【その男、副署長】第2話 感想

その男、副署長
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File.2 『牛の爪』と呼ばれた男のナップザックは、なぜ逃走時と逮捕後で重さが違っていたのか?

ゲスト:下條アトム、愛華みれ

監督:石川一郎
脚本:塩田千種

個人的には次回予告のインパクトに全てを持って行かれてしまった感じではありますが、まぁまぁの回ではないかと思います。
期待値に違いがあるとはいえ、前日の『相棒』よりは楽しめた。
だいぶゲストの演技や演出に救われてる感じではあるし、クサくてベッタベタだけど、こういう味を楽しむと割り切るのが『副署長』の見方かなぁ。
今回はベテラン刑事の平松さんと新人・宮下のフィーチャー回だったわけだし、無難に纏めればこんな感じかねぇ。

というわけで、今回の『副署長』感想ー。


◆前回からひそかに、平松さんと新しくコンビを組み始めた宮下くん。
なんかネットを見ると、「可愛い」とか言われてるけど、私は微妙だ……アップにされるとキツい。
それはともかく、単独プレーが好きだったり携帯いじくってたり、モロに『中高年が思い描く若者』像のステレオタイプだったワケだが、基本的な性格はこれでいいかな。程よく反発し、程よくデレると。

◆で、今回のキーマン、河合さん。
『牛の爪』=先が割れてる、たいしたことない と言われた割にはなかなかのくせ者。
てっきり『相棒』の『せんみつ』の槙原みたいな小悪党かと思えば、過去に殺人未遂含め何件か犯罪やらかしたり、のらりくらりと取り調べをかわしてみたり、実はガチの悪党だったという。
いやしかし、今回の話は、ゲストの演技なしには成り立たないくらい、2人ともよかった。

◆平松宮下コンビで、逃げる河合を無事逮捕。GPSで逃走経路予想してたり、宮下も署長に期待されてるだけあって、ただのバカじゃないんだな。
他のヤツらが無計画過ぎなだけだとは思うが

◆河合が持っていたナップザックが軽くなっていたことから、何かを川に捨てたのではないかと疑う平松さん。おお、珍しく冴えてる
しかし相方の宮下は、「何を捨てたのかもわからない、捨てた確証もない」と言って協力を拒否。河合が捨てたという凶器の捜索へ回り、平松さんはひとりで川をさらうことに。
しかし、平さんもそんなバカじゃないだろうと思ってたが、「こんな人見かけませんでした?」と聞き込み→その相手が容疑者とかどんなコントかと

◆一方副署長は、いつものクセでひそかに捜査、被害者と河合が喧嘩していた傍にある居酒屋の女将、妙子さんに話を聞いたり、宮下を諭したり、河合を揺さぶったり、河合の所持品から推理したりと、いつもより頑張ってました。
いや別にいつもサボっているわけじゃないでしょうけど。

◆取り調べをのらりくらりとかわす河合を見て、宮下は副署長の言葉を思い出す。
そして佳子に、相変わらず川の捜索を続ける平松さんのことを言われ、逆ギレ。
で、川をさらう平松さんにまで逆ギレ。
「俺達の世代はみんな大変なんだ! 暗いんだ!」(要約)
もしかしたら脚本家が書きたかったのはここだったのかもわからんけども、何か会話として噛み合ってなくて不自然極まりない状況でした。
しかも役者が下手で……いや、でも上手い人がやっても、不自然になったとは思いますがね。
別に、刑事としての情熱が持てないことに、無理矢理理由つけなくてもよかったんじゃないかなぁ。ここだけは残念。

◆一気に話を纏めると。
真犯人は居酒屋の女将・妙子。彼女には傷害致死(だったかな)で人を死なせてしまい、刑務所の中で獄死した夫がいた。
彼がいた舞鶴刑務所の服役囚が作った小物を買った縁から、舞鶴刑務所へ手紙を送っていたのだった。
その小物を作ったのが、かつて刑務所にいた河合。河合はいい年こいた厨二病で、「こちとら根っからの悪人なんだ。更正とか冗談じゃねー」と返信。
それでもなお妙子は手紙を送り続けたが、河合からの返信はなかった。が、実は服役を終えた後、こっそり何度も彼女の居酒屋で飲んでいて、夫が獄死した悲しみを出さずに頑張る彼女の明るさにほだされていた。
そしてちょうどその頃、妙子の元に被害者が現れた。
「今度、お宅の娘さん結婚するんだろ。夫のことをバラされたくなければ金を寄越せ」
勿論そんな金はないと断るが、しつこいバカな被害者は諦めずにナイフをちらつかせ、揉み合う内に逆に妙子が被害者を刺し殺してしまう。
凶器を捨てたところに居合わせた河合は、妙子を庇うために様々な細工をした。
いいんです。いくらベタでもクサくても。木8や2サスで殺される被害者なんて、こんなもんです。
たまに2時間で10人ジェノサイドとか致死率100%のウイルステロもどきとか突飛なのもあるけど、アレはホラ、科捜研だし。

◆ということで、いつものごとく副署長が妙子さんに自首を促す。
同じ頃、川をさらっていた平松さんと、それに協力していた宮下が、河合の手紙の束を見つける。
河合が川に捨てたのは、妙子へ宛てた出せない手紙だったのだ。
それには、更正の意思と、妙子への好意が綴られていた。
手紙のナレーションから署内で出くわした妙子・河合のやり取りまで、不覚にも涙腺が緩んだ。なっ、泣いてねぇよ!!!

◆それ含め、目立たないながらもなかなか演出なんかが光ってた回かなと。
河合の手紙の束が、さーっと川に流れていくところ。
手錠をかけた妙子が河合に出くわした時、気付いた宮下がさっとハンカチで手を隠してあげたり。
河合がこっそりハンドクリームを手渡してから、妙子は口紅を塗るようになったとか。
特に2つめは、「おっ、宮下いいヤツじゃん」と思った。
というワケで、なかなか今回の切ない演出は嫌いじゃないんですが、河合が手紙書いてる回想シーンの夕日が、やっつけCGっぽかったのはどうにかならんかったんだろうか。

◆そんなこんなで、平松さんや宮下の活躍で無事、事件は解決。
副署長の家で料理を作ってあげる(結構美味そう)
→でも自分の時間を大切にしたいから帰る
→その後、メール。副署長をリスペクトしたり、平松さんに「平さんって呼んでいいですか?」とデレたり
宮下くん、なかなかのツンデレですかね。
この距離感なら、前の上田くんとも被らずいけそうですね。

◆そういや、今回は出番なかった副署長の娘・はるかと、今回も出番がなかった署長ジュニア。
ついでに決め台詞、「俺の我慢もここまでだ!」もなかった。まぁ、今回の副署長はいつも以上にやりたい放題やってたしなぁ。
代わりに、冒頭で平さんが我慢してましたが。

◆そして次回予告で、副署長がまさかの逆さ宙づり
そしてテレ朝版サイトより、次回サブタイ
『その朝、覚醒した副署長の視界は、なぜ上下逆さまになっていたのか?』
こんな人を喰ったようなサブタイがまかり通るのが木8枠のいいところ。
あらすじを見ると、何かいつぞやの科捜研のアレを思い出すんですが、脚本は櫻井さんではなく岩下ゆうこりんらしい。
他にもどうやら元はといえば近藤警務課長の言霊が原因なんじゃねぇか疑惑があったり、殺人ゲームなんてトンデモ展開だったり、モロにネタ回っぽい。
私としては、『相棒』の『アゲハ蝶』みたいなテイストを期待してるんですが、どうなるだろう。

それはそれとして、テレ朝×東映のドラマだと大体、テレ朝版と東映版のサイトがそれぞれあるんですが。
東映スタッフのやる気が、大体斜め上なのはなんなんだろう。
稀に科捜研とか真面目に作ってあるところもあるんだけど、9係の東映サイトとか、あらすじがもはやあらすじじゃなかった。
今年の『副署長』東映サイトでは、何故かあらすじを語るのが、副署長の娘・はるかだったり、テレ朝版でも近藤警務課長が語っていたりと、もうなんていうか、素晴らしいね。

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