリニューアル版。亀山や、それ絡みの登場人物は出ないってことだ。というか、むしろ出さないでほしい。亀山の影を消すなら消すで徹底しろよ! と思う。
しかし神戸の報告書代わりの日記?に『亀山巡査部長と会ってみたい』(意訳)とか書かせている辺り、まだ亀山ファンとかを釣る気満々で萎える。多分、フラグを立てるだけ立てても実現はしないと思うので、決別するならキッパリしてくらはい。そしたら別物と割り切って楽しみます。
ぶっちゃけ及川の演技はどーよ? という感じですけど、まぁ見るに耐えないレベルじゃないのでそこだけは見直しました。でも周りがうまい人ばっかりだから、浮いてるのは間違いないんですけどね。
他に色々気になった点を箇条書き。
・ダメ息子福助くんがもう本当に残念すぎて。
その疫病神っぷりと甘ったれっぷりは本物。しかも自覚がないからタチが悪い。
コイツが余計なことを言わなければ、なおちゃんは“未必の故意”つまり殺意を抱くことはなかった。
そして、猿でも3回も失敗すれば学習するのに、5回も事業に失敗してまた親に頼るってただのアホだろう。でも、もし仮に保険金詐欺が見逃されて3億手に入っていても、また事業失敗→エンドレスだと思うので、本人としてはこれがまだマシな道だったんだろうな。
……いい大人の甘えを直す代償が、母親の死+父親が殺人犯になることって、やっぱりどうしようもないなぁ。今回右京さんが暴いたやるせない真実の中で、唯一の救いはコイツにかかっている気がする。コイツがまたヘタれたら、今度こそもう救いが無くなっちゃうよなぁ。
・捜査一課トリオを無駄に出さなくてもよかった気がする。それこそ冒頭の米沢さん・角田課長レベルでよかったと思う。わざわざ旅館に来なくとも。おかげで背景になってたし。
それでも及川よりよっぽど演技が上手いのはさすがだけんども。
・『殺人晩餐会』でギャルソンをやってらっしゃったおじいさん、こんなところに転職なさってたんですか(中の人繋がりのネタ)。
それはともかく、あの健診は何だ、笑いどころか? さすがにアレは笑えない、というかご都合主義すぎて。藪医者ってレベルじゃねーぞ!
・死の間際、動物しか描かないはずのきいちゃんが書いた絵について、2ちゃんの本スレで
「死の間際、姉が『人間』ではなく『けもの』に見えたのではないか」
というレスがあり、背筋が凍りました。
でも、そこらへんで既に飽きていて、よく絵まで見ていませんでした。もう1回見たい……評判では、ものすごく怖い絵らしいですけどね。
・田舎の村に聖書を売りつけに来るヤツがおるか
そんなこんなで田舎の駐在さんにまで知れ渡る、警視庁の陸の孤島・特命係。
その有用性を見極めるために、半年という期限を設けて神戸は左遷という名の潜入調査をすることになるワケですが。
すっげぇ左遷くせぇ。本気で左遷されたんじゃないのか。これ、体のいい厄介払いじゃないのか。違うの?
そんなこんなで、シーズン8の季節になったらどうしよう。また見るのかなぁ。
『裏相棒2』の感想はまとめて書こうと思う。しかし第1話、面白かったとだけ言っておく。