【科捜研の女 season23】第5話 感想

科捜研の女
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第5話 マリコvs殺人の記憶を喪失した男! 科学で植物に【事情聴取】!?

ゲスト:小松和重、朝夏まなと、小越勇輝、小南光司

脚本:櫻井武晴
監督:宗野賢一

 キタカミの里をクリアしたり、友達と会ったりしてたので、既に有意義な三連休ではあるのですが、更に有意義なものにするため、頑張って三連休2日目の夜にこれを書いています(でも更新は三連休最終日になだれ込んだ)。

 今回。あまり褒めてない、むしろずっとテンション低め。意識がキタカミの里いってるかもしれない。オーガポンちゃんとスグリくんが悪い。かわいすぎる。

あらすじ

血の付いたナイフを持った男が警察に出頭!同時に植物園で若い男性の刺殺体が見つかった。鑑定の結果、容疑者は犯行時の記憶を喪失していることが判明。監視カメラが意図的に切られていた実験植物園と、大学准教授の女性に疑惑が集まる中、謎の心理カウンセラーが出現!驚愕の方法で容疑者の記憶を探ると言いだし…!?
一方、マリコたちは、植物たちにとある鑑定を行って、その【声】を聞く事に…!?植物が告げた、衝撃真相とは?

見どころ

◆しれっと復帰してた蒲原刑事のミス

 やっぱり公式でも「しれっと復帰してた」扱いなのね、蒲原刑事。そうよね。前回、誰も触れてなかったもんね。そのままにしておくわけがなかった。愛情。
 朝っぱらから騒がしい亜美ちゃん曰く、蒲原刑事、イギリスのお土産を買ってこなかったらしい。
 ……マリコさんだって、(関空でだったりだけど)(変なセンスだったりするけど)お土産買ってくるのに……?
 マリコさんでさえ持ち合わせている社会性が蒲原刑事にないの笑う。マトモで真面目なフリしてるけど、意外と蒲原刑事もこういうところある。
 イギリスなんて洒落た小物や紅茶なんてお土産向きのものいくらでもありそうだし、そういうところに気が利かないから篠宮刑事に馬鹿にされるのでは? 大丈夫か蒲原、お前この修羅の都で生きていけるか?
 と、私は100%亜美ちゃん派なのでこの場では亜美ちゃんを擁護しますが、「旅行行ったからお土産買ってこい」は悪しき慣習、滅びてしまえとすら思ってるので、現実でこんなこと言ってるヤツは後ろから引っ叩きますからね。いくら亜美ちゃんフェイスでも、現実では言っていいことと悪いことがある。
 このシーン、1番のツボは君嶋さんの「嘘だろ」。すげー真面目なトーンで何言ってんだアンタ。お土産楽しみだった派かいな!

◆マリコ「犯人が自首した途端、ご遺体が見つかった……?」

 確かに今回はそれで間違ってなかった(犯人ではないけど)し、「血のついたナイフ」と「刺されたご遺体」で共通項はあるんだけど、でもこの時点では2つの出来事に繋がりは明らかじゃないんだから、この台詞はただの先入観であり、マリコさんにこんなこと言わせないでほしいな……が本音。
 「先入観は事件捜査にも科学捜査にも敵」という話を1番たくさん書いてる脚本家が言わせていい台詞じゃねーだろ、とは思う。マリコさんが間違うことで何かを問う話であるなら話は別だけど、別に今回はそういう回じゃないわけだし。
 こういうことを信頼してる脚本家がやるの、結構つらい。今回、やっぱり要素つめつめすぎで荒削りじゃなかった?

◆亜美「じゃあ、なんで買ってきてくれなかったの?」

 まだ言ってる。そんなにイギリスのお土産欲しかったの、亜美ちゃん……
 実際、お土産ってセンス問われるから難しいよな。蒲原刑事、そういうセンスなさそうだし、たぶん買ってきても亜美ちゃんはブーイングしてた気がしなくもない。というか、たぶんおそらく絶対間違いない。

◆蒲原「佐向のあの……ポリグラフの結果は?」

 そんな蒲原刑事、視聴者へのアピールはセンスある。あざとかわいい枠を狙いに来てる、この台詞の時のポージング。
 でもダメです。あざとかわいい枠は亜美ちゃんで埋まってます!(何を言ってるんだ)

◆土橋「こんなに苦しいなら、死んだ方がマシです……」

 お め で と う

 今回のカウンセラー・井手さんは当たり(?)でよかったね。少なくとも、死に誘導するようなことはしてないからね。結果としては事件捜査を撹乱してしまったが、カウンセラーとしては真っ当な人だったからね。
 私はS19の越田先生の再登場、5%くらいはあるかな……ってまだ諦めてないんで。でも5%しか信じてないんだけど。

◆女性カウンセラー「本来、ご本人様にお会いしないと、ちゃんとしたお話はできないんですが……」

 話がわかってみれば、安易に規則を破ってしまったこのカウンセラーにも土橋さんの暴走の責任の一端はあったという話。もちろんその背景には、両親の息子への愛情がある。地獄への道は善意で舗装されている。愛とか思いやりとか気遣いとか優しさとか感謝とかお礼とか心づくしとかも数が集まれば(本人が耐えられなくなってしまえば)ただの残酷な暴力になる。そんな安心院さんが好みそうな展開ではある。或いは今流行りなら呪いの王の宿儺がゲラゲラ笑ってくれそうな話ではある。
 が、こんな形で描かなくても……みたいな気はする。井手さんといいこの女性カウンセラーといい、こんな空回る形でばっかり心理カウンセリングを描かなくても……みたいな。今回、たまたま割りを食っただけだと信じたい。
 でも『科捜研』というか刑事・事件モノドラマで描かれる心理カウンセリングって、なんかあまりいい印象はないんだよなぁ。なんでじゃろな。

◆土門「わかりました。令状は明日までに用意します」

 マリコさんの望むもの、必要なものをさっと用意できる土門さんはイケメン彼氏と言って差し支えないのでは? いや、差し支えありまくるな。ごめん、土門さん。

土門 「だが、犯人と目撃者では、殺しの見た目が違う」
   「やってみてくれ。捜査の糸口が欲しい」

 今回の土門さんは、強キャラ感があった。いや、設定としては土門さんは元から強キャラ、すなわち「プロの刑事さん」なんだけど、たまに「プロの刑事さん……?」みたいな存在感になってる回があるので。どの回とはあえて言いませんけど。
 しかし今回は、台詞や描写の端々から「プロの刑事さんだ!」みたいな強キャラ感があったのでよかったなぁという話です。
 すなわち、簡単に言うと「土門さんカッコよかった」ってことですね。じゃあ最初からそう書けよと。そうですね。

◆蒲原刑事を刺してみ隊

 模擬とはいえ、土門さん、いや内藤さんが人を刺しているところを見られて、私は満足です。私は悪役の内藤さんも好きです。
 蒲原刑事も模擬ナイフで刺されたことで、厄払いできたんじゃないですかね。適当なこと言っとくけど。こういう創作物では銃よりナイフの方が強いからな。権藤さんも、銃ではなくナイフでやられたからな……
 そして蒲原刑事が模擬とはいえ刺されたことで、興奮してるファンも多いって噂ですよ。ガチで殺されるのは嫌だが演技でならOK、って面白いな。ファン心理は不思議だ。
 実験中、明らかに佐向さんの様子はおかしかったけど、いくら容疑者だからってあんな状態の人に実験させるのはかなりの鬼畜なのでは……人権意識強い弁護士とかついてたら、絶対訴えられそうなアレじゃないこれ? カウンセラーも井手さんじゃなかったら絶対訴えられそうなアレじゃない? 優勝じゃないです。

◆今回の土門さんは強キャラ

土門 「被疑者が、催眠療法を受けるかどうかは自由です。ならば、警察の中でやってもらうべきです。たとえ証拠能力がなくても、捜査の糸口が必要です」

 催眠で得た証言に証拠能力ねーよバーカ!(とは言ってない)な藤倉刑事部長を、なんとか説得する土門さん。今回は土門さんの勝ち。
 結局ホントに糸口にしかなってないのはさすがだけど、実際に科学捜査したのも最近ようやく明らかになった「植物の悲鳴」なので、それは……証拠になり得るのか心配。
 今回、ドローンや最新科学鑑定使いまくりの初回より、よっぽどSFじみてたと思う。そう思うのは、私が無知で古い人間だからなんだろうか……

◆佐向さんは催眠適性があるらしい

 私も催眠適性あるといいな。あったら楽しそうじゃないすか? そんなことはない?
 佐向さん、眼球の動きとか催眠療法中の演技がすごかったな。役者さんはすごい。

◆マリコさんは研究クラッシャー

矢部 「こんなこと、前代未聞だ……これで全部パーだ。3ヶ月かけた実験が全部……」

 しかもこれに留まらず、クライマックスはアレだもんな。さすがに同情しか無い。仕方ないのかも知れないけど。でも同情しか無い。
 マリコさんは研究クラッシャー。マリコさんに捜査令状を持たせるって、「鬼に金棒」みたいな感じだよな。
 別にマリコさんに罪悪感を抱けとは言わないので、なんかこう……なんかあるじゃろ。なんかもうちょっと、研究室の人たちに同情しないで済む話運びが。今回、研究室の人たちは事件には殆ど関係なかったんだしさぁ。さすがに可哀想だよ。

◆日常茶飯事に告白

 鬱陶しいだろうな。日常茶飯事になると。羨ましくはならない。大変そうだよ。
 同じく日常茶飯事に告白されてそうでされてなさそうな若手イケメン蒲原刑事が呆れてたの、なんか面白いな。蒲原刑事って遠くから見てる分にはそりゃイケメンなんだろうが、近くになるとそれこそ「お土産買ってこない」とかそういうところが目について、意外とモテないタイプなんじゃないだろうか……と私は思ってるんだが、皆さんはどう思いますか?

◆宇佐見「植物の悲鳴なら聞けるかもしれません」

 この台詞からの流れの意味を的確に拾えてるのがマリコさんと君嶋さん。拾えてないのは日野所長と亜美ちゃん。実にわかりやすい分け方だ。マリコさん側と、そうじゃない側。常人の壁がそこにはある。超えなくていい壁だな……
 ということで、今回のメインイベントは「植物の悲鳴を聞く」。植物が切られると超音波を出すという話は他で聞いたことあったけど、こんな感じなんですね。
 単刀直入に言えば、これこそ証拠採用されるのだろうか……という感じがする。まだまだ研究段階の話だろうし。実際にゲソ痕とか血液とか皮膚片とかは他にあるから、公判を維持するにはそれでいいでしょ、ということなんだろうか。メインイベントだけど、他の細々したものが物証だから問題ないよということなのかな。だとしたら、なんか肩透かし感があるな……仕方ないのかもしれないけど。
 今回は宇佐見さんがいなかったら詰みだった回。君嶋さんブーストもそこまでなかったしな。

◆マリコ「令状はあります」

 だからマリコさんに令状を持たせるなとあれほど。「鬼に金棒」と言うよりかは、「馬鹿に鋏」の方が正しい気がしてきた。危なすぎる。通常回のマリコさんだから振り回しすぎることはないんだろうけど、これ下手なSP回だったら冷や汗もんですよ。マリコさんの方も使い方誤ったらヤバいんじゃね?って。

◆S12のメインテーマキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

君嶋 「この照明……邪魔ですね」
マリコ「あの……この照明、切ってもらえませんか?」

 「令状はあります」の一言で、一体二条院大学はいくらの研究費をドブに捨てさせられたのだろうか。警察に請求しても却下されそうだしなぁ。マジで可哀想。
 それはそれとして、S12のメインテーマに乗せられて描かれる捜査・鑑定描写はカッコいい。いいところはいい。んだけど、それ以外のところが非常に気になる回でもあり……みたいな。

◆演出の難しさ

 被害者に手のひら切られた状態で揉み合ったなら、被害者の何処かに犯人の血液ついててもおかしくなさそうだけどなぁ。これは、なんか脚本の意図を演出が汲み取りきれてない感じだと勝手に予想。
 園長の演技がすごかった。単に死体を見つけた動揺かと思いきや、佐向さんがいるはずの場所にいなかった動揺であり、なのに土橋さんは(ご遺体として)いたという動揺だったわけだよね? すげーなぁ。知ると意味が反転する演技と演出、ここはすごく綺麗だった。
 だけに、揉み合うところのベタさよ……

◆井手「結局、私がしたことは、警察の捜査を妨害しただけでした」

 実際にこうやって妨害しちゃった系の人が自覚してるのは珍しいと思う。自覚があるだけマシ。再登場して役立ってくれればええんやで。その時は、心理カウンセリングがもっと良く描かれるといいな……間違いなく、必要な人には役立っている分野なんだから。

◆声なき悲鳴

マリコ「植物のように、人も耳には聞こえない悲鳴を発することがあるのかもしれないわね」
   「心の悲鳴も、いつか科学で聞けるようになれたら……」

 マリコさんのこのまとめは好きですよ。
 だけに、気になるところが他にいっぱいあるのが、ちょっと悲しい。
 せめて目の前で、声なき悲鳴を上げながら捜査協力してくれた二条院大学の人たちのことは、忘れないでいきたいっすな……いやこれは冗談ですけど。半分くらいは。

雑感

 「声なき悲鳴」でまとめたのはわかるんだけど、でも、「記憶喪失で自身を殺人犯と疑うトラウマ持ち青年」「自らの暴力性を抑えきれず助けを求める青年」「植物の悲鳴」と、要素が多すぎ感が否めない。S16~19くらいの「空白恐怖症か?」とか思ってた頃の悪い意味の櫻井脚本回に思えたな……いや、演出の問題もあるかも知れないけど、たぶん情報ギチギチに詰め込んでるのは脚本の方の問題じゃね?と勝手に思ってるので。
 今回みたいな後味悪い回って、なんで後味が悪いかってドラマについて色々考えさせられる部分があるからでしょ。そうやって視聴者がテーマについて考えるための「余白」がないと、後味の悪さって最大限活きない気がするんです。
 ぎゅうぎゅうに情報が詰め込まれた回もそれはそれで悪くない、面白かったりするんだけど、それは初回みたいな勢いで突き進む話でやってほしくて、今回みたいなテーマ性重視の回は、それこそもう少し情報量落としてもらって「余白」がある方が好みだなぁ、という話です。
 もうちょっと描く対象を絞ってほしかったな、ということなのかな。佐向さんと土橋さん、どちらかと「植物の悲鳴」だけでも十分話は成り立ちそうだったので。
 まぁ、自分が今回のように、「植物の悲鳴」というなかばSFじみた捜査をしてるノリに乗り切れなかった、ということなのかもしれない。
 あと、マジで今回のマリコさんはやりすぎだと思ってるのも、そういうノリに乗り切れなかったからだと思います。二条院大学の人たち、可哀想だよ……
 ファーストインプレッションが微妙だったので、良いところを探そうと思って見返したんですが、「土門さんがプロの刑事さんでカッコよかった」「演出がカッコいいところあった」とかいう、話の流れにはあまり関係ないところぐらいかな。
 なんか、惜しい回だった。偉そうに言うなら、そんな感じです。

次回予告

 マリコさんと防災の達人がvs。そろそろサブタイのネタが切れる頃か。
 マリコさん、サブタイに困るとvsさせられがち。決死の鑑定させられがち。そろそろ、サブタイにツッコミ入れるヤツ、またやろうかな……
 ということで、次回は山の中でロケ。君嶋さんもいっぱいいそう。よかったね。
 マリコさん、また危機ですか?

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