【警視庁失踪人捜査課】第6話 感想

警視庁失踪人捜査課
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CASE.6 消えた花嫁! 3000万の行方

ゲスト:加賀美早紀、加藤虎ノ介、広田レオナ、秋本祐希、柊瑠美、団時朗

うわぁ。

あらゆる意味で、そう言わざるを得ないお話でございました。
ドラマとして見てもそうだし、内容はモロに現実の事件とタイムリーにリンクしてるしで……

現実の事件→同意得ず薬品で堕胎…容疑の医師逮捕
こっちはまだ真相は明らかになっていませんが、この被りようはちょっと……下手したら、自粛・お蔵入りしててもおかしくないレベルだったんじゃないかコレ。

ドラマとして見ると、やっぱり相変わらず描く要素が多く煩雑な印象は受けましたが、今までの話の中では1番丁寧に被害者について描写され、綺麗にすとんと纏まっていてちゃんと納得のできるオチでした。やっと自分が放送開始前に抱いていた理想に近い話というか、良作が来たって感じ。
でも、もう後半もいいところなのに。この枠はエンジンかかるのが遅いのがお決まりなのか。
ただ、ストーリーがあまりに救われないし後味が悪いし現実と奇妙なリンクをしているし、で、素直に「面白かった!」とか「この話、好きです!」とか言えないけど。今までとは違った意味でなんだかなぁ、と複雑な気分になるお話でした。いや、内容には特に文句ないんだけどさ……うん……

ということで、今回の感想へ。なんか今回、いつものような小ネタつつくり回すのはできそうにもないぐらい重い話でした。


◆今回の教訓:不倫はダメ。ゼッタイ。
百歩譲って不倫そのものは自己責任にしても、不倫で子ども作っちゃあダメだよなぁ。不幸になるのは、不倫した本人たちではなく、生まれてきた子どもなんだから。
今回の話がモロに不倫の連鎖によって生まれた不幸だし。その被害者の波瑠さんがあまりに不憫で。最初の引越しの様子なんて見るからにウキウキ気分だったのに、たった数時間後にはあんな結末が待ってた……とか考えると、今までの話の中でも、個人的には1番心にくるものがありました。嫌だなぁ。
思えば、最初に煙草吸いかけてやめたのもちゃんとした伏線だったのか(お腹の子を思っての行動)……そう考えると、今回の話は今までの話とは比べ物にならんぐらいキッチリ作ってるな。今回は脚本と演出が同じ方だったみたいだし、そこらへんも関係してるのかな。ある意味、脚本家の理想通りに撮られたお話なんでしょうね。
彼女の友人であり腹違いの姉妹である凪さんは、本当に最後までいい子で彼女を想って心配し、泣いていた。ピアノの才能は本妻の子である凪さんより、愛人の子である波瑠さんの方に受け継がれていたというのが皮肉な話。でも、それを知らなかったとはいえお互いにそれをやっかむ事も鼻にかけることもなかったっていうところに、この2人の確かな絆を感じられてよかった。
そして、幼い頃の記憶。
それだけが波瑠さんにとっての救いって、しかももう今となっては何もかも遅かったって、本当に重たい……

◆今回、やたら喫煙シーン出てきてたなぁ。『853』並でした。波瑠さんが吸ってるシーンの意味はわかるんですけど、他の人たちも結構喫煙してたのは、やっぱりそれを目立たせない=さりげない伏線にするための演出意図なのかしら。

◆明神ちゃんはとりあえずちょっと落ち着くべき。きめ付けが多すぎ。「やっぱり愛人」とかなんとか。そういう性格なのかしら。前回は高校生より思考浅かったしなぁ……
で、小杉さんも自重すべき。ドロドロの愛憎劇が好きって、顔に出ちゃってますよ。

「あの人の浮気性は、病気みたいなものですから。それも、不治の病」
そうなんだろうなぁ、実際。不倫された側、特に何回も何年も耐えてきた側としては、そうとでも思わないとやっていけないんだろうな。そんなバカ、とっとと別れちまえよと思わないでもないが、なかなかそうもいかないのが現実ってヤツだもんなぁ。
不倫で子どもは作っちゃダメだ。本当に。誰も幸せになんかなれないよ。

◆地味に法月さんが老眼な件

◆児童養護施設のシスターの記憶力が異常。写真見ただけで時期まで即答できるとは……

◆もしも、波瑠ちゃんの幼馴染であり兄妹のような存在だった敦史くんと付き合っていれば、こんな最悪の結果にはならんかったんだよなぁ……彼の話からすると、やっぱり彼女はファザコン型のだめんずうぉーかーだったんだなぁ。最近の刑事ドラマには、幸薄いどころがどん底にいる女が出すぎな気がするんですけど気のせいですか。なんか考えれば考えるほど、見返せば見返すほどに嫌ぁーな話だ。
「大好きな人と結婚して、あったかい家庭を作るの。それがあたしの夢だから」……うわあああああああああ

◆今回の戦犯:波瑠ちゃんの母ちゃん
いやまぁ、秦がクズなのは勿論、名村の父さんもどーしようもないけど、秦にペラっと名村さんからの遺産のことを喋っちゃった母さん。いくらアルコールで頭をやられてるからって、「おいおい、いいのかよ」とツッコんでたら案の定だよ。そのせいで死んじゃったようなもんだもんなぁ、波瑠さん。しかも本人としてはまるで悪気なく、波瑠さんのためを(彼女なりに)思っての言動だから余計に救われない。
元々、不倫してアル中になってるような母さんだからなぁ……喋り方といい、何もかも泥沼にはまって抜け出せなさそうで頭弱そうな感じが出てて、役者さんってあそこまで演じられてすごいと思った。
それにしても、波瑠ちゃんの母さんの声がアニメ声っぽくて年齢不詳で、最初彼女の母さんだってわからんかったのは私だけでいい。なんか、中の人の年齢的にキャスティングに無理ないか。いや、中の人のこと知らないけど。

秦のクズっぷりとどうしようもなさが本気でハンパない件
・既婚者なのにギャンブル狂い
・それで借金が二千万超
・不倫で鬱憤晴らし
・原因は、病院の院長の娘婿養子だってことにストレス溜まってたから
・借金は不倫相手に結婚をちらつかせ、金を出してもらって清算。しかもその金は遺産相続の金
・その上、不倫はとうに奥さんにバレてるし

◆今回、やたら高城さんが感情むき出しだった件。特に秦さんを公園で問い詰める場面は怖い怖い。ラストも、秦さんに思いっきり掴みかかってたしね。
前回といい、女子どもが絡むと本気出すな。エロ男爵だからかやっぱそこらへんが過去設定として最終回に絡む予定なのかな。

◆波瑠さんが、不倫相手の秦の奥さん相手に毅然とした態度を取れた根拠は、ラストに流れた彼女自身の子どもの頃の幸せな記憶(ピアノの発表会の記憶)だったってことだよね。あの時だけが、彼女が幸せを感じられた時だった。でも、それが原因で不倫の連鎖と最悪の結果を生んでしまった、と考えてしまうと、本当に後味悪い話だ……
それはともかく、秦さんの奥さんなんですけどね。少なくとも二千万はアンタの旦那が波瑠さんからむしりとってるって言うのに、手切れ金が100万円ってそりゃあないんじゃないの。「これじゃ足らないっていうの? 脅してるつもり?」っていうか、金は返してやれよ。そういう問題じゃないか。

◆このドラマで初めて、捜索対象が遺体となって発見されました。
……赤ん坊も助からなかったし……ここだけはご都合主義で構わなかったから、せめて、どちらかは助かって欲しかった……ここで泣いたのは私だけじゃないはずだ。
凪さんに無言電話をかけた時、赤ん坊を流産した時、そして死ぬ間際、波瑠さんは何を思っていたんでしょう。やはり、自らの境遇や幼い頃のことだったのかな……

◆秦、上に書いた悪行だけじゃなく、密かに飲み物に中絶薬混ぜて飲ませて、結果的に2人もの命を奪いやがった。コイツ、医者どころの話じゃねぇ。人間としてのクズだ。人の皮を被った鬼だ。これ、どういう罪状になるのかはともかく、かなり重たい罪状で逮捕されて裁かれることを望みます。殺すつもりなんかなかったって、お前はただの人殺しだ! クズだ!
と、なんかもう過剰に感情移入してしまいました。やっぱり、こういう話はくるものがある……

◆最初にも書きましたけど、本妻の子でも愛人の子でも、それ以上に深い絆で真っ直ぐ繋がってたんだよなぁ、波瑠さんと凪さんは……そこはよかった。あと、過去の回想のピアノ発表会のシーン。あそこで父さんに褒められて嬉しそうにしてる波瑠ちゃんと拍手している周りを見て、涙腺が決壊した。
それだけが救いって……もう時既に遅しなんだよ……あまりにも悲しすぎるお話でした。

◆ということで、今回の全ての元凶は
不倫の連鎖を最初に生み出した名村の父さん、ということでよろしいか。

◆最後に。あんまり今回笑いどころがなかったんで、個人的に笑ったところ。
「白衣マジックってヤツですかね。これを着てると、よっぽどブサイクでもない限りよく見えちゃうっていう」
高城「羨ましいですね。僕にも貸してくださいよ」
ここはアレか、エロ男爵の素が(ry) 隣の明神ちゃんの冷たい視線。
うん、笑いどころじゃないのはよくわかってるんだけど、こういうところを笑ってないとやってられないです、こういう話は。

6話目にして、ようやくの当たり……なんだけども、苦いバッドエンドが当たり前だったこのシリーズの中でも、あまりに辛くて重たくて悲しいお話。誰も幸せになってない、というか不幸な方に叩き落されてる話って、見ると体力使うよね……こんな話ばっかりやられると、正直キツいッス。すごく現実的といえば現実的なんだけども。
でも、今回の話の出来には文句ないです。オチがギャグだった4話とかとは比べ物にならん。このクオリティを最終回まで維持して欲しいなぁ……欲を言うなら、エンジンかかるの遅いです。
初めて、このドラマの次週に期待できました。
高城さんの過去に触れるらしいし、ゲストがツダカンだし……期待してます。

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