シーズン6はまだ借りていないので(新・Wの悲喜劇と裏相棒除く)、こんな不規則な感想に。
やたら間が空きましたが、シーズン5の感想編。ネタバレあり。
【season 5】
『杉下右京 最初の事件』
うわぁ、えげつねぇ。
シーズン7最終回を見ていて、浮かんだのはこれ。こっちの方がまだ、幾分か救いはあるけどな。
しかし輿水さんが右京さんを書くと、正義の人というか好奇心旺盛・変人全開名探偵にしか見えないから困る。いや、ちゃんと『融通の利かない、危うい正義感の持ち主』っていうのはあるんだけど、それより探偵役としてありがちなテンプレが前面に出てきてしまう感じ。
右京さんが調べたせいでおばあちゃんが殺されたとかそんなことを言うつもりはないし、真実を白日の下に晒すことで犯人は救われたんだろうけど、それでも支払った代償はデカいよなぁ……
『スイートホーム』
美和子が縛られてるところと薫ちゃんのはだけた胸元がエロかったことが印象的でした。
というか、それ以外は別に……わざわざ強盗みたいな真似しなくとも、留守中狙えばよかったんじゃね、とかツッコミ所いっぱいでした。とにかく砂羽ちゃんの縛られた姿とあえぎ声(違)、エロすぎるだろ……
1番の笑いどころ・トリオの『幽霊屋敷買っちゃったー』の歌は、ちゃんと私の携帯電話に着うたとして保存されております。というか公式サイトで配信中とかどんだけだ、テレ朝。
『犯人はスズキ』
「マジカル☆マジョリカ☆マジョリータ!」
美和子の変身シーン(違)にドン退きする薫ちゃんに全力で同意したい。
『マジカルリリィ』、アレは昭和のアニメの絵柄には見えないんだけど。大きなお友達向けだよね、アレ。
ネタは、カンのいい人、或いはある程度ミステリ好きな人なら中盤辺りでわかってしまうかも。でもこういう強引なネタ、嫌いじゃないぜ。
しかし「あの子があんなに可愛いからいけないんだ!」とかいう腐れロリコンは死んどいて正解じゃね。
『せんみつ』
めっちゃノリノリで捜査をする右京さん。所轄の人、軽く退いてますよ。
三浦さんがこんなにしゃべってるの、初めて見た。なんだかんだでこの人も(特命にとって都合の)いい人化してしまうキッカケになってますね。
あの機関銃のような嘘を平然と吐く槇原も天才だけど、それを見破る右京さんも天才だと思う。
槇原の嘘に切り返した右京さんが綺麗にオチをつけてくれたおかげか、『相棒』にしては珍しくハッピーエンドで終わりましたね。三浦さんが笑顔で終わってよかった。
『悪魔への復讐殺人』
安斉が死ぬ間際、笑ったのは何故だろう。あれは殺人鬼の笑みに見えたんだけど……
テーマは『精神鑑定』とのことで、全体的に重苦しい雰囲気でしたね。結局、現在の精神鑑定には限界がある。しかしどうすればいいのか、はっきりとした答えがあるわけでもないから余計に雰囲気が重くなる。
唯一の笑いどころは理不尽な目にあった課長でしょうか。それぐらいの重たく、制度の不条理や矛盾を問いかける相変わらずの櫻井脚本で胃にもたれかけました。ご馳走様です。
『ツキナシ』
川崎摩世がナルシストの女たらしの覗き魔、か……
リアル嫁にドツかれそうな雰囲気でリアリティ溢れる演技を見せてくれたわけですが、まさしく「罪状はブランドなんかじゃない」ワケで。しっかしやることなすこと、ちっさいプライドのカタマリみたいな男ですね、この北ノ口って作家は。何このリアリティ溢れるだめんず臭。さすがにここまでしなくとも、規模を小さくしたようなダメ男は世の中にいくらでもいる気がする。
殺人事件の割に真犯人の影が薄すぎる事件でした。まぁ、そっちメインじゃないしねぇ。
『剣聖』
伊丹祭の回。
・剣道で薫ちゃんを圧倒
・憧れの剣聖の死に呆然
・右京さんが「興味本位で来た」といえばキレる
・被害者の友人である剣道家が真剣勝負の末殺してしまった、と自首するが、納得がいかず花の里へ向かい独り言で特命係に捜査を依頼。
・熱燗ひとつに支払いは万札。「釣りはいい」→たまきさん「変わった人ですねぇ」(万札を見せながら)
・事件解決後、無言で特命にメロンを置いて出ていく。「これで貸し借りはなしだ」
「ぼくを殺してください」あああああやめろぉぉぉぉぉぉ
しかしこの事件、ルミノール反応を丹念に調べれば、割と楽に真相がわかったような気もする。
『赤いリボンと刑事』
この話、元のタイトルは『我が人生最良の一日』(だったかな)らしい。
もう全編通して悲しい。できれば高岡刑事は天国に、犯人は地獄に行っててほしい。そうすりゃ鉢合わせしないだろうし。
しかし言っちゃあなんだけど、救いようのない事実に対して“優しい嘘”を吐いちゃった薫ちゃん、それをフォローしてしまい加担した形になった右京さん。果たしてそれは正解だったのか否か……
『殺人ワインセラー』
犯人は冬彦。いや違った、佐野史郎。相変わらずの気の狂いっぷり、もとい怪演でもうそれだけでおなかいっぱいです。というか、今回の感想云々は全てそこに集約されるので、見たい人は見ちゃってください。ああもうこれ感想じゃねぇな。元からだけど。
『名探偵登場』
街の女の子たちのビスケット的、もといマスコット的存在であり顔も広く、人望も厚く難しい依頼を1週間弱でこなしちゃう名探偵・マーロウ八木(高橋克実)のための回。何というかもうそのキャラが濃ゆい。
事件そのものより、小ネタを楽しむべき回ですかね。
薫ちゃんの「チルチルミチルかよ」→右京さん「ヘンゼルとグレーテルです」とか
口元がHないい女から依頼を受けて「依頼料は別途、ベッドじゃないよ」とかセクハラ発言かましたり
どう見てもテンプレマフィアな凸凹コンビから襲撃受けて、「何かハードボイルドですね」とか喜んで、美和子に頭の心配をされたり
米沢さんは逃げた女房の捜索依頼を決意するしで。キャラクターが輝いておりました。
『バベルの塔 ~史上最悪のカウントダウン!~』
正月SPということで、出せるキャラ全部出しとけ! ってな感じのお祭回の印象。爆発・空撮・狙撃(?)とどんちゃん騒ぎで、『相棒』というよりは『踊る~』に近い印象。主に活躍するのは特命係、というよりゲストの皆さんでしたし。
しかし、右京さんと薫ちゃんは正月をそれぞれのパートナーとゆっくり過ごすはずが、小野田のせいでテロ(じゃないんだけど)に巻き込まれるわ、捜一トリオは都内車で走り回った挙句爆発に巻き込まれそうになるけど無事で娘さんを両親に送り届けていい所掻っ攫うわ、大河内さんはラムネ切れでテンパってツンデレモード発現しちゃうわ、課長は大学生に司法取引すれすれのことを持ちかけていつになく忙しいわ、米沢さんはやっぱり右京さんに無理難題言われてそれを難なくこなすチートっぷりだわでこんな正月、イヤだなぁってのを見事に表現していてすごかったです(違)。
お父さんが銃で撃たれたベタすぎるくだりとか、はるかちゃんのくだりでは、不覚にも涙が……子どもネタや家族話には弱いんだ。で、『相棒』にしては珍しく(?)、死者がひとり出ない&ハッピーエンドなワケで、まぁお正月らしくていいのでは。というかお正月SPの中では、何だかんだでこれが1番好きです。
今回の名言は2つ。
亀山「そんなこと、妹さんは喜ばない!」→五十嵐「私が喜ぶの!」 お約束を崩す衝撃的な発言。
伊丹「事件おきろ事件おきろ、事件おきろー!」 捜一トリオの中で唯一、一人正月なのを受けての発言。7-12でも呪いの言葉が叶っているので、伊丹は呪術師になれるんでなかろうか。
『狼の行方』
狼少年たちが、本当に狼に会っちゃったというお話。ガキどもが本当に生意気で憎たらしくて。しかしそんなガキどもとちゃんと意思疎通が図れる薫ちゃんは、将来きっと立派な父親になれるよ。伊丹と違って。伊丹、ナメられるわコケにされるわで今回、本当にいいところないしな。
しかしストーカーの人が可哀想で可哀想で。ガキどもの洒落にならない嘘のせいで自らの度が超えたストーカー遍歴(これは自業自得)が会社にバレて社会的信用が一気に崩れ、絶望のままガキどもを巻き添えに死のうとすれば失敗、捕まる。可哀想なんだけどバカだなぁ、コイツ。
気になったのは、最後が何であんなにブツ切れなん?
『Wの喜悲劇』
『相棒』史上、いや、刑事ドラマ史上最大の問題作と言っても過言ではない。
便所死と美和子スペシャル。これに尽きる。
思わず写メってしまいました。これが『美和子スペシャル』だ!
クリックすると別窓で拡大。しかしこの料理のインパクトは異常。
わかる限りで材料を調べてみた(一部、この動画を参考にしました→【ニコニコ動画】『相棒』マニアが食べてみたいアレを作ってみた)。
・美和子スペシャル
大根・にんじん・カリフラワー・うずらの卵・厚揚げ・カブ・おくら・タコの足
クミン・フォアブルローゼ
あの不気味な色の汁は、どうやら赤カブを煮込んだりビーツの汁に牛乳を加えたりしてできたモノらしい。
美和子スペシャル5
上記の材料をベースに、いくつかの材料がシャッフルされている模様。
ラム肉・パプリカ・鶏肉
オールスパイス・クローブ・シナモンステッキ
これにナンプラーとこしょうを入れると美味しくなるらしい。本当かよ。
それを食べたせいか、右京さんは勝手に荷物漁ったり寝室見たりパラパラ漫画作ったり。『美和子スペシャル』大絶賛の課長は何故か課も違うのにやる気マンマンに犯人を追い詰めてみたり。
『美和子スペシャル』恐るべし。結局伊丹、食べなかったしね。
『貢ぐ女』
「お金であげられるものはもうない。あげられるのは、もう私の人生だけ」
「ありがとう」
うわぁ。何この見事なまでのだめんずうぉーかー。見てて悲しくなってくるからやめろ。
男性には理解できない範疇なんじゃなかろうか。
ある意味で共依存なのかもわからんね。「あの人には私がいなければダメなんだ」っていう。
『裏切者』
シーズン5の最高傑作きたぁぁぁぁぁぁ
捜査費流用という難しい問題をさらりとわかりやすく、かつしっかりと書き上げる櫻井さんすごいよ櫻井さん。
それだけじゃなく、各登場人物がしっかり描かれているのもすごい。
今回の主役・亀山薫の演技の凄まじさったら。クライマックスの男泣きのシーンは、『相棒』という作品の中でも1、2を争う名シーンなんじゃないかと思ってます。
他にも、美和子さんは夫を気遣い、いつも以上に頑張ってるし、課長は最初に登場した改造銃マニアを取調べしていて全く暇じゃないし、小野田vs.右京さんは相変わらず大人の静かな対決で痺れるわ、ラムネはやっぱりちょっと損な役回りだったりわで。
……捜査一課? 何それ、空気? な回でもありましたが。
薫ちゃんの涙の説得と右京さんの驚異的ブラフのおかげで事件は解決したわけで、こういう風に右京さんだけでなく、薫ちゃんの人格がカギになる話は大好きです(私が薫ちゃんファンだから、というのもあるけど、やっぱりこういうところが『相棒』の魅力のひとつだから)。
最後、小野田の「特命係は亀山君によって動いている」という台詞……まさか2年後、公式によって否定されるとは思わなかったけどな。
『イエスタデイ』
「月曜の次は火曜なんだよ!」
そんなことを力説する伊丹さんに取り調べされている狭間君は記憶喪失。そのぽっかりと空いた穴、失われた昨日の記憶が今回の事件のカギ。
しかし右京さん、鼻が利くなぁ。コーンポタージュの匂いって。そこは是非、薫ちゃんの役目であってほしかったなと思う私は薫ちゃん贔屓ですねそうですね。
左利きの人物に気づかなかった私はきっとアホ。いやでも普通覚えてないよね? と言い訳したくなったけどやっぱり私がアホなんだろうな。わかってるよ。
ラストはラブラブハッピーエンドで何よりなんですが、ご飯は『花の里』で食べてあげればいいじゃないの……
『女王の宮殿』
伊丹「おかけになった電話は、現在電波の届かないところにあるか、電源が入っていないため、かかりません」
亀山「そんなダミ声のアナウンスがあるか!」
そんな伊丹の、邪悪(by芹沢)というか子どもっぽい企みにより森のお友達となった特命係がたどり着いたのは、ファッションブランドをまとめる女王が作ったまさに宮殿。
総勢24人が集まっているのに、人目見ただけで覚えちゃう右京さんすげぇ。視聴者は完全に混乱してました(それが狙いなんだけど)。
でも薫ちゃんの「あの発言」はお手柄、ではないわなぁ……戸田山脚本で目立つことの少ない薫ちゃんを何とか活躍させたいのはわかるが、これはちょっと。
『相棒』としては珍しく、死者は出ない話。まぁ、未遂はありましたが。でも、女王としての誇りを捨てられず悪人になれなかったモナミさんのおかげで助かりましたが。
ペットのハムスター(名前失念)もギリギリで助かったし、最後は「父に似ている」右京さんに華麗にエスコートされながらの優雅な退場。いやぁ、お洒落な話で、結構好きです、これ。
『殺人の資格』
伊丹が「亀山センパーイ」と絡んだのは何でだ。せっかくの正論が台無しですよ! まぁ、そこが伊丹が伊丹たる所以ですが。
前半、右京さんが振り回されっぱなしでなんだかなーと思ったけど、ラストの語り合いがなかなか緊張感あってよかったです。このラストシーンを書きたいがための話だったんだろうが、でもやっぱりもうちょっと前半の事件部分がどうにかならなかったのかなと。
でも、同じ戸田山脚本で似たようなテーマの劇場版より、こっちの方が好きですけどね。振り回され方も、劇場版の方がひどいし。
『殺人シネマ』
犯人の動機に最後まで共感できず、置いていかれてしまいました。ここをもうちょっと丁寧に掘り下げて書いてくれればよかったのに、と思いました。
その代わり、岩下脚本らしく小ネタは満載でしたが。
・たまきさんと映画デートする右京さん(本人は強く否定)
・それを冷やかす薫ちゃんと課長
・一方、本気で羨ましそうな米沢さん
・島加代子のファンだった内村刑事部長「虹が出てるな……」
中園参事官「は、はぁ……」
ノスタルジーでキャラ崩壊
・犯人に目星つけてた理由が制服のノリのきき具合
シーズン4の『監禁』で監禁場所見つけた時並の超推理と観察眼だなぁ。
・最後、主要キャスト4人の名前が毛筆風フォントに
どうせならキャスト全員分やったらいいのに。大変そうだけど。
『サザンカの咲く頃』
・世界最強の軍事衛星……だと……!?
かつてないスケールの話すぎて、途中からついていけなくなりました。
まぁ、ある意味話のメインはそこじゃないところにあるので、いいんですけど。
国があるから人があるのではない。人があるから国があるのだ。
この話を見ていて、そんな言葉を思い出しました。
中身がない器は、ただの空虚ですからね。ただ、器がなければ中身は零れてしまうので、難しい問題なのですが。
サブタイの『サザンカ』の意味が深い。
暗号のパスワード【sasanqua】
花言葉「困難に打ち勝つ直向さ」・「理性と謙虚」
手紙が読み上げられるラストのカッコよさは異常
・薫ちゃんは右京さんに何か奢ってもらうべき
1回目・発信機を持ってワザと公安に拉致られ、敵のアジトへごあんなーい
薬かいじゃダメよ
2回目・外部通謀の職務規定違反(=美和子さんに情報を流す)を犯させ、ワザと懲戒免職。
→地方公務員不服申し立て制度による公開審査を請求、事件を公開させる
ノンキャリの薫ちゃんにしかできないギリギリの綱渡りではありますがね
・小野田が大物になりすぎです
国を守ろうという気持ちが暴走しておきた事件をも、自らのために利用してしまう小野田の腹黒さに適うヤツなんているのかよ。
今回の主役は間違いなく小野田。
・この話のBGMのカッコよさは異常
下手すれば厨二病みたいなこのストーリーにはよくあってる
その他、序盤のアクションシーンで薫ちゃんがカッコよすぎて噴いたり、公安に狙われる危険があった美和子さん、たまきさんの護衛に当たった伊丹さんが「襲ったりしませんよ」とああ、だからモテないんだとわかるデリカシーのない発言をしたりと色々見所がありましたが、キリがないのでこの辺で。
最後にひとつ。
内村「官房長はお気づきになったそうだ。亀山さえいなければ、特命係は死に体だと」
シーズン7を見る前→「そうですよね! いくら空気とか言われても、薫ちゃんがいなきゃ特命係じゃないよね! だから相棒なんだよね!」
シーズン7を見た後→「内村部長はああ言ってたけど、どうやら右京さんは気にしていないみたいですよ。すごく悪い意味で」 「そうでもないみたいですよ」
公式……
長くなりましたが感想終わり。
シーズン6はまだ、全く見ていないのです。お金が……(´・ω・`)