【京都地検の女】第1話 感想

京都地検の女
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第1話 上海から来た男

ゲスト:山本陽子、原田龍二、有馬稲子、村井美樹、桝井海雅

脚本:塩田千種
監督:石川一郎

最近、涙もろくなってるのをすごい感じます。
前より人情ドラマに弱くなってる気がする。
ベタに親子ドラマ描いてきたなぁ、って感じで、なかなかの出だしだったと思います。

はい、感想行ってみましょうか。


◆ってことで、今回のテーマは『複雑な親子の愛』。
「唐突な犯人」パターンって、『京都地検の女』シリーズには珍しいんじゃなかろか。今まであったっけ? パッと出てこないや。
そのことからも、今回は(も?)「事件よりも、話のテーマ(人情)描きますよー」っていう構成がハッキリしていてよかったんじゃないでしょうか。っつか、よくよく思い返してみれば、CMで終盤のあの取調室でのシーン、思いっきり使われてましたね。犯人、最初から思い切りネタバレしてたのか。
で、最近ちょうど、“しいたけの栽培に雷(高圧電流)使うと効果的らしい”(はっきりとした原理についてはまだ研究の段階だが、結果としては本当らしいです)ってワイドショーを見たばっかりだったので、「あー、なるほど」と思った。
それがどのワイドショーかははっきり覚えてないんですけどねぇ。
あらヤダ、これまるで鶴丸さんみたいじゃない。おほほほほほほほ。

◆そんな『複雑な親子の愛』。
メインの林一家、っていうか峰生さんの出生の秘密が、ベタだけど重たすぎた。あまりに重たくて、途中から事件が霞んでいた。いやまぁ、そういう話なワケだが。
簡単に言えば、「下衆な男にレイプされて出来た子で、そんな下衆な男を殺した興奮状態で男の面影を持つ子を見て殺しかけました。子どもは殺されかけたトラウマで、人を信じられなくなりました」という、お約束っていうかまさしく2サス的ベタさなんですが……
常々言っているように、子どもをネタにするのは卑怯だと思うんだよね。うん。何このずーんと来る重たさ。
でも、それでも持て余すことなく、話として上手いこと消化できていたのは、役者陣の熱演があったからじゃないかなぁ、と。特に山本陽子さんといっけい。グッときた。

◆太田さんが林峰生さんを説得する場面、シリーズ最終回みたいなノリでしたね。
っていうか、全体的に今回は超やる気満々でしたね。もうこのまま当分登場しないんじゃないかって感じのノリでしたよ。やめて。不吉だからそのノリ、お願いだからやめて。初回効果だと思わせて。お願い。
しかし、峰生さん説得する場面が長かったのか知らんけども、ぶった切られたのがすげぇ悲しいんだけど。
「会ったら(母親の背が)縮んでた」とか、ちょっとギクリとした。
そうなんだよなぁ……気づいた時には母親や祖母の背が私より小さくなっていたり、膝を痛めて歩き方が弱々しくなっていたり。そんなふとしたところに、近しい者や自分の「老い」、そしていつか来る「別れ」を感じて寂しく、悲しくなるんですよね。
『親孝行、したい時には親はなし』と言うけれど、そうなのかもしれないなぁ……
だからこそ、あの先を聞きたかったんだけどな。ぶった切られちゃったよ。

以下小ネタとか。

◆なんだかんだで鶴丸さんなら、本当に200歳まで生きるかもしれんと思った序盤。
今回は鶴丸さん50歳のバースデー。
鶴丸さんのバースデーケーキのろうそくの燃え方が……いや、なんつか、鶴丸さんのキャラを的確に表してるなぁと思った。ものすごい燃えてる。超燃えてる。アレはろうそくの燃え方やない、業火や。
それを一息で消す鶴丸さんってか名取さんの肺活量すげぇ。さすが舞台女優……
「コケが生えそう」な主婦友達を前に『華のアラフィフまっしぐら』宣言、「もう50」と強調するオヤジ軍団には「まだ50」「これからますます円熟味を増してパワーアップする」宣言をなさる鶴丸さん。
この人なら殺しても死なないかもしれん。うん、人間ドックの結果も大体予想が着く。
それにしても、『死ぬまで生きられるジュース』は私も飲みたいです。ほしいです。あのアンチエイジングジュース、本当に効果あるのかなぁ。飲みたい。

◆雷がお得意の東映クオリティCGだった

◆シリーズ6作目にして今更気づいたっていうか、言う場所がなかったっていうか
『京都地検』のタイトルバックって、季節ごとに違うんだねぇ。綺麗だわ。

◆なんだよ、成増さん家の父上、普通に出とるやん。
でも、友子ちゃんに関しては、さらーっと一言「留学した」と……うんまぁ、中の人が事務所辞めたとか云々の事情があるらしいので、こればっかりは仕方ない。
仕方ないんだけど、りんりんとのキャッキャウフフが好きだった身としては(´・ω・`)

『東から来た魔女』(byあやさん)こと、新キャラ・鶴丸圭子さんが登場。早速お小言を言ったり、ベタに埃チェックやったり、あやさんにヒントを与えたり、最後にちょっとデレたけどしっかりあやさんの思惑を見抜いていたりと、しっかり活躍しておられました。
圭子さんがいたから、話に重要な芯が通ったんだよなー、と思うのです。
そういや序盤で、肉じゃがの味にケチつけたりしてましたけど、煮物で大事なのは味の濃さじゃなくて、しっかり煮込んだかどうかだって関西人の祖母が言ってました。味が濃ければいいってもんじゃないと思います!

◆章ちゃんは、コロンボで言うところの「ウチのかみさんが」みたいなもので、本当に頑ななまでにその姿は出ませんが(シーズン1の最後に写メがちらっと映ったけど)今回、色々設定が明らかになってましたね。

・章ちゃんとあやさんの歳の差は6歳、ってのは前から言われてたけど、誕生日は3ヶ月違いらしい。ってことは、章ちゃんのお誕生日は冬なんだね。

・章ちゃんからの電話は珍しいらしい。メールはしょっちゅう来てるのに。

・章ちゃんは自分で言ったことを忘れる「いい加減でだらしないところ」だけ、父親譲りの性格だそうで。

今回の鶴丸さん評
魔女(本人談)
成増さんに呪いをかけてました。鶴丸さんの呪いはよく効きそうだ。
成増さんには、絶対何かよくないことが起こるでコレ、と期待していたのに、最後まで特に何もなくてちょっと残念だった。

山姥(太田さん談)
「あの鶴丸がやりこめられてるかと思うと、それだけで健康になれる!」とかなんとか言ってましたけど、しっかり本人には聞かれている。
思うんだけど、太田さんの愛情表現って屈折しまくってるよね。そこが好きです。

粘着テープ(鶴丸さん曰く、周囲からそう言われるらしい)
粘着テープは剥がそうと思えば剥がせるけど、鶴丸さんはそう簡単に剥がせないから厄介だよね。そういう意味では、瞬間接着剤とかそっちの方が近いかなとか、そんなどうでもいいことを思った。

◆こう言っちゃ失礼なのはわかってるんですが
現代アーティストに興味関心があるなんて意外な一面だよ、太田さん。
あの様子だと、ただのミーハーじゃなくて、マジでファンっぽいな。ごめん、ものすげぇ意外。美人だから惚れたとかそういう理由じゃないもんね。
アート……ねぇ……引越しセンターの人ならすぐ傍にいる。

◆そんなアートな引越しセンターのきな子こと、新人の検察事務官見習いの斉藤加奈子ちゃんは出来る子。ひとりで林峰生さんの生い立ちを調べたり、わざわざフリップを自作したりで。
っつか君、ノリノリでフリップ作って調査結果を報告してみたり、割と楽しそうだね。ゴメン、アレは見た瞬間噴き出した。なんだろう、きな子の演技のおかげもあるのか、ちょっとツボにハマってしまいました。何この子可愛い。
斉藤さんには、これからもこの調子で頑張って欲しいです。今回は、そのプレゼン以降目立たなかったので。
でも、太田さんの「仕掛けに目がいって、(内容が)全然頭に入ってこないんだよ」と、鶴丸さんの「小学生の自由研究じゃないんだから」がものすごい的確でした。
あそこは何回も見直したよ。「何? 次は何が出てくるの? え? あれ、内容が頭に入ってこないよ?」って。

◆細かいこと言うけど、34年前の殺人の後の喜久子さん、ナイフ刺したままだったとはいえ全然返り血浴びてなかったね。
で、飯島さんがものすっげぇとばっちり。
とか思ってたら、しっかり犯行の隠ぺい工作手伝ってやんの。
でも、殺された理由にその34年前の事件は何にも関係なかったから、やっぱりとばっちりであることには変わりないのか。殺された理由も、割と自己中心的なものでしたし。
そういえば、「今回の事件には、34年前の事件が関わってる!」って、鶴丸さんは「主婦の勘!」で言ってたような気がしたんだが、それは結果的にはハズレだった、ってことでいいのかしら。

◆私、一度でいいから、太田さんっていうかいっけいに手を合わせて拝まれてみたい。
と、病院の先生に頼み込むシーンで思った。
っつか、よく「その場にいた人間のリスト」とか作れたね。スタッフはまだしも、患者さんの分まで。まぁ、診察した時間とかで大体の推測なんだろうとは思うんだが、その根気がすげぇわ、太田さん。
そんな太田さんが最後、林峰生さんから生サングラスもらえて報われてたのがよかったです。今回、超頑張ってたもんね。

話は重たかったけど、変わりない鶴丸さんの猛烈なキャラと安定したレギュラー陣の演技に救われてた感じ。ここらへんがお約束的で結構好きな身としては、そこらへんに変わりがなくて安心しました。
出だしとしてはいい感じじゃないでしょうか。私は結構今回の話の構成はアリ、というか、『京都地検』シリーズの方向性を改めて明確にするという意味では、なかなかしっくり来るものだったなーと思いました。
「事件そのものより、人の心のミステリー」って感じでしょうか。

そういえば、せっかく出た大物の有馬稲子さんって、まさか今回限りってことはないよね?
今度出るのは、最終回あたりでしょうか。『副署長』の黛さんみたいな感じかな。

何にせよ、次週以降も楽しみに待ってますよー。

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